ヘンデル:歌劇「ジュリアス・シーザー」(ジュリオ・チェーザレ)」
指揮:ハリー・ビケット、演出:デイヴィッド・マクヴィガー
デイヴィッド・ダニエルス(ジュリオ・チェーザレ)、ナタリー・デセイ(クレオパトラ)、クリストフ・デュモー(トロメオ)、アリス・グート(セスト)、パトリシア・バードン(コルネリア)、グイド・ロコンソロ(アキッラ)、ラシド・ベン・アブデスラーム(ニレーノ)
2013年4月27日 ニューヨーク・メトロポリタン・歌劇場 2014年10月 WOWOW
こういうオペラを昨年放送された2012年ザルツブルク音楽祭に続いて見ることができるようになったとは、感慨深い。
先にも書いたように、19世紀以降のオペラとはまったく違うし、古いところでグルックなどともちがう。オーケストラは悪く言えば一本調子のずんずん進んでいくだけのところが多いし、カストラート、コロラトゥーラの技をたっぷり見せるとはいえ、繰り返しが多すぎて、幕間で指揮のビケットもいっていたように「くどい」という感はある。それでも、幕間の休憩をはさんでライブで見ていたら少しはちがうのだろう。アメリカのミュージカルなんかはこれに通じるところがある。
さて、演出はザルツブルクほどではないが、古代と近代の衣装、武器が混在したもの、グラインドボーンで上演されたのが最初らしいから、舞台はそんなに広くなく、むしろ見やすい。
そして、ダンス、ダンスにつながる動きはよくできていて、ここが飽きさせずに見せるところになっている。
見る気にさせるのは何といってもナタリー・デセイ、とにかくメリハリのある歌にうごきと表情が見事に加わり、ファンとしても満足。小柄だが、筋トレの成果がすごい。
カストラートがそろっているが、シーザーのダニエルスは最初調子がどうかと思わせたが、その後はまずまず。トロメオのデュモーはザルツブルクでもこの役だったが、あっちではもっとしつこい悪役で演出でかなり性的に偏執的な演技もようきゅうされたが(もっともああいうのはニューヨークでは無理でしょう)、今回はかなり典型的ではあるがうまい悪役演技。カストラートとしては大変評価が高いようだ。よくわからないけれど、きれいであまり気にならないところがいいのかもしれない。
あと、コルネリアとセストの二人は他の配役に比べコミカルなところがまるでない役柄、演出としては難しいところだろう。ザルツブルクではちょっと老けてしまったオッター、という楽しみもあったが。
クレオパトラの衣装(8着とか)とその着替えは楽しめた。
指揮:ハリー・ビケット、演出:デイヴィッド・マクヴィガー
デイヴィッド・ダニエルス(ジュリオ・チェーザレ)、ナタリー・デセイ(クレオパトラ)、クリストフ・デュモー(トロメオ)、アリス・グート(セスト)、パトリシア・バードン(コルネリア)、グイド・ロコンソロ(アキッラ)、ラシド・ベン・アブデスラーム(ニレーノ)
2013年4月27日 ニューヨーク・メトロポリタン・歌劇場 2014年10月 WOWOW
こういうオペラを昨年放送された2012年ザルツブルク音楽祭に続いて見ることができるようになったとは、感慨深い。
先にも書いたように、19世紀以降のオペラとはまったく違うし、古いところでグルックなどともちがう。オーケストラは悪く言えば一本調子のずんずん進んでいくだけのところが多いし、カストラート、コロラトゥーラの技をたっぷり見せるとはいえ、繰り返しが多すぎて、幕間で指揮のビケットもいっていたように「くどい」という感はある。それでも、幕間の休憩をはさんでライブで見ていたら少しはちがうのだろう。アメリカのミュージカルなんかはこれに通じるところがある。
さて、演出はザルツブルクほどではないが、古代と近代の衣装、武器が混在したもの、グラインドボーンで上演されたのが最初らしいから、舞台はそんなに広くなく、むしろ見やすい。
そして、ダンス、ダンスにつながる動きはよくできていて、ここが飽きさせずに見せるところになっている。
見る気にさせるのは何といってもナタリー・デセイ、とにかくメリハリのある歌にうごきと表情が見事に加わり、ファンとしても満足。小柄だが、筋トレの成果がすごい。
カストラートがそろっているが、シーザーのダニエルスは最初調子がどうかと思わせたが、その後はまずまず。トロメオのデュモーはザルツブルクでもこの役だったが、あっちではもっとしつこい悪役で演出でかなり性的に偏執的な演技もようきゅうされたが(もっともああいうのはニューヨークでは無理でしょう)、今回はかなり典型的ではあるがうまい悪役演技。カストラートとしては大変評価が高いようだ。よくわからないけれど、きれいであまり気にならないところがいいのかもしれない。
あと、コルネリアとセストの二人は他の配役に比べコミカルなところがまるでない役柄、演出としては難しいところだろう。ザルツブルクではちょっと老けてしまったオッター、という楽しみもあったが。
クレオパトラの衣装(8着とか)とその着替えは楽しめた。