9月30日(土)~10月1日(日)
「剱岳」、やってきました!
北アルプス北部、富山県立山連峰の盟主にして”岩と雪の殿堂”と称され、岳人憧れの山です。
中学生の時、新田次郎の「チンネの裁き」という山岳小説を初めて読んだ。その中で描かれてたクライミングや山道具、山男たちの姿が、凄くカッコよくて憧れたのだ。その舞台となってたのが「劒岳」だった。その後、僕は新田次郎の山岳小説を貪るように読み、高校生になる頃には僕の中に明確な山への渇望が芽生えた。それが今日の山人生へと繋がった。
3年前の冬、唐松岳山頂から始めて剱岳を見たとき、戦慄が走った。
僕の登山人生の中で、やっとその時が来たということです。
濃厚な二日間。
最高の山行になりました!
前日(9/29)
今年の夏山シーズン中には、ビッグネームの槍ヶ岳か劒岳のどちらかはやりたいと思ってた。
8月が雨続きで、9月の初めにやっと槍ヶ岳を落とせた。これで今シーズンの夏山はもう充分だと思った。
この週末、天候が安定するのは分かってた。
今週はまだ雪は降らない。たぶん次の低気圧通過が夏と冬の分岐点になるだろう。
相手は”劒岳”、気軽に行って良い山じゃない事ぐらい知ってる。
やれる方法を慎重に考えた。
今の僕の体力と技術なら、山小屋利用の速攻登山なら行けると判断した。
やるべ!!
夜、中央高速を飛ばし、立山・黒部アルペンルートの長野県側の起点となる扇沢に向う。
扇沢駐車場にて車中泊。(A4だと体を伸ばして寝られます)
1日目(9/30)
扇沢から立山・黒部アルペンルートのトロリーバスやケーブルカーなどを乗り継いで室堂まで移動します。
室堂からは、劒岳アタックのベースとする山小屋「剣山荘」まで3、4時間のアプローチトレッキングとなる。
起点の扇沢駅。
8:30のトロリーバスに乗り込みました。
トロリーバスで黒四ダムまで進む。世紀の大工事だった黒四ダムの工事用トンネルを、今は観光用のバスが走る。このトンネル工事も「灼熱隧道」などの小説になってます。
黒四ダムの堤体を歩いて渡る。
凄い迫力だなぁ。土木設計屋として襟を正したくなります。
ダムから富山側は、ケーブルカー、ロープウェー、トロリーバスと乗り継いでやっと室堂に到着。
始めて来ました。
立山が目の前に広がり、すばらしい天気です!
さあ、ここからは歩きです。剣山荘までコースタイム約4時間。今日は急ぐ必要は無いので、のんびりトレッキングを楽しみましょう。
室堂は観光地ゆえ、道も整備されてます。
立山とミクリガ池。
観光客と写真撮影の人々がたくさんいます。確かに綺麗だ。広角レンズで撮りたいですね。
雷鳥沢キャンプ場が見えてきました。この辺で観光客は戻ってゆきます。
大絶景ですね。氷河が削ったカール地形です。
ここはテント張ってのんびりするには良いなぁ。
テン場まで降り、次に別山乗越しまで雷鳥坂を一気に500mほど登ります。
雷鳥坂の途中で振り向くと、立山から室堂までが一望。
別山乗越し(峠みたいなところ)の御前小屋に到着。
ここで昼食にラーメンを頼みます。しょっぱいスープが疲れた体には最高の御馳走だ。
そしてそして、劒岳がその姿を現しました!
ここまで岩々ギザギザの山は無いですよね。
槍・穂高の岩とも違う、なんと言うかホント”殿堂”って感じです。
来ちゃいましたなぁー!
見てるだけでも感動します。
そして、ほんとにあんな所登れるのかよって思ったよ。いやマジで。
ここから先は、歩くほどに剱岳が徐々に近づいてくる最高の展開。
右下は剣沢カール。
左上は劒御前。
そして目の前にはズ~ッと劒岳。
この辺から登山道は不安定な岩でザレてきます。
しかし最高の天気だ!
池塘もある。周辺には万年雪があるので水が枯れることは無い。
14:20 剣山荘到着。
今日はほぼ満室だそうだ。
やはり今年最後の剱岳を狙ってやって来た登山者が集結してるようだ。
剱岳を狙う登山者ばかりなので、初心者っぽい登山者はあまり見当たらない。
やはりこの山は、それなりのレベルが必要なようです。
夕方になると急激に気温が下がり、小屋の中でもフリースでチト寒い。
外は一気にガスが出て、風も20m/s近く吹いてる。予報通りとはいえ厳しい光景ですね。
この時間に小屋に到着する人もいて、けっこう難儀したようです。
僕は山小屋泊は苦手だが(一人だと時間を持て余すし、寝床が狭い)、今日は布団一枚に一人ずづ寝れたし、食事も美味しくてGood。
何人かに翌朝の出発時間を聞いてみたら、4時から5時ぐらいが多いですね。
山小屋の朝食は5:30とのこと。
僕は5時出発予定なので、朝食は弁当にしてもらい夜のうちに受け取る。
いよいよ明日が本番!
クーッ 緊張するなぁ!
21:00消灯。
2日目(10/1)
4時起床。
睡眠導入剤を飲んで寝たので、ぐっすり眠れた。ふらつきも残ってないのでOK。(これ大事!)
食堂で朝食用の弁当を食べる。暖かいスープのサービスが嬉しいね。
荷物の軽量化をしたかったので、お茶を多めに飲んどいて、携行する水は500mlに抑える。
5:00 準備を整え小屋を出る。
キーンと寒い。0℃近いんじゃないかな。
満点の星空だよ!
いよいよ劒岳アタックの開始だ。
小屋から頂上まではすべて岩稜ルートで、頂上まで順調にいけば2.5時間から3時間程度。
特に中間部の前劒あたりから先は、手も使う四足歩行の岩登りとなる。
全行程気の抜けないルートです。
最初からヘルメット着用。ヘッデンを付けて出発する。
他の登山者も黙々と準備を整え、山頂目指して出立してゆく。
東の空。
地球の色です。
先行者のランプが見える。
あんな所をこれから行くのか・・・
ヘッデンの明りを頼りに岩屑の登山道を踏み外さないように慎重に進む。
槍・穂高方面に比べ、登山ルートの目印がやや少なく、ルートファインディング力が多少なりとも必要だと思う。
刻々と変化する神秘の色あい。
だいぶ明るくなってきました。
前半戦はこんなザレ場も多い。
高所で迎える神々の瞬間。
稜線に出た。
富山の街が遠くに見える。
振り向くと昨日歩いた剣沢カールが朝日に輝いてる。
前を仰ぎ見る。
登頂ルートの核心部が始まった。
前剣の小ピークに到達。
日本海が見えてる。影劒。
ちょっと小休止。天候は安定してます。
ピーク部がこんなに近くなってきた。
ついに来ちまったな。
けっこう厳しい岩場が多いが、鎖が設置されているし、ホールドも豊富なので、三点支持がしっかり出来れば通過できると思います。
クライミング経験があれば、特に苦労することは無いかな。
カニノタテバイかな。
高所恐怖症だと辛いかも。
ここまで来れば頂上はもうすぐだ!
7:20 登頂!
ついに来ました”劒岳”
憧れて憧れての劒岳!!!
ソロの人が多くて、みんなで写真撮りあいっこします。
僕も撮ってもらいました。
嬉しいー!
標高2999m
僕の腰のあたりがちょうど3000mってことだね。
日本の測量史に残る偉大なる三角点。
明治時代、未踏峰だった難攻不落の劒岳に、陸地測量部がこの三角点を決死の作業を経て成し遂げた。
同時期に日本山岳会が剱岳の初登を狙っていた。
測量技師の執念の籠った三角点です。
このあたりは、「剱岳点の記」「春を背負って」など、小説や映画になってます。
僕自身、20代の頃は測量士だったので、この三角点に触れてなんか感無量です。
さて、山頂からの絶景を。
南側。
今登って来た別山尾根ルート。
右奥の平らな所が室堂ですかね。
東側。
鹿島槍ヶ岳、五竜岳、唐松岳など後立山連峰の山々。
足元の岩稜は八ッ峰の尾根かな。怖いですね。。。
北側。
北方稜線沿いにチンネ、三の窓などバリエーションの宝庫。
西側。
富山の街から日本海。凄いところまで来たものだ。。。
おっと、南のアップ。奥のひと際尖がったのが、この前登った槍ヶ岳!
富士山も見えちゃうんですね。
その右が北岳。左は八ヶ岳。
さすがに3000mまで登っちゃうと、高い山同志は見通せちゃうんですね。
狭い山頂は大混雑です。
みんな天候を見て同じタイミングで頂上アタックするので、厳しい山はこういう感じになっちゃうんですね。
特に今日は穏やかなので、皆さん山頂をゆっくり満喫してます。
強風なんかだと、頂上タッチで直ぐに下山しちゃうもんな。
さあ、下山を開始します。
下りの方が事故が多いのは周知の事実。集中力を切らさず下降します。
ここを全部下って、昨日の出発点室堂まで一気に歩きます。
これがかの有名な早月尾根かな。
来たルートを戻るが、何か所か狭い場所は登りと下りが別ルートで巻いてます。
安易な一歩が落石を起こしてしまう。慎重に下降するのみ。
登ってるときは周囲をあまり考えることが出来なかったが、ここが平蔵のコルかな?
落ちたら止まらんなぁ・・・
前劒のトラバース。
狭いので慎重に。
難しくはない。落ちなきゃ大丈夫なとこばかりです。当たり前か・・・
手を使う場所はだいぶ無くなって来た。
剣沢の紅葉が昨日よりも進んだ感じがする。
山小屋が見えてきた。
ヴィクトリーロードを下ります。
9:40 剣山荘に無事到着!
ヘルメットを脱ぎ武装解除。緊張から解放された瞬間だ。
小屋で自分への御褒美でコーラを飲み干す。
美味い!
大休止の後、室堂までのんびりトレッキング。4時間ってところかな。
劒沢カールの中を途中まで下り、右上の鞍部を超えてゆきます。気持ちよさそうだなぁ。
紅葉もあと一週間ぐらいかな。
ハイマツの緑とのコントラストが素晴らしいです。
テント組も登頂を終えて撤収してます。
同じ日の登頂組には、連帯感のようなものが芽生えますね。
何度も振り返って眺めちゃいました。
”雪と岩の殿堂 剱岳”
登っちゃったんだなぁ。。。
また来たい山ですね。
ヒタスラ劒沢を詰め、御前乗越しを超え、雷鳥坂を下り、、、
雷鳥平からみくりが池までの、ダメ押しの登り。
ミクリヶ池まで来ると観光地。
13.25 室堂のバスターミナルに帰着しました。
ここで登山は完了です。
あとは立山・黒部アルペンルートを辿り、扇沢まで。
15:10 無事扇沢の車に戻り完了!
ヤレヤレです。
薬師の湯で汗を流し、大団円。
槍ヶ岳登れただけでも満足なのに、劒岳までやれたのはホントにラッキーでした
ソロ登山の機動性を最大限発揮し、好天のチャンスをものに出来たのが勝因かな。
劒岳別山尾根ルートは、一般登山ルートとはいえ、中級者以上の実力は必要と思います。
僕はクライミングを齧っているので、岩登り自体は全く問題なかったが、やはり天候判断、時間配分、ルートファインディングなど、総合力が試される山だなぁと思いました。
大きくて充実した山行が出来ました。
バンザーイ!!
「剱岳」、やってきました!
北アルプス北部、富山県立山連峰の盟主にして”岩と雪の殿堂”と称され、岳人憧れの山です。
中学生の時、新田次郎の「チンネの裁き」という山岳小説を初めて読んだ。その中で描かれてたクライミングや山道具、山男たちの姿が、凄くカッコよくて憧れたのだ。その舞台となってたのが「劒岳」だった。その後、僕は新田次郎の山岳小説を貪るように読み、高校生になる頃には僕の中に明確な山への渇望が芽生えた。それが今日の山人生へと繋がった。
3年前の冬、唐松岳山頂から始めて剱岳を見たとき、戦慄が走った。
僕の登山人生の中で、やっとその時が来たということです。
濃厚な二日間。
最高の山行になりました!
前日(9/29)
今年の夏山シーズン中には、ビッグネームの槍ヶ岳か劒岳のどちらかはやりたいと思ってた。
8月が雨続きで、9月の初めにやっと槍ヶ岳を落とせた。これで今シーズンの夏山はもう充分だと思った。
この週末、天候が安定するのは分かってた。
今週はまだ雪は降らない。たぶん次の低気圧通過が夏と冬の分岐点になるだろう。
相手は”劒岳”、気軽に行って良い山じゃない事ぐらい知ってる。
やれる方法を慎重に考えた。
今の僕の体力と技術なら、山小屋利用の速攻登山なら行けると判断した。
やるべ!!
夜、中央高速を飛ばし、立山・黒部アルペンルートの長野県側の起点となる扇沢に向う。
扇沢駐車場にて車中泊。(A4だと体を伸ばして寝られます)
1日目(9/30)
扇沢から立山・黒部アルペンルートのトロリーバスやケーブルカーなどを乗り継いで室堂まで移動します。
室堂からは、劒岳アタックのベースとする山小屋「剣山荘」まで3、4時間のアプローチトレッキングとなる。
起点の扇沢駅。
8:30のトロリーバスに乗り込みました。
トロリーバスで黒四ダムまで進む。世紀の大工事だった黒四ダムの工事用トンネルを、今は観光用のバスが走る。このトンネル工事も「灼熱隧道」などの小説になってます。
黒四ダムの堤体を歩いて渡る。
凄い迫力だなぁ。土木設計屋として襟を正したくなります。
ダムから富山側は、ケーブルカー、ロープウェー、トロリーバスと乗り継いでやっと室堂に到着。
始めて来ました。
立山が目の前に広がり、すばらしい天気です!
さあ、ここからは歩きです。剣山荘までコースタイム約4時間。今日は急ぐ必要は無いので、のんびりトレッキングを楽しみましょう。
室堂は観光地ゆえ、道も整備されてます。
立山とミクリガ池。
観光客と写真撮影の人々がたくさんいます。確かに綺麗だ。広角レンズで撮りたいですね。
雷鳥沢キャンプ場が見えてきました。この辺で観光客は戻ってゆきます。
大絶景ですね。氷河が削ったカール地形です。
ここはテント張ってのんびりするには良いなぁ。
テン場まで降り、次に別山乗越しまで雷鳥坂を一気に500mほど登ります。
雷鳥坂の途中で振り向くと、立山から室堂までが一望。
別山乗越し(峠みたいなところ)の御前小屋に到着。
ここで昼食にラーメンを頼みます。しょっぱいスープが疲れた体には最高の御馳走だ。
そしてそして、劒岳がその姿を現しました!
ここまで岩々ギザギザの山は無いですよね。
槍・穂高の岩とも違う、なんと言うかホント”殿堂”って感じです。
来ちゃいましたなぁー!
見てるだけでも感動します。
そして、ほんとにあんな所登れるのかよって思ったよ。いやマジで。
ここから先は、歩くほどに剱岳が徐々に近づいてくる最高の展開。
右下は剣沢カール。
左上は劒御前。
そして目の前にはズ~ッと劒岳。
この辺から登山道は不安定な岩でザレてきます。
しかし最高の天気だ!
池塘もある。周辺には万年雪があるので水が枯れることは無い。
14:20 剣山荘到着。
今日はほぼ満室だそうだ。
やはり今年最後の剱岳を狙ってやって来た登山者が集結してるようだ。
剱岳を狙う登山者ばかりなので、初心者っぽい登山者はあまり見当たらない。
やはりこの山は、それなりのレベルが必要なようです。
夕方になると急激に気温が下がり、小屋の中でもフリースでチト寒い。
外は一気にガスが出て、風も20m/s近く吹いてる。予報通りとはいえ厳しい光景ですね。
この時間に小屋に到着する人もいて、けっこう難儀したようです。
僕は山小屋泊は苦手だが(一人だと時間を持て余すし、寝床が狭い)、今日は布団一枚に一人ずづ寝れたし、食事も美味しくてGood。
何人かに翌朝の出発時間を聞いてみたら、4時から5時ぐらいが多いですね。
山小屋の朝食は5:30とのこと。
僕は5時出発予定なので、朝食は弁当にしてもらい夜のうちに受け取る。
いよいよ明日が本番!
クーッ 緊張するなぁ!
21:00消灯。
2日目(10/1)
4時起床。
睡眠導入剤を飲んで寝たので、ぐっすり眠れた。ふらつきも残ってないのでOK。(これ大事!)
食堂で朝食用の弁当を食べる。暖かいスープのサービスが嬉しいね。
荷物の軽量化をしたかったので、お茶を多めに飲んどいて、携行する水は500mlに抑える。
5:00 準備を整え小屋を出る。
キーンと寒い。0℃近いんじゃないかな。
満点の星空だよ!
いよいよ劒岳アタックの開始だ。
小屋から頂上まではすべて岩稜ルートで、頂上まで順調にいけば2.5時間から3時間程度。
特に中間部の前劒あたりから先は、手も使う四足歩行の岩登りとなる。
全行程気の抜けないルートです。
最初からヘルメット着用。ヘッデンを付けて出発する。
他の登山者も黙々と準備を整え、山頂目指して出立してゆく。
東の空。
地球の色です。
先行者のランプが見える。
あんな所をこれから行くのか・・・
ヘッデンの明りを頼りに岩屑の登山道を踏み外さないように慎重に進む。
槍・穂高方面に比べ、登山ルートの目印がやや少なく、ルートファインディング力が多少なりとも必要だと思う。
刻々と変化する神秘の色あい。
だいぶ明るくなってきました。
前半戦はこんなザレ場も多い。
高所で迎える神々の瞬間。
稜線に出た。
富山の街が遠くに見える。
振り向くと昨日歩いた剣沢カールが朝日に輝いてる。
前を仰ぎ見る。
登頂ルートの核心部が始まった。
前剣の小ピークに到達。
日本海が見えてる。影劒。
ちょっと小休止。天候は安定してます。
ピーク部がこんなに近くなってきた。
ついに来ちまったな。
けっこう厳しい岩場が多いが、鎖が設置されているし、ホールドも豊富なので、三点支持がしっかり出来れば通過できると思います。
クライミング経験があれば、特に苦労することは無いかな。
カニノタテバイかな。
高所恐怖症だと辛いかも。
ここまで来れば頂上はもうすぐだ!
7:20 登頂!
ついに来ました”劒岳”
憧れて憧れての劒岳!!!
ソロの人が多くて、みんなで写真撮りあいっこします。
僕も撮ってもらいました。
嬉しいー!
標高2999m
僕の腰のあたりがちょうど3000mってことだね。
日本の測量史に残る偉大なる三角点。
明治時代、未踏峰だった難攻不落の劒岳に、陸地測量部がこの三角点を決死の作業を経て成し遂げた。
同時期に日本山岳会が剱岳の初登を狙っていた。
測量技師の執念の籠った三角点です。
このあたりは、「剱岳点の記」「春を背負って」など、小説や映画になってます。
僕自身、20代の頃は測量士だったので、この三角点に触れてなんか感無量です。
さて、山頂からの絶景を。
南側。
今登って来た別山尾根ルート。
右奥の平らな所が室堂ですかね。
東側。
鹿島槍ヶ岳、五竜岳、唐松岳など後立山連峰の山々。
足元の岩稜は八ッ峰の尾根かな。怖いですね。。。
北側。
北方稜線沿いにチンネ、三の窓などバリエーションの宝庫。
西側。
富山の街から日本海。凄いところまで来たものだ。。。
おっと、南のアップ。奥のひと際尖がったのが、この前登った槍ヶ岳!
富士山も見えちゃうんですね。
その右が北岳。左は八ヶ岳。
さすがに3000mまで登っちゃうと、高い山同志は見通せちゃうんですね。
狭い山頂は大混雑です。
みんな天候を見て同じタイミングで頂上アタックするので、厳しい山はこういう感じになっちゃうんですね。
特に今日は穏やかなので、皆さん山頂をゆっくり満喫してます。
強風なんかだと、頂上タッチで直ぐに下山しちゃうもんな。
さあ、下山を開始します。
下りの方が事故が多いのは周知の事実。集中力を切らさず下降します。
ここを全部下って、昨日の出発点室堂まで一気に歩きます。
これがかの有名な早月尾根かな。
来たルートを戻るが、何か所か狭い場所は登りと下りが別ルートで巻いてます。
安易な一歩が落石を起こしてしまう。慎重に下降するのみ。
登ってるときは周囲をあまり考えることが出来なかったが、ここが平蔵のコルかな?
落ちたら止まらんなぁ・・・
前劒のトラバース。
狭いので慎重に。
難しくはない。落ちなきゃ大丈夫なとこばかりです。当たり前か・・・
手を使う場所はだいぶ無くなって来た。
剣沢の紅葉が昨日よりも進んだ感じがする。
山小屋が見えてきた。
ヴィクトリーロードを下ります。
9:40 剣山荘に無事到着!
ヘルメットを脱ぎ武装解除。緊張から解放された瞬間だ。
小屋で自分への御褒美でコーラを飲み干す。
美味い!
大休止の後、室堂までのんびりトレッキング。4時間ってところかな。
劒沢カールの中を途中まで下り、右上の鞍部を超えてゆきます。気持ちよさそうだなぁ。
紅葉もあと一週間ぐらいかな。
ハイマツの緑とのコントラストが素晴らしいです。
テント組も登頂を終えて撤収してます。
同じ日の登頂組には、連帯感のようなものが芽生えますね。
何度も振り返って眺めちゃいました。
”雪と岩の殿堂 剱岳”
登っちゃったんだなぁ。。。
また来たい山ですね。
ヒタスラ劒沢を詰め、御前乗越しを超え、雷鳥坂を下り、、、
雷鳥平からみくりが池までの、ダメ押しの登り。
ミクリヶ池まで来ると観光地。
13.25 室堂のバスターミナルに帰着しました。
ここで登山は完了です。
あとは立山・黒部アルペンルートを辿り、扇沢まで。
15:10 無事扇沢の車に戻り完了!
ヤレヤレです。
薬師の湯で汗を流し、大団円。
槍ヶ岳登れただけでも満足なのに、劒岳までやれたのはホントにラッキーでした
ソロ登山の機動性を最大限発揮し、好天のチャンスをものに出来たのが勝因かな。
劒岳別山尾根ルートは、一般登山ルートとはいえ、中級者以上の実力は必要と思います。
僕はクライミングを齧っているので、岩登り自体は全く問題なかったが、やはり天候判断、時間配分、ルートファインディングなど、総合力が試される山だなぁと思いました。
大きくて充実した山行が出来ました。
バンザーイ!!