沖縄の梅雨が空けると、関東は梅雨本番を迎える。
これは太古よりの習わし。
夕方外を歩くと、傘をささずに歩ける程の霧雨が降っていた。
道端に咲くアジサイは、本当に梅雨がよく似合う。
アジサイって、綺麗とか美しいという言葉では言い表せず、可憐とか可愛いとも違う。
僕にはドンピシャな言葉が見出せないが、とにかく心が豊かになる花です。好きだなぁ。
「梅雨」というと少し情緒的だが、太平洋高気圧の縁で雨が降るのだから、これは紛れも無くアジアンモンスーン。
海外遠征を計画する時、このモンスーンを避けるか否かが、けっこう重要なファクターとなります。
釣り人側から言えば、雨より晴れの方がありがたいが、水の中に居る魚にとって雨は関係ないだろう。
むしろ空の暗さとか、水の濁りをどう感じているかだよな。
数年前の僕は、6月ともなればカジキが気になって仕方なかったが、今はそこそこ落ち着いてます。(笑)
潮況チェックも、たまーに見る程度。
むしろ梅雨時の釣り物としては、シロギス、バス、シーバス、渓流あたりがひじょうに気になるのです。
これらの魚を、しっとりとした空気の中で釣るのが僕は好き。
そぼ降る雨に包まれて静かに釣りをしていると、合羽を伝い落ちる雨粒とともに自分の体も自然に溶け込んでゆくような、そんな至福の感覚に包まれます。
ふやけた指先が、少年の心を僅かに甦らせる。
アジサイの美しさや、雨の日の釣り人の心情を、開高さんならどの様に書き表せてくれただろう?
梅雨が空けぬうち、早く釣り場に出掛けなきゃ!