東京都写真美術館で開催中の「黒部と槍」という写真展に行ってきた。
撮影者は、冠松次郎と穂苅三寿雄という、共に明治生まれの登山家。
撮影年代は明治、大正、昭和初期。日本の登山の黎明期で、北アルプス一帯はまだ殆ど人の入っていないエリアだったそうです。
映画「剣岳 点の記」の時代ですね。
いわゆる芸術写真ではなく、記録写真的な作品なので、登山隊の様子なども頻繁に登場する。
山登りを嗜む者としては、山の風景と共に人物や装備なども大変興味深かった。
作品の中には、僕自身が先週唐松岳から見た白馬岳や五竜岳の写真もあった。勿論剣岳も。
中でも、五竜の写真はほぼ同じ位置から撮影したもの。季節も同じ。
僕は思わずスマホを取り出し、自分で撮った五竜と、100年前の五竜とを見比べた。
人間の装備や服装は劇的に進化したけど、山そのものはまったく変っていません。
当たり前の事だけど、ちょっとジーンとしました。
新旧二枚の写真を見比べて、あらためて自然は悠久で偉大だなぁと実感。
我々は、その懐で一生懸命遊ばせて貰いましょう。