悠々人生

気が多すぎて「時間破産」状態。もっとゆっくりとした人生が目標です。

「佐倉惣五郎と宗吾信仰」の講演会

2008-07-06 21:52:09 | Weblog
 坐禅会、ダーツの会を休んで悠々大学の講演会に出席した。悠々大学とはユーカリ地区を中心にした高齢者の会で毎月第一日曜日に勉強会を開いている。今回は聴講生として参加させてもらった。

 佐倉惣五郎(宗吾)は義に厚く、時の権力者である佐倉藩(堀田家)の圧政下、重税に抗し、民・百姓を救うために将軍家綱に直訴し、捕らわれて妻子ともども死罪となったという物語で有名。 

 佐倉惣五郎については平成15年度に佐倉国際文化大学で1年間勉強した時に、ゼミで「佐倉惣五郎事件の考察」のテーマでレポートをまとめた。史跡を歩いたり、国立劇場で歌舞伎の「惣五郎義民伝」をビデオ鑑賞するなど 10ヶ月にわたって足で調査をした。

 結論は史実として確定したものではない。しかしながら歌舞伎や浪曲、映画なので伝承されるだけではなく、神として祀られ信仰の対象になっていることも事実である。

 当然のことながら我々の研究の結論も伝承なのか、史実なのかの判断は出来ない、ということにした。今日の講演は地元で惣五郎事件を研究されている成田高校の教諭鏑木先生だった。鏑木先生は本日のテーマと同じ題名の本を出されているし、その後も研究を続けられているので新しい話が聞けるか楽しみにしていた。

 先生の見解は伝承では堀田氏を悪大名、惣五郎氏を民衆の味方としているが、事実は違う。堀田氏は善政を数多く行っている。惣五郎事件も当時の百姓一揆を抑えるための対策だったことが考えられるという。

 少なくとも歌舞伎で泣かせる甚平衛私は史実ではない。義民として崇め立てられるのだが、幕末、黒船、悪疫、飢饉、そして一揆の多発した時代背景を考えることも必要だ。

 義理人情の薄くなった現代にこそ、伝承であるとしても「佐倉惣五郎物語」を考える価値があるように思う。
コメント
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