まだ若い繁殖雌馬。
フレグモーネになって、治療をしていたのだが自潰し、
包帯を巻いていたのだが、肉芽が増勢し、切除に来た。
もう外へ大きくなった肉芽だけでなく、他の太くなった皮下織にも結合織が増勢し、その中に微少な膿瘍ができている。
こうなっては完治はしない。
体の抵抗力が落ちたときに再発を繰り返す。
塊状の肉芽を切除し、焼きごてで止血した。
このように肉芽増勢した理由がsarcoid化なのかどうか、パピローマウィルス検査に出した。
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今年、初種付けして受胎している繁殖雌馬。
壁を蹴る馬で、後肢を腫らすことがあったのだそうだ。
それで、フレグモーネだとなって獣医師に診せるのが遅くなった。
抗生物質療法を10日間以上続けているが、自潰し、肢の形や蹄の動きもおかしい、とのことで来院した。
馬は、後肢は、球節を屈曲させると飛節と膝も屈曲する。そのとき、蹄関節も屈曲する。
こういう後肢の曲がり方、球節が屈曲しているのに蹄関節が伸展しているのは、屈腱の機能がおかしくなっているのだ。
腱鞘にも感染が起こり、屈腱が伸びるか切れるかしてしまったのだろう。
もうまともに歩けるようにはならないし、痛みも完治しない。
いずれ対側肢が蹄葉炎になったら立てなくなる。
あきらめることになった。
深屈腱は切れてはいないようだった。
屈腱腱鞘炎は起こしている。
種子骨靱帯も伸びてしまっているのだろう。
趾のメインの血管の中に大きな血栓ができていた。もう血行が途絶えていたはずだ。
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フレグモーネはこじらせると完治しなくなる。
よくある病態なのだが、致命傷になりうる病気だと思って治療・管理する必要がある。
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きのうは、午前中、競走馬の腕節骨折の関節鏡手術。去勢もいっしょに。
午後は、競走馬の腕節骨折の関節鏡手術。
競馬場にいるときから相談されていたので、私が執刀した。
夕方、繁殖雌馬の疝痛。
ひどく痛くて立っていられない。
夜間放牧のために昼過ぎに放したのだが、夕方たまたま疝痛しているのを発見できた、とのこと。
結腸捻転だった。
発見と決断が早かったので大丈夫だったが、危なかった。
手術が終わったのが7時過ぎ。
カルテを書きながら、つまむ夜食はサクランボ。
贅沢だな~
この繁殖雌馬、麻酔は覚めているのになかなか立ち上がろうとせず、
起きて入院厩舎へ移せたのは9時近かった。
激痛でのた打ち回ってへばっていたのだろう。
皮下織も肉芽増勢しているので、簡単にはひかないのですよね。
血行の悪い組織ができあがり、その中に菌が小さい膿瘍を作っているので、抗生剤も届きにくく、治まったように見えても、再発します。
私の愛馬アルテミスも肉芽があります。
二頭とも繋が白い肢ですから、繋皹から来たのかもしれませんが、その管理も難しいです。
サクランボ食べ放題!良い子供時代ですね。
この頃、雨が多すぎるかもしれません。
蹄をみると、あまりお手入れしていないかも。と思わされる。
それでも受胎しているのかぁ。酷な気がする。
たまたま発見するにも観察眼。
自ら受診できないおんまさん、大変かもしれないけど、大事に管理しなくちゃですね。
サクランボ、今が旬ですね。子供のころは毎日木に登って取り放題、食べ放題。雨で割れたり傷のあるものは食べてはいけない。夜は食べ過ぎないように。と教わりました。
放牧地、いい牧草が育っているでしょか?