馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

小結腸腸間膜ヘルニア

2012-05-07 | 急性腹症

繁殖雌馬の小結腸腸間膜が分娩時に破れ、血行が途絶えた小結腸が壊死して腸閉塞と腹膜炎を起こすことがある

腸間膜が破れても、血管の損傷がひどくなければそれだけで済んでしまうのだが、あとになってその腸間膜の孔に他の腸が入り込んで腸閉塞を起こすことがある。

今日は急患で、分娩後2ヶ月の繁殖雌馬の疝痛。P4031931

立っていられないほど痛い。

血液もそこそこ悪い。

開腹手術すると小結腸腸管膜ヘルニアだった。

(右写真は別症例の小結腸腸間膜の裂孔)

今日の症例は、小結腸腸間膜の孔が奥深くまで裂けていて縫うのがたいへんだった。

おまけに入り込んでいた小腸の腸間膜も裂けて出血が多く、昼過ぎまでかかってしまった。

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今日も血液検査は休み明けで、busy。

そこへまた繁殖雌馬の疝痛の連絡。

続いて、2歳馬のヘンな跛行。

夕方、子宮穿孔の連絡。

当番チームに任せてきた。

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P5072039 桜も咲きだした。

春らしい1日だった。


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