誰がどこから持ってきたのか、家においてあったので読んでみた。
ニュータウンと呼ばれる住宅地で定年を迎えたお父さんたちの日常、そして街が抱える問題。
企業戦士だったお父さんたちは、仕事を失うとすることがない。
散歩で交流することになるが、ある者は病に倒れていく。そういう歳なのだ。
ニュータウンは同じ年齢層、同じ社会階層の者が集まっている。
意識的にそうしたのだ。開発業者も、住民もそれを望んだ。
住民とともに街も老いていく。
二世帯住宅に建て替えて子供と同居する家もあるが、うまくいくとは限らない。
子供は出て行き、連れ合いを亡くし、独居老人になるお父さんもある。
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地方から出てきて、東京で働き、一戸建てを構えたのは「勝ち組」と見られることもある。
しかし・・・
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故郷で早逝した母を想う章はよかった。
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この小説の主人公たちは、昭和初期の生まれ。
私の親の世代だ。
今は、かつてこのように社会を支え、社会を形成した”中流”がすでに崩壊しつつあることが問題になっている。
意識しないでいても、私たちは逆らえない社会や経済の流れの中で生きているし、
自分や家族の生活もその中にある。
この小説はどこかコミカルなのだけれど、今の世相を描くならもっとシリアスなものにならざるをえないのかもしれない。
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どうして”ゴジラ”なのか、興味が湧いたら読んでみて。
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オレはこの環境が気に入っているけどね。
振り返ってみれば、他の選択肢などさしてなかった、のかもしれません。
おおむね正しかったということだと思います。
そのような人は大抵誠実に生きていて、ある程度の知性も備わっていて
顔も穏やかなので周囲からも快く受け入れてもらいやすく
何処で暮らしても死ぬまで幸せが続くと思います。
気に入ったところで生きられる、すばらしい。冷えますし、ご自愛くださいますよう。