朝、飛節OCDの関節鏡手術は、来院した患馬が膿性鼻漏、呼吸数増加、発熱、のため延期。
SAAは0だった。
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昼前、跛行していた繁殖雌馬が死んだ、とのことで剖検。
骨盤骨折だった。
骨盤骨折していると、内腸骨動脈を傷つけて出血死することがある。
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午後、今週私は血液検査。
月曜が休日だったこともあり40件以上の検体があったが、半分は仔馬のベビーチェック。
先日、今年初めての細菌性関節炎の仔馬もFPT;Failure of Passive Transfer (免疫移行不全)だった。
IgG値を含めて獣医師のチェックを受けておくことは意味がある。
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2時前から1歳馬の四肢球節の手術。
中手骨・中足骨の矢状稜のOCDが3肢にあり、残り1本の前肢には第一指骨に骨嚢胞がある。
全部一度に手術する。
関節鏡手術で1cm以上ある骨軟骨片を取り出した。
骨嚢胞は4.0mm海綿骨スクリューでとめた。
4球節手術して2時間弱。
2回に分けて手術する必要はないでしょう。術者が疲れること以外は・・・・
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で、4時前からもう2週間にわたって疝痛を繰り返している繁殖雌馬の診察。
分娩後、1月末から疝痛が続いている。
4日前にも来院した。
盲腸便秘を疑った。
そのとき投与した流動パラフィンは通過した。
しかし疝痛が続き、食欲もなくなった。
「開けてみますか・・・・・・」
馬の腸管手術はかなりがexploratory celiotomy 探査的開腹手術として始まる。
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盲腸は気張していた。ガス抜きする。
小腸は液状内容が溜まっている部分があった。反吻側へ推送する。回盲部も容易に通過する。
小結腸を引き出し、直腸まで手を伸ばして触る。異常なし。逆に横行結腸も触る。異常なし。
大結腸を・・・・普通の位置にない。盲結腸ヒダからたどると盲腸の右背側へ大結腸が入り込んでいる。
膨満も肥厚もないので引張り出せた。骨盤曲を切開して内容を棄てる。
結腸変位だったのだろうか?しかし、下剤も通過したし、結腸自体も膨満もなく、まったく傷んでいない。
再発する可能性があるのでcolopexy 結腸固定術を行った。
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翌朝、相棒を連れて様子を観にいった。
元気食欲良好。
ということは、結腸変位だったのか・・・・
ごくごくまれに、下剤や電解質液は通過するが痛みの原因になっている結腸変位の症例がある。
そういうと学生のとき、第四胃左方変位を起こしながら何ヶ月も生活できたホルスタインの症例報告を読んだことがある。
以前、疝痛なのにススキを食べていた馬がいたことを思い出しました。例外ってあるんですね。
生まれても死んでも忙しくなるのですね。
こういう場合、便のチェックは大事なことかな、って思った。出産のとき変位したのでしょか?
オラ君の散歩、元気になったおかぁさん馬、いい景色を想像できてうれしいです。
15年以上使っている関節鏡手術セットはそろそろ更新したいのですが、見積は1千万を超えていました;涙・笑・怒。
馬は少々痛くても食べますよね。食べないというのは相当なんでしょう。
術者は普通には暮らせません;笑
出産後の腹腔内の変化によって変位したのでしょうね。
馬が調子良いと入院厩舎の雰囲気も明るいです。