馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

またまた結腸亜全摘 

2023-08-27 | 急性腹症

昼1時、繁殖雌馬の疝痛が来院。

朝6時から痛くなったが、ひどくはなかったらしい。

3時間前からひどくなった・・・・・

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来院したら立っていられないほど痛い。

PCVはどういうわけか41%、しかし、躊躇している時間もない。

開腹したら大結腸はひどい色、赤紫。特に腹側結腸。

骨盤曲切開部の粘膜は完全壊死。暗黒赤色。

あきらめるか、結腸亜全摘出してみるか。

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今年は結腸亜全摘する馬が多い。

もう10頭以上やっただろう。

以前はもっと素直にあきらめていたのかもしれない。

それでも結腸亜全摘して生き延びている馬もいる。

大結腸切除・吻合は、馬外科の必須の手技だ。

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翌日、馬は食欲もあり、hand feeding も始め、帰って行った

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ムクゲ。灼熱の中。

涼しげじゃないけど・・・・なかったらもっと暑さが辛いかも。



8 コメント

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Unknown (はとぽっけ)
2023-08-27 11:57:59
 すでに10頭以上ですか。以前もそのくらい適応となる馬がいたということですか?
 良好な予後が期待できるようになったからでしょか?この馬は朝6時に受診したほうがよかったのでは?
 馬ってよく食べますよね。それでも術後はさすがに食べませんか?食べない馬は帰せないですよね。

 ムクゲって花びらの質感や枝先に咲くその風情が涼しげだと思います。ホリホックによく似た花。
 ミントやローズゼラニウム、ラベンダーなどが今朝の庭仕事にさわやかさをもたらしてくれました。
>はとぽっけさん (hig)
2023-08-27 18:59:10
いえ、今年はひどい結腸捻転が多いように思います。特にこの暑さになってから。
日照りと暑さでたいして草は伸びてない、とも聞くのですが。

受診はできるだけ早く、そして上診の決断もできるだけ早く、ということですが、夏はセリの季節で、獣医さんはレポジトリーやら休みやら、牧場は馬運車がないとか、いろいろです。

術後食欲がない馬もいますし、麻酔が覚めると食べたがるのもいます。食欲旺盛なのは結構ですが、好き放題食べさせるわけにはいきません。

ムクゲはハイビスカス風で南国情緒だと思います。灼熱の中より、朝露に濡れている方がいいかな。
Unknown (zebra)
2023-08-30 06:02:58
折り返しているとはいえ大変な手術ですよね。
腸の内容に何が起きているか予測させるような変化は無いのでしょうか。

およそ3時間おきに節目が来たのでしょうけれども、酷くなり出した辺りには壊死が始まったのでしょうね。
こういうのはフルにキシン打ったくらいで何か変わるのでしょうか。
血液サラサラくらいには寄与するのでしょうけれども。
プライマリーの獣医師ももうできる事なさそうです。

ムクゲは下にベタベタ落ちんのがちょっとなーという人もいます。。
不思議なんですけれど、水回りの良い樹木は我慢ならずに色づき始めているみたいですね。
台風が来たから引っ張ったみたいで、だんだん涼しくなって来ました。
気持ちですね笑
>zebraさん (hig)
2023-08-30 19:58:18
馬の大結腸は往復5mということになっていますから、70%の亜全摘だとして3.5mの切除ということになります。径が大きいですから、ね。
目の付け所がいいですね。いつか結腸捻転を起こした結腸内容のVFAを測定してみたいと思いながらやらずにきました。VFAは消化管の動きを妨げる、という情報もあるようで、醗酵のしすぎが停滞と捻転を引き起こす要因になっているのかもしれません。

やっと酷暑も終わったようです。終わってしまえばもはや懐かしいような・・・
Unknown (zebra)
2023-08-31 06:14:39
自動変換依存で誤字が酷いですね。。

折り返し点が切除されるというのも楽じゃ無いでしょうね。
かつて術後そこが破裂してダメになったということはありませんか。
そうでなければそれもすごい話なのでは無いかと思っていますけれども。

数切っている人にしかわからない経験的官能(なんか卑猥)があっても良い様な気がするのですが、その辺はいかがでしょう。
こういう時の内容物の臭気はどうの、みたいなですね。
VFAの組成が変わっていけばその辺的面来そうですけれども。
ただ、飼っていて予兆として掴めなそうなマイルドな変化にも思えますし、もっと急激な事が起きていても良いのかも知れません。
客観的に評価しあぐねている情報は色々あって、そこをわかっていて専門なのかなとも思います。
薬置いてるだけ、注射うっているだけ、切っているだけにしかモノを見れないではどこ行って何やっても素人止まりなわけでして。
最後結果がついてくるか否かもその辺なのかも知れません。
>zebraさん (hig)
2023-08-31 07:13:29
もともとの結腸捻転による壊死が進んで吻合部が壊死したことはありますけど、それ以外は大丈夫なようです。

結腸捻転発症馬の便の分析もしてみたら面白いと思います。いかにも青草飽食、あわ立つような(牛の泡沫性鼓脹症のような)便、という症例がいます。

治療するだけでなく、獣医さんがもたらす情報、特にアドバイスの価値は大きいと思います。
ちょっと食わせすぎじゃない。
あっちの牧場でこういう事故があったよ。
駆虫しないとダメだよ。
最近の獣医さんはそういう「余計なこと」を言わなくなってしまったのではないでしょうか。
Unknown (zebra)
2023-09-01 05:51:04
切除が上手くいけば基本的に破裂するということはないのですね。
問題のある腸管内容も圧倒的除去を受けるでしょうし。

泡沫性鼓脹症みたいな、となると面白いというよりそこが主戦場なのではないでしょうか。
当然起こり得ますよね。
そして超音波像に特徴が出てくるかも知れません。
それ取り除かなければならないとなれば、現地で即手術の判断までもできそうですね。

コンプライアンス尊守の優秀さんが増えたのかも知れません。
言っていることに責任取れないの裏返しなのかも知れないですけれど、じゃあなたの言っている事何?書いてある事羅列しているだけじゃそれも放言でしかなくて、結果コンプライアンスエラーなんですけれど、となります。
座敷わらし追い出して注射打ってりゃ良いんだ、で上手く行くんでしょうかね。
その注射が意味あったのかという話になったり、不具合の原因なんかにされたりするんでしょうけれどね。
>zebraさん (hig)
2023-09-01 06:24:33
結腸切除する前には内容は骨盤曲切開部からできるだけ完全に排泄させ、ホースで水を入れて洗っておきます。切断部は開腹手術創に近く、腸鉗子を有効に使えませんし、切断部が大きいので汚れるのをできるだけ避けたいからです。

知識も興味や熱意や責任感やプライドが足りないんじゃないでしょうか。

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