馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

下顎嚢胞性線維腫

2020-06-30 | 歯科・口腔外科

顎が腫れているのに気付かれた子馬。

X線撮影で泡だったようなX線透過亢進域が腫れた部分にある。

嚢胞性線維腫、だろう。

ことし、先に1歳馬を1頭手術した。そして、今度は当歳。

倒馬室で、仰臥にして、静脈麻酔で手術することにした。

もう歯肉まで腫れ上がり、柔らかい部分がある。

しかし、口の中を破ると食べ物で汚れてあとあとやっかいだ。

ドリルで大きな孔を開けると、内容はほとんど血様漿液だった。

内腔を掻爬した。

歯の発生と関係すると考えていて、この場合は永久切歯になれない異常な組織が増殖したのだと思う。

傷が塞がっても、異常な組織が残っていると再発する。

腫瘍、なのだろうが、転移することはほとんどないので、もし再発しても早く気付いてまたやればいい。

                    /////////////////////

完成しました。

快適に泊まってもらえると思う(夜中に急患で起こされなければ;笑)が、

コロナ禍で学生実習は受付中止。

獣医科学生たちも可哀想だが、夢や将来まで先延ばしにはできない。

 

 

 

 

 



2 コメント

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Unknown (はとぽっけ)
2020-06-30 06:56:47
2012-06-24の記事へのリンクでは再発もなく、永久歯でちゃんと食べてる症例が。
 永久歯は写っていないけど、この子もおいしく食べて大きくなれますように。
 ほかの学部や職場でも実習ができない状況を憂慮しているとか。ま、業種によっては就職後もおべんきょ、実習がずっと続くわけで。
 研修心待ちの方々、新築の宿舎に泊まれていいですねー。

 リンクのオラ君がまだずいぶん小さかった。
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>はとぽっけさん (hig)
2020-06-30 18:38:43
実習が必要ない学科、学問だとまだよいですが、実験や実習が不可欠な学科は困ってしまいます。

この夏から実習生が泊まれる予定だったのですが・・・・
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