こたなたよりこんなこと

「登場人物」と「人物設定」は「フィクション」です。人物・企業・団体は実在のものとは関係ありません。

平面な植物園

2011年06月15日 | 博物館・科学館

 「ボタニカルアート」って知っていますか?「ボタニカル」とは「植物学的な」と言う意味で「アート」は皆さんご存知の「芸術」まぁこの場合は「絵画」という意味で、要約すると「植物学的な絵画」になります。でも植物が描かれた絵画なんぞいくらでもあるのですが、それは「植物学的」な描写では描かれていない事が多く、「葉の付きかた」、「花弁の枚数」などが正確に描かれていないのがほとんどなのです。なので「ボタニカルアート」とはいわば「植物の肖像画」というワケです。

 その歴史はユーロ圏ではルネッサンスの時代から「植物画」として一分野を築いてきましたが、日本では「雪舟」などの「日本画」が主題にしている「花鳥画」がありましたが、先ほど書いたよう、「植物学的な精密さ」が無く、「ボタニカルアート」とは言えませんでした。元来の日本的な花鳥画と西洋の「植物画」が戦後「ボタニカルアート」として発展し、1970年にようやく日本ボタニカルアート協会が設立され、その第一人者の一人である「大田洋愛」氏の作品が現在「国立科学博物館 上野本館」の「日本館1階企画展示室」にて公開されています。しかも展示方法が「解説」などが一切なく「作品」のみが並べられているだけと、緻密に描かれた植物画の展示数は100以上はあり、それは「平凡社」から発行された「園芸植物図鑑」で使用された「原画」と素晴らしい物です。ただし、「著作権の問題」から当然「写真撮影」はできませんのであしからず。

 それと、もう一つ。「科博NEWS展示 100年ぶりに発見!ヒメモヅルの新種」というのがありましてそこでは「サンゴ」の隙間で長い腕をうねうねとさせている「クモヒトデ」の仲間の一つである「ヒメモヅル」の新種が100年ぶりに発見されたのです。この「ヒメモヅル」とはどんな生き物なのか?新種はどのようにして発見されるのか?という「新種発見」をきっかけとして、博物館で行われている「分類学」の研究の様子と、分類学者を目指す若き研究者の活躍を紹介した展示となっています。こちら「ミニ展示」ですから展示内容は「パネル」が主になり、それ以外では「ヒメモヅル」の標本が3点と採集、標本用道具が展示されていましたね。

 それでは、本日の登場人物は「博物館」と「美術」が関連しますから当然この方、「ベルジアンタービュレン」の「Chiefille」で「古代美術」を専攻している「ベルギー国立博物館」の「学芸員」である「リリアーヌ・コラフェイス」さんコト「リリア」さんです。緻密に正確に描かれた植物画が並ぶさまは、さながら「平面の植物園」と言えるでしょうね。

2011_06_15

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