昨日から、まぁ「報道」でもありましたが、「国立科学博物館」にて「特別展」である「空と宇宙展-飛べ!100年の夢」が開始されました。
この展示は「1910年」に日本初の「動力飛行機」が実現してから「100周年」を記念して、日本の航空黎明期から現在、そして未来の「航空」と「宇宙」をテーマに展示してあるのです。そして、11月7日までの間は「小惑星探査機 はやぶさ」の「カプセル等」が展示され、それ以外にも日本初の国産ジェット旅客機「YS-11」の風洞実験モデルや「ソーラーセイル実証機 イカロス」の「帆」、初めて日本の空を飛んだ「ハンス・クラーデ単葉機」と「アンリ・ファルマン複葉機」の「プロペラ」など貴重な展示がされているのです。
そして、本日は「水曜日」と「レディースディ」で「女性」は「1,300円」の入場料が「1,000円」になるのです!はやぶさのカプセル展示があるので、混雑が予想されたので早めに家を出て、到着したのは9時30頃。入り口辺りは全く混雑しておらず、人も普段のようでチョット拍子抜けしてしまいました。ともかく、チケットを購入して「特別展示会場」へ。
今回は入り口辺りに「会場案内用パンフレット」の類が一切なく、なんだか寂しい感じ。会場内の撮影は基本的に「可能」ですが、「フラッシュ」の使用は「禁止」となっていますので、コンパクトカメラの方は「フラッシュOFF」に事前に設定する事をお勧めします。入り口からは「動力飛行」が開始される前、気球による飛行や航空機を導入する経緯を貴重な写真資料を交えて紹介してあります。そしてそこを抜けると、順路の区切りが無い「ホール」的な展示会場に。この方式は確かに広々として見やすいのですが、順路がきっちりされていないので、どのように回っていいのか困ってしまいます…。ともかくインデックスの番号通りに進みます。
1910年の初飛行は「海外」から輸入した航空機を使用してのフライトで、その後1920年から「自主技術」による開発が始まります。この時にはもう金属モノコックボディが登場しているんですね。そしてここでの見どころはやはり昭和13年に「航続距離世界一(当時)」の記録を作った「航研機」でしょう。「銚子」、「中島飛行機大田工場」、「平塚航空灯台」、「木更津飛行場」の約402kmの周回コースを回り最終的には約10,651kmを飛行して「国際航空連盟」による「日本唯一」の「世界記録」が公認された航空機なのです。そして、その時代から徐々に戦争色が強くなり、さまざまな軍用機が登場します。これらは精密な「模型」によって紹介されており、「22式ゼロ戦」や「月光」「紫電改」など有名所があります。さらに当時の「プロペラ」や「エンジン」。エンジンは「栄」エンジンの実物が展示されていましたよ。
その後、終戦を迎え、「GHQ」の指導により戦後しばらくは日本は航空機を製造する事ができませんでしたが1950年代に入ると再び航空機の生産が認められ「国産旅客機」であり優秀な性能を誇った「YS-11」の設計図や翼の一部が展示されてます、そして「近代・現在」では「科学万博」でにぎわった「1985年」に試作された「短距離離着陸機」通称「STOL機」の「飛鳥」の模型も展示されていましたよ。個人的なんですが、この「飛鳥」は結構印象に残っているんですよね。懐かしさに少々感動です。あと面白かったのは「素材」である「CFRP」の板が「アルミ」「スチール」と並べて置いてあり、実際に重さを比べられるのは面白かったですよ。あと「YS-11」以来となる「国産旅客機」、「MRJ」も「デモムービー」と「模型」により紹介されていましたね。
次は「宇宙」ですね。日本の宇宙開発と言えば「ペンシルロケット」です。これも当然展示されてます。そして「日本第一号人工衛星」である「おおすみ」さん」も「地球館2階」から出張してましたね。そうそう、出張と言えば「はやぶさ」の「実物大模型」も「JAXA 相模原」から出張してましたよ。ただ「相模原」とは違ってすぐ近くまで行けず、「イオンエンジン」の「灯り」も点灯する事が出来ないのが大きな違いですが。そして「はやぶさ」に関する展示に「カプセル」があり、そちらは会場から少々隔離された所にひっそりと展示されてましたよ。人もそれほどおらず、なんだか拍子抜けです。再び会場へ戻り、今度は「イカロス」の「ソーラーセイル」の実物同等品が1/4サイズで壁面展示されていましたよ。
そこを抜けると何故か「ミュージアムショップ」が。普段なら「第二会場」が設置されているのですが、どうやら今回は無いようで、エスカレーターを登ると普段なら第二会場へと続いている通路がふさがれており、そのままエスカレーターで地上へ出てしまうようになってましたよ。
ともあれ、久々に面白い展示でしたね。私は航空機が好きですから特にそう思えたのかも知れません。でも「1903年」のライト兄弟によって誕生した「動力飛行機」が登場して15年くらいでモノコックボディになったり複葉から単葉になったりとその発展は目まぐるしいモノで、科学技術の発展の早さに驚きますね。そして、現在も航空機は「より早く」「より多く」を目指して発展していくのでしょう。
飛べ!100年の夢 空と宇宙展 http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2010/sora-uchu/index.html
それでは、本日の登場人物はこの方、「ベルギー国立博物館」で「機械工学」の「学芸員」をしている「スキッパーキ」の「Cheifille」である「ブランディーヌ・デュラン」さん。日本の航空史を堪能してみませんか?ちなみに背景はその「空と宇宙展」の会場です。