今月は色々と予定がありまして、なかなか「久喜プラネタリウム」で「一般投影」を見る機会が無く、昨日、「天体観望会」の前にやっと見る事ができました。
「今月のテーマ番組」は「ふたつの日食」でして、当然ながら「ひとつ」目の日食である「金環日食」は終わってしまい、現在「Ver.3.7」くらいなそうですね。まぁ番組終了後さらに手直ししていたので現在は「Ver.3.8」か「4.0」までいった「最終版」になっているのでは無いでしょうかね?
ともかく、「金環日食」は終わってしまったので「日食」に関する簡単な説明がなされ、「ふたつ」目の「日食」である「金星日面経過」です。でもこの「金星日面経過」ですが正直言いまして「地味」な天体イベントなんですよ。
「金星」は「地球」から「約4,100km」も離れており、「月」比べるとその距離は100倍以上離れていることになり、いくら「月」よりも「4倍以上」大きな「金星」でも、その「視野径」、つまり「見かけの大きさ」は「月」が「約30′」と「太陽と同じ」くらいにあるのに対して「金星」は「約1′」しかありません。なので「肉眼」でも見る事はできそうですが「小さな黒い点」が有るようにしか見えません。そして日食のように「全工程」が「約2時間」程度で終わり、「目に見えて」わかる物ではないのです。では「金星日面経過」はこのような流れで見えます。
「日面経過が始まると「金星」は「太陽」の「東側」から徐々に太陽へ接近してきます。しかし、この接近していく様子は「金星」の「夜側」が「地球」に向いているので見ることはできません。さらに「金星」は「太陽」に接近しついに「金星」が「太陽」に接触する「第1接触」を迎えます。さらに「金星」は「太陽面」の内側に入り込み、「金星」が完全に太陽に入った瞬間が「第2接触」になります。ちなみに「第1接触」から「第2接触」までは「約20分」。「金星」は「太陽面」をゆっくりと「西」へ移動し、「金星」が「太陽」の中心辺りへ来たときが「食の最大」になりますが、「小さな黒い点」が「太陽の中心」に行っただけですので通過している経過とビジュアル上変化はありませんし、特別何かが起こるワケでもないんですよ。さらに「金星」は西に進み、当然ながら入った方向とは逆の縁に到達する「第3接触」になります。この「第2接触」から「第3接触」までにかかる時間は、「金星」が「太陽」の中心にどれだけ近い部分を通過するかで大きく変わりますが約6時間もかかるのです。さらに「金星」は「西」へ進んで完全に「太陽」から離れた瞬間が「第4接触」で「第3接触」から「第4接触」までも「約20分」かかり、これで「金星日面経過」は終了します。
タイムスケジュールとしては「東京」では「7時10分」に「第1接触」そして終了する「第4接触」は「13時47分」。つまり延々「約6時間」もかかるイベントなのですが、先ほどから書いているように「ただ黒い点が太陽の上を移動しているだけ」にしか見えませんので「最初」と「最後」のほうだけ観察すれば十分といえるでしょうね。だって6時間近くを見る事は困難ですし、何よりもそんなに見ていたら、休み休みでも「眼」に良くないですからね。
それで、「金星の日面経過」ですが、前回は「2004年6月8日」に起こっています。そう聞くと「結構頻繁に起こるものなんだ」と思われるでしょうが、その「2004年」の前はなんと「明治7年」、「1874年」と「約138年前」と言うことになります。そして、その当時「フランス観測隊」は「神戸」に「メキシコ観測隊」は「横浜」へ来たそうで、それ以外にも「東京」など全部で4箇所ほどに「観測隊」が来日したそうです。「神戸」と「横浜」には「記念碑」が「ひっそり」と建っているので、今度「横浜」のを見に行こうかな?と考えています。
では、なんでそんなに「8年」とか「138年」も間か空くのでしょうか?それは「金星」と「地球」で「公転軌道」が「約3.4°」ほど「傾いて」いるからなのです。たった「3.4°」ですが、日食だって「月」の「地球」との「公転軌道」は「5°」しか傾いていないのですからね。確かに「太陽」「金星」「地球」が並ぶときはありますが、その毎回が起こらないのは「地球」「金星」、この二つの惑星の軌道平面が交わる時に偶然にも「金星」が内合になる場合でしかないからなのです。そして「地球」がこの軌道平面の交線を通過するのは6月7日頃と12月9日頃となるので、「日面経過」が起こるのはこの前後数日に「金星」が「内合」する時に限られるのです。そう考えるとほぼ「年に2回」は世界の何処かしらで起こる「日食」に比べると大変貴重な現象といえますね。
それで、「金星日面経過」は「ハレー彗星」で有名な「ハレー」氏が「水星の日面経過」を見て「太陽」と「地球」の距離である「1天文単位」が当時どのくらいの距離だか計測できていませんでしたので、その距離を正確に出すためそれぞれの「観測地」から「接触」時間と位置を測定しその「視差」から「三角測量」の原理で算出しようと考えたのです。それで「明治7年」の「日本」に「条件が良い」とされ世界各地から「観測隊」が来日したのです。結局この時は「観測機器」の「精度」が悪く「像」に「にじみ」があったので結局正確な数値は得られなかったそうですが…。
そんなワケで「金星の日面経過」は6月6日にあります。そしてこれが見れないと次は「2117年12月11日」と「105年後」となりますから、ほぼこの時代に生きている人は「最後の日面経過」となりますね。
それでは、本日の登場良人物は「プラネタリウム」な話題でしたのでこの方です。「プラネタリウムの妖精」を名乗っている「天元界 天象運行監視室 第二区域局」所属の「天象精霊」である「カスミ・アウロラ・タマノイ」さんです。さて「金星」が一応「太陽の一部」を隠すので「日食」の一つともいえる「金星日面経過」、見えるといいですね。