先日「25年目のフルモデルチェンジ」のコピーでデビューした「レヴォーグ」コト「VM」。本日、私の「SUBARUの師匠」と共に試乗してきました。
さて、「VM」ですが、「BR」、「5代目レガシィ」が大きくなりすぎたと言うことで登場したのが「VM」でして、「日本サイズ」に合わせた設計とされ「BP」より「長さ+10mm」「幅+50mm」「高さ+20mm」「ホイールベース-20mm」と「BP」よりも少し大きいサイズで。一番の特徴は「1.6L DIT FAエンジン」が用意されている事でしょうか。この「1.6L DIT」は「レギュラーガソリン」を使用し、「170ps 25.5kgm」と「2.0L NAエンジン」と同等のスペックをもち、「1タンクで1000km走れる」燃費性能を持っているのです。もう一つの「2.0 DIT」は「BRG」と同じく「300ps 40.8kgm」のハイパワー志向。世間的には「1.6L」モデルが人気で「受注の75%」を担っているそうです。
前置きはこのくらいにして、試乗レビューです。
予め言っておきますが、私は「富士重工」の製品を信頼し、ファンです。そして、「意見・感想には個人差」がありますので。
まずは「1.6L GT EyeSight」から。ある意味一番スタンダードなグレード。内装には「装飾用」以外はほとんど全車種変わりが無いといえますので、基本的に質感は高い気はします。ともあれシートに座ってみると意外とアイポイントが高いですね。「GP」よりも少し高めなのでしょうか?ココ最近の「フロントガラスの傾斜がキツイ」のと、ダッシュボードが長い印象はありますね。フロントの見切りはよいと思いますが、「スラントノーズ」なので角は少々把握しづらいでしょうが、その分削れていますから、そんなに神経質にならなくて済むと思います。イグニッションをONにすると「立体感」のあるメーターが輝きです。全体的に「スッキリ」とした印象ですが「0」の位置が「9時方向」なので少々馴れるまで違和感がありますが、コレは乗っているうちに馴れるでしょうから、大きな問題とはいえませんね。操作系統は「BR/BM」に準じ、最近の「SUBARU車」と共通ですから、操作に戸惑うコトはないでしょう。ずいぶんシンプルになった「シフトレバー」をPからDへ入れ「電動パーキングブレーキ」を押して解除。ブレーキをゆっくり離し「クリープ」で進ませます。さすがに「1.6L DIT」とは言え、回転が低いウチはやはり非力な部分は否めませんが、スルスルと進むことは出来ます。「ディーラー駐車場」から「一般道」へ出ます、縁石の段差では少々ゆれがキツク、スプリングレートが高いかな?と思われる感じ。アクセルを少しづつ踏んで加速させます。大体「2000rpm」くらいから「ターボ」が入るようで、そこからグッと加速していきますケド、このツキが結構急なので、徐々に出力を上げて行きたい時に思った以上に前に進んでしまう印象がありましたよ。それを過ぎてしまえば「2.0L NAエンジン」と大差が無いと感じます。エンジン音はとても静かで、走行中は路面状況にもよりますが、「エンジン音」よりも「ロードノイズ」の方が大きく耳付く感じでした。「SI-DRIVE」は「I」と「S」の2モード。当然「S」の方がアクセルの踏み込み量とのリンクは取れていますね。発進して直線をはそんなに悪い感じはしません。が、停止の時です、減速するときにブレーキを踏んだのですが、これがまぁ「今までの富士重工製」とは思えないブレーキの利き方でして、初期制動が強く、停止寸前のブレーキが残る。いわゆる「停止寸前にカクッとする」のです。しかもコントロールはしづらい。「OEM」であった「トレジア」と同じようなブレーキです。さらにサスも「バンプ」や凹凸が連続するところですと「スプリング」の硬さと言いましょうか、何か「無理やり背伸び」感があり、コーナリングでは今までよりも「重心」の位置が高い振られ方、天井の辺りを引っ張られている感がするのです。丁字路などの小回りではフロントノーズの動きが遅く、回転軸もフロントガラスの付け根辺りにあるような印象で、なおかつ「アンダー」。そうなるとハンドルを切って回頭が遅く、さらにハンドルを切ると今度は思った以上に切れ込んでしまう状態。タイヤの接地感はあるのですが、なんとも安心できないのです。でもエンジンは静かですし、重さを極端に感じるような非力な部分はあまり感じることはありませんし「リニアトロニック」もマッチングは佳いですし、マニュアルモードでダウンさせてもショックは少なく良好な印象です。
お次は「2.0L GT-S EyeSight」です。今回の「VM」では最上級グレードで、サスは「ビルシュタイン」でそのほか「アルミ鍛造フロントロアアーム」に「18インチアルミホイール」になっています。内装関連は「1.6」と変わらず。「EyeSight」は「Ver.3.0」になり薄くなり視界の妨げにはならず圧迫感もありません。「エンジン」をかけてみると「エンジン音」がしますが、エンジンの状態を耳で把握でき、うるささは感じません。むしろエンジンが回っているのが確認でき安心できますよ。さすがに2Lだけあり、低速も「ムリ」がありません。サスも変に背伸びした感じが無く、無難に、車格にあった感じですよ。こちらの「SI-DRIVE」は3モードで「S#」の加速力はさすがです。ブレーキも素直でコントロールしやすい、いつもの「富士重工」のブレーキです。コーナリングの重心は胸より下となり、引っ張られる感じは無いです。だた、「リニアトロニック」と「ターボ」の問題でしょうか。やはりある程度の踏み込みになると思った以上に前に出てしまう場面はありますね。それでも「1.6」よりかは緩やかですけどね。それと、コレはシュチュエーションの問題かもしれませんが「マニュアルモード」での「シフトダウン」で少し「変速ショック」がありましたよ。
私の乗った印象としては「1.6」は無理やり背伸びした感じがあり、さらに「ブレーキ」や「コーナリング」では「富士重工製なの?」と思えるほど。以前乗った「OEM」の「トレジア」の時のような印象です。ヘタすれば「GP5」よりも運転した質感は低く感じます。多分ですが、「他社」からの乗り換えならそんなに違和感が無いかもしれませんが「富士重工製」を乗ってきた身としてはこれは…。
反面「2.0」は今回乗ったのが「GT-S」と「ビルシュタインサス」の最上級グレードだからという部分を差し引いても「富士重工製」である事は実感できましたし、「BR」の後継としても認められる印象でした。
私の「SUBARUの師匠」と話したのですが、1.6があんなモンだとすれば、多少の無理をしても「2.0」の方をおススメできますね。世間では「2.0まで要らない」といわれる方が多いようですが、コレだけの「差が」あるのですから。確かに「1.6」だけ乗れば「こんなものか」と思えるかもしれますが、2.0を乗ってしまうと「1.6よりも2.0」と思えます。レギュラーガソリンである事や燃費などを比較・考慮しても「1.6」にするメリットが無い、逆に運転した時に感じる「差」に感じる「ストレス」や「値段に見合う性能」を考慮すれば「1.6を選ぶ意味は無い」と私は感じました。それだけ「1.6」と「2.0」の「差は大きい」です。ですから、購入を考えている方は絶対に「1.6と2.0」を乗り比べる事を強くおススメします。後悔しないために。
さらに「BP」からの「乗り換え」をかんがえているのならなおさらでしょう。それが「NA」に乗っていたとしたら。正直言ってしまうと「BP」からの乗り換えではやはり「操作系の質感」を考慮するとさらに「シビア」な評価になると思えます。私も「SUBARUの師匠」の「BP9」を何度か運転していますからその質感を知っていますからね。まぁ、完全な新規車種ですから、年改、「C型以降」に期待ってトコでしょうかね。それと「FA」とうまくマッチングのとれた「MT」が出れば相当佳い物になりそうですがね。
それでは本日の登場人物は「SUBARU」に関連しているのでこの方。「ラリードライバー」で「コースカーチーム」に所属している「ノルウェジアン・エルクハウンド」の「Cheifille」である「アルテ・ベルク」さんです。「VM」の「1.6」と「2.0」を試乗した「エルク」さん。歴然とした差から「2.0」を強く勧めています。ちなみに背景は「SUBARUサイト」より「VMの価格一覧」です。