閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

冬苺など

2016-11-09 22:10:06 | 日々

フユイチゴ。地面にきらりと光る赤い実。

 

 

以前はたくさんあった山の斜面にはもうほとんどない。
かわりに庭の中にやたらと生えるようになった。
花壇に植えるような植物ではないけれど、
地面を這うだけで立ち上がらないので大目にみる。
小さいほうの葉っぱはユキノシタ。

 

菊は、芽が出ると適当に切って、適当にさし芽をする。
なぜか今年はピンク系に片寄り、黄色はこれ一本だけになった。 

 

 

リュウノウギク。

 

 

朝顔はすっかり種になりました。

 

 

 

 

 

カラスウリ、あちらにひとつ…

 

 

こちらにひとつ。 

 

またぽつりぽつりと古典を読み始めた。
どうやら秋が深まるとそういう気分になるらしい。
なんだか渡り鳥のようだ。
目的の本を読むのに、まずその背景を知るための本を読む。
その本を理解するためにまた別の本を読む。
と、例によってどんどん目的から遠ざかっていく。
そして、読みつつ、あああっ!と。

前に『酒天童子』を書いたとき、資料を山ほど読んだけれど、
これはさすがに要らないだろうと、手に取らなかった本なのだ。
いまさらながら、ここまで読んでおけばよかった!と思う。
というのは、「足柄山」と「碓氷峠」の意味が解けたから。

坂田公時(いわゆる金太郎伝説)の出身地については諸説ある。
現在は箱根に連なる神奈川県の足柄山がメジャーだけれど、
『酒天童子』では、あえてその説をとらず、「坂田」つながりから
近江国坂田郡の足柄山とした。
平安時代的にみれば近江でいいと思う。
でも、お江戸の人々の感覚では、あれはやっぱり「箱根」なんだなあ。
夏目漱石の『坊ちゃん』で、主人公の赴任先が西の方だと聞いて、
ばあやの清が「箱根の先ですか、手前ですか」とたずねる。
その箱根ですよ。

東西ふたつの文化圏の境界が、足柄山、そして碓氷峠。
江戸末期の生まれのお清さんにしてみれば、
箱根を越えて西へ行くのは外国へ行くようなものだったろう。

京の都を守護する頼光のもとには、摂津出身の綱と季武がいる。
そこへ、はるか東の境界から、公時と貞光が加わる。
そうか。
四天王って、こういう東西バランスで成り立っていたのか。
そして、足柄・碓氷ラインを対称軸として、ずーっと東を見れば、
そこにどんと座っているのが、平将門。
(いえ、このヒトはとっくに死んでるので話には出てこないのですが、
幻の黒幕っていうか、いなくてもちゃんと存在してたわけで…) 

というようなことで、いま読んでいるのは『将門記』。
着陸地点はまだだいぶ先らしい。
以上、メモ兼ひとりごと。

 

車の持ち主が5か月ぶりに帰ってきました。
ウラシマ君、見張りご苦労さま。 

 

本日の「いいね!」

菩多尼訶経(ぼたにかきょう)
(国立国会図書館デジタルコレクション)

文政5年(1822年)出版の植物学読本だそうです。
一切植物食気食水食火食土…って、
お経になっちゃうのが凄い。
読めないけど。 

コメント
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