閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

マットの条件

2009-08-25 14:50:41 | 日々
台所の流し台の前に敷いてあるマットを、
きなこが毎日かじってボロボロにしてしまったので、
新調することにした。

「これはもう捨てるね」と古いのを取り上げて丸めると、
きなこは、ぼうぜんとした顔をしている。
お気に入りの毛布を取り上げられたライナス君のようだ。
すぐ買ってきてあげるから、となだめて出かけた。

「ル-プになってるのは、爪がひっかかるし、
端からずるずるほどけちゃうから駄目」
「あ、これなんか、柔らかくて、くるまりやすいんじゃない」
「でも、あんまり柔らかいと、1日でボロボロだから」
「うーん、やっぱり、ある程度かみごたえもないとねー」

あれでもない、これでもないと、売り場でMと協議する。
きなこが寝て、残りのスペースに人が立つのであるから、
幅には余裕のあることがのぞましい。
どうせかじられてしまうのだから、使い捨て覚悟で、
半年ももてばいい、ということにする。
柄の好みは特になさそうだから、これだけは
いちおう人間の好みも入れさせてもらう。
材質によって味や歯ごたえも違うだろうが、
さすがにそれは試すわけにはいかない。
まあ、店員さんが聞いてたら、なんと思うでしょう。

ようやくコレと決めた1枚は、ベルギー製と書いてある。
(そのわりに和風な柄だし、なにしろ非常にお安い。
愛知県かどこかのベルギーというメーカーじゃないかとMは言う)
買って帰り、値札をはずして、はいどうぞ、と置いてやると、
「…いいの?」
確認するようにちらっと見上げ、
さっそくぱりぱりと小さい爪をたてた。
きなちゃんの幸せマット。

コメント
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