閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

「うみへいくピン・ポン・バス」朗読

2009-08-07 20:33:12 | お知らせ(いろいろ)

ついさきほど連絡いただいたので、とりいそぎお知らせ。

9日(日)朝5時45分~
フジテレビの『忘文』 という番組で、
絵本『うみへいくピン・ポン・バス』(偕成社 2004年)が朗読されます。
毎回1冊、絵本を朗読する番組だそうで、読んでくださるのは稲垣吾郎さん。
早起きの人は見てくださいね。

(追記:わたしは起きられるかなあ? 録画しとこ! と思ったら、
そもそも、この地域では見られない番組なのでした。うにゃあ)


ついでに、こっそり予告。
この乗り物絵本のシリーズ、次作は「道路工事」の予定です。
「はたらく車」がいっぱい出てきますので、おたのしみに。



うみへいくピン・ポン・バス
竹下文子 作
鈴木まもる 絵
偕成社
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絵本のつくりかた・まつりのみこし篇

2009-08-07 15:44:40 | 絵本のつくりかた
えーと、おみこしの絵本をつくっているわけではありません。
(タイトルの意味は最後に説明します)

昨年から、Mとつくっている絵本がありました。
「こういう内容で」と某社から依頼を受けたものです。

昨夏に、文章の第1稿ができました。
年明けて2月には、Mの絵も全部仕上がりました。
あとは印刷を待つばかり、だったのですが…

そこで思わぬ食い違いがいろいろと生じまして、
先方の要求に応じることが困難な状況となり、
まず、わたしが降板を宣言。

(「そして あるまじろは おうちにかえり
  まるくなって ねたふりをしました」)

そのあと、しばらくねばって交渉を試みてくれたMも
あきらめて原画をひきあげ、白紙状態に…。

こういうことは珍しいです。
(「いや、よくあるよ」という方もいらっしゃるかもしれませんが、
少なくとも、わたしには珍しい)
問題があれば、企画段階とか、原稿段階とか、
遅くともダミー(下描き)の段階でストップするはず。
ダミーが通ったのに、本絵で合意が得られないというのは、
ちょっと想定外だったわけです。

本が出て2年で版元が倒産…とか、
倉庫の火災で在庫が焼失してそのまま絶版…とか、
過去にはいろんな出来事がありましたが、
出版前にこちらから「やめた」と言うのは初めてのこと。

で、しばらくは「もういいや~」と放り投げていたのですが、
始めた仕事が終わらないというのは、なんとも中途半端で。
着物の袖つけをするのに、片袖だけつけて放置していると、
もう片袖が化けて出る、なんて言ったもんですが(いつの時代だ?笑)
なんかそんな感じ。

さくさく削除しちゃった文章データはいいとしても、
Mががんばって描いた15枚をこえる原画がもったいない。
これが作品庫に置いてあるかぎり、トラブルの記憶も一生消えない。

そう思って、よっこらしょっ、と再起動をかけまして、
主張する件は主張する。妥協できる件は妥協する。
慎重に協議と確認を繰り返しながら、構成を組み立てなおし、
ネームは6稿まで書き直し、絵も5~6枚をあらたに描く、ということで、
ふたたび出版に向けて動きだしました。

たぶん、冬には、お目にかけられるのではないかと思います。
もうすこしだから、がんばろう。


さて、タイトルの「まつりのみこし」。
神社によって、おみこしにもいろんなタイプがありますが、
これは、威勢のいい宮みこしを思い浮かべてください。

わっしょいわっしょいと町内を練り歩いたおみこしが、
最終的に元の神社に戻ってくる、いわゆる「宮入り」ですね。
これは、ふつう、すんなりとは入らないことになっている。
途中で止められたり、押し戻されたり、もめたり、荒れたりするわけです。
参道を行きつ戻りつ、行きつ戻りつしながら、じりじり前進していって、
担ぎ手も見物も、一番盛り上がった頂点で、ゴールイン。

つまり、なんだかんだあっても、結局はおさまるべきところにおさまる…
ということを、昔の人は「まつりのみこし」と言ったのだとか。

だから、停滞したり、もめたり、苦労すればするほど、
良い本ができるんだ。

…とは、ぜんぜん思ってませんから。
仕事はすんなり気持ちよくできるほうが好き。わたくしは。
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