閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

レタス

2009-05-28 15:36:46 | 日々
先月、レタスの苗を10本ばかり植えた。
ある日、ふと気づいたら、ほとんど全部消えていた。

よく見ると、地面すれすれできれいに噛み切られている。
あたり一面、大きな深い足跡がついている。
こういう食べ方をするのは、鹿だ。

この畑には柵がない。
葉野菜なら猪は食べないから、大丈夫だろうと植えたのに。
鹿がここまで来たのは初めてだ。
となりの列の赤じそにはまったく口をつけた形跡がない。
新緑の野山には、鹿の食べるものがたっぷりありそうだが、
やっぱりレタスは格別なごちそうだったのかもしれない。

うちでつくると、レタスも買ったのよりずっと美味しい。
つやとはりがあり、しっかりした風味がある。
とくに結球しないサニーレタスがいい。
ほうれん草と同じで、丸ごと収穫せず、
食べごろの葉を外側から順に1枚2枚とはがしてきて使う。
花が咲き始めるまで長いあいだ重宝する。

今年は駄目かぁ、とがっかりして、そのまま畑を放置していたら、
しばらくして、切り口から新しい葉が出てきた。

草食動物は、つねに広い範囲を移動しながら草を食べる。
食べつくしているように見えても、じつは地上部分しか食べないので、
残った根から、そのうちまた新しい芽が出てくる。
草は全滅しないし、動物も飢え死にしない。
自然界はそういう仕組みになっている。

…というような話が、たしか子どもの小学校の国語教科書にのっていた。
授業参観に行ったら、ちょうどそこをやっていたのだ。
復活したレタスを見ながら、そのことを思い出した。

新しい葉っぱが、そろそろ食べてもいいくらいになっている。
鹿も、そう考えているかもしれない。
今夜あたり、また来るかな。
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