この夏は、庭の池の蓮の花が次々咲いてきれいでした。
…と書くとどんな広い庭かと思われそうですが、
「池」というのはホームセンターで売ってるプラスティック製ので、
不用品をもらってきて地面に埋めて作ったもの。
ベビーバスより一回り大きいくらいかな。
それでも春先にはカエルさんが集まってきて
「おたまヶ池」になるし、夏は夏で蓮が咲きます。
もとは隣家の人が鉢(甕?)で育てていた
小ぶりでピンクの八重咲きの蓮。
スイレンじゃなく、上にのびるハスです。
朝のうちがきれいなので、毎朝見に行きます。
雨のあとなど、葉っぱの上に銀色の水玉がころころしているし、
つぼみも桃の実みたいで可愛い。
花びらの散ったのは、しんなりすべすべ柔らかくて、
中華のおさじの「ちりれんげ」にそっくり、大きさも形も。
あんまりきれいなので拾ってくるけれど、翌日には
縁のほうからだんだん灰紫になってしおれてしまいます。
学生のころ住んでいた町の、はずれのほうに蓮田があって、
夏の早朝、よく自転車でお散歩に行きました。
蓮田というのは観賞用ではなくレンコンを栽培しているので、
底なし沼みたいに泥が深くて近寄ると怖い感じ。
だから、蓮は遠くに眺めるもの、という気がしていて、
香りをたのしんだり花びらにさわったりできるなんて
そのころは思ってもみませんでした。
そういえば、その行きだったか帰りだったか、
自転車ごと道端の道路標識に突っ込んだことがあって…
人も車も通らないひたすらまっすぐな道なのに。
どう考えても居眠り運転。
(当時は早起きがすごく苦手だったので、
早朝起きてるということはつまり寝てないということ…)
ハンドルと前輪がぐにゅっと曲がっちゃった。
誰にも見られなくてよかった。
あのあたり、蓮田なんかとっくになくなって、
全部埋めて住宅地になっていると思います。
そして今でも自転車に乗れるかどうか自信のないわたし。