Kが宿題の感想文を書くからなんか貸してくれえと言って来る。
課題本はないの?と聞いたら、なんでもいいんだって。
「でもラノベと○○みたいなのは駄目だってさ」。
○○は作家名で、Kは昨年も一昨年もこの人の本で
感想文を提出しているので、違うジャンルのものも
読みなさいというわけ。
本棚をざっと見渡してみる。
いわゆる名作文学の類は、どこの図書館でも読めるので、
自分ではほとんど所有しておりません。
童話とコミックとSFとミステリと短編集とエッセイを除いて、
小説の中から古すぎるのと長すぎるのと妖しすぎるのを除いて、
感想文が書けて、先生も認めてくれそうな本っていうと…
ああ、ないですね、ぜんぜん。
いまどきの高校生はこういうとき何を読むんでしょう。
だいたいわたしはライトノベルとそうでない小説の
区別の基準もよくわかりません。
(表紙の絵がアニメなのがラノベっていうの?)
国語の教科書に辻仁成が載ってたそうなので
『ピアニシモ』を貸す。
(この本がなぜここにあるのか不明、わたし読んだ記憶ないし)
1時間ほどでさらっと読んでしまったらしい。
感想文抜きで、夏休みにおすすめの1冊をあげるなら、
ジョン・クロウリーの『リトル、ビッグ』でしょう。
1冊といっても、2段組で約350ページが上下2巻だから
ちょっとやそっとでは読めないボリューム。
こういうものをみっちり読むだけで
他に何もしない夏って、いいと思うんですけど。