弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

ぼうこうがん新薬・地銀システムクラウド化・大学入試共通テスト・磁気テープ活用・医学部女子合格率

2022-02-23 18:16:38 | 歴史・社会
わが家では、朝日新聞と日経新聞を購読しています。
2月22日の両紙の朝刊に、面白い記事が多々掲載されていたので、それらを忘れないため、備忘録としてここに記録しておきます。

進行ぼうこうがんに新薬 従来薬効かない患者に効果
2022/2/22付日本経済新聞
『尿の通り道などにできる尿路上皮がんの治療に、期待の新薬が登場した。アステラス製薬の「パドセブ」は、抗体と抗がん剤を結合させた新タイプの薬で、従来の抗がん剤や免疫薬が効かない進行した患者に使える。早期のがんや治療の初期段階から使うことを目指した臨床試験(治験)も日本や海外で進行中だ。治療法が限られていた尿路上皮がん治療の「主力薬」となる可能性がある。』
『尿路上皮がんは腎盂や尿管、ぼうこうや尿道にできるがんだ。』
『そこで登場したのが、アステラス製薬と米製薬のシージェンが共同開発したパドセブだ。日本で21年11月に発売され、「ステージ4」の進行したがんの患者が対象だ。』
『ステージ2~3の患者向けに使うための治験も進んでいる。』

これは朗報です。私の近親にも尿管がんを患っている人がいるので、ぜひこの薬で良くなってほしいと願っています。

地銀システムにクラウドの波 コスト圧縮で生き残り
低コスト・軽量へDX 異業種・外資参入で導入相次ぐ
2022年2月21日 日経新聞
『全国の地方銀行が基幹業務を支える勘定系システムを入れ替え始めた。これまではNTTデータなどのベンダーによる中央集権型の巨大システムを使っていたが、技術革新で可能になったクラウド技術を使った分散型の軽量システムを採用する動きが広がっている。米国発のシステムの新潮流は苦境の地銀を救う特効薬になるのか――。
福島銀行は2024年をめどに、米クラウド大手「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」上で稼働するシステムに切り替える。・・・SBIホールディングスがIT(情報技術)企業のフューチャーアーキテクトと開発した新システムを採用する。』
『クラウドはデータセンターの設備や機能をネット上で企業や開発者に貸し出す。』
『北国銀行が21年5月、邦銀で初めて勘定系システムをクラウド化した。米マイクロソフトのクラウド「アジュール」上で稼働している。』
『ふくおかFGのデジタルバンク「みんなの銀行」が米グーグルのクラウド上で稼働し、アクセンチュアが開発した。』

銀行システムのクラウド化は、地銀から広がっていくのでしょうか。
クラウドの進化について、このブログでは「クラウドの世界シェア動向 2021-12-08」、「クラウドコンピューティングとは何か 2009-11-25」で記事にしてきました。
クラウドの御三家についていえば、2009年当時はグーグル、アマゾン、セールスフォースであったのに対し、2021年時点ではアマゾン、マイクロソフト、グーグルになっていました。地銀システムのクラウド化においても、御三家のアマゾン、マイクロソフト、グーグルが中心になって、クラウドのインフラとして用いられているようです。

グーグルも磁気テープ活用 サイバー対策・省電力で再注目
素材進化、記憶容量2倍
2022年2月22日 日経新聞
『企業がデータを保存する記憶媒体として、磁気テープが再び活用されている。読み取りしにくいなど使い勝手が悪く、消費者向け商品は姿を消したが、サイバー攻撃に強く、消費電力が少ないことから企業のバックアップ用として再注目。米グーグルや中国の百度(バイドゥ)も取り入れている。素材開発により容量が2倍以上に拡大するなど技術革新も進む。』
『「近年拡大するサイバー攻撃対策の観点から、磁気テープはHDDにはない利点がある」
HDDは保管中もネットワークに繋がっているが、テープはオフライン環境のため、感染や侵入のリスクは低い。』
『生産量で世界シェア6割超を握る富士フイルム』
『富士フイルムは12年、当時主流だった「メタル磁性体」に代わる「バリウムフェライト」という新たな磁性体を商品化。15年に発表した改良品では粒子の直径が約20nmとメタル磁性体の半分以下に抑えた。』

一般企業のシステムのバックアップ用として、以前から磁気テープが用いられており、ストリーマと呼ばれていることは耳にしていました。これが、クラウドのデータセンターにおいても、大規模に使われていると言うことですね。
「磁気テープはオフラインだからサイバー攻撃に強い」というだけの理由だったら、バックアップ専用のHDDを用意し、バックアップ時以外はオフラインにしておけば済む話です。それ以外のメリットもあるのでしょうね。HDDに比較して電気代が安い、という点は新聞記事に載っていました。

大学共通テストの得点低下 問題作成の考え方、再点検を
2022年2月22日 日経新聞
『1月に行われた大学入学共通テストが記録的な低得点だったことの衝撃が静かに広がっている。大学からは合否判定に使いづらいと不満の声が上がり、問題の作成方針にも疑問符がつく。大学入試センターは検証を進めるが、取り組むべき「宿題」は重い。
「受験生の間で差がつかず、選抜に使いにくい」。今回の共通テストの結果を見た、有力私立大学の入試責任者は困惑気味だ。』
『特に落ち込みが目立ったのは数学Ⅰ・A、平均点が37.96点、前回比19.7点ダウン。』
『分布の山は平均点より低い32点前後。このあたりの学力層が多く受検する大学では数学Ⅰ・Aではほとんど差がつかない。』
『「試験デザインとして失敗」。・・・「苦戦したのは自分だけではないと頭では分かっていても、ショックから第1志望を変更した受験生が相当数いたのではないか」。』
『難易度以上に本質的な問題がある。試験問題の内容と、それを規定する問題作成方針だ。・・・各科目で資料や図が多くなり、読む量が大幅に増えた。・・ここで問題なのは、増えたことに意味があるのかどうかだ。』
『「①と②をともに満たす実数Xがあるときはn=3になりそうだね」といった会話文が多いのも共通テストの特徴だ。
背景にあるのが「問題作成方針」だ。』
『高校や予備校からは「数学の得意な生徒が得点できなかった」との声が多く聞かれる。』
『気になるのは大学入試センターの問題作成能力が落ちているのではないかと言うことだ。・・・無理のある問題作成方針が委員の負担・消耗やモチベーションの低下につながっている面はないか。』

共通テストがひどいことになっているようですね。
そもそも、大学入試の実力判定をペーパーテストで行うに際し、最近は余計なことを要求しすぎです。入学希望者が殺到する中、ペーパーテストで実力判定しようとしたら、基本的には知識と基本的問題解決力を問うことに徹するべきと思います。
そもそも論としては、大学入試の弊害を解決するためには、アメリカの大学のように「入学は易しいが卒業は難しい」というスタイルにすべきで、これ以外に解決の道はないと、私は信じています。

医学部合格率、初めて男女逆転 昨年の入試 文科省調査
三浦淳2022年2月20日 朝日新聞
『全国に81ある国公私立大の医学部医学科の2021年度入試(21年春の入学者を選抜する試験)で、女性の合格率が13・60%となり、男性を0・09ポイント上回ったことが、文部科学省の調査で分かった。データのある13年度以降で、女性の合格率が男性を上回ったのは初めて。女性の方が男性よりも合格率が低い大学の割合も初めて半数を切った。
医学部入試をめぐっては18年、全国10大学で女性受験生らが減点されるなどの差別を受けていたことが発覚。これをきっかけに文科省は調査を始め、結果を公表している。
21年度入試では、女性受験生4万3243人に対して5880人が合格し、合格率は13・60%だった。男性は6万2325人のうち8421人が合格し、合格率は13・51%だった。13~20年度の合格率は、男性が女性を0・74~2・05ポイント上回っていた。』
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