弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

日本にミニバンが誕生した頃

2014-04-25 18:10:39 | 趣味・読書
我が家の愛車遍歴をたどると以下のようになります。全部新車購入です。
1972-1981 トヨペット・コロナ
1981-1984 ホンダ・アコード
1984-1993 三菱・シャリオ
1993-2002 三菱・シャリオ

1981年にそれまで乗っていたコロナの調子が悪くなり、急遽次の車選びを開始しました。当時すでに子どもが2人いたこともあり、今のミニバンのような車を探したのですがどうしても存在しません。ライトバンまで調べましたが、ライトバンは商用車であり、リアサスがリーフ・リジッドとあっては選ぶ気になりません。仕方なくホンダ・アコードにしました。
その後、1984年頃(子どもは3人に増えている)に三菱・シャリオの存在に気づきました。まさに今でいうミニバンであり、3列7人乗りです(下の写真)。見たとたんに気に入り、まだ3年程度であったアコードを下取りに出して入手しました。
 Rudolf Stricker
三菱・シャリオ(初代)

当時、同じクラスでは日産のプレーリー(下写真)とこのシャリオの2種類しかありませんでした。当時私は、クルマ選びの指針として、徳大寺有恒氏の「間違いだらけのクルマ選び」をバイブル代わりにしていました。その84年版で、シャリオについては、操縦性、乗り心地、居住空間、結論のすべてにわたって高評価でした。一方のプレーリーについては、「走る、曲がる、止まるに関しては圧倒的にシャリオが上だ」との評価でした。
 Acty259
日産・プレーリー(初代)

3人の子どもたちが小さいうちは、このシャリオは万能でした。中列をフラットにすれば、子どもたち3人が足を延ばして並んで眠ることができます。長時間ドライブでも子どものけんかが起きにくいという利点もあります。

その後、1台目のシャリオも9年ほど乗って調子が悪くなり、次のクルマ選びになりました。初代シャリオは、それまではちょうど良い大きさだったのですが、子どもたちが大きくなり、特に後列の狭さが気になり出しました。大人には後列はとても窮屈です。そこで、クルマの外形寸法が大きくなってもいいから、大人が窮屈でない座席を有する7人乗りを探しました。しかし、当時はありませんでした。
仕方なく、もう1回シャリオを購入しました(下写真)。
 TTTNIS
三菱・シャリオ(二代目)

その1年ほど後です。ホンダ・オデッセイ(下写真)が発売になったのは。
  IFCAR
ホンダ・オデッセイ(初代)

初代オデッセイは全長が4750mm、二代目シャリオの全長が4,515-4,555mmですから、オデッセイの方が長く、従って室内居住空間もゆったりしていたはずです。当時の我が家の家族構成と照らすと、シャリオよりもオデッセイの大きさの方がフィットしていたでしょう。
その後、ホンダの的確なPRもあり、オデッセイは爆発的に売れていたようです。

当時のシャリオとオデッセイを比較すると、共に「7人乗り3列シートのミニバン」であってコンセプトは同じです。私から見ると、「シャリオは小さな子どものいる家向き、オデッセイはちょっと大きな子どものいる家向き」といえるでしょう。しかし、世の中は、「オデッセイによってはじめてミニバンの世界が開けた」といったイメージ一色であり、シャリオは忘れ去られました。

三菱は、せっかくシャリオといういいクルマを世に出していながら、三菱の営業は全く見向きもしませんでした。宣伝も地味でした。我が家の周囲では、我が家のシャリオを見て「そんないいクルマがあったのか」とはじめて気づき、シャリオやプレーリーを購入した家があります。
我が家の子どもたちが大きくなり、「シャリオよりも大きなミニバンが欲しい」という要請が出てきました。三菱の営業がしっかりウォッチしていれば、ユーザーのそのような要請に気づくはずで、ホンダよりも早く「一回り大きいシャリオ=オデッセイ的なもの」を世に出せていたはずです。

さて、ここから本日の話題に入ります。

第233回 ホンダ オデッセイ 開発者編(前)
フェルディナント・ヤマグチ
2014年4月7日(月)
5代目オデッセイの開発者、ホンダ技術研究所四輪R&DセンターLPL主任研究員、中川真人さんのインタビューです。
《初代オデッセイ》
『中川真人さん(以下中):企画がスタートした時期、アメリカには明確に「ミニバン」という市場がありましたが、日本にはまだ全然成立していなかった。あの手のクルマはワンボックスしかなかったんです。でも所詮は商用のバンですから、とてもファミリーユースに使える代物じゃなかったんですね。
フェルディナント(以下F):商用車だから当然ラダーフレームだし、丈夫なんだろうけど乗り心地は悪い。モノコックじゃないですものね。
中:そうです。ラダーフレームの商用車しかなかったんです。一部マニアックな人がその広さを評価して乗っていましたけれども、一般的ではなかった。
F:オデッセイはモノコックのミニバン日本第一号ですか。
中:第一号です。』


ホンダがオデッセイを発売する前、日本にはすでに、三菱・シャリオ、日産・プレーリーが存在していました。これらは明らかにミニバンです。そして、乗用車ベースで製造されていましたから、モノコックでないはずがない、と信じています。
そうすると、「オデッセイはモノコックのミニバン日本第一号」であるはずがない。

はたして私の勘違いなのか、それともヤマグチさんたちの勘違いなのか、どちらでしょうか。
コメント
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