弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

小保方氏記者会見

2014-04-11 19:43:10 | サイエンス・パソコン
小保方晴子氏の記者会見、USTREAMで2時間半、見てしまいました。
取りあえず、事件後はじめてテレビカメラの前に姿を現し、2時間半にわたって平静に記者会見がこなせたことは良かったことです。

この記者会見で何がわかったわけではありませんが、1点だけ。

理研に裏切られたとは思わないか、という記者の質問に答えて、「そのような気持ちは持つべきではないと思っている」と回答していました。
この回答は、想定問答集に入っていたのでしょうか。もしも入っていなかったのだとしたら、よくぞとっさにこのような回答が出てきたものだと感心しました。「思っていない」と言えば嘘のようだし、「思っている」と答えるのも、引き続き理研で研究を継続したいと考えている小保方さんにとっていい答えではありません。私だったらこのような模範解答はとっさに思いつかなかったでしょう。

小保方さんの研究スタイルについて、例えば実験ノートのつけ方について、なぜ理研は適切に指導ができなかったのか、という点が気になっています。この点に関し、国会での野依理研理事長の答弁を書き留めておきます。

「経験が不十分であるがゆえに有するリスクに対する認識が相当に甘かったのではないか」理研・野依理事長が文部科学委員会で答弁
BLOGOS編集部 2014年04月09日 17:55
『STAP細胞をめぐる一連の騒動について、理研のユニットリーダー小保方氏が会見を行った。同日午前中、理研の野依理事長が衆議院文部科学委員会に出席し、民主党の笠浩史議員からの質問に応じた。』
『笠:平成24年9月13日に、理研でも科学研究上の不正行為の防止等に関する規定というものを1年半前に定めている。この中の第4条に、所属長が、その所属する組織における研究不正防止するために、やらなければいけない、チェックをしなければいけないことが4項目にわたって定められています。
昨日、名前は申し上げませんが、私が党の会議でこのことを理事の方に、「この今回の小保方さんの所属長というのは、センター長になるんですよね」と尋ねたところ「そうじゃないんだ」と。「ユニットリーダーなので、小保方さん自身なんだ」と。何度かそこで「本当ですか?」というやりとりをしても「そうなんだ」という答弁でした。これは事実ですか?

野依:小保方ユニットリーダーが勤めます細胞リプログミング研究ユニット。これは2013年の3月1日に発生・再生科学総合研究センターのセンター長戦略プログラムに設置されております。従いまして、研究不正を防止するという観点からのご指摘にありました第4条の規定による所属長は、研究ユニットにつきましては小保方ユニットリーダーでございます。小保方ユニットリーダーについては、センター長戦略プログラム長がそれに相当しておりまして、発生・再生科学総合研究センター長が兼務しています。 』

理研のユニットリーダーは大学の教授なみの地位だと聞いたことがあります。笠議員の質問に答えた某理事の回答からはそのように聞こえました。
一方、野依理事長の答えによると、「ユニットの内部についてはユニットリーダーが所属長としてチェックするが、ユニットリーダーその人については、ちゃんとセンター長がチェックすることになっている」ということでしょう。
今回具体的には、笹井副センター長が小保方リーダーのメンター役を務めていたとの報道がありましたから、センター長が所属長として小保方リーダーを指導するに当たり、笹井副センター長にその業務を委譲していた可能性があります。
もしそうだとすると、今回小保方さんの「未熟、自己流」が原因で起こっている数々について、直接的な責任はやはり笹井副センター長が負うべきということになります。もちろん、本来の責任者であるセンター長も責任を免れませんが。

笹井さんが近く会見に応じるそうですが、どのような発言をされるのでしょうか。
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