弁理士の日々

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「はやぶさ」地球引力圏突入が確実に

2010-01-14 21:09:33 | サイエンス・パソコン
小惑星「イトカワ」の探査を終えて地球に帰還しつつある惑星間探査機「はやぶさ」は、主推進器であるイオンエンジンを継続して作動させつつ、軌道を地球に向けて修正し続けています。
そしてこの14日、『「はやぶさ」が地球引力圏を通過することが確実になった』という嬉しいニュースを受けることができました。

「はやぶさ」地球引力圏を通過する軌道に帰還できました
「はやぶさは,先週からまた一歩地球に接近する軌道へと移りました.
最接近距離は,約140万kmです.面外からの接近状況も計画通りに推移しています.地球の引力圏を通過する軌道へのったということは,はやぶさが地球への往復飛行に一応の区切りをつけたこと,帰還できたことを示しています.今後は,月軌道半径を通過する軌道へと移行し,また,地球大気への再突入,そして地上でのカプセル回収と,一歩一歩進めていく計画です.
地球まで約6000万km.イオンエンジンによる航行もあと2ヶ月となりました.」

実際にはやぶさが地球に帰還するのは今年平成22年6月です。
現在のはやぶさは、イオンエンジンで軌道を修正しつつあり、「このまま慣性飛行すれば地球に到着する」という軌道に達したところでイオンエンジンを停止し、慣性飛行に移る予定です。エンジン停止予定時期まであと2ヶ月です。


        提供 宇宙航空研究開発機構(JAXA)

上の図は、地球の近くを通過するはやぶさの軌道について説明した図です。「はやぶさのイオンエンジンがX日に停止し、その後慣性飛行を続けたら、はやぶさは地球付近のどのあたりを通過するか」という点に関し、X日をいろいろ変化させて軌跡を記入しています。
例えば、X日が昨年の11月4日だとした場合の軌跡が黄緑の線です。またX日が今年1月6日だとした場合の軌跡が空色の線で、より地球に近い軌跡を飛ぶことがわかります。
そしてX日が1月13日とした青色の線が、いよいよ地球引力圏を通過する軌跡となったのです。

はやぶさは今後さらに2ヶ月間イオンエンジンを運転し、上の図の朱色の「目標軌道」に入ったらイオンエンジンを停止するというわけです。

ところで、はやぶさが地球の引力圏を通過する軌道に入ったからといって、引力圏に入ったところで軌道が曲げられて地球に到達するわけではありません。上図でも、青色の軌道はほとんど地球の引力の影響を受けていないように見受けられます。
それでは地球引力圏とは何なのか。
その点は私も良くわかりません。こちらで説明がされていますが、良く理解できませんでした。

なお、こちらで紹介されているように、はやぶさは12月27日から1月1日までイオンエンジンを停止しており、その間に軌道決定(探査機の位置速度を精密に推定する作業)を行ったようです。その後、無事にイオンエンジンは再開しました。

何だか安心してはやぶさを追いかけることができるようになりました。

p.s.はやぶさの最新ニュースはこちら
コメント
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