弁理士の日々

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ロンドンでのアフガン国際会議

2010-01-30 13:04:51 | 歴史・社会
先日、アフガンでの和解・日本の役割で、ロンドンで開催されるアフガン国際会議について触れました。会議後、どのような発表がされたのでしょうか。

タリバン社会復帰推進 アフガン会議 治安権限移譲も
1月29日7時57分配信 産経新聞
「【ロンドン=木村正人】国際テロ組織アルカーイダが拠点を置くアフガニスタンでの対策を協議する国際会議が28日までの2日間、ロンドンで開かれた。米欧などが大規模増派を決定したのを受け、アフガンのカルザイ大統領はイスラム原理主義勢力タリバンの社会復帰と政治的和解に取り組む考えを表明した。会議は、一部の州について今年後半に、国際治安支援部隊(ISAF)がアフガン側に治安権限移譲を開始することを盛り込んだ声明を採択して閉幕した。
カルザイ大統領は28日の演説で、投降したタリバン下級兵士に金銭と仕事を与え、社会復帰を促す「平和と社会復帰事業信託基金」の設立を明らかにした。期間は3年で規模は2億~10億ドルを想定。日本の福山哲郎外務副大臣は拠出金50億ドルから、設立時に約5千万ドルを負担する考えを示した。
国連は26日、カルザイ大統領の要請で旧タリバン政権の元高官5人を制裁対象者リストから削除。大統領はタリバン幹部がアルカーイダと絶縁することを条件に政治的和解を進める。」

<アフガン>5年以内の治安権限移譲の声明採択 支援国会議
1月29日10時33分配信 毎日新聞
「【ロンドン笠原敏彦】当地で開かれたアフガニスタン支援国会議は28日、同国が掲げる国際治安支援部隊(ISAF)からの「5年以内の治安権限移譲」終了の目標を支持する声明を採択して閉会した。」
「また、ミリバンド英外相は閉会後の共同会見で、タリバン投降兵の社会復帰を推進するための「再統合基金」に各国から計1億4000万ドル(約126億円)の拠出表明があった、と話した。日本は5000万ドルの拠出方針を示した。
 アフガン政府は、国際的批判を浴びている汚職問題で、独立監査組織を設置して取り組む姿勢をアピール。今春カブールで予定される次回支援国会合の前に、伝統的な最高意思決定機関「ロヤ・ジルガ(国民大会議)」を開き、旧支配勢力タリバンにも参加を呼び掛ける方針を表明した。
 これに対し、クリントン米国務長官は会見で「(平和の達成には)敵に関与しなければならない」と語り、政治プロセスへのタリバン取り込みを容認する姿勢を示した。米国も最終的な紛争終結には軍事行動だけでなく、「政治解決」が不可欠と判断していると見られる。」

ニュースから見る限り、タリバン兵士の社会復帰を促す活動について、活動を進めるのはカルザイ・アフガニスタン政府であり、そのための基金(2~10億ドル)を設立し、日本は設立時に5千万ドルを負担する、ということのみがわかりました。
国際基金はお金を準備するだけなのか。準備したお金を実際に使うのはアフガニスタン政府なのか。日本を含む国際社会は、実際に現地に赴いて活動そのものを担うのか担わないのか。いずれもよくわかりません。
下手をすると、日本はお金を拠出するだけで、そのお金を実際に使うのはアフガニスタン政府かもしれません。その場合には、上記ニュースにもあるアフガン政府の「国際的批判を浴びている汚職問題」という体質で、アフガン政府の汚職閣僚がポケットに入れてしまう危険性が高くなります。

ここは是非、日本が「カネを出すが手も口も出す」という方針で、アフガニスタン戦争終了直後のDDR(武装解除)のときの日本の活動と同様に、日本から団体を派遣してほしいものです。そのときの団長は伊勢崎賢治氏でしょうね。

なお、ロンドン国際会議にアメリカからはクリントン国務長官が出席しているのに、日本からは福山哲郎外務副大臣のみで岡田外務大臣が出席しなかったのは寂しいことでした。
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