晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

2023年見たい天体現象「月と惑星の接近(7月~12月編)」

2022年12月31日 | 「見たい天体現象」
2023年見たい天体現象の第7弾「月と惑星の接近(7月~12月編)」です。

 2023年後半はフォトジェニックな月と惑星の接近が思ったほどなかったので、やや遠い接近?も含めてマンスリーイベントとして紹介しま~す。(^^ゞ

7月19日「二日月と水星の接近」(*シミュレーション画像はステラナビゲーター11で作成しています。)

 7月19日の二日月と水星の接近です。水星が2023年2回目の東方最大離角となるのは8月10日なのでまだ高度は低いですが、光度が-0.4等もあるので明るい水星と、これまた二日月としては輝面比が大きく見栄えのある月が接近します。水星の東には金星も輝いているので金星、水星と二日月のコラボとしても楽しめます。


8月9日「下弦翌日の月と木星の接近」

 8月は夕月や有明の月と惑星の接近がないので夜半に見られる木星と月の接近を紹介します。8月8日の23時頃に下弦翌日の月が木星ときれいに並んだ状態で東の空に姿を現します。離角が5°なので接近というよりは並んでいるという感じですが月出時の赤い月と木星を地上の景色と一緒に写すとフォトジェニックな星景になると思われます。


9月14日「新月前日の月と水星の接近」

 これはかなり難易度の高いイベントです。水星出が04時18分なので日の出まではまだ1時間ありますが、水星の光度が1.8等しかないので大気減光を考えると透明度が良くないと水星も月も見えないことが考えられます。見られたら超ラッキー的な運試しイベントと言えます。


10月11日「有明の月と金星、レグルスの接近」

 離角は6°なので見た目としては離れていますがやはり接近相手が金星となると見栄えがします。近くにしし座のレグルスも輝いているので賑やかな接近といえます。薄明が進んだ空で輝く金星とレグルスの接近を望遠レンズで撮影するととてもきれいなので晴れスタ的にはおすすめのイベントです。


11月10日「有明の月と金星の接近」

 11月は新月3日前の有明の月と金星が接近します。離角は約5°、月の輝面比は0.12です。空が明るくなるにつれて星々が空に溶け込んで見えなくなる中、太陽光をもろともせずに輝き続ける金星と月がいつまで見えるかを目で追うのは何度やっても楽しいものです。透明度が良ければ日出後も見られると思うので眼力に自信のある方はチャレンジしてみてください。


12月10日「有明の月と金星の接近」

 12月もほぼ11月と同じ条件で月と金星が接近します。いずれも有明の月なので早起きしないとみられないイベントですが受け皿になった細い月は白道が立っているこの時期限定なので見ておきたいイベントですね。


さて、2022年も残すところあと5時間となりました。
今年もこのブログを見てくださった みなさん、本当にありがとうございました。

今朝撮影した2022年大晦日の朝日です。明日は初日の出が見られるかな?


 来年も相変わらずのゆる~いアップになると思いますが、時間があるときや思いついた時にちょこっとお寄りいただければ幸いです。それでは皆さん、よいお年を~!


12月19日の火星

2022年12月22日 | 火星
冬型の気圧配置が強まりさすがに火星の撮影はもう無理だなぁと思っていたのだが… 
12月19日によもやの快星となって撮影することができた。以下その記録である。

 晴れたといってもこの時期はいつ雪雲が来るか分からないので準備は日没直後から始めた。今日の火星の南中は22時25分。その頃には大シルチスも見えてくるのでそれまで好天が続くといいのだがと思いながら火星が屋根の向こう側から昇ってくるのを待つこと約2時間。

 撮影可能エリアまで昇ったのが18時30分過ぎ、まだ電線過密地帯通過中だが撮影を始めた。

こちらは18時49分撮影のファーストショット。高度はまだ42°だが正面にキンメリア人の海、右にはチェレニーの海、下には北極フードも写っている。

Duration=180s Shutter=12.45ms Gain=251(41%) AS!3 25% of 14451 Drizzle1.5×


20時を過ぎて大シルチスが見えるようになってきた。こちらは20時52分に撮影した火星とWinJUPOSを比較したGIFアニメ。砂嵐のたびにアルベド暗部の地域が少しずつ変わるのでWinJUPOSの模様と一致はしていないが同じ中央経度である。

2022/12/19 11h52m(UT) 中央経度 CM = 243° 撮影時高度66°
Duration=180s Shutter=12.95ms Gain=222(37%) AS!3 25% of 13891 Drizzle1.5×


21時を過ぎると大シルチスがはっきり見えるようになった。やはり大シルチスが見えている火星は最も火星らしくてだれもが憧れる火星像だ。12月にしては星の瞬きが小さかったので期待したが冬の気流はさすがに厳しかった。思い描いているアルベド模様は抽出できなかった。

 21時47分撮影 高度74°


2022/12/19 12h47m(UT) 中央経度 CM = 257° 撮影時高度74°
Duration=180s Shutter=12.95ms Gain=226(37%) AS!3 25% of 13822 Drizzle1.5×


22時58分の火星
 22時25分の南中を過ぎて高度はMAXの76°に達して大シルチスがほぼ正面にやって来た。高度はMAXだが今日の気流ではこれが限界の解像度のようだ。それにしても今夜はかなり寒い! 現在の気温は-4℃、さすがに体が冷えてきたので後ろ髪を引かれる思いだが23時をもって終了とすることにした。


2022/12/19 13h58m(UT) 中央経度 CM = 275° 撮影時高度74°
Duration=180s Shutter=12.95ms Gain=217(36%) AS!3 25% of 13890 Drizzle1.5×

 23時01分撮影の火星 WinJUPOSとの比較図

2022/12/19 14h01m(UT) 中央経度 CM = 275° 撮影時高度74°
Duration=180s Shutter=12.95ms Gain=217(36%) AS!3 25% of 14416 Drizzle1.5×



23時06分撮影 Drizzle1.5× off
↓ こちらは Drizzle1.5×を外してノーマルモードでスタックした火星。見た目では分からないが輝面比は1.00を切って0.993になっている。本日の視直径は16.2″だが年末には14.7″とさらに小さくなる。太陽系軌道のインコースを進む地球が火星を置き去りにしていく様子が目に見えるようだ。


2022/12/19 14h06m(UT) 中央経度 CM = 276° 撮影時高度73°
Duration=180s Shutter=11.45ms Gain=225(37%) AS!3 25% of 15699 Drizzle1.5× off


本日のラストフォト
 「地球から遠ざかる火星」距離 8681万km  視直径16.2″ 

2022/12/19 14h11m(UT) 中央経度 CM = 277°  De=-7° Ls=356° 
Duration=180s Shutter=11.45ms Gain=225(37%) AS!3 25% of 15699 Drizzle1.5× off

 今回の火星接近では大シルチスを撮影するチャンスがなかなか来なかったが最後の最後でチャンスが巡ってきた。解像度はともかくとして2022年の記録は残すことができた。2年前の接近時はどうだったのかと過去画像を探ってみたらほぼ同じ中央経度で撮影した高解像度の画像があった。

 さすが視直径が大きいと違うなと思わせる写真だが2020年の画像がすべて高解像度だったわけではなく気流が良かったこの日が突出して高解像度だっただけである。結局気流次第だということを痛感した。それにしても2年前の画像と比べると今回の火星の解像度は悪すぎるなぁ。


2020年9月22日 01時52分(JST)の火星 視直径21.7″ 6460万km


2020.9.21 16h52m(UT)  中央経度 CM=262°  De=-18° Ls=282°
ZWO ASI290MC Shutter=28.40ms Gain=350 (58%) Duration=120s
AS!3 Noise Robust6 50% of 4226frame AP9


9月22日 02時00分~02時10分(JST)の火星アニメーション


〈12月19日21時の天気図〉



ふたご座流星群 2022 観望会

2022年12月15日 | ふたご座流星群
日中から降っていた冷たい雨が宵の口に雪へと変わり、今シーズン初の積雪を記録…

 これじゃ~、今日のふたご群は無理だなぁと完全あきらめモードだったのですが、ツイッターのTLにあまりにも「めっちゃ流れてるよー」「すごいよー」が入ってくるので22時30分頃外に出てみると…

 あれ? 晴れてる…どぼして? いつから? あちゃ~、もう極大時刻は過ぎてるじゃ~ん… おいおい、なぜもっと早く気づかないの?と自分を責めながら22時30分過ぎにふたご座流星群2022観望会&撮影会に突発参戦です!

  晴れてると言っても北西は奥羽山脈越えの雪雲が鎮座しているので天頂から東方面に星が見えている状態です。東の空では昇ってきたばかりの月が見えてますがそんなに影響はないようです。

 お、流れた… お、あっちでも…ふむ、カメラの画角外ですね~ あ、今のは入ったかも?…と思ったときに写っていた写真がこちらです。写真では暗いですが紛れもなくふたご座群です

2022/12/14 22h57m00s D810A f28mm ISO1600 f2.8 5sec

 この後もかなり明るい流星が流れますが例によってすべてが画角の外です。で、次にカメラが捉えたのはこのオリオン座の東を南に下るかなり明るい流星。

2022/12/14 23h25m45s D810A f28mm ISO1600 f2.8 8sec

 もちろんふたご群ではありませんが、この経路を流れる火球クラスの流星を1時間で3個目撃しました。オリオン座の右側で1個、左側で2個です。輻射点をたどるとぎょしゃ座のβ星かきりん座にたどり着きますが散在流星にしてはあまりにも経路が同じなので不思議な感じがしました。

 さて、そろそろ月が高くなってきたので月に背を向けて西の空を見ようした時… わぉー!キター!! 超特大の流れ星です! 時刻は23時30分を過ぎたころ、西南西の仰角50°付近からまっすぐ下に落ちる巨大な火球が流れました!

 明るさは-5~6等級、末端で爆発して青色と緑が混じったような色が見えました。末端は仰角10°付近でしたので経路として40°は流れたと思います。しかも、その直後(1~2秒後)にはそのすぐ左側で同じ経路で1等級の流星が流れました。

 いや~これだけ明るい流れ星は2001年しし座以来かも…。ふたご座群は昔に比べて火球が多くなったと言われていますが、昔(←20~30年前のホントの昔)のふたご座群の記憶と比べると確かに今の方が多いような気がします。

 えー、こちらは大火球に触発されて写野をやや西に振ったところ、元の写野だったら見切れず入ってたよね~ というよくある残念な写真です。トホホ…

2022/12/14 23h42m18s D810A f28mm ISO1600 f2.8 8sec

 この後も写野外では明るい流星が流れますが、なかなかカメラの前を流星が通ってくれません。雪雲も流れてきて雪が北西の季節風に流されてちらほら降ってきてました。そろそろ撤収かなぁ~とあきらめかけたとき、やっとカメラの前で流れてくれました~。

本日のベストフォト「おうし座を貫くふたご座流星群2022 with 雪雲」

2022/12/14 23h52m03s D810A f28mm ISO1600 f2.8 8sec

 さすがに寒さが限界なのであとはカメラ任せにして01時頃まで撮影しましたが、写っていたのは1枚だけでした。どして~? しかも超暗い~

2022/12/15 0h40m09s D810A f28mm ISO1600 f2.8 8sec

 今日は急遽の参戦だったこともあって実際に外に出ていたのは2時間弱でしたが、とても楽しめたふたご座群観望会でした。来年は条件が最良なので準備をしっかりして遠征観望で楽しみたいですね。

2023年見たい天体現象「2023年に明るくなる彗星」☄

2022年12月14日 | 「見たい天体現象」
  2023年見たい天体現象シリーズの第6弾は「2023年に明るくなる彗星」です。

 天文年鑑2023年版の「近く訪れる彗星」では2023年に6等級以上まで明るくなる彗星として「C/2022 E3(ZTF)」「96P/Machholz 1」「2P/Encke」の3個を 、また肉眼等級にはならないが8等級までに明るくなる彗星として「5D/Brorsen」「C/2021 T4(Lemmon)」「103P/Hartley 2」「62P/Tsuchinshan」の4個を紹介している。

 この中から、2023年見たい彗星として6等級以上まで明るくなる彗星3個と8等級までに明るくなる彗星から1個を掘り下げてみよう。


エントリー№ 1 「ZTF彗星(C/2022 E3)」
・最大光度 4.8等級、地球最接近日 2月1日(0.28AU)
 C/2022 E3は、2022年3月2日にパロマ-1.22mオースチン・シュミットで行われたZTFサーベイで撮影した捜索画像上(わし座)で発見された彗星である。この彗星の標準等級はH11=+6.5等ぐらいと見積もられている。オールトの雲からやって来た新彗星ではないので順調に増光するものと考えられている。

 現在、かんむり座にいるC/2022 E3はすでに明け方の空に姿を現しているが年末には高度も上がり観測しやすくなる。近日点通過は1月12日で近日点距離が1.112AUと地球軌道の外なので極端に明るくなることは望めないが1月12日以降は肉眼等級になると予想されている。地球最接近の2月1日には北極星の近くのきりん座で光度が4.8等級に達するので長い時間条件良く観測することできる。


エントリー№ 2「96P/マックホルツ第1周期彗星(96P/Machholz 1)」
・最大光度 2.0等級、地球最接近日 2月6日(1AU)
 96P/Machholz 1は、2023年1月31日に近日点(q=0.116AU)を通過する周期5.28年の彗星である。この彗星は1986年の発見から毎回帰ごとに観測されており今回で8回目の出現となる。近日点通過時は2等級まで明るくなるが太陽に近いため地上から観測はできない。

 2月中旬に明け方の空に姿を現すが光度は8等級まで減光する予報がでているので残念ながら肉眼彗星にはなることはないと思われる。2月下旬には10等級に、3月上旬には11等級へと急激に減光するので観測できる期間は短い。


エントリー№ 3 「2P/エンケ彗星(2P/Encke)」
・最大光度 5.4等級、地球最接近日 9月25日(0.9AU)
 2P/Enckeは、2023年10月22日に近日点(q=0.34AU)を通過する周期3.3年の彗星で標準等級はH11=+10.0等と見積もられている。今回は1786年の発見以来65回目の回帰となる。地球最接近日は9月25日だが近日点通過の1か月前なので予報光度は8等級台とそれほど明るくはない。

 10月14日にはおとめ座で光度5.9等になる予報がでているが天文薄明開始時の高度がわずか4°なので条件的には厳しい。その後も徐々に高度を下げるので10月下旬以降は北半球での観測ができなくなる。観測は月の影響を受けない9月25日(下弦)頃までと高度は低くなるが10月11日(月齢26)以降がベストだと思われる。


以上が6等級以上に明るくなる彗星のザックリ情報だが、晴れスタ的にぜひ見たい彗星として103P/ハートレー第2周期彗星があるので以下に紹介する。


エントリー№ 4 「103P/ハートレー第2周期彗星(103P/Hartley 2)」
・最大光度 6.4等級、地球最接近日 9月26日(0.38AU)
 103P/Hartley 2 は、2023年10月12日に近日点(q=1.06AU)を通過する周期6.48年の彗星で、1985年の発見以来7回目の回帰となる。9月26日に地球に0.38AUまで近づいて7等級まで明るくなる予報が出ている。地球接近時の彗星の位置はぎょしゃ座なので一晩中条件良く観測できる。

 この103P/ハートレー第2周期彗星は前々回の回帰(2010年)の時にも地球に接近して5.8等級まで明るくなっている。その時にエポキシ探査機が接近して撮影した画像に「彗星を取り巻く宇宙吹雪」が写っていて話題になったほうき星である。

 この彗星は近日点に近づくと急激に増光する特徴を持っているので画像のような宇宙吹雪が舞っていると想像しながら撮影するとリアリティがあってより楽しめる感じがする。とても小さな彗星だが今回はどのような姿を見せるのかと思うとワクワク感の高まるほうき星だ。

〈103P/ハートレー第2周期彗星〉2010年10月11日撮影

2010.10.11 22:34:11 SE200N D90 LPS-P2 ISO2500 180sec

  〈ジェットを吹き出す彗星表面だが…〉


  〈その正体は雪玉が飛び交う宇宙吹雪だった!〉

   エポキシ探査機が撮影した103P/ハートレー第2周期彗星

〈関連ブログ〉
宇宙空間に吹き荒れる吹雪 2010.11.24
10月11日のハートレー彗星/103P 2010.10.11
ハートレイ彗星/103P 2010.10.2

12月11日の火星(衝の2日後)

2022年12月13日 | 火星
12月11日夜に撮影した火星です。

 夕方、ブルーウオーカー3を撮影した時はモクモク雲だったのですが、宵の口から雲が晴れて予定外の火星撮影会となりました~。

こちらが本日のファーストショット、22時14分撮影です。中央経度334° 高度72° 
火星の東側(左側)に大シルチスが見えてます。中央右よりには子午線湾(アリンの爪)があります。北極の雲(北極フード)も相変わらず大きいようですね。視直径はやや小さくなって16.9″ です。


Duration=180s Shutter=12.33ms Gain=187(31%) Autostakkert3 25% of 14589 Drizzle1.5×


ときおりピューッと風が吹いて望遠鏡が揺れるときがありますが、今の時期にしては気流は落ち着いている方でした。22時34分撮影。中央経度339° 高度73° 


Duration=180s Shutter=12.95ms Gain=182(30%) Autostakkert3 25% of 13846 Drizzle1.5×


しか~し、さすが12月です。季節風に乗って奥羽山脈越えの雲があっという間にやって来ました。ここからは雲間を待っての撮影です。22時38分撮影。中央経度340° 高度74° 


Duration=180s Shutter=10.45ms Gain=209(34%) Autostakkert3 25% of 17218 Drizzle1.5×


雲が多くなって撮影中にモニター上の火星が暗くなる瞬間が出るようになってきました。まだ25%スタックでカバーできますがそろそろ撮影限界です。22時42分撮影。中央経度341° 高度75° 


Duration=180s Shutter=10.45ms Gain=209(34%) Autostakkert3 25% of 17218 Drizzle1.5×


アリンの爪が正面に来ました。今宵の火星南中は23時08分で高度は76°です。高度が高いと12月でもアルベド模様がこんなに写るんですね。新たな発見でした。22時51分撮影。中央経度343° 高度76° 


Duration=180s Shutter=10.45ms Gain=209(34%) Autostakkert3 25% of 17213 Drizzle1.5×



こちらが本日のラストフォトですが一番写りが良かったので本日のベストフォトとなりました~。全曇りになる直前だったので気流が落ち着いたのかな? 22時58分撮影。中央経度344° 高度76°


Duration=180s Shutter=10.45ms Gain=209(34%) Autostakkert3 25% of 17206 Drizzle1.5×


 2022年の火星接近は最接近が12月1日で衝が12月9日だったのでまともな画像は絶対撮れないなと思っていたのですがこんなにアルベド模様がクッキリ写った火星を撮影できるとは思ってもいませんでした。分からないものですね~。

 振り返ってみると12月に撮影した画像が一番良かった感じがしますが、まー視直径が大きいことと輝面比が1.00という撮影条件がものを言うということですかね~。今回は中接近なので期待していなかった割にはとっても楽しめた火星接近シーズンでした。(あ、チャンスがあればまだまだ撮影しますよー)

〈12月11日21時の天気図〉



ブルーウオーカー3 撮影記録(12/11)

2022年12月12日 | 宇宙開発
12月11日、ブルーウオーカー3を初めて撮影することができた。以下その記録である。

ブルーウオーカー3(BlueWalker 3)は AST SpaceMobile 社が9月10日に打上げた通信衛星で、展開すると大きさ8m×8m(約64㎡)のアンテナアレイで地上のモバイルデバイスに直接5G対応のブロードバンド接続を提供するよう設計されている。

 ASTスペースモバイル社のCEOを務めるAbel Avellan氏は、プレスリリースで「居住地や勤務地に関係なく、すべての人がセルラーブロードバンドを利用する権利を持つべきだ。われわれの目標は、世界中で数十億人の暮らしにマイナスの影響を及ぼしている接続性の格差を是正することだ」と述べている。

 ブルーウオーカー3は今後打上げられる大型通信衛星「ブルーバード(BlueBird)」のプロトタイプで将来的には100機以上のブルーバードを打上げて携帯電話の圏外をなくすことを目指している。

 この衛星はアンテナ展開完了後にかなり明るくなるため天体観測の支障になると打上げ時から懸念されていたが11月14日にアンテナ展開に成功したというニュースを受けてより注目が集まっている。

 この衛星の通過情報は AST SpaceMobile 社では公にしていないが、HEAVENS ABOVE等で通過情報が提供されているので、打ち上げ直後の9月下旬に北極星付近を通過するブルーウオーカー3を2日に渡って双眼鏡で捜索したがその時は確認は出来なかった。

 アンテナ展開後は12月10日から12月14日まで日本でブルーウオーカー3 の観望好機になるので狙っていたが12月11日夕方に最初のチャンスがやって来た。アンテナ展開後はHEAVENS ABOVEで予想光度が載っているのだが最大で1.8等級のようだ。(←予想より明るくない!)


 最大光度2等級では眼視で確認することは難しいのでカシオペヤ座をターゲットポイントとして双眼鏡で待ち伏せをすることにした。撮影はインターバルタイマー設定をしてカメラにお任せである。

 時報を聞きながらプラネタリウムアプリでブルーウオーカー3の位置を確認して双眼鏡をカシオペヤ座に向けたのだが…あちゃ~モクモク雲が通過です。通過時間ジャストにカシオペヤ座が見えません。第2の待ち伏せターゲットポイントは設定していなかったので双眼鏡による捜索は終了です。
 
 この雲ではカメラもダメだったかな~と思いながら画像を確認するとカシオペヤ座通過直前の4コマにブルーウオーカー3が写り込んでいました。

17時44分45秒撮影画像

2022/12/11 17h44m45s D810A f28mm ISO1600 F2.8 2.5sec 


3枚コンポジット画像

2022/12/11 17h44m39s~45s D810A f28mm ISO1600 F2.8 2.5sec 

 写真を撮影した時間は最高通過点の約5秒前だったのでほぼ最大光度のはずですが、雲間だということを差し引いても2等級はありませんね~。画像をみるかぎり3等級程度ですがホントに天体観測に支障が出るほど明るくなるのでしょうか?

 HEAVENS ABOVEの予報では今後の通過でも最大光度は1.8等止まりですが、通過コースや通過時間の太陽高度によってはフレアを起こすのかもしれませんね。天気の具合をみてさらに継続観測をすることにしましょう。

2023年見たい天体現象「突発出現が期待される流星群」☆彡

2022年12月08日 | 「見たい天体現象」
2023年の見たい天体現象シリーズの第5弾は「突発出現が期待される流星群」です。

↑ 輻射点から流星が放射状に飛び出す様子をリアルタイムで見ることができた2001年のしし座流星雨

 2023年前半は月の下旬が新月で、後半は中旬が新月なので、4月こと座群、8月のペルセウス座群、10月のオリオン座群、11月のしし座群、12月のふたご座群は条件が「最良」となっています。

 とくに12月ふたご座群は月明かりの影響がなく予想極大が明け方にあたるため記録的な出現になると予想されています。2023年は上記の流星群のほかにもぜひ見ておきたい流星群がたくさんあるのでご紹介しま~す。
(注:以下の流星群はすべて天文年鑑「2023年の流星」を参考にしてありますが、あくまでも晴れスター的独自選考なので全てを網羅したものではありません。)

エントリーナンバー1番
・しぶんぎ座群(三大流星群) 1月4日 明け方(HR=30、条件:悪)
*しぶんぎ座群はピークの鋭い群ですが予想極大が1月4日の昼13時、しかも4日は月齢12の明るい月があるので条件としてはいいことが何もないのですが、月没後の04時から2時間弱の天文薄明中に急速に活発化してHR=30に達すると予報されています。火球クラスの明るい流星が期待される群で2023年最初の三大流星群でもあるので運試しに見ておきたい流星群ですね。

エントリーナンバー2番
・おおぐま座ξ群(マイナー流星群) 1月21日(HR=2~3、条件:最良)
*1月下旬は厳寒期なので観測には不向きですが気になる存在としておおぐま座ξ群があります。出現規模はHR=2~3(←マイナー流星群の中ではトップクラス)で痕を伴った明るい高速流星が多いので目を引く存在となっています。関連性は認められてませんが1月20日~21日頃に満月に匹敵する火球が複数回(近年では2013年、2019年、2021年に)観測されていますので、特異な頻度で火球が出現する日として見ておきたい流星群です。

エントリーナンバー3番
・4月こと座群(メジャー流星群) 4月23日 早朝(HR=10、条件:最良)
*極大予報は4月23日10時のため国内では観測出来ませんが、月明かりの影響がないので早朝には出現数が増加する(空の条件次第ではHR=20になる)と予報されています。こと座群は痕を伴った高速流星が多いのでまだ見たことない方(実は私です)にとってはチャンスですね。

エントリーナンバー4番
・きりん座群(突発出現流星群) 5月24日21時~22時台(HR=突発出現のため不明、条件:最良)
*2014年に突発出現を見せたきりん座群ですが2023年5月24日21時~22時台に母天体である209P/LINEAR周期彗星のダストトレイル(1903年と1909年)と接近する予報が出ています。2014年の突発出現は日本で見られなかったので来年は国内でこの活動に遭遇する初チャンスとなります。蛍のようにゆったりと飛ぶまぼろしのきりん座群が実際に肉眼で見られると思うと今から胸が躍ります。晴れスター的にはきりん座群が2023年見逃せない流星群の第1位ですね。
関連ブログ→「209P/LINEAR周期彗星」「5月きりん座流星群」「5月きりん座流星群 Coming Soon!

エントリーナンバー5番
・ペルセウス座群(三大流星群) 8月12日-13日、13日-14日(HR=50、条件:良)
*2023年の極大は8月13日17時、8月14日10時~11時には1968年のダストトレイルに接近する予報が出ていますがいずれも日本では観測不可です。日本では13日の明け方にHR=50前後(永続痕を伴う火球を含む)予報が出ています。2021年に観測された新ピークは8月14日5時に相当するので14日早朝も要注意です。

エントリーナンバー6番
・ぎょしゃ座β群(マイナー流星群) 9月23日 早朝(HR=2、条件:良)
*ぎょしゃ座β群は20年周期で突発出現を繰り返しているマイナー流星群です。前回の突発が2003年だったので2023年が突発出現の年にあたります。夕方上弦の月が南天で輝いていますが、夜半過ぎには沈むのでその後は条件が良くなります。はたして20年ぶりの活動を見せるのか注目したい流星群です。

エントリーナンバー7番
・アンドロメダ座群(マイナー流星群) 12月3日 早朝(HR=?、条件:最悪)
*3D/ビエラ周期彗星を母天体として19世紀後半に流星雨レベルの出現を見せたマイナー流星群で非常にゆっくり流れる特徴があります。2023年は12月3日02時台に1649年のダストトレイルに接近する予報が出ています。月齢20の月がかに座にありますがアンドロメダ座β星付近に位置する輻射点は充分高いのでそれほど支障はありません。伝説と化した流星雨が再び姿を現すか見守りたい流星群です。

エントリーナンバー8番
・46P/ビルタネン周期彗星群(突発出現流星群) 12月12日 20時台(HR=?、条件:良)
*1974年のダストトレイルが12月12日20時台に接近する予報が出ています。活動域は南天のちょうこくしつ座西部とうお座西部と予想されています。こちらも上記のアンドロメダ座β群と同じようにゆっくり流れる特徴があります。アンドロメダ座β群と46P/ビルタネン周期彗星群はどちらも空振りになる可能性がありますが、期待を込めて注視したい流星群ですね。

エントリーナンバー9番
・ふたご座群(三大流星群) 12月15日 明け方(HR=80、条件:最良)
*12月のふたご座群は2023年天文界における最大のイベントと言われるほど期待値が大きい流星群です。その理由としては12月13日が新月のため月明かりの影響が全くないこと、極大時刻が15日04時なので輻射点が高いことが挙げられる。これだけ条件がそろったふたご座群はそうそうあるものではないので前出のとおり記録的な出現になることは容易に予想される。そのため街中でもHR=100を超す可能性があり、6等星が見える空ではHR=200~300に達する可能性があると天文年鑑には記載されている。さらに近年は火球出現が増加傾向にあるので空前の~星降る夜~になるだろうと付け加えている。期待のしすぎは禁物だがこれだけ条件の良いふたご座群は久々なので、全国的に晴れた空で2023年の締めくくりとなる流星群を楽しみたい。


番外編(メジャー流星群)
 条件が最良なのに10月オリオン座群と11月しし座群がエントリーされていないのはなぜですか?という質問がありそうなのでここで捕捉を…
・オリオン座群(メジャー流星群)10月22日 夜半過ぎ(HR=30、条件最良)
*オリオン座群は火球クラスの流星が多いとされる一方で出現数の大半が暗い流星なので月明かりに大きく影響されます。極大日は上弦の月がありますが輻射点が昇る夜半過ぎには月没となるので6等星が見える空ならHR=30を超すこともあるだろうと天文年鑑では解説しています。2023年は母天体である1P/ハレー彗星が遠日点を通過するので大きな出現は期待できない年だと思われます。

 ↑ 2007年に出現した火球クラスのオリオン座群流星 ☆彡
・しし座群(メジャー流星群)11月18日 夜半過ぎ(HR=20、条件最良) 
*闇を切り裂くような高速の有痕流星が多数出現するしし座群の母天体である55P/テンペル・タットル彗星の回帰(2031年5月)までわずか7年半後と迫ってきている。2023年の極大は11月18日14時、1767年のダストトレイルとの接近予報が11月21日21時となっており、どちらも国内では観測出来ない時間であるが、母天体がじわじわ太陽に迫りそろそろ本気を出してくるころでもあるので、月明かりの影響がない2023年は特徴の一つである永続痕をともなう大火球とともに暗い流星を着実に捉えたい…と天文年鑑では解説しています。出現数は例年どおりのようですが条件が最良なので今後の推移を見通すという意味では来年見たい流星群のひとつですね。

以上、来年ぜひ見てみたい流星群の紹介でした。

2023年見たい天体現象「月と惑星の接近(1月~6月編)」

2022年12月05日 | 「見たい天体現象」
2023年見たい天体現象の第4弾は「月と惑星の接近」です。

今年も「1月~6月編」と「7月~12月編」の2回に分けてお送りしま~す。

1月20日「有明の月と水星の接近」(*シミュレーション画像はステラナビゲーター11で作成しています。)

 2023年の水星は西方最大離角が3回(1/30、5/29、9/22)ありますが、その1回目の観望好期中の1月20日に月齢27.4の有明の月と約7°まで接近します。水星の光度は0.4等とやや暗いのですが航海薄明中の空ではキレイに見えると思われます。2023年最初の水星と月のコラボを楽しむチャンスですね。


1月23日「二日月と金星、土星の接近」

 2023年の金星は1月から7月まで宵の明星、8月から年末まで明けの明星として輝きます。宵の明星として日没後の西空で見えている金星が1/23に月齢1.5の二日月に接近します。金星の西側、満月1個分離れたところでは土星も輝いているので賑やかな星並びとなります。土星の光度は0.8等なのでそれほど目立ちませんが、二日月と内惑星と外惑星が同時に見えるゴージャスな星景を楽しみたいですね。


2月22日「三日月と金星、木星の接近」

 日没後の西空で三日月が金星に近づきます。角距離は2°(満月4個分)なのでやや離れた感はありますが、金星の上(約7°北側)では真夜中の明星である木星(-2.1等)が輝いています。金星も木星も日没直後から見え始めるのでマジックアワーで輝く宵の明星・真夜中の明星・三日月の競演は美しい星景になることでしょうね。


3月23日「二日月と金星、木星の接近」

 2月に引き続き3月も月と金星と木星の接近が楽しめます。この日の二日月は月齢が1.7なので力強い輝きで綺麗に見えます。やや離れていますが金星と木星の間に二日月が入る様子は見ていてとても美しいものです。これだけ離れていると写真ではインパクトが無くなってしまうのが残念ですがあえて建物を背景に入れるとフォトジェニックな写真になることがあるので工夫したいですね。


4月21日「二日月と水星の接近」

 水星の光度が2.1等とかなり暗いので水星が見える頃には高度がかなり低くなってしまうので西空が開けている場所でないと観望はできませんが、地球照が輝く月齢1.3と並ぶ水星はぜひ写真に収めたい対象です。


4月23日「四日月と金星の接近」

 この接近で注目してほしいのは月と金星の角距離です。日没時の角距離は2°30′ですが、徐々に月が金星に近づいて月没時には1°まで近づきます。連続写真を撮ると月が金星に近づいていく様子が分かって月の公転を感じられることと思います。この日の前日には三日月がプレアデス星団に約2°まで近づくのでそれも見逃せません。4月21日から3日間は日没後の月に注目ですね。


5月18日「有明の月と木星の接近」

 こちらは日の出前の明け方のイベントです。この日の月は輝面比が0.04もあるので明るくなった空でも月と木星は長い時間見えます。-2.1等の木星が青空の中に溶け込んでいく様子を見るのはなかなかできないので日の出何分前まで見えるかを確認するという意味でも見ておきたいイベントですね。


5月23日「四日月と金星、火星の接近」

 タイトルは「四日月と金星、火星の接近」ですが、このイベントにはもう一つのセカンドタイトルがあります。そのタイトルはズバリ 「Moon and Vernus with Gemini」です。このように立ち上がったふたご座の中に月と金星がすっぽり入っている様子は実際の空で見ても心に響くものは何もありませんが撮影した写真に星座線を描くとレア感たっぷりなステキな星景写真になります。晴れスター的には2023年イチ推しのイベントです。こちらの過去ブログに写真があるのでどうぞご参照ください。→「月と金星の接近ギャラリー Part 3」 


6月17日「新月前日の月と水星の接近」

 こちらはかなり難易度の高いイベントです。水星が昇ってきたときには空が明るくなっているので輝面比0.02の月が見えなくなっている可能性があります。高度は2°~3°しかないので6月の空では見えない可能性の方が高いと思います。この接近を見に行こうとするのはほぼ願掛けに近いレベルだと思いますので天気がすこぶる良かったら出かけてもいいけどたぶんいかないだろうなイベントですね。(笑)


6月22日「五日月と金星、火星の接近」

 こちらの接近は五日月なので十分空が暗くなってから楽しめるイベントです。主役交代で引き継ぎを終えた春の星座たちの見納め時期なので春の星座の中で輝く金星と月のメモリアルフォトとしては面白いと思いますが月が明るいので月の形も星座の星々もキレイに写すのはとても難しい対象と言えます。遠ざかった火星はレグルスよりも暗くなっているので火星も見納めと言える感じですね。

 「月と惑星の接近(1月~6月編)」は以上です。「月と惑星の接近(7月~12月編)」は現在作成中ですが遅々として進んでいませんので次回の見たい天体現象シリーズは別のタイトルになると思われま~す。


12月3日の中国宇宙ステーション(カラー撮影)

2022年12月04日 | CSS(中国宇宙ステーション)
12月3日に撮影した中国宇宙ステーションの撮影記録です。


今回の撮影システムも、30cmドブ(f1500mm)+ASI290MC+UV/IRcut
Shutterは 0.901ms、Gainは 220(36%) です。

今回の通過図とイベントデータ



 天気は雲量ゼロの快晴だったの高度10度から目視できましたが前半はPCの動きが悪かったのでROIを小さくしてから惑星カメラを再スタートさせたので、動画は天頂通過後の後半のみとなりました。

 で、こちらがその動画です。

12月3日の中国宇宙ステーション(カラー撮影)*天頂~地球の影に入るまで


う~む、露出オーバーですね


前回の撮影が露出オーバーだったのでゲインを抑えたつもりでしたが…


あらためて確認すると前回とゲインがほぼ変わっていませんでした。(^^ゞ


しっかり確認すべし! このシステムでゲイン220はオーバー感度です!

12月2日夜の火星(最接近の翌日)

2022年12月03日 | 火星
 12月2日夜に火星の撮影を行いました~。

最接近翌日の火星 12月2日23時51分(JST)撮影

光度-1.9等 視直径17.2″ 輝面比0.998 CM=77° De=-4.1° LS=347°
Duration=180s Shutter=9.830ms Gain=222(37%) Autostakkert3 25% of 18309

 この夜は今季一番の冷え込みで-2℃まで気温が下がりましたが、12月としてはこれ以上ないというほどの好気流で今シーズン最良の火星を撮影することができました。

 撮影を開始した21時頃の気流は、悪くはないけど良くもないよね~といういつものシーイングでしたが、23時を過ぎた頃からは冬の1等星たちがまったく瞬かなくなり、シリウスのみがかすかに瞬いている状態でした。

 12月なのに冬のダイヤモンドの1等星が全く瞬いていない状態はちょっと異様で、まるで星が天空に張り付いたような… まるでプラネタリウムで星を見ているような不思議な感じでした。

 で、こちらは撮影を始めたころの火星です。揺らぎで輪郭がふにゃふにゃですね。
21時39分撮影 中央経度44° 高度58°

Duration=180s Shutter=9.198ms Gain=241(40%) Autostakkert3 25% of 19548

 この後、火星の高度が上がるのを待つために撮影を中断、撮影を再開した23時過ぎのファーストショットがこちら… シーイングがかなり良くなって高度も十分高くなったのでADCを外して再度ピント調整を行って撮影に臨みました。

23時42分撮影 中央経度74° 高度74°

Duration=180s Shutter=11.33ms Gain=223(37%) Autostakkert3 25% of 6924
 
24時18分撮影 中央経度83° 高度75° 

Duration=180s Shutter=10.83ms Gain=203(33%) Autostakkert3 25% of 16092

24時38分撮影 中央経度88° 高度73° 

Duration=180s Shutter=14.07ms Gain=174(29%) Autostakkert3 25% of 12448

01時03分撮影 中央経度94° 高度69° 

Duration=180s Shutter=12.57ms Gain=187(31%) Autostakkert3 25% of 14313

 いや~火星撮影は前回の11月27日で今期終了と思っていたので、まさか12月に入ってから今シーズン最良の火星が撮れるとは微塵も思っていませんでした。最近の世の中は想像もしてない方向に動いていく傾向があるのでしょうかね~。ビックリでした。

 今回の火星を見るとまん丸の満火星のように見えますが、国立天文台の惑星自転軸ページの計算では輝面比が0.998で1.00にはまだなっていません。火星の衝は12月8日で、惑星自転軸ページの計算では輝面比が1.00になるのは12月6日05時52分(←細かい!)からでした。

 理論上は衝の日はハイリゲンシャイン効果で明るくなるはずですので、天気の具合を見ながら撮影にチャレンジしてみることにしましょう。(ちなみに今夜も快星ですが風が強くて望遠鏡で木星の縞模様が見えない状態だったので早々と撤収しました~。)(^^ゞ


〈12月2日21時の天気図〉