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晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

火星(11/26)

2024年11月30日 | 火星
火星の撮影を再開するため外に出たのは11月26日03時を少し過ぎた頃でした…

 見上げた夜空は雲ひとつ無い快星で、冬の星座たちがまるで夏の星座のように瞬くことなく天球に貼り付いていました。ほほう、これはすばらしい…

 後日、気象庁の過去天気図で11月26日03時の気圧配置を見たら、仙台上空は高気圧の中心が通り過ぎた直後の気圧配置となっていました。

 この天気図は、まさにこれ以上は無いと言い切れるほどの好シーイング気圧配置図です。こちらの大シルチス火星は11月26日0時40分に撮影した火星ですが、高度47°で、ADC(大気補正)を使わずに撮影したにもかかわらず驚異的な解像度で写っていました。

これぞ、THE 火星! 大シルチスが正面に見えている火星!

2024/11/26 0h40m μ210+WREYMER PLAN 5×+TCA=4(Extend)+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=12950mm (F/55)
Shutter=9.060ms Gain=350 (72%) Duration=60s  Autostakkert3 25%  De-rotation 60s×11image  
Magunitude = -0.4mag  Diameter = 11".1 CM = 290.77° De = 15.56° Ls = 6.55 photo


そしてこちらが、火星南中の27分前、高度71°で撮影した火星です。中央経度は330.23°、サバ人の湾~子午線湾~アリンの爪が見えます。(大シルチス火星は南極を上にしていますがこちらは北極を上にしています)



2024/11/26 3h22m μ210+WREYMER PLAN 5×+TCA=4(Extend)+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=12950mm (F/55)
Shutter=9.235ms Gain=350 (72%) Duration=60s  Autostakkert3 25%  De-rotation 60s×13image  photo


 好気流とは言え11月下旬にこれほどの高解像度火星が撮影できるとは… 想像を遙かに超えていました。超オドロキです。こちらは撮影時刻の火星をWinJUPOSで再現した火星図です。


 そうそう、書き忘れてましたが、撮影時の輝面比は0.92でした。輝面比が1.00になるのは年が明けて1月8日で、その9日後が火星衝です。視直径は14".6、光度は-1.4等まで明るくなります。南中時刻は0時台~23時台になるので撮影もしやすくなります。問題は冬の気流ですね…今季の冬は暖冬ではなく平年並の寒さになると予報が出ていますがどうなのでしょう?

 期待はできませんが少しでも気流が良くなる日を探して撮影を続けることにしましょう。

〈追記〉
火星・大シルチス(元動画)

天王星(11/26)

2024年11月29日 | 天王星
天王星に望遠鏡を向けたのは日付が変わって11/26の01時過ぎ…

 天王星は木星から西に20°ほどしか離れていないので自動導入で写野に入るだろうと楽観主義で望遠鏡を動かしたのですが、惑星カメラの写野にはまったく入りませんでした~。

 ファインダーを覗くと光度5.6等の天王星が光害の空に溶け込むようにかすかに見えたので、ラッキー!これで導入完了だ~と思ってPC画面を見ると…

 あちゃ~キラキラ瞬いています。これはどこぞの恒星ですね~。んじゃ~、天王星はどこなんだ?…とファインダーを穴が開くほど覗いたのですが…よく分かりません。

 う~む、ガリレオ衛星を撮影したときにも感じたのですが、うす~い薄雲があるようです。仕方ないのでアイピースを入れて天王星探しです。

 自動導入で望遠鏡を向けているので近くにはあると思うのですが、どーしても見つかりません。こりゃ、だめか~とあきらめかけたとき、視野の隅に惑星特有のぼんやり光るお星さまが…

 やっと、見つけました。うす~い緑色をしています。まちがいなく天王星です。ふう…


2024/11/26 01h26m μ210+WREYMER PLAN 5×+TCA=4(Extend)+Apollo-C(UV/IRcut) 
Shutter=604.2ms Gain=350 (72%) Duration=90s  Autostakkert3 25% of 153frames


 ふ~む、苦労したわりには成就感も達成感も感じない画像ですね~。惑星カメラを外して天王星探しをしたので画像の方位も不明です。ま、とりあえず撮影できたということでよしとしましょう。

 そうそう、本日の天王星基本データですが光度は5.6等、視直径は3″.8、輝面比は1.00、地球からの距離は27億7500万kmです。27億kmがどれほど遠いのかピンときませんが、光の速さで換算すると2時間30分かかる距離です。わぉ!

 2時間30分前の姿を見てると考えると、そりゃ~たしかに遠いですね。まいりました。さて、南東の空に見える火星の高度がだいぶ上がってきましたが、まだ約50°なのでしばらく小休憩をすることにしましょう。

 火星の撮影再開は03時を予定しています。続きは次回のブログで~

11月25日の木星

2024年11月28日 | 木星
木星を撮影するために外に出たのは23時を過ぎた頃…
ほほう、空はしっとりと落ち着いています。恒星の瞬きもほぼありません。

 あの宵の口の気流はなんだったの?と言いたくなるほどまったりとしています。シリウスはゆるやかに瞬いていますがオリオン座の1等星に瞬きは見られません。この時期としてはかなりの好気流です。

で、こちらは23時27分から23時49分まで撮影した21枚をDe-rotationした木星です。

2024/11/25 23h38m μ210+WREYMER PLAN 5×+TCA=4(Extend)+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=11850mm (F/50) Shutter=20.49ms Gain=350 (72%) Duration=60s  Autostakkert3 25% De-rotation 60s×21image 〈photo

 木星のすぐそばにある衛星はエウロパです。実はその右側にカリストがあるのでそこまで画角を広げて撮影したのですが、AS!3でスタックするとデフォルトでは木星が中心に来るようにスタックされるのでカリストは見切れてしまいます。

 そこで今回はAS!3にあるオフセット機能を使ってスタックしてみました。オフセット機能はとても簡単です。右側のFrame Viewに見えている木星を「Shiftキー」を押しながらドラッグするだけです。

 木星を左方向にドラッグしてスタックの中心をずらしてからスタックするとカリストが入ってきます。何度か試しスタックをしてみて、今回はOffset -235でちょうど良いアングルになりました。

木星と衛星エウロパ・カリスト

2024/11/25 23h49m μ210+WREYMER PLAN 5×+TCA=4(Extend)+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=11850mm (F/50)Shutter=23.08ms Gain=350 (72%) Duration=60s  Autostakkert3 25% of 2570frames〈photo

木星の自転と衛星エウロパ・衛星カリストの公転

2024/11/25 23h27m-23h49m μ210+WREYMER PLAN 5×+TCA=4(Extend)+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=11850mm (F/50) Shutter=23.08ms Gain=350 (72%) Duration=60s  Autostakkert3 25%×21image〈gif

↑ 21枚の画像を繋いでGIFアニメも作ってみました。わずか20分間の動きですがGIFアニメにするとカリストが木星の向こう側にあることがよく分かります。カリストの模様がしっかり写っていますね。

 さて、ここで木星撮影は一時小休止として望遠鏡を火星に向けました。この時間の火星はまだ高度が40°ほどで撮影するには低高度ですが大シルチスが正面に来ているので12ショットほど撮影して、木星へと望遠鏡を戻しました。

 火星を撮影している間に大赤斑が正面にやって来てました。さすが惑星の王様!大迫力です。


2024/11/25 24h56m μ210+WREYMER PLAN 5×+TCA=4(Extend)+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=11850mm (F/50) Shutter=17.16ms Gain=350 (72%) Duration=60s  Autostakkert3 25% De-rotation 60s×10image〈photo

 撮影時の木星高度は72°で、明るさは-2.8等… まさに夜半の明星です。最大光度の金星では影ができると言われていますが、木星でも影ができるのでは…と思わせる明るさです。

 さて、先ほどの撮影でカリストの模様が写ったのでほかのガリレオ衛星も撮影してみました。この時間のガリレオ衛星の位置をWinJUPOSで再現するとこんな感じでした。

 で、こちらが個々に撮影したガリレオ衛星を並べて比較したものです。



 ガニメデは離れていたのでこちらの単独1枚で…


 どの衛星も表面の模様までは判別できませんでしたが円盤像に写すことはできました。前出の画像でカリストの模様が抽出できたのはDe-rotationnで21枚をコンポジットしたからだと思われます。(上記画像はいずれも1枚画像)

 夏場の好気流で撮影して複数枚をコンポジットすればガリレオ衛星の模様の抽出は十分可能だと思われるので機会をみてチャレンジしてみることにしましょう。

 さて、ここで木星の撮影は終了です。火星が南中する時刻は03時過ぎなのでまだ時間があります。そこで、望遠鏡を天王星に向けてみました。

 顕微鏡対物レンズで天王星を撮影するのは、これまた初の試みですが、はたして撮影は成功するのでしょうか? この続きは次回のブログで~

11月25日の土星(中央緯度 6.34°)

2024年11月27日 | 土星
予報どおり11月25日に好気流が仙台上空にやって来ました~。

 天気図を見ると明朝まで高気圧に覆われて快星になること確実です!こ~れはチャンスです。宵の口から明朝まで見える惑星を全部撮影しちゃいましょう。ホンキです!

 …と、意気込んで土星を撮影したのですが… 思ったほど気流が良くありません!なぜなの~

17時18分 - 中央緯度6.34°の土星 光度:0.9等 視直径17.6秒 撮影時高度41° (1枚画像)

2024/11/25 17h18m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=8500mm (F/36)
Shutter=48.71ms Gain=350 (72%) Duration=60s  Autostakkert3 50% of 1232frames


↓ WinJUPOSで再現した11/25の土星、赤丸は太陽から見た土星の中点(中央緯度2.95°)


 今年の6月に環の傾き(中央緯度)が2.39°にまで小さくなった土星ですが、11月になってだいぶ環の傾きが大きくなりました。2024年で環の傾きが最も大きくなるのはいつなのか調べたら前回撮影した11/13が2024年環の傾き最大(中央緯度6.42°)の土星でした。まったく気付きませんでした~。(^^ゞ 

2024年環の傾きが最大の土星(中央緯度6.42°)

2024/11/13 17h51m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=9300mm (F/39)
Shutter=67.20ms Gain=380 (79%) Duration=60s  Autostakkert3 50% De-rotation 60s×20image



2024年環の傾きがほぼ最小の土星(中央緯度2.40°)

2024/6/20 03h47m μ210+Powermate2×+ADC+ASI290MC(UV/IRcut)CMI=165.2° CMIII=78.7°
Shutter=42.97ms Gain=350 (58%) Duration=240s Autostakkert3 25% of 5586frames


 さて、今宵の気流ですが高気圧の中心がこれから仙台上空を通過するので気流は良くなると思ったのですが… シーイングは悪くなる一方で、7枚コンポジット(De-rotation)してもこの程度です。

2024/11/25 17h23m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=8500mm (F/36)
Shutter=63.16ms Gain=350 (72%) Duration=60s  Autostakkert3 50% De-rotation 60s×7image


↓ 18時を過ぎるとさらに悪くなったので、やむなく撮影は中断です。

2024/11/25 18h11m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=8500mm (F/36)
Shutter=68.99ms Gain=350 (72%) Duration=60s  Autostakkert3 50% De-rotation 60s×7image


 土星撮影後に予定していた海王星はさすがにこの気流では無理なのでしかたなくキャンセルです。夜半の明星・木星を撮影するのは23時過ぎですがはたして気流は良くなるのか?…

 続きは次回のブログで~

〈おまけの画像〉
土星を撮影する前に写した金星(光度:-4.1等 視直径17.3″ 輝面比0.70)

2024/11/25 15h18m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=8500mm (F/36)
Shutter=0.641ms Gain=315 (65%) Duration=23s  Autostakkert3 25% 





ISS拡大撮影 Apollo-Cカメラ 2ndテスト 編(11/14)

2024年11月22日 | ISS(国際宇宙ステーション)
ニュー惑星カメラ(Apollo-C)によるISS拡大撮影いよいよ本格始動で~す。


2024/11/14 DOB30 + Or18mm + 拡大撮影アダプター+ Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=8400mm (F/28)
Shutter=0.832ms Gain=230 (57%) Limit Frames 19593-21484 Autostakkert3 25% Drizzle1.5×

 
〈ニュー惑星カメラ ISS拡大撮影 2ndトライアル 〉
・撮影日時:2024年11月14日18時04分
・撮影機材:ドブ30cm+アイピース・谷オルソ18mm+拡大撮影アダプター+Apollo-C(UV/IRcut)
・合成焦点距離:f 8,400mm(F28、倍率5.6倍)
・露出:Shutter=0.832ms、Gain=230 (47%)
・イベントデータ:最大仰角82°、距離444km、光度 -3.8等
・画像処理(AS!3でスタック→レジスタックス6→ステライメージで画像処理)
 *Apollo-CとASI290MCのちがいについてはこちらを参照→φ(.. )メモ

 今回は拡大率を上げるため18mmアイピースで撮影です。Apollo-Cは感度が高いので露出はゲインを230 (47%)まで落として撮影します。ゲイン230 では露出不足になる可能性もありますが、今回のコースは天頂通過の-3.8等級なのでこれで行きましょう!

 で、結果ですが… 完全に攻めすぎました。超露出アンダーです…トホホ

 とりあえずスタックしてレジタックスと画像処理をかけてみると、ふむ、太陽電池パドルは出てこなかったので太陽光の当たり具合は良くなかったようですね。ま、いつもは露出オーバーになるラジエターが適正露出になっているのでそれはそれで貴重なデータですね。(^^ゞ 


 さて、今回のテスト撮影の主目的である拡大率ですが SER Player の切り出し画像を見ると、太陽電池パドルが写っていないので分かりにくいですがほぼイメージ通りの拡大率となっていました。

  ニュー惑星カメラ(Apollo-C)のISS拡大撮影は18mmアイピースを基準として良さそうですね。今後は25mmアイピースでも撮影して拡大率のチェックと気流が悪いときのシステムとして有効かをテストしていくことにしましょう。

通過図とイベントデータ




11月14日の木星

2024年11月17日 | 木星
11月14日未明に撮影した木星です。

 撮影を開始したのは11月13日23時55分、気流は悪く薄雲もあったのでピントが定まらずボケボケだったのですが0時15分に気流が落ち着いたので再度ピント調整をしたところジャスピンをゲット!

 そこから60秒露出の連続撮影を行ったのですが0時39分に透明度が急速に悪化して撮影は終了となりました。で、こちらが0時16分~0時39分に撮影した21ショットをDe-rotationした画像です。

 この日は木星のムコウガワから現れたイオがよく見えていました。

木星と衛星イオ

2024/11/14 0h27m μ210+WREYMER PLAN 5×+TCA=4(Extend)+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=11550mm (F/49)
Shutter=23.08ms Gain=350 (72%) Duration=60s×21  Autostakkert3 25% (photo)


 衛星イオには400を超える火山があって、そのいくつかは現在も硫黄と二酸化硫黄の噴煙を発生させているそうです。噴煙の高さは500kmを超えるものもあるとのこと… イオの直径は月とほぼ同じですがその規模の衛星で噴煙の高さが500kmを超える噴火が起きているとはまさに想像を絶する世界ですね。

0時30分の木星とイオ

2024/11/14 0h30m μ210+WREYMER PLAN 5×+TCA=4(Extend)+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=11550mm (F/49)
Shutter=23.08ms Gain=350 (72%) Duration=60s×21  Autostakkert3 25% (photo)


0時20分から0時39分まで撮影した画像をつないだGIF


 さて、夜半の明星となって冬の星座で君臨している木星は12月9日に衝を迎えます。視直径は48.2秒、南中高度は73°です。木星の公転周期12年で南中高度が70°を超えるのはおうし座に位置する今年とふたご座に位置する次回の衝(2026年1月10日)だけです。

 首が痛くなるほど高い空で輝く木星をじっくりウオッチングして見ることにしましょう。

青い惑星・海王星(11/13)

2024年11月16日 | 海王星
顕微鏡対物レンズによる海王星撮影チャレンジ記録です。

 さて、望遠鏡を海王星に向ける前に基本データの確認です。
〈海王星・Neptune〉φ(.. )
・太陽系第8惑星
・光度=7.7等級(反射能:アルベド=0.65)
・視直径=2.3秒
・地球からの距離=約30au(約45億km)

 ふむ、視直径2.3秒で光度7.7等ですか… 導入が難しいですね~。とりあえず土星を撮影した惑星カメラをつないだまま自動導入してみましょう。カメラ画角はかなり狭いですが運良く入るかも…です。

 ウィーンと動いた望遠鏡が止まりましたが、PC画面には何も写っていません。感度を上げて確認してもお星さまはひとつも入っていません。そりゃそうですよね、考えが甘かったです…

 で、望遠鏡のファインダーで確認すると、あちゃ~、月明かりで暗い星が見えません。う~む、まずは海王星探しですね。ここで惑星カメラを外してアイピースを挿入です。

 3スターアライメントをとれば一発で導入できそうですが、手間がかかるので土星で1スターアライメントをとって海王星を導入します。それを2回繰り返したところで望遠鏡の視野のはじに惑星状の星が入ってきました。海王星ゲットです!

 挿入しているアイピースは暗視野照明付きレチクル十字線入りアイピースです。これで海王星を中心に持ってくれば視野の狭い惑星カメラに切り替えてもPC画面に写るはずです。

 そろ~りとアイピースを抜いて惑星カメラを入れると…おっと、写りました。海王星導入完了です。しか~し、ここで問題発生です。ピントの山が分かりません… ボケているのかジャスピンなのかピントリングを回しても確信がもてません。

 う~む、仕方ないです。惑星を相手にバーティノフマスクをかぶせるのは反則技ですが背に腹は代えられません。感度を最大にしてピント合わせをしましょう。

 ふう、なんとか3本の光条が見えたのでピントはきっちり合わせることができました。で、こちらが 顕微鏡対物レンズで撮影した海王星のファーストショットです。

顕微鏡対物レンズで撮影した海王星

2024/11/13 18h25m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) 
Shutter=625.9ms Gain=480 (100%) Duration=60s  Autostakkert3 50% Drizzle1.5×


 カメラ感度はMAX100%のゲイン480です。視直径が小さいのでスタックするときに1.5倍のドリズル処理をしています。2枚目の写真は露出時間は同じですがシャッタースピードを遅くした画像です。↓

2024/11/13 18h29m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) 
Shutter=875.3ms Gain=480 (100%) Duration=60s  Autostakkert3 50% Drizzle1.5×


↓ こちらは露出時間を3分にして撮影した画像をトリミングしたものです。

2024/11/13 18h41m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) 
Shutter=907.8ms Gain=480 (100%) Duration=180s  Autostakkert3 50% Drizzle1.5×

 とりあえず撮影は成功しましたが月明かりがかなり明るかったので影響のない日を探して再度チャレンジしてみることにしましょう。

 さて、この海王星ですが12月9日の17時過ぎに上弦の月が海王星を隠す「海王星食」が起きます。

 月齢は8.1、暗縁潜入の明縁出現となりますが海王星の光度が7.7等なので暗縁潜入が観望のチャンスです。薄明中の現象なので観望はきびしいですが、視直径2.3秒の海王星が月縁にかかってから潜入するまで約6秒かかるそうなのでその様子は見てみたいですね。

 天気の具合を見てチャンスがあるときはウオッチングしてみることにしましょう!

 あ、海王星食の前日・12月8日には土星食がありますね。そちらも見逃せないですね。(^^ゞ


〈コメント返信添付写真〉
アカボシゴマダラ(中国大陸亜種)の飛翔


温暖化で仙台に定着したツマグロヒョウモン

11月13日の土星

2024年11月15日 | 土星
13日に撮影した土星の記録です。 

 今回の撮影は顕微鏡対物レンズと大気補正プリズム(ADC)を組合わせたシステム「μ210+ WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut)」ですが、拡大率を大きくするため接続部2カ所を引き出すという反則技を使っています。(^^ゞ

 撮影は、17時38分~17時48分まで60秒露出で10ショットと17時55分~18時05分を60秒露出で10ショットを撮ってそれぞれをWinJUPOSでDe-rotaitionします。

で、こちらが17時38分-17時48分の60秒露出画像10枚をDe-rotaitionした土星です。

2024/11/13 17h43m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=9300mm (F/39)
Shutter=67.20ms Gain=380 (79%) Duration=60s  Autostakkert3 50% De-rotation 60s×10image


こちらは17時55分-18時05分の10ショットをDe-rotaitionした土星です。


2024/11/13 18h00m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=9300mm (F/39)
Shutter=67.20ms Gain=380 (79%) Duration=60s  Autostakkert3 50% De-rotation 60s×10image


こちらは撮影したが画像をすべてDe-rotaitionした土星ですがこちらの方が画質はいいですね。

2024/11/13 17h51m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=9300mm (F/39)
Shutter=67.20ms Gain=380 (79%) Duration=60s  Autostakkert3 50% De-rotation 60s×20image


さて、今日は土星のすぐそばに衛星がたくさん見えたのでそちらも撮影してみました~。

2024/11/13 18h08m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) 
Shutter=1.00ms Gain=480 (100%) Duration=20s  Autostakkert3 50% 


 土星の衛星についてはよく知らないのでWikiで調べてみました。
メモメモ φ(.. ) 番号.直径.平均等級.アルベド.発見年.発見者.特徴
Ⅰ ミマス     396km 12.8等級  0.77 1789年 ウィリアム・ハーシェル 氷岩石衛星? 
Ⅱ エンケラドゥス 504km 11.8等級  1.04 1789年 ウィリアム・ハーシェル 氷衛星 
Ⅲ テティス    1062km 10.2等級 0.80 1684年 ジョヴァンニ・カッシーニ 氷衛星 
Ⅳ デイオーネ   1123km 10.4等級 0.55 1684年 ジョヴァンニ・カッシーニ 氷岩石衛星 
Ⅴ レア      1527km 9.6等級  0.65 1672年 ジョヴァンニ・カッシーニ 氷衛星
Ⅵ ティタン    5149km 8.4等級  0.2 1655年 クリスティアン・ホイヘンス 大気・液体の川海
Ⅶ イアペトゥス  1470km 10.2~11.9等級 0.5/0.04 1671年 ジョヴァンニ・カッシーニ 氷衛星・半黒半白


 ふむ、撮影した画像を見ると衛星の色のちがいが分かりますね。テティスとレアは氷衛星なので不透明な大気を持つティタンとは明らかに色が違います。テティスの反射率が高いのはエンケラドゥスから吹き上げられた氷がその表面に降着しているからだと考えられているようです。

 土星の左側にはエンケラドゥスが写っています。エンケラドゥスは反射率が極めて高く、太陽系の中で最も白い星らしいので直径がわずか504kmでも写ったということですかね~。エンケラドゥスは熱源を持っているため表面の氷が氷火山となって水蒸気を噴出している生命の可能性を持つ衛星です。


2024/11/13 18h08m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) 
Shutter=1.00ms Gain=480 (100%) Duration=20s  Autostakkert3 50% 


 さて、今宵は夜半に曇る予報なので木星撮影は難しそうです。18時過ぎの夜空には月齢11の明るい月が南東にありますが土星の東20°のところには海王星がいます。ということで海王星に望遠鏡を向けてみました。はたして太陽系最遠の惑星・海王星を顕微鏡対物レンズは捉えることができるのか!?

 その様子は次回のブログで~

11月10日の火星

2024年11月13日 | 火星
11月10日の火星撮影記録です。

 撮影は火星の高度が60°を超えるのをまって2時45分頃から開始しました。気流は木星を撮影したときと同じで良好です。オリオン座のリゲルとベテルギウスは瞬いていないように見えます。

 撮影システムは木星撮影時と同じで、大気補正プリズム(ADC)を使わない μ210+WREYMER PLAN 5×+TCA=4(Extend)+Apollo-C(UV/IRcut)です。

 露出時間はDe-rotation でコンポジットするので60秒露出にします。火星の撮影としては短めですが始めからDe-rotationありきでの露出設定です。

 で、こちらが60秒露出を20枚De-rotationした画像です。

2024/11/10 μ210+WREYMER PLAN 5×+TCA=4(Extend)+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=13050mm (F/55)
Shutter=9.253ms Gain=350 (72%) Duration=60s  Autostakkert3 25%  De-rotation 60s×20image  


 火星としては最もアルベド模様がない地域ですが、火星の最高峰オリンポス山とタルシス三山が正面にあるので山めぐりをするにはいい時間ですね。アルシア山にかかる雲も写っています。



こちらは2024年11月10日02時51分から03時50分までの自転の様子です。

CM=112°→127° De=14.9° Ls=358.6° Diameter=9.8"

↑ 中央経度は15度ほど移動(自転)しているのですがアルベド模様がないので自転している様子が分かりにくいですね。2020年の接近時に作った火星クルクルはアルベド模様がたくさんあるので自転の様子がよく分かります。そもそも視直径の大きさがちがうのでその差もありますね。↓

2020年10月31日23時07分から24時07分までの自転の様子

CM=228°→242° De=-22.9° Ls=306.3° Diameter=20.2"

 2020年の接近時は中央緯度が-22°なのでドライアイスが溶けて氷だけになった真夏の南極冠がよく見えます。逆に北極地方はほとんど見えていないこともよく分かりますね。


本日、11月13日は火星における太陽黄経が0°なので火星歴の春分の日となります。

 暑さ寒さも彼岸まで…と言いますが、火星ではどうなのでしょうね~。

〈追記〉
撮影時のシーイング

11月10日の木星

2024年11月11日 | 木星
11月10日未明に撮影した木星の記録です。

 11月9日の宵の口は夜空の小さな星たちが Twinkle Twinkle Little Star で、お空のダイヤモンドだったのですが、23時過ぎにはしっとりと落ち着きました。全天で最も明るい恒星シリウスはゆるやかに瞬いていますが、オリオン座のリゲルとベテルギウスは瞬いていないように見えます。

 ふむ、仙台上空に待望の好気流がやってきたようです…ということで、今宵は夜更かしの惑星撮影大会です。ターゲットは木星と火星で、今回は顕微鏡対物レンズとTCA-4を組合わせて撮影してみます。

 撮影はTCA-4の本体チューブを縮めた状態とMAXまで引き出した状態で行って拡大率の違いを調べます。それぞれ60秒露出で10ショット(総露出時間10分)撮ってDe-rotationします。

 で、こちらが本体チューブを縮めた状態で撮影した木星です。パラメーターに記録されている合成焦点距離は8600mm (F/36)でした。PLAN 5×+ADC とほぼ同じ焦点距離ですが余計なレンズを透過してない分クリアな感じがします。 

2024/11/10 0h19m μ210+WREYMER PLAN 5×+TCA=4+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=8600mm (F/36)
Shutter=11.22ms Gain=350 (72%) Duration=60s×10  Autostakkert3 25% (photo)


こちらもTCA-4の本体チューブを縮めた状態で撮影した木星です。(写っている衛星はエウロパです

2024/11/10 0h34m μ210+WREYMER PLAN 5×+TCA=4+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=8600mm (F/36)
Shutter=12.62ms Gain=350 (72%) Duration=60s×10  Autostakkert3 25% (photo)


こちらが本体チューブをMAXまで引き出した状態で撮影した木星です。合成焦点距離は11600mm (F/49)です。拡大率としてはこれまでのベストで氷衛星のエウロパも円盤像に写っています。

2024/11/10 0h53m μ210+WREYMER PLAN 5×+TCA=4(Extend)+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=11600mm (F/49)
Shutter=12.08ms Gain=350 (72%) Duration=60s×10  Autostakkert3 25% (photo)


 大気補正プリズム(ADC)を使わない高度(60°以上)での撮影はこのシステム、μ210+WREYMER PLAN 5×+TCA=4(Extend)+Apollo-C(UV/IRcut)が良さそうですね。

 ということでこのシステムを使って火星も撮影してみました。その様子は次回のブログで~。


〈追記〉
0時25分から0時56分までの木星の自転とエウロパが公転する様子です。(gif)




〈追記.11/14〉
撮影時のシーイング