晴れ時々スターウォッチング

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小惑星2014AA

2014年01月03日 | 隕石・小惑星
新年あけましておめでとうございます。

いつも、このブログを見てくださっているみなさん、ありがとうございます。
今年もたま~にアップしていきますので、本年もよろしくお願いします。

新年早々、小惑星が地球に衝突した…というNEWSが入ってきました。
SpaceWeather.comに記事が載っていますので、何が起きたのか読み解くことにしましょう。

以下1月3日付のSpaceWeather.comの記事…

<SMALL ASTEROID HITS EARTH>
「2014年になって最初に発見された小惑星2014AAが1月2日地球の大気圏に突入しました。このスモール・カー・サイズ(3m)の隕石は、カラカス(ベネズエラ)の約3,000km東方の大西洋上に落下しました。西オンタリオの大学のピーター・ブラウン教授によって解析された超低周波不可聴音レコードによるとこの隕石のエネルギーはTNT火薬500~1000トン分相当となります。しかしながら、この衝突は地球に被害を与えない程度の小さなインパクトに値します。」

*0.001LDは384kmであり、ISS軌道(420km)より低いことになる。

ふ~むふむ、どーも小惑星として発見登録されたあとに地球に衝突したようです…。
これが事実としたら、2008TC3(***)に続く史上2番目の大事件ではないでしょうか?
なぜ発見された時点でニュースにならなかったのでしょう?

「SKY&TELESCOPE」にもNEWSが載っていましたので要約してみました。

<Small Asteroid 2014 AA Hits Earth>:Posted by Kelly Beatty, January 2, 2014
「ニュー・イヤーズ・イブに発見された小惑星、発見から25時間後に地球に衝突。」
アリゾナ・レモン山望遠鏡で地球に接近する小天体の観測を年末も休まず続けていたリチャード・コワルスキーが現地時間の12月31日17時16分(1月1日01時16分UT)オリオン座の北で19等級の小惑星を発見しました。

その後、この小惑星が2014年最初の発見だったことを知ることになるが、その時点ではこの小惑星が地球に50,000km以内に近づくことは誰も知らなかった。

1月2日の早い時間にMPCが「2014AAが地球に衝突することはほぼ間違いない」ことをアナウンスする。大気圏突入は大西洋のどこか(中央アメリカと西アフリカの中間地点をむすんだライン上)になること、衝突時刻は1月2日02時30分、つまり本日の朝であることを発表した。


西オンタリオ大学のピーター・ブラウン教授の解析によると大気圏突入地点は西経40度、北緯12度、カラカス(ベネズエラ)の約3,000km東方の大西洋上付近であると分析される。


隕石のエネルギーはTNT火薬500~1000トン分相当であり、大きさはスモール・カー・サイズ(3m)程度。これは、チェリヤビンスクとは比べ物にならないほど小さな物体である。小さすぎるため隕石として地上(海上)に落下する可能性は極めて小さいと思われる。落下地点の天気はよい状態だったが目撃報告はない。



ブラウン教授の解析によると落下は3時(UT)を少し過ぎたころだと考えられている。このことはコワルスキーのMPC報告から22時間後に地球にインパクトしたことになる。今回のことは5年前の2008TC3を思い出させる、まさにデジャブといえる出来事である。2008TC3は発見の19時間後にインパクトしました。発見した望遠鏡も同じです。ただ違うことは2008TC3のときは1日前に警告が出され、衝突までにたくさんの観測がなされたが、今回は年末年始だったこともあり、警告も観測もされていない点です。

ふ~むふむ、…ということは年末でなければ2008TC3のときのように事前にアナウンスがあったということですね。NEOsの職員はこの知らせに気づくのが遅くなったことに対し責任を感じているようですが、気にすることも無いと思うのですが…、もっとも小惑星が地球内側軌道から接近すれば、そもそも発見することは不可能ですからね~(チェリヤビンスクのように青空の中からやってくる小惑星を発見する方法はいまのところ無い)。

12月23日にも直径2mの小さな小惑星がニアミスを起こしています。

接近距離0.07LDはランキングとしては4位になります。わぉ!

接近小惑星ランキング(距離編)
■ 1位 5,480km(0.03LD) 2011.2.4 (2011CQ1)* 2m
■ 2位 12,000km(0.05LD) 2011.6.26(2011MD)* 10m
■ 3位 14,000km(0.05LD) 2009.11.6(2009VA)* 6m
■ 4位 26,908km(0.07LD) 2013.12.23(2013YB) 2m
■ 5位 27,700km(0.09LD) 2013.2.16(2012DA14)** 58m
□ 6位 38,000km(0.1LD ) 2008.11.3(2008VM) 4m
□ 7位 72,000km(0.2LD ) 2009.3.2(2009DD45)* 35m
□ 8位 76,000km(0.2LD ) 2009.3.18(2009FH) 21m
□ 8位 76,000km(0.2LD ) 2009.10.22(2008UM1) 2m
□ 9位 79,000km(0.2LD ) 2010.9.8(2010RF12)* 9m
□10位130,000km(0.3LD ) 2010.1.30(2010AL30)*18m
□10位130,000km(0.3LD ) 2013.2.5(2013CY32)* 10m 
□11位190,000km(0.5LD ) 2009.2.2(2009CC2) 12m 
□12位248,000km(0.6LD ) 2010.9.8(2010RX30)* 16m
□13位266,000km(0.7LD ) 2009.6.1(2009KR21) 21m
□14位342,000km(0.9LD ) 2009.3.6(2009EW) 23m
□14位342,000km(0.9LD ) 2009.10.17(2009TM8) 17m

■<GEO = 35,786 km、□<1 LD = 384,401 km

今回のことは史上2番目という珍しい出来事でしたが、2~3mの大きさの小惑星が地球に衝突する割合は年間5~10個程度なので、観測精度が高くなっている現在、2014AAのように落下する前に番号登録されることが多くなるかもしれませんね。