晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

4月24日03時28分のISS

2021年04月24日 | ISS(国際宇宙ステーション)
星出宇宙飛行士が搭乗するCrwe-2が無事リフトオフしました。

 LIVE映像を見ていましたが、クルードラゴンが分離するところを第2段ロケットから撮影
した映像は、映画のワンシーンを見ているようでその美しさに感動でした。

 夜が明けた大西洋を東へ飛行するクルードラゴン

 遠ざかるクルードラゴンと漆黒の宇宙、そして青い地球、まさに宇宙航海時代だ!!


 星出宇宙飛行士の長期滞在ミッションがいよいよ始まりますね。二期連続で日本人宇宙飛行士がISSに滞在するのはうれしい限りです。野口宇宙飛行士もお疲れさま~!無事の帰還をお待ちしています。

さて、昨日のブログで紹介したクルードラゴンとISSのランデブー飛行ですが、リフトオフのわずか9時間後ではさすがに並んで見えるほど接近はしていないので、今回のパスはISSの後方をクルードラゴンが飛行しているという形になります。

 問題はISS通過時にCrew-2がどのくらい後方を飛行しているかということですが、残念ながらその軌道情報を得ることができなかったので正確な位置は分かりませんでした。

 推測するところ、Crew-2リフトオフ時にISSは地球1/4周程度前方に位置していたように記憶しているので、最大で20分、接近シーケンス次第では10分遅れくらいで通過するのでは…と道中考えていました。

撮影ポイントに到着しました。時刻は02時40分です。撮影は海岸沿いも考えましたがSCWによるとシーフォグがでる予報になっていたので今回は内陸を選びました。今夜は放射冷却でかなり冷え込んでいます。現在の気温は2℃です。

 当初のSCW予報ではこの辺でも霧が出る予報になっていましたがかなり範囲が小さくなっていたので気をよくしてさらに北に行ったところ、坂を下りた途端ウネウネとした濃霧に突入したので慌ててこの場所に戻ってきました。SCWの局地予報はけっこう正確ですね。

撮影地の空の様子はこんな感じ… 街灯や遠方の光害もありますが許容範囲です。


 さて本日の撮影システムですが、昨日の失敗にめげずにデジカメと動画の二本立てです。デジカメは28mm F2.8、動画は70mm F2.8のレンズです。本日のISSはみなみのかんむり座付近で地球の影から出てきます。その後は高度10度をほぼキープしながら木星の南を通って遠ざかります。前半は順光で明るくなりますが後半は逆光で急激に暗くなります。

イベントデータ


そろそろ時間です… 見えました! 双眼鏡の視野に明るくなっていく光点が入りました。ISSです。

 撮影を開始しましょう。デジカメは連続撮影をD90に頑張ってもらい、こちらは動画の撮影です。
やはり高度が低いのでISSの動きはかなりゆっくりです。明るさはISSとしてはかなり暗いですね。

 ふう、撮影終了です。

 で、こちらが3時27分27秒から3時29分47秒までのISSの軌跡です。

2021/4/24 03h27m27s~03h29m47s D90 28mm f2.8 ISO1600 f4.5 3sec × 42

こちらの動画は最大仰角に向かって高度を上げているISSです。

 ISSが東の空で見えなくなったあとはクルードラゴンの捜索です。双眼鏡で見る限り移動光点は見えませんが、クルードラゴンはかなり暗いと思われるので見えない可能性もあります。

 ということでデジカメ連続撮影を繰り返して、時々画像チェックをしたのですが移動光点は見つかりませんでした。ISS通過後10分間撮影を続けましたが写ってはいませんでした。デジカメに写らない明るさで通過したのかもしれません。

 なので、3時38分をラストショットとして撮影会は終了です。

2021/4/24 03h38m11s D90 28mm f2.8 ISO1600 f4.5 3sec

帰宅後に知ったことですがクルードラゴンはISSの後方、約20分のところを飛行していたそうです。あと10分ねばっていれば…と思うと残念の極みです。思い返せば、現地に向かうクルマの中でクルードラゴンは10分から20分遅れとドンピシャの予想を立てていたのに、10分で切り上げたことに後悔です。でも限界だったんです。寒さが… 撮影時の気温は1℃まで下がっていたので…あーでも悔しい!

4月23日04時15分のISS

2021年04月23日 | ISS(国際宇宙ステーション)
4月23日早朝のISS撮影記録です。

本日のイベントデータはこちら。


このパスは星出宇宙飛行士が昨日予定通りフトオフしていればCrew-2とISSのランデブー飛行が見られるという一大イベントだったのですが、打ち上げが本日に延期となったのでISSのみのパスとなりました。残念!

 もっとも、今朝のパスは薄明開始1時間後の04時15分で空もかなり明るくなっていたので反射率の低いクルードラゴンは見えなかったかもしれません。明朝のパスの方が03時28分で空も十分暗いので見える可能性としては高いと思われます。

 ただし、明日のパスは最大仰角が13°で最大光度も-1.0等なので、クルードラゴンを撮影するには光害の無いところでの撮影が必要条件となります。条件は厳しいですが天気が良ければ挑戦してみたいと思っています。

 で、今日の撮影はビデオとスチール写真の二本立てという欲張り根性丸出しで撮ったのですが、慣れないことはするものでは無くて、どちらも中途半端な映像となってしまいました。まさに二兎を追うものは一兎を得ず…でした。まー、明日の練習になったと考えれば無駄は無かったかなと思います。
 
 ビデオも写真もお見せできるレベルではありませんが記録としてアップしますのでご笑覧いただければ幸いです。ビデオは木星の上を通過していく様子です。



薄明中の空を通過するISS(野口宇宙飛行士搭乗中)

2021/4/23 04h16m48s~52s D90 18-200mm(80mm)F5.6 1/3sec

こちらは明日のイベントデータ




 う~む、あらためて見るとかなりキビシイ条件ですね。高度10°では大気減光もかなり大きいので感度を高くしてもクルードラゴンの撮影は難しいかも…。天候もベストな状態でないと写らないので難易度はMAXですね。果たして結果はいかに~。



ISS太陽面通過(4/19)

2021年04月21日 | ISS(国際宇宙ステーション)
ISS太陽面通過の撮影記録で~す。

太陽面通過を撮影したのは4月19日、撮影場所は自宅から南へ約20kmの所です。

下の図はマイホーム地点でのイベント情報なので太陽面通過にはなっていませんが
こんな感じのパスで、ほぼ最大仰角での太陽面通過です。



さて、撮影機材ですが、今回は望遠鏡蓋の絞り環に太陽撮影用減光フィルターを被せた80mm屈折望遠鏡に惑星カメラ174MM+IR Pass Filter(685nm)を装着して撮影してみました。

天候は雲が多くなかなか太陽が姿を現してくれませんでしたが、ラッキーなことに通過の時間は太陽周辺のみ雲が無くなりました。しか~し、この日は一日中暴風警報が発令されており、望遠鏡の揺れはどうすることもできませんでした。

通過予定時刻は13時55分24.36秒、そろそろです…

キター! ISSがPC上の太陽面を一瞬で通過して行きました、が…
明らかに太陽面の中ほどでISSの姿が消えました。大事なところでコマ落ちしたようです。トホホです。



今日の太陽には小さな黒点群があったのですが、見事にその上を通過して行きました。



で、こちらは惑星カメラの元動画。(↓クリックで拡大)


ご覧のように強風で太陽がブレブレです。

この動画…よく見ると、後半部分で太陽右下を何かがものすごいスピードで通過しています。
なんでしょう? 見かけ上の大きさはISSより大きくて、速度はISSよりかなり速いようです。

はて? 鳥でしょうか? それとも低軌道の人工衛星? 強風で流れてきたゴミ? はたまたUFO?

気になるので、その部分だけゆっくりめのGIF画像にしてみました。(クリックで拡大)


ふむ、確かに何かが通過しています。ISSより大きいと言っても一回り大きいくらいで視直径にすると70″前後でしょうか。動きを見ると等速度運動をしているように見えるので人工衛星かなと思いますが不鮮明なのはなぜでしょう? 速度も驚くほど速いので、う~む、分かりませんね~。ま、正体はUFOということにしておきましょう。

このGIFアニメはちょうどISSが黒点群を通過するところなので、その意味では楽しめますね。



いて座のティーポット

2021年04月21日 | ISS(国際宇宙ステーション)
おお、ティーポットだ…

スカイチェックのため早起きして外に出た瞬間、目に飛び込んできたのはいて座のティーポット…
夏の星座が目の前にこんなに広がっているとは思っていなかったので意表を突かれた感じでした。

考えてみれば当たり前のことですが、天気のことだけ考えていたので…ちょっとうれしい出来事でした。夏の星座は力強くていいですよね。見ているだけで元気をもらえます。珈琲が飲みたくなったぞ~


南西の空を見ると、さそり座が獲物をねらっているかのように空に横たわっています。


東の空では太陽系で一位二位を争う巨大惑星の木星と土星がほどよい高さで並んでいます。


すでに薄明が始まっていますが画像処理するとうっすらと天の川が浮かび上がりました。


おっと、そうそう早起きの目的はISSの撮影に備えてのピント合わせでした。


本日のターゲットは太陽高度10°のISS Daylight Pass です。


野口宇宙飛行士の長期滞在ミッションも残すところあと1週間となりましたので撮れるときに撮っておこうという魂胆です。本日のISS光度は-3.3等級です。4月16日の朝も-3.3等級のDaylight Passがあったので双眼鏡で見ていたのですが、全く見えませんでした。今日は望遠鏡もセットしてやる気満々です。方位と高度も合わせてあとは通過を待つのみです。

さ~て時間です。そろそろ来るぞ… と思いきや、まったく見えません…そんなはずは…と思い望遠鏡を振り回すも、ファインダーの中にはヒットせず… なんと見つけることができませんでした。

う~ん、予感はありました。日の出後の空はどことなくモヤモヤしていて蔵王の山々もはっきりは見えない状態でした。さらに今日のコースは天頂よりも南側にあるので逆光ルートです。やはり順光でないと昼間のISSは見えないのかもしれません。残念ですが、次の機会を待つことにしましょう。

で、おまけの動画です。これはピン合わせの時にD810Aの動画モードで撮影した4時13分の木星です。



感度を高くしているので木星も衛星も肥大しています。
カリストは肥大化した木星と重なっているのでこのビデオ映像では見えません。

撮影機材はISS撮影用のDOB30cmにパワーメイトを装着したいつものシステムで~す。


2021年4月19日 月面X

2021年04月19日 | 月面X
4月19日は今年2回目の月面Xです。
今回も天気に恵まれて月面Xを見ることができました。

今回のファーストショットは最近購入した80mm屈折望遠鏡での直焦点撮影です。


2021/4/19 19h40m31s Sky Watcher BKED80 D810A ISO1600 1/640
この写真は1枚画像をNIKON CaptureNX-D で現像しただけですが、滑らかさを失わずに階調よく描写できていてちょっとオドロキです。ステライメージを使わずにここまでできるとはRAW現像の奥深さを見た感じです。この時のルナXはまだ完全なXにはなっていないのでピーク直前のようですね。


こちらは BKED80に惑星カメラ174MM+IR Pass filter(685nm)を装着して撮影した画像です。


2021/4/19 19h56m BKED80 ASI174MM Shutter=1.782ms Gain=272 (68%) 50% of 4507flames

ここで望遠鏡チェンジです。μ210に174MMを装着して撮影再開です。
下記画像の撮影時刻は20時31分です。もう少しで完全なXになるところ…かな。

2021/4/19 20h31m μ210 ASI174MM Shutter=3.719ms Gain=337 (84%) 50% of 2208flames

晴れスター的独自予報ではピーク時間を20時54分と予想していましたが大体合っているようですね。
過去ブログ→2021年見たい天体現象「Lunar X」

2021/4/19 20h41m μ210 ASI174MM Shutter=3.375ms Gain=332 (83%)

こちらは月縁を入れて撮った写真です。アルファベットのLは見えますが
今回のEはどちらかというとVのような形になっています。


ビミョーな影の具合でアルファベットに見えたり見えなかったり…ですね。

今回は、Rが2つ並んだように見えるところがあって…そのように見てしまうと
脳が勝手に認識して、そのようにしか見えなくなってしまいます。刷り込み現象だ~。


さ~て、次回の月面Xは6月17日です。全国的に梅雨入りしている時期ですが天気はどうでしょう?
うまい具合に梅雨の晴れ間に当たるといいのですが…


月と木星と土星の接近

2021年04月08日 | 
天気が良かったので早起きをして月と木星と土星の接近を見てきました~。

余裕を持って出かけたので、おっ、今日は月出に間に合ったぞ~、
と思ったらしっかり昇っていて木立の向こうで赤くなっていました。月出前の星空を撮り
たかったのですが、それはまたの機会として早速、撮影会を開始しましょう!

2021/4/8 3h49m15s D810A VR24-70mm f/2.8E f38mm ISO4000 f10 5sec


おっと、ホワイトバランスオートモードで撮影したらなぜか色温度が2676Kになって青み
増し増しの画像になってしまいましたが、雰囲気がいいのでそのまま採用です。

2021/4/8 3h57m45s D810A VR24-70mm f/2.8E f70mm ISO4000 f9 1sec


こちらもオートモードですが色温度が2999Kになって色味も自動調整されてグリーン強め
の画像になりました。絵的にキレイなのでこれまたそのまま採用です。

2021/4/8 4h00m18s D810A VR24-70mm f/2.8E f70mm ISO4000 f10 1/1.3sec

えっ、そんなことしていいの? 実際の空と違う色にしたら、それって作られたウソの写真だよね。
SNSでも雑誌の投稿にもそういう…ちょっと違う…という写真を見かけることがあるけど、それって、
いかがなものでしょう? と思いのあなた! 私もそう思います。私もなるべく見た目の色(記憶色)に近づけようとホワイトバランスの撮影前設定と撮影後のWB調整をしますが、結局の所、設定を100%正しくすることはほぼ不可能です。

なので、RAW画像を現像するときに忠実な色がほしいときはカラーコレクションを心がけて、これは
作品作りと割り切るときはカラーグレーディングをすると自分の中では決めています。

補足:カラーコレクションは本来は映像制作用語として使われていた言葉で、画像(映像)の明らかな質の問題を修正して適切な状態に戻す作業のことを言います。それに対して、自分好みの色味や色彩にして芸術的に作品を仕上げることをカラーグレーディングと言って、現在ではこのように区別して使うのが時代の流れのようです。(個人的な認識ですが)

問題は、自分の中ではその区別ができていても、そのことを宣言しないと他の人が見たときに、なんじゃ、こりゃ~、ありえんてぃ写真だ~、となってしまいます。明らかに誇張された色合いをあたかも目の前で見たかのようにコメントするのはNGですが、天体写真は本来肉眼では見えない暗い星や肉眼で感じた色を描写して出力するモノなのでビミョーですよね。

写真の応募作品もカラーコレクション部門と芸術作品部門と分ける方が誤解が無くて良いのかも…。
あ、でも、そもそも線引きができないかな?


閑話休題、さて、今日は旧暦の2月27日なので二十七夜月ですが月齢としては25.4です。

2021/4/8 4h34m04s D90 Sky Watcher BKED80 ISO1600 1/320sec(トリミング)



空が明るくなってきました。
4時30分の木星の高度は15°、土星は20°です。望遠鏡で撮影するのはまだキビシイですね。

2021/4/8 4h30m24s D810A VR24-70mm f/2.8E f56mm ISO4000 f16 1.6sec


こちらは日の出10分後に撮影した青空の中の二十七夜月です。

2021/4/8 5h20m30s D810A Sky Watcher BKED80 ISO200 1/800sec

春の朝は白道が寝ているのでこのくらい細くなると青空の中で見つけることは難しいですね。



ISS拡大撮影(惑星カメラ編)その4

2021年04月07日 | ISS(国際宇宙ステーション)
ISS拡大撮影(惑星カメラ編)7th トライアルの記録で~す。

本日のイベントデータ


東京ど真ん中コースなので仙台からは直距離で533kmのやや遠めの通過です。


日没は18時06分ですが、18時20分になっても星が見えません。空が青い!
ピント合わせ用のシリウスを発見したのが18時25分…バーティノフマスクを使ってピンを合わせようとしたのですが、シリウスの光度が足りずはっきり見えません。とりあえず心眼で合わせたことにして撮影準備完了です。

本日の撮影システムは、Powermate2×+174MM+IR Pass Filter(685nm)です。
さて、時間です…が、ISSがやってきません。全く見えません。遅れているのか~、と思った瞬間
わぉ! すでにシリウスの上空を通過しています。かなり暗くて見つけられませんでした。

…ということで、撮影のスタートは最大仰角を過ぎてからで、高度44° 距離586kmのところです。


焦点距離を3000mmにしていますが距離が586kmもあるので拡大率はこの程度です。



こちらは18時34分03秒の動画を300pixelで切り出した一コマ(高度39° 距離644km)


スタートが遅かったので追尾は屋根で見えなくなる高度16°までしつこく追いかけました。
おっと、忘れてました。撮影データはShutter=0.876ms、Gain=250 (62%)、FPS (avg.)=44、
Frames captured=6104 です。


直距離586km , 仰角44° → 直距離 1167km , 仰角16°、58秒間


今回はシーイング対策用のIR Pass Filterを付けてみましたが、その効果があったのかよくわかりませんでした。最大仰角で撮影できなかったのは残念ですが、とりあえず動画を撮影することができたので今回のデータを基にして次回の作戦を練ることにしましょう。