晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

春の銀河でD90テスト撮影

2009年05月01日 | 系外銀河
4月30日の土星撮影後、D90のテスト撮影をしました

北西の空には月齢5の月がまだありますが、
明日以降はもっと月が明るくなるのでテスト撮影決行です。

始めにピントあわせチェックを兼ねてベガの撮影です。

2009.4.30 22:28 SE200N D90 ISO400 60sec

ライブビューのピントあわせはお見事の一言です。
問題は電動フォーカサーとラックアンドピニオンギアのマッチング
ですね。バックラッシュがひどすぎます。トホホ…。

さて、次は長時間露出です。と言っても
今日の空の具合では120秒露出が限界です。
ではM51を撮影してみましょう。

2009.4.30 22:53 SE200N D90 ISO640 120sec×3
う~ん、どうでしょう… アンプノイズはないようですが、
ホットピクセルとダークピクセルが多いように感じます。

つぎはM101です。ISO感度を上げてみました。

2009.4.30 23:00 SE200N D90 ISO1250 60sec×4
ふ~む、背景にざらつきありますね。

最後はM3です。球状星団はどうでしょう?

2009.4.30 23:16 SE200N D90 ISO800 60sec

M3とM51はクリックするとトリミング画像が見られるようにしてあります。
さ~て、どうでしょう。D90にはメリットとデメリットがかなり混在している
ように感じます。NIKONには広角レンズに発生する偽色という原因不明
の欠陥がありますが、それは改善されているのでしょうか。
さらに、テストを重ねていきましょう。

季節外れの好天気

2009年01月25日 | 系外銀河
昨日に続き、今日も好天気の予感…

1月としてはめずらしく、
気温上昇、偏西風南下、透明度抜群…

ふ~む、どこか春先を思わせる天気です。

ということで、今夜はひさびさの星空撮影会です。
今夜は透明度がいいので、冬の星雲を撮影してみましょう。

M42オリオン大星雲

2009年1月25日 22:15 SE200N D50 120sec×2

NGC2024

2009年1月25日 22:54 SE200N D50 180sec
オリオン座の三つ星の左側の星の東側にある
「燃える木」と呼ばれている散光星雲。

M1

2009年1月25日 23:54 SE200N D50 180sec、95sec
おうし座の角のすぐ近くにある「M1(かに星雲)」は1054年に
爆発した超新星の残骸、現在も膨張している。

IC443

2009年1月25日 24:35 SE200N D50 180sec
ふたご座のη星付近に広がる淡い星雲「クラゲ星雲(IC443)」
を撮影したのですが、残念ながら写っていません…。
非常に淡い星雲なのでノーマルカメラではなかなか写らない
天体です。こちらも超新星の残骸です。
写るととってもきれいな天体なのですが…、

さて、日付が変わりましたが、今日の撮影会のメインは
ルーリン彗星です。現在てんびん座付近にあります。
昇ってくるのは朝方なので、それまで仮眠をとることにしましょう。

春の系外銀河Part3

2008年05月10日 | 系外銀河
久しぶりに晴れた5月6日の夜、
22時30分頃から始めた撮影が終了したのは25時30分頃。
撮影時間は約3時間、その間、透明度が良くなることはなく…
ソラノクラサは18.22等級→17.75等級→18.32等級と推移する。

途中薄雲が北極星付近で発生するが撮影には影響なし。
おおぐま座から撮影を開始して、りょうけん座、かみのけ座と
望遠鏡を向けていく。

撮影した天体は17天体…。内訳は銀河15個、球状星団2個。
10分ペースで1天体を撮影したことになります。
まさに自動導入のなせる技です。

自動導入といってもアライメントの取り方で精度は変わります。
そこでおおぐま座の天体を撮る時は北斗七星のドゥベで
りょうけん座はコル・カロリで、かみのけ座はデネボラで
アライメントをとってから導入をかけました。そうすることで
直焦点の視野には一発で入ってきます。

撮影はISO800で120sと180sを1枚ずつ…
ISOを1600まであげると感度は良くなるのですが
露出時間を適正にしないとすぐ飽和状態になるので
ほとんどの写真がISO800です。

望遠鏡がかみのけ座の銀河にむかって動き始めました。
かみのけ座は暗い星ばかりですが、実はたくさんの銀河を
見ることができる「宇宙のぞき窓」です。

始めに紹介するのはM91です。

M91(NGC4548) 明るさ10.8等、視直径3.7'x3.2' 距離3,700万光年
メシエ91は実は所在不明のメシエ天体です。このNGC4548が
M91らしいと考えられています。形は棒渦巻銀河です。最近の研究で
天の川銀河も棒渦巻き銀河だと考えられています。

次はM98です。

明るさ10.7等 視直径 8'×2' 距離 3,600万光年
M91もM98もかろうじて写っているという感じですね。

さて次はさらに遠いおとめ座銀河団です。距離は5,480万光年です。
おとめ座銀河団は1000万光年以上の範囲に約2500個の
銀河で形成されている銀河集団です。おとめ座とかみのけ座の
境界付近にあります。かみのけ座で見える明るいものは次の4つです。

M85(楕円銀河)

明るさ 9.3等 視直径 3' 距離 5,480万光年
すぐそばに写っている銀河はNGC4394(11.5等)です。

M88(渦巻銀河)

明るさ 10.2等 視直径 5'×2' 距離 5,480万光年

M99(渦巻銀河)

明るさ 10.1等 視直径 5'×4' 距離 5,480万光年

M100(渦巻銀河)

明るさ10.6等 視直径 5' 距離 5,480万光年
中央右側に見えるのがM100、中央左に見える
細長い銀河はNGC4312(12.7等)です。

現在銀河団は1万個以上発見されているそうですが
おとめ座銀河団は、私たちの銀河に一番近い銀河団
です。そのため、私たちの銀河はおとめ座銀河団の
強力な引力に引き寄せられているとのこと…。
5,480万光年も離れているのにその影響を受けるとは、
何ともスケールの大きな話です。

私たちの銀河は直径600万光年の範囲にアンドロメダ銀河
やマゼラン星雲など約50個の銀河で構成されている
「局部銀河群」に所属しています。
小集団…といったところですかね~。

かみのけ座にはもう一つ銀河団があります。
その名もずばり「かみのけ座銀河団」

明るい恒星の下、写真中央にもやっとして見えるのがNGC4874、
その左ななめ上に見えるのがNGC4889です。その周りに見える
小さなもやっとした天体はすべて銀河です。距離はなんと…
2億9000万光年! 
約3億年前の光を見ていることになります。
4億年前にオゾン層ができたので3億年前は地上には
まだ生物がほとんどいない頃…です。

気が遠くなります…。

かみのけ座には肉眼で見える散開星団Mel.111があります。
距離は288光年。3番目に近い散開星団です。

288光年から2億9000万光年の天体を一望できる星座が
かみのけ座です。暗い夜空でないと見えませんが
みなさんもかみのけ座を探してみて宇宙の広がりを
感じてみてはいかがでしょうか。

春の系外銀河Part2

2008年05月07日 | 系外銀河
GW最終日の5月6日、ついに晴れました。
夜はどうでしょう… う~ん、もやもやしていますね~。

雲はありませんが、透明度が悪すぎます。ふ~む
4等星がやっと見える状態です。しかし、予報では
晴れの状態が続くようです。ならば撮影決行です。

始めは春の定番!おおぐま座の銀河から撮影です。
おおぐま座と言えば、M81&M82ですね。

M81 光度 7.9等 視直径 16'×10'  距離 850万光年
M82 光度 8.8等 視直径 7'×1.5' 距離 850万光年

M82は爆発銀河という名前の通り、大量のジェットが吹き出しています。
M82はもともと渦巻き銀河だったそうだが、2億年前にM81が近づいて
壊滅的な打撃を受けてしまったそうな… 
M82が吹き出しているのはガスだけではありません。
多数の恒星も宇宙空間へ飛び出しているそうです。なんと、今では
500万個の星がM82から失われてしまったそうです。

広い広い宇宙ですが、実は衝突している銀河はけっこうあります。
おおぐま座にも衝突銀河があります。NGC3690(Arp299)です。

2つの銀河が並んでいるように見えますが、少なくとも4つの
銀河が相互作用していることが最近の観測でわかっています。

天文学者ハルトン・アープはこのように相互作用する銀河や、
形のゆがんだ銀河を観測をしてカタログを作りました。
NGC3690はそのカタログの299番目に記載されているので
Arp(アープ)299とも呼ばれています。

さ~て次はふくろう星雲です。

M97(ふくろう星雲)光度 12.0等 視直径 3' 距離 10,000光年

このM97のすぐ近くにあるのがM108。

M108 光度 10.1等 視直径 8'×2' 距離 2,350万光年

さて、おおぐま座はそろそろ終わりにしまして…おとなりの
りょうけん座を見てみましょう。りょうけん座もたくさんの銀河が
見られます。M51、M63は前回撮影したので、今日はM106と
M94に望遠鏡を向けてみました。

M106 光度 8.6等 視直径 18'×8' 距離 2,000万光年

M106はセイファート銀河という種類の特殊な銀河で、強い赤外線と
電波を放っているそうです。

M94 光度 7.9等 視直径 3'×2' 距離 3,260万光年

中心部が明るく、周辺部が淡いので楕円銀河のように見えますが
M94は渦巻き銀河です。周辺部の構造が出るように処理したのですが
ちょっと難しいようですね…。

さあ、まだまだ続きますよ~。このあとはいよいよ、かみのけ座です。
と言いたいところですが、だいぶ長くなったので今日はこのへんで…

続きは、次回で~す。お楽しみに~。

写真限界等級

2008年05月06日 | 系外銀河
GW後半は天気がよくなる予報だったのですが…
ど~も晴れません。期待していただけに残念です。
春の系外銀河撮影Part2はもうしばらく待つことにしましょう。

そこで、今日は先日撮影した写真は何等星まで写っていたのか
調べてみました。

撮影に使用した望遠鏡は口径20cm、焦点距離1000mm。

天文年鑑によると有効口径20cmの眼視限界等級は14.3等級ですが
写真限界等級は、焦点距離1000mmでは18.1等級とのこと。

写真限界等級は空の明るさ、星像の直径に左右されるため、この数値
は条件が最良の時(シーイング良好、空の暗さが22等級)のこと…。
ソラノクラサが17~18等級の仙台では、何等星まで写るのだろうか?

で、調べてみました。使用した星図はインターネット上で閲覧できる
Astronet Sky Map Online です。

比較的光害が少ないM101の写真で調べてみました。



等級はいずれもB等級です。16等級までは確実に写っているようです。
ソラノクラサは撮影方向でかなり違うので、撮影対象によって限界等級は
かなり違うことが予想されます。時間があるときに他の写真で調べてみる
ことにしましょう。

春の系外銀河

2008年04月29日 | 系外銀河
晴れました!快晴です!
さて夜はどうでしょう。

う~ん、透明度はよくありませんが雲は全くありません。
高気圧にすっぽりと覆われているので一晩中、星見ができます。

ということで、ひさびさのスターウォッチングです。
まず、コップ座にいるボアッチーニ彗星です。
7×50の双眼鏡で見てみました。…見えません…
次に、最近購入したWHITEY DOB30で見てみました。…見えませんねぇ~
光害が最も強い方向なので無理ですね、写真を撮っても難しいでしょう。


ボアッチーニはまたの機会と言うことにして
今日のメインは春の系外銀河です。

20cm反射を出して準備開始です。
撮影地は自宅です。さて、仙台の空で系外銀河はどのように
写るのでしょうか?空の条件はあまりよくないですが
さあ、始めましょう!トップバッターはM51です。
りょうけん座の子持ち銀河として有名です。
光度 8.1等 視直径 12'×6' 距離 3,700万光年 です。

本日の写真はすべて複数枚の写真をコンポジットした上で
画像処理をかけてトリミングしています。撮影時刻は21:30~26:30頃、
露出は120秒~240秒、ソラノクラサは17.89~18.32です。

次はM101です。
おおぐま座の渦巻き銀河、回転花火です。
光度 9.6等 視直径 10'×8' 距離 2,300万光年

M101は淡いのではっきり写すのは難しい銀河です。

次はりょうけん座の銀河、M63です。ひまわり銀河
(Sunflower Galaxy)と呼ばれているかわいい銀河です。
光度 10.1等 視直径 10'×5' 距離 2,380万光年

春に咲くひまわりですね。

次はかみのけ座のM64です。中心部に暗黒帯があるので
黒眼銀河(Black-eye Galaxy)」と呼ばれています。
光度 6.6等 視直径 8'×5' 距離 1,180万光年

中心部がつぶれないよう処理してみました。

さあ、次はNGC4565です。
銀河を真横から見る、いわゆるエッジオン銀河です。
光度 10.2等 視直径 15.8'×2.1' 距離 4,500万光年

この銀河、長辺が満月の半分もあるんですねぇ~。
M51と同じくらいの幅があります。

さて、そろそろ月出の時間です。
バッテリーも限界のようです。

天頂近くにはこと座とヘルクレス座が見えていますので
最後にM57とM13を撮影して終わりにしましょう。

バッテリーがないので、コンポジットなしの1枚画像です。


こちらも1枚画像です。

透明度はいまいちでしたが、春の銀河を十分楽しめました。
ゴールデンウィークの後半は晴れの予報が出ているので
期待できそうですね。

M101「渦巻銀河」

2007年06月29日 | 系外銀河
おおぐま座に「回転花火」というニックネームが付いている
渦巻状の銀河「M101」があります。

銀河系をちょうど真上から見ているため、きれいな渦巻き状に見えます。
このように見える銀河をフェイス・オンと呼びます。

この銀河は視直径が大きいわりには、はっきり見えないので光害のある
仙台ではなかなかお目にかかれない銀河です。

300秒露出でなんとか腕が見えてきましたが、ガイドミスで星像が勾玉のように
なってしまいました。
われわれの太陽系がある天の川銀河も上から見るとこんな感じなのでしょうね。

M81 M82 おおぐま座のペア銀河

2007年04月15日 | 系外銀河
春は銀河の季節です。
おとめ座、かみのけ座、おおぐま座の付近には
系外銀河がたくさんあります。

写真は4月11日に撮影したM81とM82です。

2007.4.11 23:22 SE200N D50 ISO1600 直焦点 露出124秒

渦巻状に見えるM81は光度7.9等 視直径26’×14’
距離850万光年 実直径約10万光年の系外銀河です。
かすかに2本の腕が見えています。

細長く見えるM82は光度8.8等 視直径11’×4’
850万光年の距離にあり 中心部からジェットを噴出している
爆発銀河です。

こちらの写真は3月9日に自宅庭で撮影したM81とM82です。

2007.3.9 21:32 SE200N D50 ISO800 直焦点 露出60秒

光害のある夜空でもそこそこ写ります。感度と露出がちがうので
単純に比較はできませんがSQM値「21.05」の場所は細かいところ
まで写っているようですね。

M51子持ち銀河

2007年04月14日 | 系外銀河
4月11日の夜に撮影したM51です。
M51はりょうけん座にある系外銀河。
その形から「子持ち銀河」と呼ばれています。
距離は3700万光年。光度8.1等級
ネーミングは「親子銀河」の方が
ぴったりくると思うのですが‥


2007.4.11 23.49 SE200N NIKOND50 直焦点 ISO1600 露出107秒 トリミング


春の大三角

2007年04月09日 | 系外銀河
昨日から雷が鳴ったり雹が降ったりと
不安定な天気が続いていましたが
今日の夜になってやっと晴れました。

水蒸気が多いのか透明度はいまいちですが
春の星座をウオッチングしてみました。


夜半過ぎには南の空で「春の大三角」が輝いています。
アルクトゥールスはうしかい座の1等星
スピカはおとめ座の1等星
デネボラはしし座の2等星です。

アルクトゥールスはやや赤い色をしています。

↑望遠鏡で見るとこのような色に見えます。

このアルクトゥールスの少し北のところに
球状星団M3があります。球状星団は銀河系ができたころに
形成されたもので星の化石とも言われています。

2007.4.9 20:59 SE200N NIKON D50 直焦点 ISO800 27sec

M3は約4万5000個もの恒星がぎっしり詰まった巨大球状星団で
明るさは6.9等星もあります。地球から3万2200光年先にあるので
3万2200年前の光を今見ていることになります。

このほかにも春の星座には系外銀河がたっぷり見えて
見所満載です。しし座の足元にある「トリオ銀河」が
有名ですので試しに写真を撮ってみました。

2007.4.9 21:23 SE200N NIKON D50 直焦点 ISO800 49sec

仙台の光害の空ではやっと3つの銀河の位置がわかる程度ですね。
春の星座にはほかにも銀河がたくさん見えるので晴れたらまた
紹介していきましょう。