冬型の気圧配置が強まりさすがに火星の撮影はもう無理だなぁと思っていたのだが…
12月19日によもやの快星となって撮影することができた。以下その記録である。
晴れたといってもこの時期はいつ雪雲が来るか分からないので準備は日没直後から始めた。今日の火星の南中は22時25分。その頃には大シルチスも見えてくるのでそれまで好天が続くといいのだがと思いながら火星が屋根の向こう側から昇ってくるのを待つこと約2時間。
撮影可能エリアまで昇ったのが18時30分過ぎ、まだ電線過密地帯通過中だが撮影を始めた。
こちらは18時49分撮影のファーストショット。高度はまだ42°だが正面にキンメリア人の海、右にはチェレニーの海、下には北極フードも写っている。
Duration=180s Shutter=12.45ms Gain=251(41%) AS!3 25% of 14451 Drizzle1.5×
20時を過ぎて大シルチスが見えるようになってきた。こちらは20時52分に撮影した火星とWinJUPOSを比較したGIFアニメ。砂嵐のたびにアルベド暗部の地域が少しずつ変わるのでWinJUPOSの模様と一致はしていないが同じ中央経度である。
2022/12/19 11h52m(UT) 中央経度 CM = 243° 撮影時高度66°
Duration=180s Shutter=12.95ms Gain=222(37%) AS!3 25% of 13891 Drizzle1.5×
21時を過ぎると大シルチスがはっきり見えるようになった。やはり大シルチスが見えている火星は最も火星らしくてだれもが憧れる火星像だ。12月にしては星の瞬きが小さかったので期待したが冬の気流はさすがに厳しかった。思い描いているアルベド模様は抽出できなかった。
21時47分撮影 高度74°
2022/12/19 12h47m(UT) 中央経度 CM = 257° 撮影時高度74°
Duration=180s Shutter=12.95ms Gain=226(37%) AS!3 25% of 13822 Drizzle1.5×
22時58分の火星
22時25分の南中を過ぎて高度はMAXの76°に達して大シルチスがほぼ正面にやって来た。高度はMAXだが今日の気流ではこれが限界の解像度のようだ。それにしても今夜はかなり寒い! 現在の気温は-4℃、さすがに体が冷えてきたので後ろ髪を引かれる思いだが23時をもって終了とすることにした。
2022/12/19 13h58m(UT) 中央経度 CM = 275° 撮影時高度74°
Duration=180s Shutter=12.95ms Gain=217(36%) AS!3 25% of 13890 Drizzle1.5×
23時01分撮影の火星 WinJUPOSとの比較図
2022/12/19 14h01m(UT) 中央経度 CM = 275° 撮影時高度74°
Duration=180s Shutter=12.95ms Gain=217(36%) AS!3 25% of 14416 Drizzle1.5×
23時06分撮影 Drizzle1.5× off
↓ こちらは Drizzle1.5×を外してノーマルモードでスタックした火星。見た目では分からないが輝面比は1.00を切って0.993になっている。本日の視直径は16.2″だが年末には14.7″とさらに小さくなる。太陽系軌道のインコースを進む地球が火星を置き去りにしていく様子が目に見えるようだ。
2022/12/19 14h06m(UT) 中央経度 CM = 276° 撮影時高度73°
Duration=180s Shutter=11.45ms Gain=225(37%) AS!3 25% of 15699 Drizzle1.5× off
本日のラストフォト
「地球から遠ざかる火星」距離 8681万km 視直径16.2″
2022/12/19 14h11m(UT) 中央経度 CM = 277° De=-7° Ls=356°
Duration=180s Shutter=11.45ms Gain=225(37%) AS!3 25% of 15699 Drizzle1.5× off
今回の火星接近では大シルチスを撮影するチャンスがなかなか来なかったが最後の最後でチャンスが巡ってきた。解像度はともかくとして2022年の記録は残すことができた。2年前の接近時はどうだったのかと過去画像を探ってみたらほぼ同じ中央経度で撮影した高解像度の画像があった。
さすが視直径が大きいと違うなと思わせる写真だが2020年の画像がすべて高解像度だったわけではなく気流が良かったこの日が突出して高解像度だっただけである。結局気流次第だということを痛感した。それにしても2年前の画像と比べると今回の火星の解像度は悪すぎるなぁ。
2020年9月22日 01時52分(JST)の火星 視直径21.7″ 6460万km
2020.9.21 16h52m(UT) 中央経度 CM=262° De=-18° Ls=282°
ZWO ASI290MC Shutter=28.40ms Gain=350 (58%) Duration=120s
AS!3 Noise Robust6 50% of 4226frame AP9
9月22日 02時00分~02時10分(JST)の火星アニメーション
〈12月19日21時の天気図〉
12月19日によもやの快星となって撮影することができた。以下その記録である。
晴れたといってもこの時期はいつ雪雲が来るか分からないので準備は日没直後から始めた。今日の火星の南中は22時25分。その頃には大シルチスも見えてくるのでそれまで好天が続くといいのだがと思いながら火星が屋根の向こう側から昇ってくるのを待つこと約2時間。
撮影可能エリアまで昇ったのが18時30分過ぎ、まだ電線過密地帯通過中だが撮影を始めた。
こちらは18時49分撮影のファーストショット。高度はまだ42°だが正面にキンメリア人の海、右にはチェレニーの海、下には北極フードも写っている。
Duration=180s Shutter=12.45ms Gain=251(41%) AS!3 25% of 14451 Drizzle1.5×
20時を過ぎて大シルチスが見えるようになってきた。こちらは20時52分に撮影した火星とWinJUPOSを比較したGIFアニメ。砂嵐のたびにアルベド暗部の地域が少しずつ変わるのでWinJUPOSの模様と一致はしていないが同じ中央経度である。
2022/12/19 11h52m(UT) 中央経度 CM = 243° 撮影時高度66°
Duration=180s Shutter=12.95ms Gain=222(37%) AS!3 25% of 13891 Drizzle1.5×
21時を過ぎると大シルチスがはっきり見えるようになった。やはり大シルチスが見えている火星は最も火星らしくてだれもが憧れる火星像だ。12月にしては星の瞬きが小さかったので期待したが冬の気流はさすがに厳しかった。思い描いているアルベド模様は抽出できなかった。
21時47分撮影 高度74°
2022/12/19 12h47m(UT) 中央経度 CM = 257° 撮影時高度74°
Duration=180s Shutter=12.95ms Gain=226(37%) AS!3 25% of 13822 Drizzle1.5×
22時58分の火星
22時25分の南中を過ぎて高度はMAXの76°に達して大シルチスがほぼ正面にやって来た。高度はMAXだが今日の気流ではこれが限界の解像度のようだ。それにしても今夜はかなり寒い! 現在の気温は-4℃、さすがに体が冷えてきたので後ろ髪を引かれる思いだが23時をもって終了とすることにした。
2022/12/19 13h58m(UT) 中央経度 CM = 275° 撮影時高度74°
Duration=180s Shutter=12.95ms Gain=217(36%) AS!3 25% of 13890 Drizzle1.5×
23時01分撮影の火星 WinJUPOSとの比較図
2022/12/19 14h01m(UT) 中央経度 CM = 275° 撮影時高度74°
Duration=180s Shutter=12.95ms Gain=217(36%) AS!3 25% of 14416 Drizzle1.5×
23時06分撮影 Drizzle1.5× off
↓ こちらは Drizzle1.5×を外してノーマルモードでスタックした火星。見た目では分からないが輝面比は1.00を切って0.993になっている。本日の視直径は16.2″だが年末には14.7″とさらに小さくなる。太陽系軌道のインコースを進む地球が火星を置き去りにしていく様子が目に見えるようだ。
2022/12/19 14h06m(UT) 中央経度 CM = 276° 撮影時高度73°
Duration=180s Shutter=11.45ms Gain=225(37%) AS!3 25% of 15699 Drizzle1.5× off
本日のラストフォト
「地球から遠ざかる火星」距離 8681万km 視直径16.2″
2022/12/19 14h11m(UT) 中央経度 CM = 277° De=-7° Ls=356°
Duration=180s Shutter=11.45ms Gain=225(37%) AS!3 25% of 15699 Drizzle1.5× off
今回の火星接近では大シルチスを撮影するチャンスがなかなか来なかったが最後の最後でチャンスが巡ってきた。解像度はともかくとして2022年の記録は残すことができた。2年前の接近時はどうだったのかと過去画像を探ってみたらほぼ同じ中央経度で撮影した高解像度の画像があった。
さすが視直径が大きいと違うなと思わせる写真だが2020年の画像がすべて高解像度だったわけではなく気流が良かったこの日が突出して高解像度だっただけである。結局気流次第だということを痛感した。それにしても2年前の画像と比べると今回の火星の解像度は悪すぎるなぁ。
2020年9月22日 01時52分(JST)の火星 視直径21.7″ 6460万km
2020.9.21 16h52m(UT) 中央経度 CM=262° De=-18° Ls=282°
ZWO ASI290MC Shutter=28.40ms Gain=350 (58%) Duration=120s
AS!3 Noise Robust6 50% of 4226frame AP9
9月22日 02時00分~02時10分(JST)の火星アニメーション
〈12月19日21時の天気図〉
12/19は寒かったですね!その中の撮影敢行,さすがです。私は寒さに負けてしまいました。冬の気流はいかんともしがたいものですね。それでも大シルチスをはじめいろいろ写っています。それにしても,2年前の画像は素晴らしいですね。私も2年前に撮ったのを見てみると今年よりはるかによく写っています。こうなると,夏に衝にならないとよく見えないということになりますが,木星と土星はこの後しばらくは冬場に衝でしょうから,よく見えなくなるのは困ります。大赤斑も縮小してきてるし土星の環も傾きが小さくなるし…。地上はがっかりすることが多いので,せめて天上の世界はきれいに見せてほしいものです。
12/19の火星を撮影しているときは、12月にしてはアルベド模様が出たぞ~と喜んでいたのですが、それは単に気流が悪い時の火星を見慣れてしまったことのぬか喜びだと気づいてホントにガッカリでした。2029年までは火星の接近が1月・2月・3月なので2031年5月の中接近までしばらくは我慢の時期となりますね。木星と土星も冬場の衝となるとホントに惑星の楽しみがなくなってしまいます。このへんで全身が鳥肌になるような巨大ほうき星が来てくれると天文界が盛り上がるのですがね~。そろそろやって来そうな気もするのですが…どうでしょうか。巨大ほうき星が無理なら超新星でもいいのですがね~その方が確率は低いですけど。(笑)