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晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

アトラス彗星(C/2024 S1)のその後(最終報告)

2024年10月29日 | 彗星
C/2024 S1 (ATLAS) は残念ながら太陽熱に耐えることができなかったようです。


 ↓ 07:24(UT)の画像では彗星の頭部(核)が写っていましたが…


 ↓ 08:24(UT)の画像では頭部(核)が見えなくなって…


 ↓ 09:00の画像が C/2024 S1 (ATLAS) の尾の残骸を確認できた最後の画像となりました。

 かくして 2024年ハロウィーン・グレートコメットという称号が準備されていたアトラス彗星(C/2024 S1)は幻となってしまいました~。まー、ほうき星は水物(氷物?)なのでしかたないですね~。

 さて、クロイツ群ほど太陽に接近はしませんが来年1月13日に近日点距離0.09auまで近づくアトラス彗星(C/2024 G3)がマイナス1等級になるのでは、…と注目されています。

 こちらもアトラス彗星(C/2024 S1)と同様に太陽熱に耐えることができず消滅するだろう…と予測されていますが、生き残ればマイナス13等級になるというトンデモ予測もあるので注目株ではあります。

 軌道を見ると条件良く見られるのは南半球で、北半球では近日点通過後に観測できる可能性はあるがほぼ無理だろうレベルなのでまたしてもSOHOでのウオッチングになりそうですね。

アトラス彗星(C/2024 S1)のその後(速報)

2024年10月28日 | 彗星
C/2024 S1 (ATLAS) がSOHOのLASCO C2画面に入ってきました。


 LASCO C2の最新画像ではかなり小さくなっていますが、まだ健在のようです。


  C/2024 S1 (ATLAS)と同じサングレーザー彗星で「2011年クリスマスのグレートコメット」となった「ラブジョイ彗星(C/2011 W3)クロイツ群」は絶対等級が C/2024 S1 (ATLAS)と同じ15等級でしたが100万度のコロナに耐え抜いてみごとな大彗星となったので、ここからが勝負ですね!

↓ ラブジョイ彗星(C/2011 W3)が太陽コロナを通過する様子(近日点距離:14万km)

  アトラス彗星(C/2024 S1)がコロナに耐え抜いて生き残るのか、それとも蒸発して雲散霧消となってしまうのか、今後の状況を見守ることにしましょう。

 がんばれ~、アトラス彗星!

アトラス彗星(C/2024 S1)

2024年10月27日 | 彗星
明日10月28日に太陽から約 0.008 au(約120万 km)しか離れていない近日点を通過するサングレーザー彗星のC/2024 S1 (ATLAS) がSOHOのLASCO C3画面で見えるようになってきました~。

え!? どこにあるの?…と探してしまうほど、めっちゃ、小さいです!


↓ こちらは2010年3月に太陽にダイブして消滅したクロイツ群の彗星です。C/2024 S1 (ATLAS)も太陽に近づくにつれて徐々に光度を増していくと思われますので推移を見守ることにしましょう。


〈関連ブログ〉
運命づけられた彗星:SUNGRAZING COMET 2016.8.5
C/2019 Y4 アトラス彗星 2020.4.7
C/2019 Y4 アトラス彗星はどうなるの? 2020.4.8
アトラス彗星(C/2019 Y4)が昼間見える彗星になる可能性はあるの? 2020.4.9
結局、アトラス彗星(C/2019 Y4)は見えるの?見えないの? 2020.4.10
FRAGMENTS OF COMET ATLAS 2020.4.15
アイソン彗星(C2012/S1)11/21~12/1 2013.12.05

10月13日の火星

2024年10月26日 | 火星
ニュー惑星カメラ(Player One Apollo-C)テスト撮影第3弾の火星です。


2024/10/13 4h01m μ210+TPL-18mm+Apollo-C(UV/IRcut)Shutter=12.43ms Gain=300 (62%) Duration=60s AS!3 50% of 4815 Drizzle1.5×

 撮影時の火星の中央緯度は11.38°でした。北極がだいぶ見えるようになってきましたね。撮影時の光度は0.4等、視直径は8.1秒、地球からの距離は1億7300万kmです。まだまだ遠いですね~。

 10月13日の火星から見た太陽黄経(Ls)は 344.5°なので、火星暦では3月4日の1日目になります。春分の日まであと少しですね~。

 え!? まって、まって、3月4日の1日目って、どういうこと?…

〈説明しよう!〉
なんと火星では3月4日が2日間あるのです!それだけではなく全ての日が2日ずつあります。
そのわけは…
 ・火星は地球より太陽から遠いところを公転してるので太陽の回りを1周するのに687日かかる
 ・地球では1日で1°ほど太陽黄経が進むが、火星では1日で(平均すると)約0.5°しか進まない…
 ・そのため火星では太陽黄経が1°進む時間は地球の2日間になってしまう…
 ・火星暦は火星から見た太陽黄経の値を地球の暦に当てはめて表記している…
ということで火星のカレンダーを地球歴で表すと全ての日が2日ずつあることになってしまいます。
 *注:火星は軌道離心率が大きいので遠日点付近では太陽黄経が1°進むのに3日かかることもある。逆に近日点付近では1日で1°進む日もある。

実際に国立天文台>惑星の自転軸で調べると
 2024年11月13日の火星から見た太陽黄経は0.36°になるので火星の春分の日となりますが、

 翌日11月14日の太陽黄経はまだ0.86°なので、この日も春分の日となってしまいます。

 なので、将来、人類が火星に移住したときにはいろいろと不都合が出てきます。

 例を挙げると、火星で生まれた火星キッズが火星で1年間を過ごして誕生日のロウソクふうをする日は地球歴では687日も過ぎているので1歳の誕生日なのに事実上はほぼ2歳ということになります。

 ということは日本の小学校に入学して6年生で卒業するときは地球歴に換算すると22歳になっているということになります。わぉ、 #火星移住  #教育基本法改定

 さらに、火星で生まれた子どもたちが成人年齢に達する18歳は、地球歴に換算すると33歳のおっさん…ということになります。こりゃ、こまった!? #火星移住  #成人年齢引き下げ問題

 地球の記憶がある人は地球歴で問題ないけど、火星で生まれた子どもをわざわざ地球歴に換算するのはどーかと思うので、火星移住後の年齢をどう数えるか問題は早急に解決する必要がありそうですね。

おっと、話がだいぶそれてしまいましたが、 ニュー惑星カメラのテストはさらに続きまーす。

〈追記.11/14〉
撮影時のシーイング

紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)9th 観望記録 10/21

2024年10月24日 | 彗星
10月21日は曇りの予報だったのですが、日没後に星が見えたので自宅で観望しました~。

 さすがに肉眼では見えませんでしたが、双眼鏡で尾がしっかり見えて、超ビックリです!

2024/10/21 17h49m23s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F3.5 ISO6400 3sec 

 光害がバリバリある自宅で双眼鏡越しとは言えこれほど尾がスッと伸びたほうき星は見たことがありません、う~ん、おそるべし、紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)… これはモンスター級ですね。


2024/10/21 18h28m18s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F3.5 ISO4000 3sec×4 

 で、自宅で捕獲できた貴重な?画像なのでガリガリの画像処理を見境なく行いました~。(^^ゞ

2024/10/21 18h28m18s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F3.5 ISO4000 3sec×4 トリミング

 なんとアンチテールまで見えてまたまた超ビックリです。尾の長さをステラナビで調べたところ写っていたのは満月15個分の7°30′ほどでした。わぉ!

 彗星本体の明るさは暗くなりましたが、薄明終了時の高度が30°もあるのでこれからは自宅の望遠鏡で撮影できそうです。天気の具合を見ながら撮影にチャレンジしてみることにしましょう。

10月13日の木星

2024年10月23日 | 木星
ニュー惑星カメラ(Player One Apollo-C)テスト撮影第2弾で~す。

 この時は他の惑星カメラで撮影しなかったので比較はできませんが良さそうな感じはします。なぜかガニメデの模様がクッキリ写りました~。で、拡大率の方ですがもう少し大きくしてもいいような感じがするのでさらにテストを重ねてみることにしましょう。

 03時16分の木星(撮影時高度73°、視直径43.8″、輝面比0.99)


2024/10/13 03h16m μ210+TPL-18mm+Apollo-C(UV/IRcut) 
Shutter=15.30ms Gain=350 (72%) 60s × 50%


03時32分の木星(De-rotation)


2024/10/13 03h32m μ210+TPL-18mm+Apollo-C(UV/IRcut) 
Shutter=15.30ms Gain=350 (72%) 60s × 50% ×10 De-rotation

↑ 今回はDe-rotationした方がぼやけたので以下は単独1枚画像です。気流のわりには解像度が良かったかも…です。↓

03時37分の木星(1枚画像)


2024/10/13 03h37m μ210+TPL-18mm+Apollo-C(UV/IRcut) 
Shutter=15.30ms Gain=350 (72%) 60s × 50%



04時10分の木星(1枚画像)↓ 上にある衛星はイオです。

2024/10/13 04h10m μ210+TPL-18mm+Apollo-C(UV/IRcut) 
Shutter=15.30ms Gain=350 (72%) 60s × 50%

 木星撮影の途中で火星にも望遠鏡を向けてテスト撮影を行いましたが、そちらは鋭意画像処理中なので出来上がったら…アップする予定で~す。(^^ゞ


〈10月24日追記〉
撮影した全カットを繋いだGIFアニメで~す。

紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)8th 観望記録 10/20

2024年10月22日 | 彗星
紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)8回目の観望記録です。

 10月20日は紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)が夕方の空で見えるようになってから、月明かりのない薄明終了後の夜空で初めて見ることができる日です。とはいっても薄明終了が18時18分で、月出が18時28分なので、薄明終了後の夜空は計算上は10分しかありません。

 そこで今回は夜空が一番暗くなった時間はいつなのかを把握するためSQM(スカイクオリティメーター)でソラノクラサを計測しながら紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)を撮影します。

 観測地はなるべく空が暗いところがいいので10月2日に行った紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)3rd観望場所にしました。ここは数値上では蔵王よりも空が暗い場所です。

 気になる天気ですが予報は快晴で、晴れガールの妻も同行しているので天気の心配はまったくありません。日没前は西空にわずかに雲がありましたが日没後は見事な快星になりました~。

 日没時刻は16時50分です。1等星が見え始める時刻は17時40分頃ですが、なんと17時32分にはデジカメ上で彗星を確認することができました。さすが空が暗い場所は違います。

  17時50分を過ぎる頃には肉眼でスッと伸びる尾がはっきり見えました。ここで車の中で待機している宙ガールさんに声を掛けてほうき星観望会の始まりです。

17時54分に撮影した紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)

2024/10/20 17h54m44s D810A Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm F4.5 f300mm ISO3200 25sec ↑ 焦点距離300mm  photo

 まずチェアに座ってもらって双眼鏡で紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)を見つけてもらいます。上の方に伸びている尾も確認したところで双眼鏡から目を離して眼視で彗星を見てもらいます。

2024/10/20 17h56m28s D810A Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm F4.5 f100mm ISO3200 60sec ↑ 焦点距離100mm  photo

 あ~、あれね、うん、見える。尾が伸びているのも分かる… これがほうき星なのね、初めて見た… とご満悦そうでした。尾が伸びている方を見上げると… ほほう、天の川が色濃く見えます。その中に明るい3つの1等星が見えます。そうです。夏の大三角です。

 夏の大三角がわからなくなるほど色濃い天の川も凄かったのですが、その下にまっすぐ尾を伸ばしたほうき星があるなんて、これまで見たことがあっただろうか… と悦に浸ってる時間はありません! 月が昇ってきます!撮影を急ぎましょう。

 こちらは尾の長さを実測するために感度を上げて撮影した紫金山・アトラス彗星です。なんと尾はあの死者をも蘇らせるへびつかい座の医神アスクレピオスの体を突っ切って右肩まで伸びています。

2024/10/20 18h05m31s D810A Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm F4.5 f50mm ISO10000 20sec  ↑ 焦点距離50mmです! photo

 眼視で見えた尾の長さは約13°でしたが、この写真を使ってステラナビで計測すると尾の長さははっきり確認できるところで19°、ひいき目で見ると20°は伸びているかな…という感じです。(photo)

2024/10/20 18h05m31s D810A Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm F4.5 f50mm ISO10000 20sec  モノクロ反転 ↑ 焦点距離50mm

空が最も暗い時間に撮影した紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)*SQM測定値20.91

2024/10/20 18h12m52s D810A Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm F4.5 f300mm ISO12800 15sec  ↑ 焦点距離300mm   photo 

紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)と天の川 

2024/10/20 18h26m26s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f24mm F2.8 ISO6400 15sec ↑ 焦点距離24mm photo

 月出の3分前ですが空はすでに月明かりの影響を受け始めました。*SQM測定値20.72

2024/10/20 18h27m07s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO6400 15sec ↑ 焦点距離70mm

 月出3分後には空が急速に明るくなって、彗星の姿が見る見るやせ細っていきました。天の川もすでに眼視では見えません。明るい空ではまるで別のほうき星を見ているかのように小さく感じます。

2024/10/20 18h31m46s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f30mm F2.8 ISO6400 15sec ↑ 焦点距離30mm

 東に見える山の端から強烈な月光を放って月が昇ってきました。まるで背後からスポットライトを浴びたかのように自分の影が伸びているその先で、月光に負けじと尾を伸ばしている紫金山・アトラス彗星が空に浮かんでいます… それは神々しささえ感じるすばらしい眺めでした~。

2024/10/20 18h49m12s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f38mm F2.8 ISO6400 10sec ↑ 焦点距離38mm

本日のラストフォト

2024/10/20 19h25m54s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO3200 8sec ↑ 焦点距離70mm
*撮影時の月高度はすでに8°に達していて地上が月明かりで昼間のように写ってます。私の眼力ではこの時の彗星は見えませんでした。*SQM測定値19.85 月齢17.7 輝面比0.87

さて、SQM(スカイクオリティメーター)によるソラノクラサですが、測定結果は下記のとおりでした
  注:SQM測定はすべて天頂方向です。

 時刻 彗星高度 SQM測定値 月高度
 17:20  33°    -   -航海薄明開始-   
 17:30  31°   17.23
 17:40  29°    -     
 17:50  27°   19.61  -天文薄明開始-
 18:00  25°   20.52
 18:10  24°   20.91  SQM最高値
 18:18  23°    -   -天文薄明終了-
 18:25  21°   20.72
 18:28  20°   20.71  -月出-
 18:35  19°   20.54   1° 
 18:40  18°   20.47   2°
 18:55  16°   20.28   3°
 19:00  15°   20.20   4°
 19:05  14°   20.20   5°
 19:10  12°   19.94   6°   
 19:20  10°   19.98   7°
 19:25  9°     19.95   8°
 19:30  8°     19.85   8°

〈考察〉
 予想どおり月明かりの影響は月出時刻より前に現れていた。空が最も暗かったのは天文薄明が終わる10分前から薄明終了時刻までだったと思われる。

 撮影場所はLight pollution map上ではSQM値21.79となっている地点だが今回のベスト測定値が20.91だったのは天文薄明終了と同時に月齢18の月明かりの影響が出たからだと思われる。

 月明かりがなくて生活光の影響も受けない場所であればさらに長い尾が撮影できていたかもしれない。とはいえ眼視で約13°、画像で19°の尾を伸ばした紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)は誰もが認める令和の大彗星だったと記憶されることだろう。

 となると令和の大彗星論議の対象となるのが2020年(令和2年)7月に出現したネオワイズ彗星(C/2020 F3) だ。撮影画像はともかく眼視で見た(ネオワイズ彗星は実測SQM値21.36magの地点で観望)感じでは、尾の派手さ(広がり)では明らかにネオワイズ彗星(C/2020 F3) が勝っていたと言える。

 しかし、尾の長さと見た目のほうき星らしさ(容姿?)と天の川と一緒に見えたというロケーションを加味すると紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)に軍配が上がる感じがする。(個人的な感想で~す)


〈観望中の空(ソラノクラサの変化)の様子〉



 今後、紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)は暗くなって尾の長さも短くなるが、高度が上がって月も細くなるので観望条件は良くなっていく。予報を見ると不安定な天気が続くようだが、晴れ間を見つけてもうしばらくウオッチングを続けることにしよう。

10月12日の土星(中央緯度5.94°)

2024年10月19日 | 土星
10月12日に撮影した土星(光度 0.7等、視直径18".8)です。

 秋の移動性高気圧通過中の予報が出ていたので期待したのですが気流は思ったほど良くありませんでした。ざ~んねん、気象庁の過去天気図を見ると移動性高気圧の狭間に入っていたのでその影響かもしれません。3分露出で25%スタックした画像を5枚デ・ローテーションした画像がこちらです。


2024/10/12 21h54m μ210+Takahashi 2× Ortho Barlow+ADC+ASI290MC(UV/IRcut) 
Shutter=70.45ms Gain=350 (58%) 3min ×5times Autostakkert3 25%  De-rotation


 今回撮影した土星をよく見ると6月頃に撮影した土星より環の傾きが大きくなっていることが分かります。環の傾きが6月下旬に一番小さくなった土星はそれ以降少しずつ傾きを大きくして11月中旬に中央緯度6.41°(今年最大)になります。


2024年「土星・環の傾きの変化」

 11月を過ぎると環の傾きは再び小さくなって来年の3月24日に中央緯度0°になって土星環の消失となります。残念ながらその日は土星が太陽の近く(離角10°)にあるので観望はできませんが、11月下旬に環の傾き(中央緯度)が-0.46°まで小さくなるので究極に細くなる環は見られそうです。

 さて、10月12日の夜は新しく購入した惑星カメラのテスト撮影も行いました。NEWカメラはPlayer One Apollo-Cです。このカメラはセンサーがIMX174でFPSが164のいわゆるASI174MMのカラー版です。ISS拡大撮影用に購入したカメラですが、まずは惑星で基本性能をチェックです。

 Apollo-CのセンサーサイズはASI290MCより大きいのでTakahashi 2× Ortho Barlowだけでは撮像サイズがかなり小さくなってしまいます。↓

2024/10/12 22h18m μ210+Takahashi 2× Ortho Barlow+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) 
Shutter=41.55ms Gain=350 (58%) 3min ×3times Autostakkert3 25%  De-rotation


 そこでTakahashi 2× Ortho Barlowを外してTPL-18mmで撮影した土星がこちらです。Ortho Barlow+ASI290MCのシステムよりは撮像サイズが小さいですが解像度はASI290MCよりいい感じがします。

2024/10/12 22h18m μ210+TPL-18mm+Apollo-C(UV/IRcut) 
Shutter=57.06ms Gain=370 (77%) 3min ×3times Autostakkert3 25%  De-rotation


土星撮影後は木星でもテスト撮影をしてみました。その様子は次回のブログで~

紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)7th 観望記録 10/17

2024年10月18日 | 彗星
満月の空で紫金山・アトラス彗星が見えるかを確かめるべく7回目となる観望に出かけたのですが…
雲多し!で雲のスキマからかろうじて見えるだけでした~。

 今回の観望地は吉田川の堤防です。日没30分後の西空はこんな感じでした。

2024/10/17 17h31m19s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f29mm F2.8 ISO1600 1/8sec

 今日は近くに目印となる明るい星があったのでC/2023 A3はすぐに見つかったのですが、晴れているように見えたところにも高層雲があってクリアな空ではありませんでした。

2024/10/17 17h44m51s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO3200 1/3sec(トリミング)

 いい感じに晴れてきたと思ったら飛行機雲がやって来ました。わぉ、バッドタイミング!

2024/10/17 17h48m48s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO3200 1/1.3sec(トリミング)

 飛行機雲と彗星の尾がクロスするのは珍しいことではありますが、今はいらないなぁ~

2024/10/17 17h49m27s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO3200 1/1.3sec(トリミング)

 本日の天文薄明開始は17時50分、薄明終了の時間は18時24分です。満月高度は17時50分で12°、18時30分では20°になります。空はすでに満月の影響をかなり受けています。

 う~む、薄明+満月光でも尾がしっかり写っていますね~。これはスゴイことです。

2024/10/17 17h49m49s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO3200 1/1sec(トリミング)

 この天気なので尾は見えませんでしたが双眼鏡で彗星の頭部を確認することができました。

2024/10/17 17h58m56s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO3200 1/1.6sec(トリミング)

 薄明終了時の彗星高度が15°なので期待したのですが18時以降は雲で見えなくなりました。

2024/10/17 17h59m25s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO3200 1/1.3sec(トリミング)

本日のラストフォト「薄明終了後の満月に照らされた紫金山・アトラス彗星」

2024/10/17 18h28m25s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO3200 1/1sec(トリミング)

 SCWでは18:30~19:00に晴天域が来る予報でしたが、見えたのは一瞬でその後は晴れる気配がまったく無かったので「満月の日観望会」は終了となりました。

〈観望中の雲の様子〉


紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)6th 観望記録 10/16

2024年10月17日 | 彗星
ふむ、SCWを見ると晴天域が日本海側から近づいています。仙台上空が晴れることはなさそうですが西空の雲にスキマができれば紫金山・アトラス彗星が見えるかも…です。

 ダメ元で行ってみるか~といそいそと準備をしていると、傍らで「今日はどこへ行くの?…私も行こうかな~」のつぶやきが…

 おっと、こ~れはチャンスです!妻は最強の晴れガールなので一緒に行くと晴れるかもしれません。で、本日の観望場所は近場の田んぼであることを伝えてご一緒してもらいました。

 観望地に着いたのは6時頃でしたが、空はご覧のとおりどん曇りでした。これは無理かな~。

2024/10/16 17h58m30s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f48mm F2.8 ISO2500 1sec(トリミンク)

 6時15分頃に金星とアークトゥールスが見えましたが紫金山・アトラス彗星は雲のムコウガワです。

2024/10/16 18h14m17s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f27mm F2.8 ISO2500 1sec(トリミンク)

 アークトゥールス付近には雲のスキマがあるのですが、彗星の辺りはまったく晴れません。

2024/10/16 18h14m52s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f34mm F2.8 ISO2500 1sec(トリミンク)

 今日はダメか~となかばあきらめかけたその瞬間、 ついにカメラが彗星の頭部を捉えました!

2024/10/16 18h41m32s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f60mm F2.8 ISO2500 1.6sec(トリミンク)

 その5分後には上方に伸びる尾も写ったのですが、天気が回復することはありませんでした。

2024/10/16 18h44m59s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f60mm F2.8 ISO2500 2sec(トリミンク)

 18時55分過ぎには木の向こう側に沈んだので、車で200mほど移動して撮影を再開したところ、

2024/10/16 18h55m03s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO2500 2sec(トリミンク)

 移動の間に雲が切れたらしく、長い尾が姿を現わしていました。ラッキー!

2024/10/16 19h02m59s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO2500 1.6sec(トリミンク)

本日のベストフォト

2024/10/16 19h04m07s  D810A AS-F NIKKOR 24mm-70mm F2.8 ED f70mm F2.8 ISO2500 4sec(トリミンク)

 今回は晴れガールさんのおかげで(この雲量を考えるとまさに奇跡的に)写すことができましたが、眼視はもちろん双眼鏡でも彗星の位置を確認することはできませんでした。

 明日は満月ですが彗星頭部の光度は3等級はあるので十分写るはずです。尾の見え方はかなり短くなると思いますが満月の日に尾が伸びた彗星を撮影する機会はめったに無いので晴れてほしいですね。