晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

45P/本田・ムルコス・パジュサコバ周期彗星

2016年12月31日 | 彗星
昨日の月齢1.0の月撮影ミッション終了後…、

12月31日に近日点を通過する45P/本田・ムルコス・パジュサコバ周期彗星の撮影にもチャレンジしてみました。本日の薄明終了時刻は18時00分、その時点での45P周期彗星の高度はわずかに8.7°です。か~なり厳しい条件です。

ただいまの時刻は17時30分、空はまだ青みが残っていますが撮影してみましょう。

45Pはやぎ座のど真ん中にいます。金星からファインダーで星を辿って導入することにしましょう。

45Pファーストショット 

2016.12.30 17:26-28(4枚コンポジット 露出55sec) SE200N D90 ISO1000

ふ~む、尾が画角からはみ出しています。写っている尾は20分程度ですがかなり伸びているようです。

上記写真を撮影した範囲はこちら(ステラナビゲーター10)


月撮影の直後なので北極星での極軸合わせをまだしていません。ピントも目分量だったのですが、
ピントだけは上記写真撮影後にバーティノフマスクであわせました。時間の都合上、極軸はそのままです。

近日点通過1日前の45P/本田・ムルコス・パジュサコバ彗星

2016.12.30 17:47(2枚コンポジット 露出40sec) SE200N D90 ISO1600 トリミング

日心距離 0.53291 au、地心距離 0.72918 au


雲が流れてくるようになり、撮影は何度も中断です。ふう~。
彗星の高度も10°を切ったので、そろそろ本日の撮影会は終了のようです。

本日のラストショット

2016.12.30 17:50&17:59(2枚コンポジット 露出50sec) SE200N D90 ISO1600

45P/本田・ムルコス・パジュサコバ彗星は近日点通過後、2月上旬に明け方の空に戻ってきます。
日心距離は 1auほどに遠ざかりますが、地心距離は 0.08auまで近づきます。撮影好期は
2月8日~13日ごろかな。肉眼彗星になるほど明るくはありませんが、7等級まで明るくなる
予想も出ていますので期待しましょう。

さ~て、今年もあと5時間となりました。来年はどんな天体現象が見られるでしょうか。
来年もたま~にアップしていきますので、時間があるときにお寄りいただければ幸いです。

今年も、このブログを見てくださった みなさん、本当にありがとうございました。

それでは皆さん、よいお年を~!

月齢1.0の月撮影ミッション!

2016年12月30日 | 
早いもので、明日は大晦日です。

今年の「月齢1未満の月撮影ミッション」は残念ながら実現ならず…でした。
対象日が平日の場合は、仕事があるので夕方の撮影は限りなく不可能に近いですね。

「2016年細~い月撮影可能日一覧」 *月齢1未満の日は3回あったのだが、いずれも平日…。

        新月時刻    日没時刻  翌日の日没月齢&高度
 1月10日 10時31分 (16時36分)  1.3  13.397° 
 2月08日 23時39分 (17時08分)  0.7   7.779°
 3月09日 10時54分 (17時40分)  1.3  14.784°
 4月07日 20時24分 (18時07分)  0.9   9.228°
 5月07日 04時30分 (18時35分)  1.6  15.889°
 6月05日 12時00分 (18時59分)  1.3   9.031°
 7月04日 20時01分 (19時06分)  1.0   3.438°
 8月03日 05時45分 (18時46分)  1.5   7.187°
 9月01日 18時03分 (18時08分)  1.0   4.397°
10月01日 09時11分 (17時21分)  1.3   8.134°
10月31日 02時38分 (16時40分)  1.6  11.258°
11月29日 21時18分 (16時19分)  0.8   7.364°
12月29日 15時53分 (16時26分)  1.0   9.331°

…で、月齢1未満ではありませんが、今日は「2016年細い月」を撮影するラスト・チャンス・デーです。
ということで、突然ですが、本日「月齢1.0の月撮影ミッション」を決行しました。

観測地は、以前月齢1.3の月を撮影した場所、西の空がとにかく広い、とある星見ポイントです。

本日の観測計画(日没16:26)
時刻   方位  コンパス方位 高度  月齢
16:26  236.6   243.6     9.2   1.0
16:36  238.2   245.2     7.6   1.0
16:46  239.9   246.9     6.0   1.0
16:56  241.5   248.5     4.4   1.0
17:06  243.1   250.1     2.8   1.0
*コンパス方位とは偏角を加えた見かけ上の方位

月齢1.0の月は日没何分後に見え始めるかのデータがないので
日没直後から月があるはずの位置を双眼鏡でモニタリングしていく。

撮影は、200mm望遠レンズ→BORG60 2×(600mm)→20cm反射望遠鏡(1000mm) の順で…
撮影可能時間は月が沈むまでの正味30分なので、3つの撮影機材はかなりハードなスケジュールです。


観測地は沼があるので夕方になるとたくさんの雁がねぐらに戻ってきます。

2016.12.30 16:39:43 NIKON D90 TAMRON XR DiⅡ(f105mm) ISO200 F6.3 1/60sec

日没から15分が過ぎましたが、月はまだ見えません。いや、見つからないだけで見えているのかもしれません…。この時間、高度は7°を下回る頃です。月は刻々と沈んでいきます。あせりは禁物です。もう一度方位を確かめて…。

お、おおっ…ありました! 発見しました! 双眼鏡では確認できますが肉眼ではまだ見えません。

とりあえず、撮影です。発見は日没から18分後、発見時高度は6.6°です

2016.12.30 16:44:04 NIKON D90 TAMRON XR DiⅡ(f200mm) ISO200 F6.0 1/30sec

ここで撮影機材をBORG60にチェンジです。肉眼では見えないので導入に時間がかかりました。

新月から24時間54分後の月(月齢1.0)

2016.12.30 16:47:47 BORG60 Powermate2× ISO400 1/80

雁と月

2016.12.30 16:49:03 BORG60 Powermate2× ISO400 1/80

月高度は6°を切りましたが、ここで20cm反射望遠鏡にチェンジです。

月齢1.0 撮影時高度4.8° 輝面比0.01

2016.12.30 16:55:38 SE200N D90 ISO400 1/60

新月から25時間03分後の月

2016.12.30 16:55:58 SE200N D90 ISO400 1/40


日没から37分後、高度は3.5°そろそろ限界です。

2016.12.30 17:03:24 SE200N D90 ISO400 1/13

高度3.0°大気の揺らぎで月縁がふにゃふにゃです。

2016.12.30 17:06:45 SE200N D90 ISO400 1/8

このあと奥羽山脈を越えてやってくる雪雲に隠されて見えなくなりました。


2017年「惑星の接近(火星編)」

2016年12月04日 | 「見たい天体現象」
2017年見たい天文現象の第3弾は「惑星の接近(火星編)」です。

天文現象としての惑星接近は、
①肉眼で楽しめる五惑星(水星、金星、火星、木星、土星)の接近と

金星と木星の接近

2008.2.2.05:19 TAMRON XR DiⅡ18-200mm F3.5-F6.3 f125mm F6.3 3sec

②望遠鏡を通して楽しめる外惑星を含めた惑星同士の接近があります。

木星と天王星の接近

2011.1.12.19:04:27 BORG60 Powermate2 D90 ISO800 2.0sec

土星と金星の接近

2016.1.9 6:38:28 BORG60 Powermate2× ISO800 1/60

③さらに、惑星の接近に月が加わるとより華やかな景色となります。

木星と月と水星の接近

2008.12.30 17:14 NIKON D50  TAMRON XR DiⅡ(105mm)

さ~て、来年はどのような接近が見られるのでしょうか? 調べてみましょう。
2017年は火星大接近(2018年7月31日)の前年なので今回は火星基準でまとめてみました。

火星と海王星の大接近 1月1日18時30分 角距離 4分


火星と月の接近(月齢4.8)1月3日17時30分 角距離15分


火星と天王星の接近 2月27日18時30分 角距離37分


火星と月(月齢28.4)と水星の接近 9月19日04時23分  


火星と水星の大接近 9月17日04時20分 角距離 3分


火星と金星の接近 10月6日04時20分 角距離13分