晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

6月21日 部分日食 観望記録

2020年06月21日 | 日食
「曇ったね~」
「どうする?」

現在時刻は16時00分…。午前中は晴れていたので帰省している娘と妻と3人で西の空が見える近場の観望スポットで日食を見ることにしていたのですが、雲量10のパーフェクト曇天では観望は100%無理です。

あきらめムードが漂う中、時刻はまもなく第1接触の時間です。インターネットを見ると国立天文台のLIVE中継も始まっています。「おっ、石垣島ではもう欠けてる…」

…欠け始めた太陽をLIVEで見た瞬間、日蝕をどうしても見たいという衝動が体中を駆け巡り、日食スイッチが入ってしまった…。

「よし!行くぞ~。日食見に出かけるぞ!」
「え!? どこに?」
「山形だ~。今から行けば最大食分後の後半は見られるぞー!」
「…? 山形って、晴れてるの?」
「だいじょうぶ。晴れてる!行くぞ~。」

本当に間に合うの?。山形に行くのはいいけど、観望場所はどうするの? …という疑問については車の中で考えればいいのでとりあえず出発です。出発時刻は第1接触と同じ16時07分…。

コースは東北自動車道を南下し村田JCから山形自動車道へ、蔵王ICで降りて…観望スポットは山形に詳しい娘に到着するまでにリサーチしてもらいます。

ナビで確認すると山形到着は約1時間後…、ちょうど最大食分の頃です。
「蔵王インター降りてすぐのところに、馬見ヶ崎公園キャンプ場があるから、その近辺がいいかも…。」の声に即決定です。

行先も決まったのであとは安全運転あるのみです。古関PAで小雨が降り始め、見上げると手が届きそうなところに雲底があります。気温は16度。薄暗くなってきました。「本当に晴れてるの?」と言う妻の疑問も当然です。

笹谷トンネルに入りました。長~いトンネルを進むと出口が明るくなっています。日差しです。トンネルを抜けるとそこは別世界、まぶしいばかりの青空が広がっていました。目を細めて太陽を見ると…おお、欠けてます。ほぼ最大食分です。時間は17時を過ぎたところです。間に合いました。

到着した馬見ヶ崎公園キャンプ場駐車場はとても広く、停まっている車も少なかったので他の人に迷惑をかけることもなく観望ができそうです。

こちらが機材をセッティングしている間に妻と娘は遮光プレートと太陽フィルター付き双眼鏡でチェアに座りながら観望です。最大食分は0.4ですが実際に目で見る日食はかなり感動します。




観望中に小さなお子さん連れの方とスマホで写真を撮らせてくださいという方も来てみんなでワイワイ楽しく観察しました。

後半のみの観望でしたが、素晴らしい天気の中で日食を楽しむことができました。

食分0.36

2020.6.21 17:20:27 D810A BORG60 Powermate2× ND-100000 ISO800 1/1000sec


食分0.30

2020.6.21 17:30:43 D810A BORG60 Powermate2× ND-100000 ISO800 1/800sec


食分0.17

2020.6.21 17:43:12 D810A BORG60 Powermate2× ND-100000 ISO800 1/800sec


食分0.06

2020.6.21 17:52:35 D810A BORG60 Powermate2× ND-100000 ISO800 1/800sec


食分0.02

2020.6.21 17:56:13 D810A BORG60 Powermate2× ND-100000 ISO800 1/800sec




17時48分頃、食分0.12の頃の様子で~す。

6月17日の白い気球

2020年06月19日 | Weblog
6月17日の謎の気球の目撃記録で~す。

その日、朝から謎の気球騒ぎが起きていることは全く知らず、9時30分ごろ大和町を車で走行しているときに、前方で路上に車を止めてスマホを空に向けて撮影している人を見かけ、何を撮影しているのだろうと空を見上げたときに白い物体が浮かんでいることに気付きました。



2020.6.17 9:56:34 Canon PowerShot G7X MarkⅡ fl8.8mm F5 1/1250  

…はて、なんでしょう? 車を脇道に止めて降りてみると、おっと、強い風が吹いています。ふ~む、見た感じはバルーンですがこの強風にも関わらず、風に流されることなく静止しているように見えます。方位は南南西、仰角は50~60°、自ら発光しているのではなく明らかに太陽光を反射している物体です。動画はこちら→video


2020.6.17 9:56:23 Canon PowerShot G7X MarkⅡ fl36.8mm F4.5 1/1250

見た感じは明らかに風船またはバルーンですが大きさがよくわかりません。高さは1000mあるかないかくらいだとその時は思ったのですが、報道で10000m以上だと聞いてちょっとびっくりです。目撃しているときにジェット旅客機がほぼ重なって見えましたが、目撃した時の高度は10000m以下だと今も思っています。



2020.6.17 9:43:13 D810A VR24-70mm f2.8 fl70mm ISO800 F16 1/1000 (トリミング)

7×50の双眼鏡で見て分かったことは、真球のバルーンであること、格子状のアンテナのようなものをバルーンの下から1本のワイヤーでぶら下げていることでした。テレビで報道されたようなプロペラ等は見えませんでした。


時間にして15分程度見ていたと思いますが、その間に高度は若干高くなり見かけ上の大きさは小さくなりました。また、動いていないように見えましたが、こちらに近づいている感じがしました。

正体は不明ですが自分の中の結論としてはどこかから流されてきた観測用の気球だなと感じました。それと同時に、似たような気球が10数年前にも目撃されてニュースになったよな~、などと思いながら車に乗り込み出先に向けて運転を再開しました。

今回の気球騒動を見て感じたことは、今回は雲一つない快晴で透明度が良かったことから多くの人に目撃されたけど、実際はけっこうな頻度で日本の上空にやってきていて、天気の具合で気付かないだけなのでは、と思いました。




〈追記〉2020.7.3
7月3日(金)8:15配信 読売新聞オンライン記事→こちら
この記事によると白い物体の飛行コースは
蔵王町→村田町→名取市・岩沼市→太平洋とのこと

結論として所有者・目的は不明、落下物も確認されなかったため
午後5時に県としての対応を打ち切ったとある。

県には高い高度を飛行する物体を追跡する機材がなく対応には限界がある。
今後、同様の物体が出現した場合は政府にと対応を求める考えがあると
村井知事は述べているが、当然である。

どう考えても国防上の問題であり国が対応することだと思うけど、
日本政府は今回の件で本当に動かなかったのだろうか。公表してないだけなのでは…。



6月17日の土星

2020年06月18日 | 土星
木星撮影終了後に土星を望遠鏡で覗いた感じでは…

5月30日に見た時の方が安定していたのでイマイチかな~と思ったのですが、撮影した画像を処理したところそこそこキレイな土星が浮かび上がりました。

本日のファーストショット

2020.6.17 24:34:27 SE200N ASI290MC IR/Cut
Duration=216s Shutter=74.43ms Gain=346 (57%)
Autostakkert3 50% of 2000Frames RegiStax6


セカンドショット

2020.6.17 24:38:53 SE200N ASI290MC IR/Cut
Duration=120s Shutter=74.98ms Gain=316 (52%)
Autostakkert3 50% of 1601Frames RegiStax6


ラストショット

2020.6.17 24:41:04 SE200N ASI290MC IR/Cut
Duration=120s Shutter=74.98ms Gain=316 (52%)
Autostakkert3 50% of 1601Frames RegiStax6

以上で本日の惑星撮影会は終了で~す。

仙台も梅雨の真っ最中ですが梅雨の晴れ間で気流の良い日は必ずあるのでその日がやってくるのを待つことにしましょう。

6月17日の木星

2020年06月17日 | 木星
移動性高気圧に覆われて6月17日は1日中とてもいい天気になりました。

昔の人は梅雨時期の晴れた日を五月晴れ(旧暦の五月が梅雨の時期だったので)と言っていましたが、まさに雲一つない快晴が続くさわやかな一日でした。

6月17日午前9時の天気図


まもなく仙台上空を高気圧の西部が通過するので好気流になりそうな予感…


…ということで、好気流を期待して今季2回目の惑星撮影会を行いました。

機材セッティング直前に行っている星の瞬き具合による簡易気流チェックでは、ベガの瞬きも弱く、見た感じ悪くはなかったのですがセッティング後の撮影画面に現れた木星はさざ波状の気流が常に横切る状態であまりいい状態ではありませんでした。


RegiStax6のウェーブレットを駆使してもこの程度…

2020.6.17 24:11:32 SE200N ASI290MC IR/Cut
Duration=120s Shutter=74.98ms Gain=208 (34%)
Autostakkert3 30% of 1572Frames RegiStax6


本日のベストショット…かな

2020.6.17 24:26:27 SE200N ASI290MC IR/Cut
Duration=120s Shutter=69.54ms Gain=251 (41%)
Autostakkert3 30% of 1718Frames RegiStax6


6月は旧暦でいう5月ですが、カレンダーを見ると今日は閏4月26日… そうです。今年は閏月が入る年でした。閏月が何月に入るかは説明すると長~くなるので割愛しますが、閏月の入り方がその年の気象と連動しているという説があります。その見方をすると今年は、夏が4か月(4月、閏4月、5月、6月)ある年なので暑い日が長く続き、残暑も厳しい年になる可能性があるそうです。直近で閏4月があった年は2001年でしたが、その時も猛暑だったような記憶があります。

今日の撮影は木星メインですが、おとなりで輝いている土星を無視することはできません。このあと3ショットだけと決めて土星を撮影しました。

その様子は次回のブログで~。




小惑星2020LD

2020年06月10日 | 隕石・小惑星
直径119mのアポロ型小惑星が2020年6月5日08時25分(日本時間6月5日午後5時25分)に月軌道内に入り込む接近( 0.7LD=306,605km )をしていたことが分かった。

小惑星2020LDを最初に観測したのは最接近を2日過ぎた6月7日。ハワイ島にあるATLAS(小惑星地球衝突最終警報システム)のマウナロア観測所 (ATLAS-MLO) が発見した。

発見時の推定直径は89-200m、月軌道内に接近する小惑星としては今年45個めであるが月軌道内に接近する100m級の小惑星としては2011年11月8日に接近した小惑星2005 YU55以来となる。

小惑星2005 YU55は2005年12月28日に発見されたアポロ群小惑星。2011年11月8日23時28分(UTC)に地球から32万5000kmのところを通過。2005 YU55の推定直径は400mとかなりでかいが、少なくとも今後200年間は地球、月、金星のいずれにも衝突しないことが分かっている安全な小惑星である

今回地球近傍を通過した小惑星2020LDは下図で分かるように地球内側軌道(昼の空)から接近してきたため直前の発見はできなかった。



北極側から見た最接近時の図


北半球側から近づいている。


今回の接近で特筆すべきは小惑星の大きさである。今回は衝突はしなかったもののこれが地球に衝突していたら未曽有の大災害になっていた規模と考えられる。

2013年2月15日にチェリヤビンスクに被害をもたらした落下小惑星の大きさは推定直径が17m(重さ1万トン)だったのに対し今回は推定直径が119mである。

体積比は単純計算して340倍であることから2020LDの重さは低く見積もっても300万トンとなる。

アリゾナ州にある有名なキャニオンディアブロの隕石孔クレーター(直径1200m)は10万トンの鉄隕石が落下してできたと考えられているので今回衝突していれば地球に新たなクレーターを作るレベルだったといえる。

物理学者スティーヴン・ホーキングは、2018年刊行の最後の著書で「大型小惑星の衝突が地球にとって最大の脅威である」と考えを述べている。

また、B612財団(小惑星の衝突から地球を守るために設立された財団)は「我々が壊滅的な小惑星衝突に遭うのは100パーセント確実だが、それがいつなのかは100パーセントわからない。」と報告している。

まったくその通りである。今回の接近は地球にとって非常に脅威であった。衝突しなかったことはとてもラッキーなことである。

チェリヤビンスク隕石の時もそうだが脅威は青空の向こう側からやってくる。まさに青天の霹靂…である。

6月2日のISS(HTV-9 & Crew Dragom Demo-2)~記録編

2020年06月04日 | ISS(国際宇宙ステーション)
6月2日の撮影は前回のブログにあるGIFアニメで分かるように雲間での撮影だったため写っているコマ数はかなり少なめでした。その中からいくつかを選んで時系列で並べてみました。

今回のファーストショット

2020.6.2 20:11:28 D300mm F10 D810A ISO800 1/1600

ファーストショット撮影後は再度雲に突入したため、セカンドショットが撮れたのは13秒後…
すでに最大仰角を過ぎていますが、はたしてCrew Dragomは写っているのでしょうか?

セカンドショットです。ISSの前方をよ~く見ると…

2020.6.2 20:11:41 D300mm F10 D810A ISO800 1/1600

ありました! ハーモニーの前方にCrew Dragom Demo-2が見えます。

2020.6.2 20:11:41 D300mm F10 D810A ISO800 1/1600

今回のコースは太陽光がISSの真後ろから当たっているためCrew Dragomを撮影するには難しいライティングだったようです。Crew Dragomは8月までドッキングしているので次回のチャンスを待つことにしましょう。

さて、次はHTV9号機ですが…まだ確認できません。

2020.6.2 20:11:57 D300mm F10 D810A ISO800 1/1600

そろそろ確認できそうですが…

2020.6.2 20:12:15 D300mm F10 D810A ISO800 1/1600

ありました。HTV9号機確認です。

2020.6.2 20:12:19 D300mm F10 D810A ISO800 1/1600

雲が流れている割にはクリアに写っています。なんとも天気は読めませんね~。

2020.6.2 20:12:29 D300mm F10 D810A ISO800 1/1600

本日のラストショット。

2020.6.2 20:12:33 D300mm F10 D810A ISO800 1/1600

このあとは大きな雲に突入したため撮影会は終了です。

今回の画像処理はトーンの調整のみです。画像処理ソフトで明るさを-25に下げて、コントラストも-17くらいにすると太陽電池パドルが浮かび上がってきました。シャドーは+3程度あげることでラジエターパネルが分離されてはっきり見えるようになりました。いろいろ試してみましたが今回はほかの方法では効果が思うように出ませんでした。

いつも思うことですが、ISSの画像処理は前回うまくいった方法を使っても効果が出ないことがよくあります。撮影時に適正露出にすることが一番ですが、刻一刻と変化する気象状況とめまぐるしく変わるISSの明るさに瞬時に露出を対応させることはできません。撮影時に常に心がけていることは飽和をさせないこと、つまり露出オーバーにしないことです。アンダーになった画像は処理ソフトで引き上げることができますが飽和した画像は打つ手がありません。ISSに太陽光がどの角度で当たっているかを想像しながらややアンダー露出で撮るのが一つの方法かなと思います。

〈追記〉
撮影したすべての画像をPIPPでアニメーションにしてみました。
最後のほうでキラッと輝くHTV-9のフレアが写っています。



これまでの撮影データ
HTV-1 (2009年9月)→ISS拡大撮影(*)
HTV-2 (2011年1月)→撮影準備編(*)単独飛行編(*)撮影データメモ編(*)ランデブー飛行編(*)
   (2011年2月)→ドッキング編(*) データ記録編(*)    
HTV-3 (2012年8月)→8月7日早朝編(*) 8月7日20時12分編(*) HTV-3確認編(*)
HTV-4 (2013年8月)→8月7日のISS&HTV-4(単独飛行)(*)8月25日のISS with HTV-4(*)
HTV-5 (2015年9月)→9月28日のISS with HTV-5(*)
HTV-6 (2017年1月)→1月17日のISS with HTV-6(*)







6月2日のISS(HTV-9 & Crew Dragom Demo-2)

2020年06月03日 | ISS(国際宇宙ステーション)
6月2日(火)20時過ぎにISSが秋田・岩手ラインを通過します。こ~れはチャンスです。5月25日にキャプチャーされた「こうのとり」最終号機 HTV-9 と 5月31日にドッキングした米国商業有人宇宙船 クルードラゴン Demo-2を撮影することができるかもしれません。

ISSの拡大撮影はなんと2017年1月21日以来ですので実に3年半ぶりです。しばらく撮っていなかったので勘を取り戻しながらチャレンジしてみましょう。



本日のイベントデータ


ISSは北斗七星の下を通過して、北斗七星の柄の先アルカイド付近で最大仰角になり、その後は、うしかい座→かんむり座→ヘルクレス座→へびつかい座と高度を下げていきます。直距離は447km、明るさは-3.7等級です。条件としては申し分ありません。



そこで、本日の撮影計画です。

Demo-2はISSの先端部分ハーモニーに接続しています。ISSを真下から見るアングルになる最大仰角の時がベストアングルとなります。北斗七星付近が本日の撮影ポイントです。

HTV-9はいつものようにハーモニーにぶら下がるように接続しているので天頂通過後、かんむり座を過ぎたあたりが撮影ポイントです。仰角が低くなっていて かつ、距離がそう遠くない位置がベストアングルとなりますが、この撮影はかなり天気(気流&透明度)に依存します。つまり運しだいです。

おっと、最大の重要事項である露出です。ここは迷わずISS撮影の露出黄金比、ISO800の1/1600でいきましょう。あとは野となれ山となれです。

通過45分前です。スカイチェックに出てみましょう。ふ~む、良くありません。雲量は全天の6~7割あります。特に西側半分はどん曇です。雲が無いのは東の空の一部のみ…HTVの撮影エリアのみが雲が無い状態です。しか~し、通過まではまだ時間があります。天気の回復を期待して待つことにしましょう。

…時間です。ふ~む、西側半分は相変わらず雲だらけです。最大仰角付近までISSが来ているはずですが全く見えません。雲から抜け出たところをねらって速攻で撮影しましょう。

おっと、出ました! お出ましです!

2020.6.2 20:11:22~20:12:40 NIKON D90 Fisheye 10.5mm F5.6 ISO400 4sec×21

わぉ、モクモク雲がおじゃま虫で~す。あれ、右下に撮影者が写り込んでいますね~。写野から外したつもりだったのですが…失礼しました。さすが対角魚眼おそれいりました。

それはともかく拡大撮影した画像を確認してみましょう。

本日のファーストショット

2020.6.2 20:11:31:28 D300mm F10 D810A ISO800 1/1600

雲から出たときはすでに最大仰角通過中で、ISSを真下から見るアングルでした。やや露出不足ですがこのコースは天頂通過後に明るさが増していくのでこの露出で撮影続行です。

…ここでお知らせです。GIFアニメを入れたことで容量が多くなりこのあとの写真を受け付けなくなったようです。この続きは次回のブログ「~記録編」でお送りいたします。

お楽しみに~

X-37B(OTV-6)

2020年06月01日 | X-37B
X-37B(OTV-6)が5月17日13時14分(JST22時14分)にケープカナベラル空軍基地からアトラスV 501ロケットで打ち上げられた。

前回までの5回の飛行はすべて空軍によるテストフライトであったが、今回から宇宙軍(USSF)が主管となって発射、軌道上運用、着陸を担当する。
(USSF:United States Space Forceは、2019年12月19日に「第6の軍」として新しく発足された軍種である。軍の新設は1947年以来72年ぶりとなる。)

宇宙軍が統括することでより秘匿性が高くなると思ったが、以外にもミッション内容がオープンに公開されている。それによるとNASAによる実験が2つ、アメリカ海軍調査研究所の実験が1つとなっている。

NASAは「選択した材料の空間条件に対する反応を評価するサンプルプレート」と「種子に対する周囲空間の放射線の影響調査」を、海軍研究所 (NRL)は太陽光を無線周波数のマイクロ波エネルギーに変換し、そのエネルギーを地球に伝達する実験を行う。

海軍研究所の実験は「マイクロ波方式宇宙太陽光発電システム」と呼ばれるもので、日本でも経済産業省やJAXAが2045~50年ごろの実用化を目標にして研究しているワイヤレス給電技術である。

さて、今回もリフトオフ直後から通過情報が公表されているので撮影を試みた。以下、その記録である。

1回目のチャンスは5月29日にやってきた。

相変わらず明るさは不明となっている。


アルタイルの南側で最高仰角になるのでここを撮影ポイントとして待ち伏せ作戦で撮影を行いましょう。時間になったら目を皿にして移動光点の探索です。

来ました。へびつかい座近辺は明るい星がないのですぐ見つかりました。

2020.5.29 03:27:50 NIKON D810A VR24-70mm(f38mm) ISO1600 8sec F5.6
明るさは2等級程度です。この明るさなら拡大撮影ができそうです。

…ということで2回目はドブで拡大撮影に挑戦しました。X-37Bの拡大撮影は2011年11月4日以来です。→過去ブログ「X-37B 拡大撮影

5月31日に好条件で仙台上空を通過します。チャンスです。


仰角72°は感覚的には真上ですが頑張りましょう。


X-37Bはりゅうの頭の上を西から東へと駆け抜けていきました。

2020.5.31 3:07:47~3:08:52 NIKON D90 NIKKOR 28mm F2.8 ISO1600 5sec×10

X-37Bは全長が8.9m 翼幅が4.5m 高さが2.9mです。HTVは全長約10m 直径約4mなので大きさはほぼ同じと言えます。撮影対象としてはかなり小さいですが複雑な形状をしているので変化のある写真が撮れます。






ふう、ひさびさの拡大撮影で追尾が大変でしたがなんとか撮影できました。


X-37B(OTV-6)

2020.5.31 03:08:58 D300mm F10 D810A ISO1600 1/500


今回の撮影も時間によって形がかなり変化していたのでサンプルとして何カットか並べてみました。たぶんシャトルがスピンしながら飛行しているからだと思いますがどの角度から見ればこのような形になるのかいまだにイメージできません。



次回の撮影までにイメージトレーニングが必要ですね。