晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

ふたご座流星群 撮影記録(極大前夜12/13-12/14)

2023年12月18日 | ふたご座流星群
極大前夜にATOM Cam2で撮影したふたご群の動画からとある仮説を検証してみました~。

 その仮説というのは「流星群の流れ星はひとつ流れると続けて流れる傾向がある」です。

12月14日 0時13分~1時40分(ふたご群流星数 14個)
 これまでの経験則で流星群の流れ星はひとつ流れると続けて流れる傾向があるなぁ~と漠然と思っていたのですが、この動画にはその様子が何カ所かではっきり写っていました。

 ↑ 12月14日 0時13分~1時40分の動画では、0時13分23秒からの5秒間で2個、1時19分04秒からの7秒間で3個流れる様子が写っています。

 また、↓ 12月14日 1時40分~2時30分の動画では、1時42分36秒からの2秒間で2個、2時00分46秒からの2秒間で2個、2時01分59には同時に2個流れる様子が写っていました。

12月14日 1時40分~2時30分(ふたご群流星数 15個)
 以前からそのような傾向があると思ってはいましたが動画で確認することができたのは大きな収穫です。この動画を見る限り頻度が多いとは言えませんが、全天を高感度カメラで撮影すれば短時間に複数流れる流星数は意外に多いという結果になるかもしれませんね。

 ダストトレイルは流星物質が均一に散らばっているのではなく濃淡差がある状態で漂っている…ということを体感できたような気がします。

 さて、話は変わりますが、上記動画を見ると長経路と名付けた?流星がほぼ同じコースで流れていることに気付きます。はてさて、これは何かの流星群なのでしょうか?

 動画で分かるように0時24分17秒の流れ星は特に長くて、経路が30~40°はありそうです。この経路をたどると地平線から顔を出したかみのけ座付近にたどり着くのですが…

 かみのけ座群は活動期は12月中旬から1月下旬で、極大が12月26日、予想HR3なのでちょっと違う感じがします。単なる散在流星と言うことでしょうかね~。(注:天文年鑑では極大日が12月26日となっているが、国立天文台HPではかみのけ座群は太陽黄経264.00、極大12/16 となっているのでその可能性はある)

 さて、話はさらに変わってこちらは「流星電波観測国際プロジェクト」で発表している「2023年ふたご座流星群電波観測速報」に記載されているグラフです。

 これを見ると今回のピークは12/15 02時頃(JST)でその後はガクンと流星数が減っているように見えます。当初の予報では04時(JST)が極大となっていたので若干ピークが早かったようです。

 さらに注目すべきは12月12日21時頃(JST)にサブピークが観測されていることです。これはふたご群のサブピークなのかもしれませんが、46P/ビルタネン周期彗星群(突発出現流星群)が12月12日20時台に1974年のダストトレイルと接近する予報が出ていたのでその出現の可能性があると思われます。

 天気が悪かったので46P/ビルタネン周期彗星群の観望はできませんでしたが、晴れていれば活動域とされている南天のちょうこくしつ座西部とうお座西部からゆったり流れる(V=10km)流れ星が見られたかも…ですね。ざんね~ん。

 さてさて、今年のふたご群は極大前夜でもたくさん流れているようすが写っていてさすが新月期という最良条件はちがうなぁ~と思いました。あ、この日は極大日のプチ遠征に備えて早寝をしていたので流星は1個も見ていませ~ん。代わりにATOM Cam2さんにしっかり働いてもらいました。笑

ふたご座流星群 観望記録(12/14)

2023年12月15日 | ふたご座流星群
ふたご座流星群の観望記録で~す。

 天気は日付が変わる頃から曇る予報だったので21時を観望開始時刻としてプチ遠征してきました~。観望地は雲の到来が遅くなりそうという観点で登米市の北部にしました。

 観望を開始したときは星が見えていたのですが透明度がいいのは天頂付近のみ、高度が低いところは星がよく見えません。どーも空はすでに高層雲で覆われているようです。

 ま、星が見えてるうちにじっくりウオッチングすることにしましょう!…ということで撮影はカメラの連続撮影におまかせして、チェアーに腰掛けてコンビニで買った熱いコーヒーを飲みながらゆったり観望です。いいですね~至福の時間です!


こちらは本日ゲットした流れ星のファーストショット(ふたご群ではありませんが…)

2023/12/14 21h52m00s D810A NIKON VR24-70mm f/2.8 ISO2500 f24mm F3.2 25sec

 そろそろ本命来ないかな? と思った瞬間に流れました!、お、あちらでも… 流れ星はひとつ流れると続けて流れる傾向があるようで、21時53分から2~3分の間に7~8個の流星を目視で数えました。

 その後は静かな空でしたが、22時08分に、ふたご群ではありませんが北斗七星からふたご座を超えておうし座の方へ流れるハイスピードの長経路流星を見ました。かなり暗かったのでカメラには写っていませんが見たことないほど速い流星でした。

 22時20分過ぎになると再び連続で3~4個流れたので、空をくまなく見渡していると… 22時29分頃にカシオペヤ座の下で大きな流星が流れたのですが残念ながらカメラの写野外です。

こちらはカシオペヤ座方面の空の様子、大気光のように見える雲が次々に流れてきます。

2023/12/14 22h33m11s D810A NIKON VR24-70mm f/2.8 ISO0500 f24mm F3.2 25sec

 お、22時40分に東の空で北斗七星とほぼ同じ長さの明るい流星が地面に向かって降り注ぎました~。しか~し、またしてもカメラの写野外です。トホホ…

 22時58分にはおおいぬ座の東側でマイナス等級のみごとな火球が流れました。なかなかカメラに写ってくれない流星ですが。下の写真2枚は目撃してカメラにも写っていたありがたい流星です。

輻射点から北斗七星に向かって流れたふたご群流星

2023/12/14 23h20m54s D810A NIKON VR24-70mm f/2.8 ISO3200 f24mm F3.2 25sec

その約2分後に同じコースで流れたふたご群流星

2023/12/14 23h23m09s D810A NIKON VR24-70mm f/2.8 ISO3200 f24mm F3.2 25sec

 観望開始から3時間が過ぎて日付が変わった頃から雲の濃度?が濃くなって星が見えにくくなってきたので(見えないわけではないが…)ここでいさぎよく観望をやめて撤収です。

 で、自宅に帰ってきたらまだそれなりに星が見えているので、庭で連続撮影をしたところ、3枚ほど写っていました。遠征先より自宅の方が効率が良いってどういうこと?

こちらは目撃流星です。西に傾いたオリオンに流星が降り注いでいます。

2023/12/15 03h14m15s D810A NIKON VR24-70mm f/2.8 ISO2500 f24mm F3.2 10sec

ここからはカメラ任せなので目撃はしていませ~ん。

2023/12/15 03h22m05s D810A NIKON VR24-70mm f/2.8 ISO4000 f24mm F2.8 5sec

雲ごしですが、これがふたご座流星群2023のラストフォトで、ベストフォト…かな

2023/12/15 03h26m03s D810A NIKON VR24-70mm f/2.8 ISO2500 f24mm F3.2 25sec

 今年のふたご群は8年ぶりの好条件だったので最良の条件で見たかったところですがお天気は気まぐれなので仕方ないですね。観望中にYouTubeでマウナケア山のライブ中継も見たのですが…

 え!? 何これ、プチ流星雨だよ~、と思えるほど流れていてオドロキでした。日本でも雲が無くて空の暗いところだったら同じように見えるのだろうか?と興味深く思いました。

 さて、今日のふたご座流星群が、今年の「見たい天文現象」の大トリでしたがそれにふさわしいイベントでしたね。来年は月の巡りが良くないので流星群はペルセのみが好条件となっているのが残念ですが、マイナー流星群も含めて来年はどんな流れ星と出逢えるのか楽しみですね~。

ふたご座流星群 2022 観望会

2022年12月15日 | ふたご座流星群
日中から降っていた冷たい雨が宵の口に雪へと変わり、今シーズン初の積雪を記録…

 これじゃ~、今日のふたご群は無理だなぁと完全あきらめモードだったのですが、ツイッターのTLにあまりにも「めっちゃ流れてるよー」「すごいよー」が入ってくるので22時30分頃外に出てみると…

 あれ? 晴れてる…どぼして? いつから? あちゃ~、もう極大時刻は過ぎてるじゃ~ん… おいおい、なぜもっと早く気づかないの?と自分を責めながら22時30分過ぎにふたご座流星群2022観望会&撮影会に突発参戦です!

  晴れてると言っても北西は奥羽山脈越えの雪雲が鎮座しているので天頂から東方面に星が見えている状態です。東の空では昇ってきたばかりの月が見えてますがそんなに影響はないようです。

 お、流れた… お、あっちでも…ふむ、カメラの画角外ですね~ あ、今のは入ったかも?…と思ったときに写っていた写真がこちらです。写真では暗いですが紛れもなくふたご座群です

2022/12/14 22h57m00s D810A f28mm ISO1600 f2.8 5sec

 この後もかなり明るい流星が流れますが例によってすべてが画角の外です。で、次にカメラが捉えたのはこのオリオン座の東を南に下るかなり明るい流星。

2022/12/14 23h25m45s D810A f28mm ISO1600 f2.8 8sec

 もちろんふたご群ではありませんが、この経路を流れる火球クラスの流星を1時間で3個目撃しました。オリオン座の右側で1個、左側で2個です。輻射点をたどるとぎょしゃ座のβ星かきりん座にたどり着きますが散在流星にしてはあまりにも経路が同じなので不思議な感じがしました。

 さて、そろそろ月が高くなってきたので月に背を向けて西の空を見ようした時… わぉー!キター!! 超特大の流れ星です! 時刻は23時30分を過ぎたころ、西南西の仰角50°付近からまっすぐ下に落ちる巨大な火球が流れました!

 明るさは-5~6等級、末端で爆発して青色と緑が混じったような色が見えました。末端は仰角10°付近でしたので経路として40°は流れたと思います。しかも、その直後(1~2秒後)にはそのすぐ左側で同じ経路で1等級の流星が流れました。

 いや~これだけ明るい流れ星は2001年しし座以来かも…。ふたご座群は昔に比べて火球が多くなったと言われていますが、昔(←20~30年前のホントの昔)のふたご座群の記憶と比べると確かに今の方が多いような気がします。

 えー、こちらは大火球に触発されて写野をやや西に振ったところ、元の写野だったら見切れず入ってたよね~ というよくある残念な写真です。トホホ…

2022/12/14 23h42m18s D810A f28mm ISO1600 f2.8 8sec

 この後も写野外では明るい流星が流れますが、なかなかカメラの前を流星が通ってくれません。雪雲も流れてきて雪が北西の季節風に流されてちらほら降ってきてました。そろそろ撤収かなぁ~とあきらめかけたとき、やっとカメラの前で流れてくれました~。

本日のベストフォト「おうし座を貫くふたご座流星群2022 with 雪雲」

2022/12/14 23h52m03s D810A f28mm ISO1600 f2.8 8sec

 さすがに寒さが限界なのであとはカメラ任せにして01時頃まで撮影しましたが、写っていたのは1枚だけでした。どして~? しかも超暗い~

2022/12/15 0h40m09s D810A f28mm ISO1600 f2.8 8sec

 今日は急遽の参戦だったこともあって実際に外に出ていたのは2時間弱でしたが、とても楽しめたふたご座群観望会でした。来年は条件が最良なので準備をしっかりして遠征観望で楽しみたいですね。

ふたご座流星群 観望記録

2021年12月15日 | ふたご座流星群
ふたご座流星群の観望記録で~す。

 14日の夜はとても天気が良かったのですがここ最近レナード彗星遠征に出かけてお疲れモードだったのでふたご座流星群は庭でお気楽観望にしました~。

 観望を始めたのは月がまもなく沈む02時頃… 空は雲一つ無い快星です。空を見上げると結構明るい流星が流れてます。ならば撮影しようとごそごそとカメラを準備して02時20分から撮影を開始しました。

 撮影機材はいつものNIKOND810Aでレンズは24-70mmF2.8の広角24mmで撮影しました。露出はf5.6の8secです。とりあえず200枚連続のインターバル設定をしてあとはチェアーに座ってお気楽観望です。

 おっと、しし座を貫くマイナス等級の流星が流れました。幸先いいですね~。おっ、アルクトゥールスの方にもひとつ落ちました。しか~し、すべて写野の外です。

 …結局、02時20分から03時00分まで200枚撮影して写っていたのは2枚だけでした。そんなもんです。

 こちらはたぶん後半だけが写りこんだものだと思いますがはっきりしないのでグレーです。

2021/12/15 2h49m53s D810A VR24-70mm F2.8E f24mm ISO1250 f5.6 8sec


 これは正真正銘のふたご座流星群です。まともに写ったのはこの1枚だけでした。

2021/12/15 3h00m43s D810A VR24-70mm F2.8E f24mm ISO1250 f5.6 8sec


 こちらは200枚の比較明合成です。やはり写っていたのは2個だけのようです。




 下の動画は200枚をタイムラプスにしたものです。最後にチラッと流星が写っていますが基本的に沈むオリオン座を楽しむ動画になっています。(^^ゞ


短い時間でしたが複数個の明るい流れ星を見ることができたので結構楽しめた観望会でした~。

ふたご座流星群

2009年12月15日 | ふたご座流星群
今年のふたご座流星群はピークが14日14時(日本時間)とのこと…、
さて、14日未明と14日の深夜ではどちらがより流れるのか?

まー、今年はあまり天気が良くないので14日の夜に庭で
お気楽観望会をすることにしましょう。

23時前に夜空チェックをすると、ほほう北西は曇っていますが
そのほかは晴れています。ふむふむ、空の状態は悪くないです。

では、ちょこっと撮影をしてみましょう。レンズはNIKKOR 28mm、F2.8
30秒露出の固定撮影です。まずは冬の大三角に向けて連続撮影です。

お、流れた…、あ、流れた…、また流れた…、しか~し、全て写野外です。
しばらく沈黙の後、放射点近くで続けざまに2個流れる…、撮影エリア変更です。

放射点ねらいにしましょう。お、オリオン座で流れたぞ、むむむ、ここはがまん…
カメラの向きはそのままで…、お~、西の空で大きいのが連続で流れてる~。

結局、がまんできずあちこちにカメラを向けて、みごと惨敗。

11時19分から0時19分までに撮影した89枚中、写っていたのは2枚だけでした。

こちらは執念で撮影した「放射点から飛び出すふたご群」

2009年12月14日23時55分 NIKON D90 NIKKOR 28mm F2.8 30sec
流星の拡大画像はこちら→photo

こちらは「ぎょしゃ座を流れるふたご群」

2009年12月14日23時43分 D90 NIKKOR 28mm F2.8 30sec(トリミング)
流星の拡大画像はこちら→photo

さて、ふたご座流星群の今後の活動について興味深いレポートが
サイエンス@NASAに載っていました。→report

ふたご座流星群が初めて目撃されたのは19世紀でした。しかし、
その頃の活動は今とくらべて弱かったため一部の観測者だけに
知られていた流星群でした。時は過ぎて、今では出現数が当時の
5倍にも増えて、1年を代表する活発な流星群となっています。

ふたご座流星群の母彗星はすでに活動を終えており、小惑星ファエトン
として知られています。新たなチリをまき散らすことはないが、コンピュータ
シミュレーションによると地球の軌道がファエトンの軌道に近づくため、今後、
出現数が20%から50%増加する傾向にあると考えられています。

西オンタリオ(UWO)大学の流星の専門家のピーター・ブラウンによると
この傾向がしばらく続くかもしれないとのことです。1980年代にUWO流星
グループのジム・ジョーンズによって行われたシミュレーションに基づく考察では
ふたご座流星群はこの数10年間で20%~50%増加すると予想されています。

もし、50%の増加があると出現数は1時間あたり200個という数字になります。
それは大変驚くべきことです。さらにジョーンズのモデルによると、出現数だけ
でなく明るさと大きさも今よりも規模が大きくなると予想されてます。ひょっと
したら、ふたご座流星群は火球シャワーが見られる流星群となるかもしれません。

しかし、全く逆の推移を予想するモデルもあります。その場合は数十年で減少する
ことになるかもしれません。結局のところ、我々はファエトンの今後の軌道の変化
について多くを理解していないということになります。

ひとつ言えることは、最近のふたご群はとても楽しめると言うことです。
ふたご座流星群を十分楽しんでください。

〈管理人補足説明〉
ふたご群の活動が近年、活発になっていることは確かなようです。
さて、来年のふたご座流星群の極大時刻は12月14日20時(JST)です。
上弦翌日(月齢8.8)の月がありますが、夜半過ぎは最良の条件となります。
天文年間の出現予想も1時間100個となっていますので、2010年の流星群では
一番の注目株ですね。