晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

水星と火星は今どこに?

2008年11月30日 | 金星
夕方、西の空で金星と木星がきれいに並んでいます。

日没10分後にはもう金星が見えています。薄明中の金星は
いかにも宵の明星という感じでとてもきれいですね。


薄明が終わる時間になると、金星は本来の明るさで輝きます。
金星は現在…-4.1等級、1等星の約100倍の明るさです。
(実際は大気減光があるので高度10°では1等級減となります。)

肉眼で見える惑星は水星、金星、火星、木星、土星です。
土星は朝方見えますが、水星と火星は今どこにいるのでしょう?

水星と火星は現在、昼間の空にいます。
しかも太陽のすぐそば、東側にあります。

ステラナビゲーターで位置を確認すると…

ほほ~、水星と火星が仲良く並んでいます。角距離は33分。
ちょうど満月一個分です。
なんと青空の向こうで水星と火星が接近していたのです。

この様子は太陽観測衛星SOHOのLASCO C3画像で
見られます。

なるほど、現在太陽はさそり座にいるようです。
SOHOのLASCOC3画像を開くと水星と火星が
これから離れていく様子が見られます。
リンクはこちらLASCOC3

さて、金星と木星が一番接近するのは12月1日です。
角距離は2°ですので、ほどほどの接近ですが
月齢3の四日月がすぐそばにくるので、きれいな
夕景となることでしょう。晴れていたら必見ですね。

真上に見える月

2008年11月15日 | 
11月14日は十六夜(いざよい)の月です。
仙台の日没時刻は16時26分、月出はその24分後の
16時50分。日没から月出までのこの微妙なタイムラグが
まさに躊躇する月、いざよいの月ですね。

さて、11月と12月の満月前後の月は、南中時の高度が1年中で
一番高くなるときです。11月14日の夜の月が南中する時刻は
24時41分、高度は78.053°です。

今夜は月が見えているようなので、その時刻に外に出てみました。
うひゃ~、月が真上にあります。首が痛い…
感覚的には高度90°という感じです。人間の首というのは
意外に曲がらないもので、(年齢差があるとは思いますが…)
高度78°は予想以上に真上です。(あくまで個人的感想ですが…)

自分のかげを見ると短いので、相対的に月の高さを
実感できます。(おお!これはいい方法だ。首が痛くな~い)

今夜は高層雲があるらしく月暈がうっすらと見えました。

11月15日0時37分 Nikon D50 NIKKOR10.5mm F2.8 3sec

こちらは以前撮影した日暈

2007年6月13日11時30分 Nikon D50 NIKKOR10.5mm F22 1/1600

この時の太陽高度は74.780°でした。おや…? あれ…?
ふ~むふむ、お~これは大発見です!

仙台で太陽高度が一番高くなるのは当然夏至です。
その日の太陽南中高度を調べると75.100°です。

つまり最大南中高度を比べると月の方が3°ほど高いのです。
こりゃ~首が痛くなるわけです。でも、なぜ?

理由は黄道に対して白道が5°ほど傾いているからです。
天文年間によると11月15日は月の赤緯が最北です。
だから、今夜は特に高度が高いのです。

さらに驚くべきことは、月の南中高度が78°を超えるのは
来月12月12日の月(満月前日)だけです。
その後は白道が黄道に近づいていくので、次回月の高度が
78°に達するのは…
なんと2026年の11月26日です。

さあ~大変です。これはりっぱな天文現象です。
見なくてはいけません!高度78°の月が見られるのは
今年はあと2回です。
1回目が、11月16日01時47分 高度78.421°(今日の夜です…)
2回目が、12月12日23時23分 高度78.447°
来年以降は2026年までありません。

真上に見える月をみるには今がチャンスです。
みなさんも眺めてみてはいかがでしょうか。
(観望前には首のストレッチをおわすれなく!)

注:上記のデータは仙台市におけるものです。
観測地によって月の高度は変わります。ちなみに
石垣島では2008年11月15日01時51分の月の高度は
87.627゜ になります。まさに真上に見える月ですね。

「小惑星2008TC3」その後…

2008年11月11日 | 隕石・小惑星
10月7日02時45分(UT)に地球に到達した小惑星「2008TC3」を
地上から撮影した写真が先日公開された。

以下11月7日付のSpaceWeather.comのWhat's up in Spaceの記事…
「崩壊した小惑星:2008年10月6日に発見された小惑星2008TC3は約1日後、予測通り地球に衝突した。幅約3メートルの小惑星は満月と同じくらいの輝きを放ちながら大気中で崩壊した。到達時刻と落下地点は信頼できる精度で予測されていたが、スーダン北部は人里離れた地域であるためその様子を見た人はほとんどいなかった。

しかし、今初めて地上からその様子を撮影した写真が送られてきた。

この写真はモハムド エルハッサンが撮影したビデオ映像から取得した1フレームをKarthoum大学のムアイア シャダッド教授が伝えたものである。この写真は大気圏に突入した隕石の衝撃波が高層大気でねじれていく様子を表している。日の出直前の太陽が照らしているので雲が輝いて見えている。研究者たちはこの写真が公開されたことで、小惑星衝突の詳細を伝える写真がさらに公開されるのではと期待している。」

う~ん、この写真は本当に2008TC3の落下直後の写真なのだろうか?
で、調べてみました。

「撮影時刻について…」
落下時刻02時45分(UT)のスーダン時刻は…04時45分。
撮影時刻は雲の流れ方からみて落下後10分~15分程度は経過していると
思われる。落下地点での日出は05時42分、薄明開始が04時28分…。
現地での05時00分の東の空をステラナビゲーターで再現してみた。

この様子を見ると、ほぼ時刻はあっているようです。

「撮影場所について…」
地上風景が写っていることから撮影場所は落下地点よりかなり西であることが分かる。
2008TC3の正確な落下場所はWikipediaにあった。

赤ラインが2008TC3の軌道、高度93kmで衝撃波を発生、その空振動が記録される。オレンジラインが指しているところが気象衛星に写った地点、この様子から小惑星は高度93km付近から流星痕をたなびかせ、高度51km付近で爆発、その後それぞれの破片が雲を引きながら落下したと考えられる。
モハムド エルハッサンの写真を見ると写真は東南東を向いて撮影されている。そのことから、この写真はエジプト国境に近いスーダン北部、ナイル川流域近辺で撮影されたものと推測される。結論からするとこの写真は2008TC3の落下直後の様子を撮影したものでまちがいないようである。

こちらはメテオサット8号がとらえた爆発の瞬間


こちらは725km離れたエジプトの海岸にあるライブカメラが
2008TC3の発光をとらえたという記事…

記事のリンクはこちら
海岸にある無人カメラ… 04時46分の映像だけ何かに照らされて
周りの景色がはっきりと写っています。その光源が2008TC3の爆発だと説明
していますが… 725kmも離れているのにそんなに明るくなるのでしょうか?
映像のリンクはこちら
2008TC3の落下の様子をとらえた写真はどこかにあるのでしょうか?
地球到達時刻が分かっていたのですから1枚くらいあってもいいのですがね~。

こんな写真もありました。

隕石の落下地点です。きっと、世界中の隕石ハンターが
ここで落下した破片を探していることでしょう。

今年のおうし座流星群は…"swarm year"

2008年11月08日 | Weblog
10月下旬から11月上旬にかけて活動するおうし座流星群は
1時間あたりの流星数が5個と、流れる数は少ないのですが
火球が多く見られるのが特徴です。

今年のおうし座流星群は、いつもよりたくさん火球が流れているようです。
以下11月7日付SpaceWeather.comのWhat's up in Spaceの記事… 
「おうし座流星群が活発に活動しています。2008年は"swarm year"にあたるため
すばらしい天文ショーを見ることができます。11月5日から12日にかけて、地球はエンケ彗星がばらまいたチリの群れの中を通過します。これと同じ現象は2005年にも起きました。そのときは2週間にわたってゆっくりと流れる火球がたくさん見られました。」

"swarm year"とはアッシャー博士が発表している理論で…
木星の摂動により発生した濃密なチリの中を通過するため
火球が多く流れる年のことだそうです。最近では、1991年、
1995年、1998年、2005年、2008年がそれにあたるそうです。

今年は月が明るいため条件は良くないのですが
各地で火球が目撃されているようです。

これはスロバキアで11月5日に撮影された火球…明るさは
-10等級だそうです。

日本でも11月4日19時25分に-5等級の火球が流れて多くの人に
目撃されたようです。おうし座は21時過ぎには東の空に見えて
いますので、皆さんも夜空を眺めてみてはいかがでしょうか。

昨夜の21時頃、東の空を見ていたらぎょしゃ座の中をゆっくり
流れる流星が一つ…おうし座流星群です。明るさは1等級でし
たが、ゆっくり流れる流星を見るとなぜか心が和みますね。

月と金星の接近

2008年11月01日 | 金星
夕方、金星と月と木星がきれいに見えました。

宵の明星と月の接近は、昨年の6月以来ですので
実に、1年半ぶりです。久々に見るとやはりきれいですね~。
美しいです。ビューティフルです。

今日の月は月齢3の四日月です。しかし高度が低いですね~。

秋は黄道が傾いる時期で、しかも今日の月は黄道よりも低い
位置にあるので、17時の高度がわずか…10度です。

低い位置ですが、黄道が寝ているぶん月は起き上がって見えるので
形としては最もポピュラーな三日月になりますね。


日没が早くなっているので17時頃はまだ木星がきれいに見えています。
さて、今日の気流はどうでしょうか? 望遠鏡を木星に向けてみました。

ふむふむ…あまり良くはありませんが、この時間は大赤斑が見えている
はずです。ToUcamで撮影してみましょう。写るでしょうか?


ふ~む、かすかに写っているようです。左上にクリーム色の楕円が
あります。これが大赤班です。少し離れてみると分かります…。

木星の観望時期はいよいよ終わりですね。さ~て、これからは
輪の消失が近づいている土星ですね。土星の出は01時52分です。
いよいよ観望好機です。

輪が完全に消失するのは8月ですが、その時期は太陽の近くに
あるので観望はできません。観望できる期間で輪が一番細く見える
のはこの年末年始です。チャンスを待ちましょう。