晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

小惑星2014DX110・2014EF・2014EC

2014年03月09日 | 隕石・小惑星
月軌道内側を立て続けに3つの小惑星がフライバイしたようです。
以下3月5日付&3月6日付のSpaceWeather.comの記事…。

<ASTEROID FLYBY:Wednesday, Mar. 5, 2014>
本日、直径は30mの小惑星2014DX110が月軌道の内側を通過していきます。
最接近距離は地球上空350.000kmですので衝突の危険性はまったくありません。

2014DX110 Details 19 m - 43 m H=25.7(絶対等級)
2100 UT on 2014, March 05. peak magnitude ~14.8等級

<ANOTHER ASTEROID FLYBY: Thursday, Mar. 6, 2014>
昨日3月5日に小惑星2014DX110が月軌道の内側0.9LDを通過したばかりですが、本日、
ここ数日で2回目となる小惑星による月軌道内フライバイが起こります。今回通過する小惑星2014ECは直径が10m、最接近距離は月軌道の内側わずかに0.2LDです。しかし、地球に対して脅威を与えることはありません。NASAの観測によると月軌道の内側に入る小惑星は年間20数個に達します。

ふ~むふむ、Near Earth Asteroidsを見ると同日3月6日にもう一つの小惑星2014EFが
0.4LDのところを通過しているようですね~。0.2LDは76,880kmですので接近小惑星ランキング(距離編)上では7位タイです。

こちらは2014DX110の軌道図

青ラインは公転軌道面南側を水色ラインは公転軌道面北側を示しています。
つまり小惑星2014DX110は南半球地球軌道外側(夜空側)から進入して
北半球地球軌道内側へと駆け抜けたことになります。発見は2月28日、
フライバイ5日前です。

こちらが2014ECの軌道図

22014ECは北半球地球軌道外側から進入したことが分かります。
発見はフライバイの前日、3月5日です。

そしてこちらが2014EFの軌道図

驚くほど2014ECと軌道が似ています。発見も2014ECと同日の3月5日です。

2つの小惑星の公転軌道図を並べてみるとほぼ同じです。
遠日点距離が若干違うだけのようです。

ひょっとするともともとは同一天体だったのが分裂したものかもしれません…。

奇しくも同日の3月6日にニューメキシコとカナダのイエローナイフで大きな火球が目撃されました。
ニューメキシコ州でThomas Ashcraftが撮影した動画→movie
イエローナイフでYuichi Takasakaさんが撮影した写真→Photo1Photo2
「この2つの火球と2014EC通過の関連性はなくランダムに突入する散在流星だと思われます。」と記事はまとめています。

ふ~む、単なる偶然と言えばそれまでですが、進入経路が北半球の夜側なので2014ECと2014EFの破片?ということも有りうるのではないでしょうか?

接近小惑星ランキング(距離編)
■ 1位 5,480km(0.03LD) 2011.2.4 (2011CQ1)* 2m
■ 2位 12,000km(0.05LD) 2011.6.26(2011MD)* 10m
■ 3位 14,000km(0.05LD) 2009.11.6(2009VA)* 6m
■ 4位 26,908km(0.07LD) 2013.12.23(2013YB) 2m
■ 5位 27,700km(0.09LD) 2013.2.16(2012DA14)** 58m
□ 6位 38,000km(0.1LD ) 2008.11.3(2008VM) 4m
□ 7位 72,000km(0.2LD ) 2009.3.2(2009DD45)* 35m
□ 7位 72,000km(0.2LD ) 2014.3.6(2014EC) 10m 
□ 8位 76,000km(0.2LD ) 2009.3.18(2009FH) 21m
□ 8位 76,000km(0.2LD ) 2009.10.22(2008UM1) 2m
□ 9位 79,000km(0.2LD ) 2010.9.8(2010RF12)* 9m
□10位130,000km(0.3LD ) 2010.1.30(2010AL30)*18m
□10位130,000km(0.3LD ) 2013.2.5(2013CY32)* 10m 
□11位153,000km(0.4LD ) 2014.3.6(2014EF) 7m 
□12位190,000km(0.5LD ) 2009.2.2(2009CC2) 12m 
□13位248,000km(0.6LD ) 2010.9.8(2010RX30)* 16m
□14位266,000km(0.7LD ) 2009.6.1(2009KR21) 21m
□15位342,000km(0.9LD ) 2009.3.6(2009EW) 23m
□15位342,000km(0.9LD ) 2009.10.17(2009TM8) 17m
□15位342,000km(0.9LD ) 2014.3.5(2014DX110) 31m

■<GEO = 35,786 km、□<1 LD = 384,401 km