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晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

国際宇宙ステーション 軌道離脱計画(2030-2031)

2022年02月22日 | 宇宙開発
2022年1月、NASAがISS Transition Report(ISS移行計画レポート)を発表した。


 今回発表された報告書は2018年3月30日に発表された報告書のアップデート版ですが、目次を見ると興味深い項目が目白押しだったのでDeepL翻訳ツールを使って和訳してみました。

     国際宇宙ステーション移行報告書
 2017年NASA移行認可法(P.L.115-10)第303(c)(2)項 準拠
          2022年1月

〈目次〉
1.0 国際宇宙ステーション 次の10年
2.0 国際宇宙ステーション移行計画
2.1 ISS移行予算計画
2.2 ISSの技術的健全性と軌道離脱計画
3.0 次の10年の目標
3.1 深宇宙探査を可能にする
3.2 人類に貢献する研究の実施
3.3 米国の商業宇宙産業の育成
3.4 国際協力の主導と実現
3.5 人類に感動を与える

今回のブログはかなりマニアックなつぶやきなので みなさんどーぞスルーしてくださいね~。

1.0 国際宇宙ステーション 次の10年
 ISSは現在、研究の進展、商業的価値、グローバルなパートナーシップなど、最も実りある最後の10年を迎えている。ISSの最初の10年は組み立てに専念し、次の10年は研究と技術開発に専念してこれらの活動を宇宙で最も効果的に行う方法を学んだ。第3のステージはNASAが以下のことを検証するための10年になる。深宇宙探査をサポートするための探査技術や有人技術研究、医療と環境の面で継続的な利益還元を行い人類への恩恵をすすめる。LEO(地球ー低軌道)における米国のリーダーシップを発揮し続け、国際的なパートナーシップを構築してLEOにおける商業的な未来のための基礎を築く。

ーふむふむ、最後の10年は要約するとこれまでの成果の継続、深宇宙探査技術の開発、商業利用への基礎づくりの3つですね。NASAは次の5つのミッションをこの10年間のゴールとしているようです。
 - 深宇宙探査の実現
 - 人類に貢献する研究の実施
 - 米国の商業宇宙産業の育成
 - 国際協力の主導と実現
 - 人類にインスピレーションを与える
 上記5つのミッションで実践戦略として興味深かったのは、NASAは太陽系外への有人探査ミッション準備のために商業宇宙ステーション(CLDs)を支援すること、CLDsの滞在時間を民間企業から購入して宇宙飛行士の訓練、新型宇宙船の技術実証、生物学や物理学の試験・検証を行うと記述しているところです。NASAが月・火星だけでなく太陽系外有人探査も視野に入れてたとは…知らなかったのでオドロキです。本気かどうかは分からないけど…

2.0 国際宇宙ステーション移行計画
 現在NASAは米国の民間企業に宇宙ステーションを配備・運用するための能力と運用経験を開発する時間を与えている。 2020年1月にはISS前方ノード2ポートの使用を許可する契約をアクシオン・スペースと締結した。アクシオン・スペースは2020年代半ばにノード2に商業用モジュールを配備する予定になっている。NASAはすでにスペースX及びボーイングと商業クルー輸送契約(CCtCap)を締結しているが、今後オープンコンペを行ってアクシオン・スペース、ブルー・オリジン、ナノラックス、ノースロップ・グラマンの中の1つ(または複数)と事業契約を結び宇宙ステーションの運用を民間へ移行していく。

ーふ~む、ふむ、スペースXは数々の実績がありますがボーイング社のスターライナーはいまだにISSにたどり着けてないのが気になりますね~。アクシオン・スペース社はISSに接続する形で、他の3社は独立したステーションを配備する計画のようですがあと5~6年でホントに配備することができるのでしょうか、そう簡単では無いと思いますが…

さて、本題です。NASAはどのようにISSを廃棄するのか? 読み解いてみましょう。
2.2 ISSの技術的健全性と軌道離脱計画
 NASAとISS国際パートナーは、ISSの安全な運用に引き続き注意を払っている。ISSの技術的寿命は、モジュールを含む1次構造によって制限されている。ラジエーター、トラス構造、電力、環境制御、生命維持装置、通信システム、その他のシステムは、すべて軌道上で修理または交換が可能になっている。1次構造の寿命は ドッキング/アンドッキングなどの動的負荷や軌道上の熱サイクルに影響される。ISS国際パートナーはそれぞれ自国のモジュールとその寿命延長分析を行う責任があるが、NASA、カナダ宇宙庁(CSA)、欧州宇宙機関(ESA)、日本 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、すでに2028年までの運用延長分析を完了している。ロスコスモスは2024年までの運用延長分析を完了し、現在2030年までの運用延長分析に取り組んでいる。

ーおっと、途中ですが気になる記述があるのでここでひとこと…。 ISSの技術的健全性について「国際パートナーは責任をもって自国モジュールの寿命延長分析を行う」とあるが、それに対し、NASA、CSA、ESA、JAXAは2028年までのいわゆる延長保証宣言をしているがこの時点でロシアは2025年以降の延長保証宣言をしてないようですね。ロシアモジュールの空気漏れの状況次第では計画の前倒しがあるのか気になるところです。閑話休題、報告書に戻りましょう。



 この図は、ISSの寿命終了時までの軌道高度、3つの貨物補給船ドッキング時期、貨物補給船による軌道離脱マヌーバ開始時期、ファイナルクルー滞在時期、ISSが軌道に戻れなくなるポイント・オブ・ノーリターン高度を示している。
 ISS 軌道離脱に先立ち、ISS の運用高度を徐々に下げるためのマヌーバを開始するが、太陽活動が活発なほど地球大気が膨張して効力を受けることになるので、その開始時期は今後の太陽活動に依存する。軌道離脱マヌーバは3台のプログレス貨物船で行う計画だがノースロップ・グラマン社のシグナスもその1部となり得るか検討している。
 最終的には、南太平洋無人地帯(SPOUA)のポイント・ニモ周辺でISSの再突入燃焼を実施して安全な大気圏突入を確保する。

ーう~む、ついにISS廃棄計画の詳細がでてしまいましたね~。見たくなかった感じもありますが…仕方ないですね。これを見ると太陽活動状況によって軌道離脱マヌーバ開始時期は違いますが、高度が350kmになる2029年12月頃から本格的な軌道離脱シーケンスが始まるようです。
 高度が320kmまで下がる2030年5月頃にプログレスによる第1回軌道離脱マヌーバを行い、その後2回目と3回目のマヌーバを7月、9月頃に行ってファイナルクルーが離脱、その後はISSオペレータが最後の軌道追い込みを行って2030年10月頃にポイント・オブ・ノーリターン(高度280km)を通過。そこから急速に高度を落として大気圏突入となりますが、このタイムラインを見ると2030年12月には落下させる計画のように見えます。

 これまで長い間ISS拡大撮影を続けていた身としては悲しいことですが、これがISSを撮影する最後の機会となります。そして2030年3月以降は高度が340km~280kmというこれまで経験したことのない低高度のISSが撮影できます。(これまでの撮影低高度記録は348kmです。ブログ→ISS拡大撮影ミッション~HTV編~2009.9.26)これほどの低高度ISSを撮影できる機会は二度と無いので世界中のISSウオッチャーが注目するでしょうね。どれほどの高解像度で撮れるのか興味津々ですが、心情的にはその日がずっと来ないでほしいような… 金星級の明るさで高速飛行するISSはなにがなんでも見たいような… 複雑な気持ちです。

 さて、こちらは前澤友作氏のYouTubeチャンネルで公開されているISS内部の様子です。ISSのロシアモジュールからツアーを始めて、ソユーズのコックピット、さらには最新モジュール・ナウカの中まで撮影しています。NASAモジュールの方もかなり踏み込んで撮影しておりISSマニアにとっては垂涎モノです。もちろん日本のモジュール「きぼう」も撮影してますが、その上部に接続している「船内保管室」を撮影しているのがいいですね。土井宇宙飛行士がスペースシャトルでISSへ届けた日本初(Made in japan)の有人宇宙船ですからね~。「船内保管室」の壁になんと「Welcome to the highest place of Japan over Mt.Fuji.」と書いたテープが貼ってあるのですが、そのこと今まで知りませんでした。粋です! ESAのコロンバスモジュールも撮影していてレアな映像が満載です。

【完全保存版】ISSをツアーしてみた! 【COLLECTOR’S EDITION】A Tour of the ISS!


 さて、仙台は今日も雪が降っていて、昨年は2月から始めていたISS拡大撮影が今年は全くできていません。まだしばらくは雪空が続きそうなので気長に待つしかありませんね。はやく春が来てほしいものです。


〈関連ブログ〉
ISS(国際宇宙ステーション)2030年まで運用継続! 2022.2.5
ISS多目的実験モジュール「ナウカ(NAUKA)」 2021.7.10

満月前日の十六夜月(月齢15.1)

2022年02月16日 | 
 今日は旧暦1月16日なので今宵は十六夜月になりますが、まだ満月ではありません。
満月はあす2月17日なので、今日は満月前日の月ということになります。

 しか~し、明日の満月時刻は01時57分なので、今宵は満月9時間前のまん丸お月様が東の
空に昇ってくるはずです。しかも月出時刻が日没前なので青空の中の満月が見られます。

 青空の中の満月は実はなかなか見られないので本日はチャンスです。天気も今のところは
晴れているのでウオッチングしてみましょう~。

 と期待して月出を待っていたのですが、夕方になると雲が出てくる最近のパターンは今日
も変わらず… 雲越しのウオッチングとなりました。

2022/2/16 17h09m44s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO1000 F8 1/400sec


カレンダー上は満月前日の満月そっくりな月(月齢15.1 輝面比1.00 撮影時高度4°)

2022/2/16 17h10m28s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO800 F7.1 1/800sec


 この後、月は雲に突入して、次に姿をあらわしたのは辺りが暗くなった18時前、薄雲越し
なので月の周りがぼんやり明るくなっています。

2022/2/16 17h53m40s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO640 F9 1/1000sec


こちらは雲がかかっていない瞬間をねらって撮った、満月7時間22分前の月です。

2022/2/16 18h34m04s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO640 F9 1/1600sec


 明日の朝、晴れていれば青空の中でしずんでいく輝面比1.00の満月が見えるはずですが、
天気予報では小雪がちらつく曇りなので難しいようです。ざんねん~。

ポラリス・ドーン・ミッション(民間人初の宇宙遊泳)

2022年02月15日 | 宇宙開発
すごいニュースが飛び込んできた。
昨年9月にスペースXで全民間人宇宙飛行を成功させたShift4Payments創設者兼CEOの
ジャレッド・アイザックマンが新たな宇宙飛行計画を2月14日に発表した。

その内容は2022年度の後半期に全民間人宇宙飛行による船外宇宙遊泳を行うというものだ。

民間人初の宇宙遊泳 は、スペースアドベンチャー社が2023年6月に計画しているソユーズMS25によるISS
ツアーのオプションとして行われる予定だった(そのツアー客が前澤友作氏という噂がある)が
それに先駆けて2022年度中に民間人初の宇宙遊泳が行われることが確定した。

今回使われる宇宙船はスペースX社のクルードラゴンである。宇宙船がレジリアンスであるかは
発表されてないが、いずれにせよ船外活動を行える仕様に変えたものになると思われる。

宇宙遊泳に使用する宇宙服もスペースX社のオリジナル船外宇宙服となる。これはスペースX社が
将来の火星ミッションに向けて1000体以上作成することになるであろう船外宇宙服の第1号となる。

ジャレッド・アイザックマンはこのミッションを実施するためにスペースX社と多額の契約を
交わしているがその金額については明らかにしていない。

ジャレッド・アイザックマンはミッションの目的を「人類による宇宙探査を加速するため」と
述べているが、このミッションで民間企業による宇宙への進出が急速に早まることは確実である。

さらに驚くべきは、今回のポラリス・ドーン・ミッションは壮大なミッションの1回目であり、
2回目では、今後の宇宙飛行に向けてスペースリンクを使用した宇宙通信の確率と科学探査の
さらなる追求を目指しているという。

そして3回目は spaceXスターシップ(乗員と貨物を月・火星・深宇宙へと輸送する人類初の宇宙船)
の最初の有人宇宙飛行になると明言している。イーロンマスクはジャレッド・アイザックマンが差し
出した手を選んだようだ。


話題を今回のポラリス・ドーン・ミッションに戻そう。

今回のミッションのクルーは以下の4名である。

ミッション司令官、ジャレッド・ルーク・アイザックマン
Shift4のCEOである彼は7000時間以上の飛行経験をもつ熟練パイロットでもある。またブラックダイヤモンド・ジェット・チームの一員として自らジェット機を操縦して100以上の航空ショーに参加している。航空ショーのパフォーマンスはチャリティーに捧げており、2008年と2009年の世界一周飛行では、メイク・ア・ウィッシュ財団への寄付と認知度を高めるためにいくつかの世界記録を保持している。また2011年にアイザックマンは世界最大の民間航空会社となるドラーケンインターナショナルを共同設立し、アメリカ軍のパイロットを養成している。

ミッションパイロット、スコット・キッド・ポティート
彼は退役したアメリカ空軍中佐で、第64攻撃飛行隊長、アメリカ空軍サンダーバード4番機デモパイロット、アメリカ空軍兵器学校卒業生、運用試験評価パイロット、飛行試験官など、さまざまな役割を20年間務めている。空軍退役後はDraken Internationalのビジネス開発ディレクターやShift4(NYSE:FOUR)の戦略担当副社長などさまざまな職務を務め、Inspiration4(世界初の民間人による宇宙ミッション)ではミッション・ディレクターを務めた。

ミッションスペシャリスト、サラ・ギリス
サラ・ギリスはSpaceX社のリード・スペース・オペレーション・エンジニアで、同社の宇宙飛行士トレーニングプログラムの監督を担当している。また、NASAの最初のミッションであるDemo-2およびCrew-1の宇宙飛行士を準備し、最近では、軌道に乗った初の民間人クルーであるInspiration4宇宙飛行士を直接訓練した。サラは経験豊富なミッション・コントロール・オペレーターであり、ナビゲーション・オフィサーとして国際宇宙ステーションへの貨物補給ミッションのリアルタイム・オペレーションをサポートし、ドラゴンの有人宇宙飛行ミッションではクルー・コミュニケーターとして活躍している。2015年、コロラド大学ボルダー校で工学とダンスを学びながら、サラはスペースX社でインターンシップを始め、ドラゴン宇宙船内部のヒューマンインザループ試験に従事した後、宇宙飛行士訓練プログラムにフルタイムで移行した。コロラド州ボルダー出身のサラは、熱心なハイカー、クライマー、冒険家でもある。

ミッションスペシャリスト&メディカルオフィサー、アンナ・メノン
アンナ・メノンはSpaceXのリード・スペース・オペレーション・エンジニアで、クルー運用の開発を管理し、ミッション・ディレクターとクルー・コミュニケーターとしてミッション・コントロールに携わっている。SpaceXでの在職中、彼女はドラゴンのクルー機能の実装を主導し、クルーコミュニケーターオペレーターの役割の確立に貢献し、火災やキャビンの減圧などの車両の緊急事態への重要な運用対応を開発した。アンナは、Demo-2、Crew-1、CRS-22、CRS-23といった複数のドラゴンミッションでミッションコントロールを担当し、SpaceX入社以前は、NASAで7年間、国際宇宙ステーションの生物医学フライトコントローラーとして勤務していた。この職務では、ミッションコントロールから宇宙ステーションのクルーをサポートし、国際的なパートナーのエンジニアと医療ケアの統合を支援し、エクスペディション47/48のすべての生物医学業務の計画と実行を主導した。テキサスクリスチャン大学で数学とスペイン語の学士号を、デューク大学で生物医学工学の修士号を取得している。


今回のクルーを見ると民間人宇宙飛行とは言え、今後、スペースX社による商業宇宙飛行を担って行くであろうクルーたちが人選されていることが分かる。

今回のミッションでは、これまでのドラゴンミッションよりも高く飛んで、これまでに飛んだ最高の地球軌道に到達すると発表されている。

具体的な軌道高度は示されていないがヴァン・アレン放射線帯の一部を周回し、宇宙飛行と宇宙放射線が人間にどんな影響を及ぼすかを調べる計画があるそうだ。そのほかにも将来の長期宇宙飛行に備えて様々な健康影響調査が予定されているようだ。

また、月、火星へのミッションに必要な宇宙通信システム「スターリンクレーザーベース通信」を初めて行うとアナウンスされている。

今回の宇宙飛行は形式的にはジャレッド・アイザックマンとスペースX社による商業宇宙飛行であるが、その内容は少し前のNASAを凌駕するほどのミッション内容となっている。

今回のミッション計画をみて、ついに民間企業の宇宙進出もここまで来たか…と驚きを感じざるを得なかった。

2021年は宇宙旅行元年であったが、2022年はのちに宇宙創出元年と位置づけられる宇宙開発史のターニングポイントとなることだろう。

(関連ブログ)
2021年は宇宙旅行元年! 2021.2.6
インスピレーション4ミッション リフトオフ成功! 2021.9.16
インスピレーション4ミッション~DAY2~ 2021.9.18
インスピレーション4ミッション~無事帰還~ 2021.9.19

ISSと中国宇宙ステーションほぼ同時刻パス 観望記録(2/6)

2022年02月06日 | ISS(国際宇宙ステーション)
2月6日の夕方、ISSとCSS(中国宇宙ステーション)がほぼ同時刻に仙台上空を通過するめずらしいパスがあったのでウオッチングしてみました~。

 通過図を見ると出現はどちらも17時49分頃ですが、軌道高度が低いCSSの方がISSより若干速く進んで行くことが分かります。CSSの軌道高度は 379 x 387 km, 軌道傾斜角41.5°、ISSは軌道高度413 x 422 km, 軌道傾斜角51.6° です。

 現在、軌道上を周回している有人宇宙ステーションが同時に見られるのでワクワクしながら待っていたが、雪雲が流れてきて結局、確認できたのはISSだけでした。(写真にはコスモスロケットが写っているが眼視では確認していない)

2022.2.6 17:50:00~17:56:38 D810A 10.5mm f2.8 ISO640 F2.8 1.6sec×200 DX

こちらは撮影した200コマをつないだGIFアニメです。CSSが天頂を通過するタイミングで厚い雪雲がやってきたのでCSSはまったく見えませんでした。

 今年の冬は積雪はたいしたことないのですが毎日のように雪がちらつく天気で思うように観望できない日が続いています。

ISS(国際宇宙ステーション)2030年まで運用継続!

2022年02月05日 | 宇宙開発
バイデン・ハリス政権が2030年までの国際宇宙ステーション運用延長を正式に発表した。

ISS 2030: NASA Extends Operations of the International Space Station


当初の計画では2020年までの予定だった運用が2024年までは延長されていたが、今回の発表
で2030年まで運用を延長すること、そして2031年1月に廃棄することが決定事項となった。

2030年までの10年間は微小重力空間を利用した研究のさらなる推進と商業宇宙ステーション
運用へのシームレスな移行期間となるようだ。

商業宇宙ステーションについては2016年にビゲロウ・エアロスペースが拡張型活動モジュール
(BEAM)をISSにドッキングさせてテストを行っていたが、ビゲロウは2021年12月にBEAMの
所有権をNASAに譲渡し現在は運用を停止している。

今後はNASAの承認を得たアクシオム・スペース社が本格的な商業宇宙ステーションを建造して
ISSへドッキングさせていく予定だ。計画では2024年からISS上で組み立てを行い、遅くとも
2030年にはISSから分離して単独の宇宙ステーションとなる。

アクシオム・スペース社は第1回目の商業宇宙観光ミッションを2022年3月31日にスペースX
(レジリエンス)で実施する。将来的には年に2回のペースでISSへの宇宙観光ツアーを計画し
ており、2回目のツアーとなるAxiom-2を2022年12月に、3回目のツアーAxiom-3を2023年6月
に予定している。そのどちらかにトム・クルーズが搭乗する可能性があるようだ。(当初の計
画では第1回目のツアーに搭乗する予定だったらしいが…)


さて、ついに運用終了時期が決まってしまったISSだが、振り返ってみると1998年11月に組み立
てが始まり、完成したのが2011年5月なので完成から10年、製造開始から数えると23年の月日が
過ぎていることになる。


完成までの過程を見ると実に複雑な工程だったのだなぁとあらためて感じるとともにこれを廃棄
してしまうのはとても惜しい気がしてならない。耐用年数を越えたモノはリスクを伴うので仕方
ないことだが、胸が痛くなる思いだ。

と言っても運用終了までまだ8年もあるのでこれからも安全な航行を続けて有終の美を飾ること
を切に願っている。

二日月(月齢1.1)

2022年02月02日 | 
本日、2月2日はブログ「見たい天体現象 2022年に見える細~い月(月齢1)」で紹介した月齢1.1の月が見える日です。季節風が強く吹くとっても寒い日でしたが撮影にチャレンジしてみました。

 2022年新月翌日   日没時刻   日没時月齢  日没時月高度   月没時刻  輝面比
 1月04日(火) 16時30分   1.5   12.485°  18時00分 0.0349
2月02日(水) 17時01分   1.1    9.467°  18時02分 0.0166 
 3月04日(金) 17時33分   1.6   16.642°  19時07分 0.0318
 4月02日(土) 18時01分   1.1   10.159°  18時59分 0.0133 
 5月02日(月) 18時29分   1.5   14.379°  19時55分 0.0228
 5月31日(火) 18時54分   0.9    7.931°  19時47分 0.0079 
 6月30日(木) 19時05分   1.3   11.073°  20時16分 0.0152
 7月30日(土) 18時50分   1.7   12.536°  20時02分 0.0259
 8月28日(日) 18時14分   1.0    7.689°  18時58分 0.0109 
 9月27日(火) 17時27分   1.4    8.015°  18時14分 0.0233
10月26日(水) 16時46分   0.9    3.685°  17時11分 0.0096
11月25日(金) 16時20分   1.3    6.568°  17時09分 0.0256
12月24日(土) 16時22分   0.9    4.335°  16時57分 0.0118


 西の空はこんな感じ… 奥羽山脈を越えたきた雪雲で山並みが見えません。

2022/2/2 17h00m50s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f150mm ISO1600 F13 1/640sec

 高度2°以下は厚い雲で覆われていますが、その上は薄い雲なのでなんとか見えそうです。今日の日没時刻は17時01分です。月齢1の月は日没20分後には見えるので17時20分頃に双眼鏡で探すことにしましょう。

さて、時刻は17時20分を過ぎました。双眼鏡で探すと… おっと簡単に見つかりました。

月齢1.1(輝面比0.02)新月26時間37分後の月です。撮影時高度は5.9°

2022/2/2 17h22m58s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO1600 F8.0 1/80sec


雲で減光されているのでかなり細く見えます。

2022/2/2 17h24m39s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO800 F8.0 1/25sec


本日は自宅2階からの手持ち撮影です。

2022/2/2 17h28m50s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO800 F8.0 1/13sec

 この直後、雲に覆われて撮影終了です。トータルの撮影時間はわずかに10分でした。雲がなければもっとキレイな月齢1.1を撮影できたのですが、まー、今日の天気では撮影できただけで御の字ですね。

 次回の月齢1撮影ミッション・デーは4月2日です。月齢は今日と同じ1.1ですが輝面比は0.01です。天気が良かったら遠征して望遠鏡で撮影したいところですが春霞の時期なので低層の透明度はあまり良くないかもしれませんね。天気の具合を見て撮影地と撮影機材を考えることにしましょう。

X-37B 観望記録(1/28)

2022年02月02日 | X-37B
これは2022年1月28日に仙台上空を好条件で通過したX-37Bの観望記録であるが、同時に2022年最初のサテライト拡大撮影記録でもある。

 本来なら、拡大撮影のスタートは気流が落ち着き始める2月下旬以降を予定していたが、今回のX-37Bのコースが最大仰角90°という最良の条件だったので観望だけでなく拡大撮影もすることにした。

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 しかし、終わってみると欲を出すと良いことはないという教訓を残すのみの結果だった。今回の撮影システムはいつもの30cmドブ(Powermate2×)+ASI174MM+IRフィルター、露出はShutter=0.933ms Gain=295 (73%) で撮影している。

 冬の気流でボケボケだが強調処理で浮かんだのが下記画像である。どれも大気の揺らぎを受けているのでX-37B本来の姿を捉えたものは1枚もないと思われる。