10月19日に火星との距離わずか138,000kmまで接近したサイディング・スプリング彗星を火星上の探査機はどのように観測したのでしょう。現在公開されている情報から読み解くことにしましょう。
火星の隣に見られるサイディング ・ スプリング彗星

こちらはハッブル宇宙望遠鏡が撮影した複数の画像をコンポジットして最接近時の様子を再現したもの。サイディング・スプリング彗星と火星の角距離は1.5分(満月の1/20)。火星は彗星と比較して1万倍明るいため実際にはこのように見えることはない。また彗星の核が明るく輝いているため大きく感じるが実際の大きさは1km以下である。
マーズローバー・オポチュニティが火星上から撮影したサイディング・スプリング彗星

これはマーズローバー・オポチュニティがパノラマカメラを使用して撮影した画像。露出は50秒、最接近時は火星上の早朝になり彗星を撮影するには明るすぎるため、再接近2時間30分前となる、夜明け前の比較的まだ暗い時間に撮影をおこなった。火星上でマイナス等級に見えるという前評判だったので期待していたのだが、ちょっと残念な写真である。オポチュニティの西方で砂嵐が起きていたようなので透明度はベストではなかったらしいが、パノラマカメラの限界かもしれない。
そもそも、発見時は核の直径が50kmという巨大彗星のはずだったが、NASAの探査機「マーズ・リコナサンス・オービター」の観測で核の直径は1km未満であることが分かった。
サイディング・スプリング彗星が発見されたのは木星軌道の内側付近…

オールトの雲から初めて飛来する彗星はチリに覆われていないため遠距離の位置でジェットを放出することがある。そのため絶対等級が高めに測定され、あとになって核の大きさを下方修正することはあるが、アイソン彗星に引き続き、期待はずれとなったのはとても残念な出来事である。
ネオワイズ探査機が7月28日に撮影した画像

これはNASA's NEOWISEが 1.55天文単位の距離から撮影した画像、このときサイディング・スプリング彗星は太陽から1.88天文単位離れていた。(オレンジ色に見えているのがサイディング・スプリング彗星)この時点では、核の直径が1km未満だとは思えませんでした。分からないものです。
火星最接近から1週間が過ぎ、新たな情報が出なくなったように思いますが、多くの探査機が様々な観測をしていますので、これから観測報告が続々出てくるはずです。

一番気になっていることは、キュリオシティからの情報がまだ発表されていないことです。
分析に時間がかかっているのでしょうか。今後の情報を待つことにしましょう。
火星の隣に見られるサイディング ・ スプリング彗星

こちらはハッブル宇宙望遠鏡が撮影した複数の画像をコンポジットして最接近時の様子を再現したもの。サイディング・スプリング彗星と火星の角距離は1.5分(満月の1/20)。火星は彗星と比較して1万倍明るいため実際にはこのように見えることはない。また彗星の核が明るく輝いているため大きく感じるが実際の大きさは1km以下である。
マーズローバー・オポチュニティが火星上から撮影したサイディング・スプリング彗星

これはマーズローバー・オポチュニティがパノラマカメラを使用して撮影した画像。露出は50秒、最接近時は火星上の早朝になり彗星を撮影するには明るすぎるため、再接近2時間30分前となる、夜明け前の比較的まだ暗い時間に撮影をおこなった。火星上でマイナス等級に見えるという前評判だったので期待していたのだが、ちょっと残念な写真である。オポチュニティの西方で砂嵐が起きていたようなので透明度はベストではなかったらしいが、パノラマカメラの限界かもしれない。
そもそも、発見時は核の直径が50kmという巨大彗星のはずだったが、NASAの探査機「マーズ・リコナサンス・オービター」の観測で核の直径は1km未満であることが分かった。
サイディング・スプリング彗星が発見されたのは木星軌道の内側付近…

オールトの雲から初めて飛来する彗星はチリに覆われていないため遠距離の位置でジェットを放出することがある。そのため絶対等級が高めに測定され、あとになって核の大きさを下方修正することはあるが、アイソン彗星に引き続き、期待はずれとなったのはとても残念な出来事である。
ネオワイズ探査機が7月28日に撮影した画像

これはNASA's NEOWISEが 1.55天文単位の距離から撮影した画像、このときサイディング・スプリング彗星は太陽から1.88天文単位離れていた。(オレンジ色に見えているのがサイディング・スプリング彗星)この時点では、核の直径が1km未満だとは思えませんでした。分からないものです。
火星最接近から1週間が過ぎ、新たな情報が出なくなったように思いますが、多くの探査機が様々な観測をしていますので、これから観測報告が続々出てくるはずです。

一番気になっていることは、キュリオシティからの情報がまだ発表されていないことです。
分析に時間がかかっているのでしょうか。今後の情報を待つことにしましょう。