晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

ISS拡大撮影ミッション(4)「サードショット」

2008年03月19日 | ISS(国際宇宙ステーション)
3月18日早朝、ISS拡大撮影のチャンスがやってきました。
通過時間は5時6分30秒-5時11分30秒、

見え始めは、北北西 10° 距離1263km
仰角最大時、北北東 32° 距離 615km
見え終わり、東   11° 距離1215km

条件はよくありません。再接近距離の615kmはセカンドショット
撮影時の約2倍です。しかも北極星の下を通る飛行コースです。

北極星の直下はドイツ型赤道儀では苦手領域です。
その領域を西から東へ望遠鏡を動かすことは
常識ではありえないことです。

望遠鏡の極軸を北西に向けて追尾することにしてみます。
さて、今回は焦点距離を2000mmにしてあります。
接近距離が600kmもあるので2000mmのメリットはありませんが
今後の撮影の参考にはなります。

5時を過ぎると急に空が明るくなります。星はほとんど見えません。
ISSがやってきました。今日も見え始めから、かなり明るくなっています。

ファインダーで覗いて高速連写‥カシャ‥!? あれれ、連写ならず!
しかたなくシャッターを連続早押し‥カシャー、カシャー‥
なにかが変です。それでも数十枚は撮影できたようです。

さっそくカメラ本体のモニターで確認すると‥
写っていません!よーく探してみると、かすかに写っていました。
しかし、どの写真も極度のピンボケです。

明らかにピントがずれています。ピントゲージ代わりのデジタルノギスで
計測してみると、0.8mmずれています。ドローチューブをロックする
ネジの閉め忘れです。そのためカメラの自重で下がったようです。

初歩的ミスです。

さらに、写真を見て分かるように極度のアンダー露出です。
今日のISSの最大光度は-0.6等級です。2倍の露出時間では
ぜんぜん足りません。これまた初歩的ミスです。

高速連写ができなかった原因も分かりました。
解像度を上げようとRAWモードで撮影したため撮影後の
取り込みに時間がかかってしまったようです。

なるほど、重なるときは重なるものです。

しかもこの日は仙台で黄砂が観測されていました。
黄砂では透明度が悪いはずです。

まさに、ふんだりけったり‥です。

今回は初歩的ミスのオンパレードでしたが、
失敗は成功の母です。プラス思考が大切です。

次回に期待しましょう。



きぼうを載せたISS

2008年03月17日 | ISS(国際宇宙ステーション)
1J/Aミッションも飛行7日目になりました。
船内保管室も順調に起動したようですね。

さて、今日から毎早朝、ISSが日本上空を通過します。
今朝は見えるといっても、最大仰角がわずかに15°です。
見るためには見晴らしのよい場所に行かなければなりません。

ということで、見晴らしのよい場所に出かけてきました。
幸い空には雲がありません。ISSの通過は4時45分ー4時48分、まもなくです。


見えました。時間通りです。北北西の空10°付近を東へ動いています。
あの光の中に土井宇宙飛行士が‥、きぼうの船内保管室が‥感動です!


ISSはカシオペヤの下を静かに静かに通過していきます。
そして、薄明が進む東の空へ吸い込まれていきます。
今朝のWakeup Callは4時25分頃の予定、宇宙飛行士は活動をちょうど
始めたころ、きれいな地球の夜明けが見えていることでしょう。


今日のISSは見え始めにすぐ明るくなり、その後は徐々に暗くなり‥
最大高度を過ぎたころから急に暗くなって、最後は消え入るように
山際を進んで行きました。とても美しい光景でした。

JAXAデイリーレポートによると、今日はシャトルの船長、ドミニク・
ゴーリさんのためのウエイクアップコールだったようです。
今日のウエイクアップコールは以下のサイトで聞くことができます。
STS-123 Wakeup Call

〈ウエイクアップ後の交信記録〉
CAPCOM: Good morning Endeavour! Good morning to you Dom. You guys worked so hard yesterday we gave you an extra 17 minutes of sleeping in. How about that.
Commander Domionic Gorie: Good morning Al and that timing was perfect. Right before the music came on the sun hit the space station.It was just beautiful. A very, very appropriate song. Thank you for waking us up with that. The glory is apparent this morning.

ふむふむ、訳してみると‥
CAPCOM:
「おはようドム!昨日はハードな仕事だったので起床時刻を17分も遅らせたんだけど、どう?」
Commander:
「おはようアル!タイミングはパーフェクトだ。ちょうど音楽がなる直前に、ステーションに朝日が射し込んできたんだ。それはそれは美しかったよ。今日の歌はとてもすばらしかった。すばらしい朝をありがとう!」

えぇー!これは驚きです。JAXAレポートによるとウエイクアップコールは4時43分とのこと。つまり‥今朝ISS明るく輝いて見え始めたころ、この交信が交わされていたのです。そうだったのかー、かなり驚きです。

土井宇宙飛行士のウエイクアップコールも聞けます。
3日目が土井宇宙飛行士の奥さま選曲のゴジラです。
STS-123 Wakeup Calls

明日の朝は今日より少しだけ条件がよくなります。
晴れたら拡大撮影に挑戦してみることにしましょう。

ISS拡大撮影ミッション(3)「比較テスト」

2008年03月14日 | ISS(国際宇宙ステーション)
2008年3月14日は日本の宇宙開発にとって記念すべき日となりました。
そうです。日本が独自に開発した初の有人宇宙船が誕生したのです。

正確に言うと土井宇宙飛行士が中に入った時点で有人宇宙船となるので、明日の
ミッション終了時ともいえますが、ISSへの結合が成功したので誕生日は今日でしょう!



有人宇宙船保有国としては、ロシア(ソ連)、アメリカ、中国、ESA(欧州宇宙機関)
についで5番目です。快挙です。すばらしい科学技術です!やったねニッポン!

なぜ、マスコミはもっと大きく報道しないのでしょうか?
この価値が分かってないのでしょうかねぇ~。

土井宇宙飛行士よかったですね。たぶんこれがラストフライトとなる
でしょうが、(そんなことないですね。ジョン・グレン宇宙飛行士は77歳で
宇宙に行きましたからね。)第1期生の宇宙飛行士でISSに搭乗したのは
土井宇宙飛行士だけですからね。待ったかいがありましたね。

土井宇宙飛行士が搭乗しているISSですから、何が何でも写真に納めなければ
なりません。しかも、日本初の有人宇宙船が結合しているのですから、
気合いが入ります。

今週はタイミングが悪く日本からISSは見えませんでしたが、来週からは
早朝ですが、見えるようになります。
前回のISS拡大撮影ミッション(2)「セカンドショット」でISSとSTSをなんとか
撮影することができましたが写真としては不鮮明なので、
自分としてはぜんぜん納得できていません。

そこで、今回は焦点距離を2倍にするため、パワーメイトを購入しました。
これで、焦点距離は2000mmになります。どんなものかカメラテストを
してみました。



ふむふむ、パワーメイトの効果は期待できそうです。

今回はISS通過時刻が早朝なのでスペースシャトルの
耐熱タイル側に太陽光があたり、スペースシャトルは
たぶん写らないと思われます。船内保管室はISSの天頂側に
くっついているので、これまた地上からはほぼ見えない位置です。

条件としてはあまりよくありませんが、チャレンジです。
チャンスは3~4回あります。さあ、ISSを捉えることが
できるでしょうか? 結果は次回のブログで‥

ど~か、晴れますように

満月の夜のダイヤモンド

2008年03月01日 | ☆星見隊
早いものでもう3月です。
今年は「さすが冬の星空はきれいだね!」と
思える日がまったくないまま春を迎えそうです。

いつもは「ほう、今日は星がきれいだね‥」と思わず
足を止めて夜空を見上げるような日が何日かあるのですがねぇ。
そんな冬ですが、平成20年2月21日の夜、めずらしく晴れました。
雲がひとつもありません。しか~し、快星ではないのです‥。
この日はお月さまがいばっている日‥そう、満月なのです。
トホホ‥です。

明るい夜でしたが、せっかく晴れたので
光害の少ないところへ星見に出かけました。

チェアーを出して熱いコーヒーを飲みながら
ひとりプラネタリウムです‥至福のときです。

さすが満月です。ほとんどの星を消してしまっています。
北の空を見ると北極星を中心にして、東に立ち上る北斗七星
西に沈むカシオペヤがみえます。地球の自転を感じさせる星並びです。

南東の空は、目にムーングラスをつけたくなるほどまぶしい夜空‥
南西には、まもなく主役交代の冬の星座たち‥ほう、冬のダイヤモンドが
きれいに見えます。光害の少ないところでは満月でもみえるのか~。

スカイクオリティメーターで夜空の暗さを計測してみると
計測値17.32‥これはすばらしい!
満月のときの明るさが正確に出ています。
光害のあるところでは満月夜の計測値は15等級です。

今日は透明度もいいようです。

「南西の空に輝く冬のダイヤモンド」
2月21日20時41分 
AF Fisheye Nikkor DX ED 10.5mm
F5.6 50秒露出  トリミング

冬のダイヤモンドもそろそろ見納めです。

今年は火星も輝いていたので
とても華やかなダイヤモンドでしたね。
さて、春は銀河がきれいに見えます。
いよいよギャラクシーシーズンの到来です。
天気が良くなるといいですね。