待ちに待った移動性高気圧が仙台にやってきました~。
夜半にかけて高気圧が上空を通過するドンピシャのタイミングだったので
シーイングは良好でした。
windy予報では200hPa風速が50kt前後、500hPa風速が17kt前後と仙台では
ベストとも言える数値が出ていましたが、的確な数値だったように思います。
21時に望遠鏡を設置しましたが筒内気流が収まるまで小一時間はかかります。
22時になって筒内気流が収まりいよいよ撮影開始です。PCモニター上には
火星のアルベド模様、大シルチスがはっきり見えています。いい感じです。
10月20日 22時02分(JST)
2020.10.20 13h02m(UT) CM=310.0° Diameter=21.73"
ZWO ASI290MC Shutter=3.236ms Gain=274 (45%) Duration=120sec
AS!3 Noise Robust4 25% of 28725frame AP1
10月18日に撮影した時はモニター上で青色に輝く朝霧や北極フードが見えたのですが
今日の火星は朝霧も夕霧もあまり見えません。今日の火星はお天気のようですね~。
10月20日 22時20分(JST)
2020.10.20 13h20m(UT) CM=314.5° Diameter=21.73"
ZWO ASI290MC Shutter=3.236ms Gain=274 (45%) Duration=60sec
AS!3 Noise Robust4 25% of 14363frame AP1
おぉ、今日はPCモニター上で子午線湾の先にあるアリンの爪をしっかり確認できます。
今日の気流はグッドですね~。いつもこのような環境で撮影できるといいのですが…。
10月20日 22時36分(JST)
2020.10.20 13h36m(UT) CM=318.2° Diameter=21.73"
ZWO ASI290MC Shutter=3.236ms Gain=274 (45%) Duration=120sec
AS!3 Noise Robust4 25% of 28726frame AP1
現在の火星(Ls=300° )の季節(火星歴)は、地球における1月20日頃になるので、
火星の北半球は冬真っ盛り、南半球は暑さのピークを過ぎたころとなります。
火星には海がないので惑星全体が超大陸性気候となり、ザックリ言うと
北極と南極が熱交換をしている感じの気候です。
南極の夏はドライアイスが昇華するため気圧が上がり、逆に冬の北極は氷床が
大きくなって気圧が下がります。季節で気圧が変わるダイナミックな気候です。
水の惑星地球とは全く違う気候システムなので、人間が住むには過酷な環境と
いえますね。
さ~て、23時を過ぎてサバ人の湾が正面に見えてきました。
10月20日 23時28分(JST)
2020.10.20 14h28m(UT) CM=331.0° Diameter=21.73"
ZWO ASI290MC Shutter=3.236ms Gain=274 (45%) Duration=120sec
AS!3 Noise Robust4 25% of 28709frame AP1
23時30分を過ぎたころから気流がさらに落ち着いて、南極冠がポチっとクリアに
写るようになってきました。これほどの好気流は今シーズン初ではないでしょうか。
仙台ではなかなかこのような気流には巡り合えません。
10月21日 0時38分(JST)
2020.10.20 15h38m(UT) CM=347.9° Diameter=21.73"
ZWO ASI290MC Shutter=3.236ms Gain=294 (49%) Duration=120sec
AS!3 Noise Robust4 25% of 26755frame AP1
0時20分から0時40分までの20分間は特に気流が落ち着いていて、この間に
撮影した画像は、ウェブレットをかけてもリンギングが全く出ませんでした。
この後は徐々に気流が悪くなり01時過ぎに撮影会は終了となりました。今夜は気流
だけでなく透明度も良かったので空にはいつもよりたくさんの星が輝いていました。
撤収作業をしているときに東の空に冬の星座がきれいに輝いていることに気付き、
思わず手を止めて見入ってしまいました。
おうし座、オリオン座、おおいぬ座、プロキオンが輝く小犬座、ぎょしゃ座、ふたご座
そして6個の1等星をつないでできる大きな冬のダイヤモンド…とてもきれいです。
振り返って西の空を見ると暗い星しかない秋の星座のなかで場違いなほど明るい火星が
鎮座しています。その圧倒的な存在感は秋の星座の中にあるがゆえですがこれほど威厳の
ある火星は今まで見たことがないような気がします。
今年の火星は準大接近ですが、高度が高く、見えている時間が長かったのでいつもの
大接近時より大いに楽しめた気がします。