晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

こと座流星群 撮影記録

2023年04月30日 | ☆星見隊
 4月24日のISSウオッチング時にATOMcam2がこと座流星群を捉えたことから、ひょっとしたらほかにも流星が捉えられているのでは?…と思ってATOMcam2の記録データを確認してみると、

 なんと、クラウド上にモーションキャプチャーで捉えた流星が2個、SDカード上には37秒間の間に2つの流星が流れている様子が記録されていました~。

 こちらは4月23日01時16分33秒に流れたこと座群です。

 で、上記の動画はクラウド上にモーションキャプチャーで記録されたものなので12秒間しか記録されていませんが、この流星の27秒前に散在流星が流れていてその様子がSDカード上に記録されていました。

 4月23日1時16分に流れた2つの流星(散在流星とこと座群)

 この動画には1時16分06秒に散在流星が1個、その27秒後の01時16分33秒にこと座群が1個流れる様子が写っています。

 このほかにはクラウド上に4月24日01時38分37秒に流れたこと座群が記録されていました。

 4月24日01時38分37秒に流れたこと座群


 そのほかにATOMcam2 が捉えた動画として、ISSウオッチングの直後に捉えた4月24日03時50分58秒の流星があるので、合計で4個のこと座群を捉えたことになります。(スマホ上での目撃を入れると5個)

 4月24日3時50分58秒に出現したこと座群流星

 これまで、光害が強い自宅庭でATOMcam2 が流れ星を捉えたことはなかったのですが(チェック漏れはあるとは思いますが)今回複数の流れ星を捉えたことは驚きに値します。

 その理由としては、2022年12月8日のブログ「見たい天体現象・突発出現が期待される流星群」で「こと座群は月明かりの影響がないので早朝には出現数が増加する(空の条件次第ではHR=20になる)予報がでている」と紹介したように空が暗かったことが今回の記録の多さに繋がったと考えられます。

 ATOMcam2 の動画は解像度が悪くてざらつきがかなりありますが、感度が高いこととなにより実際の流星の様子(こと座群は高速流星)が分かるので、これもありだなと思いました。

 光害の強い自宅庭でATOMcam2を使いこなすにはまだまだ未知な部分がたくさんありますが、これを機にいろいろ試してみようと思ってま~す。


ISSウオッチング記録(4/24)

2023年04月29日 | ISS(国際宇宙ステーション)
4月24日のISSウオッチングの記録です。

 就寝中の午前3時半過ぎに突然目が覚めたので、3時40分のISSパスが見えるかATOMCam2アプリで外の天気をチェックをしてみると…「おー、ワオ!」 なんということでしょう!

〈おー、ワオ解説〉 最初の「おー」はスマホの画面上で天の川が見えていたことに驚いて発した言葉です。その直後の「ワオ」は、画面中央の上から右斜め下に向けて流れるマイナス等級の大きな流れ星を見た瞬間に口から出た感嘆詞です。
 
 この流星は経路から推測して間違いなくこと座流星群です。これはスゴイ… 極大日は昨日ですが本日もいくつか流れているようです。モニター上ではありますが自分にとってはこれがこと座群の初見となりました。

 おっと、これだけ明るい流星だったらATOMCam2のモーションキャプチャーが捉えているはず…と思ってATOMCam2の記録を見てみると… がが~ん、なんと記録されていません… ドボシテ?

 などと考えていると、あっという間にISSが地球の影から出る時間になりました。急いでATOMCam2の録画をスタートさせて、布団から飛び出してそろりと階下に降りて双眼鏡を手に取り外でISSウオッチングです。

 玄関から出て見上げるとすでにISSは最大高度に達するところです。おっとISSと交差する軌道で人工衛星が飛んでいます。ふ~む、なんだろう? この人工衛星の正体は後で調べることにしましょう。

 今朝のISSは、SCW予報が薄曇りでWindy予報で気流も悪かったこと、さらに1ヶ月前に魔女の一撃を受けて(いわゆるギックリ腰ですね)それがまだ完治していないので拡大撮影は見合わせていたのですが、空は雲ひとつ無い見事な快星で…しかも星の瞬きが少ない気流の落ち着いた夜空でした。トホホ… 

 そんな空なので双眼鏡で見たISSはとてもきれいでした。最大仰角前はまぶしいほどの白色光を放ちながら高速で飛ぶ美しい姿でしたが、天頂を過ぎたころからは徐々に橙色になって落ち着きのある色合いに変わりスピードも緩やかになっていきました。

 最後は仰角10°付近の屋根で見えなくなりましたが最後まで輝きを失うことなくずーっと見えていました。ふう、満足… では、ATOMCam2の録画を止めて動画を確認してみましょう。

 3時30分過ぎに大きなこと座群を見たので運が良ければ録画されているのでは…という淡い期待を持っていましたが、なんと写っていました。超ラッキー! 3時30分のマイナス等級には及びませんが3時50分58秒にこと座群がはっきり写っていました。

 ISSと交差した人口衛星はステラナビゲーターで調べたところ2022年6月2日に打ち上げられた中国のロケットのボディ(CZ-2C R/B ID:52794)だということが分かりました。また、東へ向かって飛ぶジェット旅客機はフライトレーダー24のPlaybackで調べたら、Atlas Air の Boeing747-47U(F) 5Y555便 SEOUL発-ANCHORAGE行きの貨物便だということが分かりました。

 ATOMCam2の動画にはうっすらですが天の川も写っています。動画は今回もスマホアプリInShotで編集してます。今回は流星が分かるように前半はいつもの3倍速再生ですが流れ星のところは等倍速で再生してあります。画質は良くありませんが、たくさん星も写っているのでどうぞご覧ください。

4月24日のISSとCZ-2C R/BとBoeing747と こと座群流星

 画面左下に見えるアンテナの上には秋の星座やぎ座が写っています、そしてその左下の電線過密地帯の右にはかすかですが土星を確認することができます。輪の傾きが小さくなった土星を眺められるのはもう少し季節が過ぎてからですね。

4月24日3時50分58秒に出現したこと座群流星


〈資料〉
ISS通過データ




CZ-2C R/B通過データ





16年ぶりの黄砂による白い夕日

2023年04月15日 | お天気
東京で4月としては16年ぶりとなる黄砂がやって来たとニュースになっていましたが、その黄砂が仙台にもやって来たので、黄砂の時に見える白い夕日をウオッチングしてみました~。

 観測したのは4月14日の17時30分過ぎ、車の中からiPhoneで撮影した(助手席なのでご安心を)ため画質は悪いのですがいつもとは違う白っぽい夕日を撮影することができました。


 仙台では2016年4月24日に黄砂を確認しているので4月の黄砂としては7年ぶりです。


 それ以前は、仙台における4月の黄砂としては2015年、2012年、2007年に観測しています。


 こちらはスーパーマーケットの駐車場から沈む直前の夕日を撮影したものですが…

 
 思っていたよりは白くなくて、どちらかと言うと白っぽいと感じる程度の夕日でした。



以前、白い夕日を撮影したのは東京で黄砂が確認された16年前と同じ2007年の4月2日です。

2007年4月2日17時33分撮影 *過去ブログ→「白い夕日と白い月」 2007.4.2

2007年の4月は仙台で3日間連続で黄砂が観測されました。

 4月2日は全国11地点にある観測場所のうち札幌を除く10地点で黄砂が観測されています。

 それほど大規模な黄砂が訪れたということですが、写真を撮影した4月2日の仙台での視程はわずかに5kmです。これは過去20年間で最も規模の大きい黄砂だったと言って間違いないレベルです。

 視程5kmを下回ると様々なことに影響が出始めます。

 で、今回(2023年4月14日)の仙台での規模はどれくらいだったかを調べてみると…う~む,視程15kmですか、それでは夕日が白く見えなくても納得…ですね。

 さて、この黄砂ですが、温暖化が進むと減少する傾向にあるそうです。

 その理由としては、温暖化が進んで北極域の気温が高まることによって中緯度付近との気温差が少なくなって中緯度と高緯度の熱交換が緩やかになり、その作用として風が弱まって、ゴビ砂漠などの砂を巻き上げる大嵐も少なくなる。結果として黄砂が起きにくくなる…だそうです。

 と言われていますが、上記気象庁の年間黄砂観測のべ日数グラフを見ると温暖化によるトレンドとは関係ないように見えますが…どうなのでしょう?

 黄砂は体調にも影響するのでとかく嫌われがちですが、黄砂にも良い面があるそうです。黄砂が北西太平洋に落下すると黄砂の微粒子に含まれる鉄分が海水に溶けて、それが植物プランクトンの増殖につながるそうです。

 結果的に、植物プランクトンが増えるとそれを食べる動物プランクトンが増えてそれを食べる魚も増える可能性があるということらしいですが、地球上の現象全てが循環というリングでつながっているということですかね。

 …以上、黄砂による白い夕日のレポートでした~。

衛星落下予報 赤外線天文衛星「あかり(ASTRO-F)」

2023年04月09日 | 宇宙開発
AEROSPACEに日本の赤外線天文衛星「あかり」の落下情報が掲載されました~。

「あかり(ASTRO-F)」は2006年2月22日にM-Vロケット8号機によって内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられた日本初の赤外線天文衛星です。衛星本体の寸法は 1.9m x 1.9m x 3.7m ですが太陽電池展開幅は 5.5m ほどあります。衛星の中には有効口径68.5cmの反射鏡があります。

 2011年11月24日の運用終了から約12年での大気圏再突入となります。


 落下予報範囲内で仙台上空を通過するのは下記の3回ですが、2回は昼間の通過で4月11日の夜間の通過も地球の影を通るので残念ながら可視通過は一度もありません。


 夜間通過時のイベントデータ及び通過図・地上軌跡は下記のとおり…



 上記通過は落下予報中央時刻の約3時間前(地球2周前)なので落下が早まれば大気圏突入の様子が見られるということになりますが、はたしてどうでしょうか?

 天気が良かったらウオッチングしてみることにしましょう。



 4月15日追記:「あかり」(ASTRO-F)大気圏再突入について 
「あかり」(ASTRO-F)は2023年4月11日に大気圏に再突入したようです。

 今回はISASからもコメントが出ていました。


4月3日のISS(カラー撮影)

2023年04月08日 | ISS(国際宇宙ステーション)
4月3日に撮影したISSの記録です。

 4月3日のパスは日没後の南西方向で最大仰角60°に達するコースで、撮影条件としては最良(これまでの実績では…)なのでかなり期待して撮影したのですが… 結果は画像処理ができないほどの不鮮明な画像でした。ざんねん~。

日没後の南西 高度60°は追尾がしやすく太陽光の照射角度も良いのだが



今回はベストフォトでもこの解像度でした… (_ _) (photo

撮影システムは、30cmドブ+Powermate2×+ASI290MC+UV/IR cut Filter で、露出は Shutter=0.897ms、Gain=285 (47%) です。今回も通過記録はATOM com2 で行いました。


 4月3日19時08分 ISS通過の様子(ふたご座から地球の影に入るまで)3倍速再生



こちらは昨年の4月5日に同じコースを通過したときに撮影したISSとの比較図です。(photo

 撮影時刻と通過コースがほぼ同じなので太陽光の照射によるISSの陰影がだいたい同じだということが分かりますが、気流の違いでこれほど解像度が違うのかと… あらためてビックリです。

 今年は観測史上最早で桜前線が北上していますが、上空の気流が落ち着くのはもうしばらく先なのでしょうかね~。