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2023年見たい天体現象「月と惑星の接近(1月~6月編)」

2022年12月05日 | 「見たい天体現象」
2023年見たい天体現象の第4弾は「月と惑星の接近」です。

今年も「1月~6月編」と「7月~12月編」の2回に分けてお送りしま~す。

1月20日「有明の月と水星の接近」(*シミュレーション画像はステラナビゲーター11で作成しています。)

 2023年の水星は西方最大離角が3回(1/30、5/29、9/22)ありますが、その1回目の観望好期中の1月20日に月齢27.4の有明の月と約7°まで接近します。水星の光度は0.4等とやや暗いのですが航海薄明中の空ではキレイに見えると思われます。2023年最初の水星と月のコラボを楽しむチャンスですね。


1月23日「二日月と金星、土星の接近」

 2023年の金星は1月から7月まで宵の明星、8月から年末まで明けの明星として輝きます。宵の明星として日没後の西空で見えている金星が1/23に月齢1.5の二日月に接近します。金星の西側、満月1個分離れたところでは土星も輝いているので賑やかな星並びとなります。土星の光度は0.8等なのでそれほど目立ちませんが、二日月と内惑星と外惑星が同時に見えるゴージャスな星景を楽しみたいですね。


2月22日「三日月と金星、木星の接近」

 日没後の西空で三日月が金星に近づきます。角距離は2°(満月4個分)なのでやや離れた感はありますが、金星の上(約7°北側)では真夜中の明星である木星(-2.1等)が輝いています。金星も木星も日没直後から見え始めるのでマジックアワーで輝く宵の明星・真夜中の明星・三日月の競演は美しい星景になることでしょうね。


3月23日「二日月と金星、木星の接近」

 2月に引き続き3月も月と金星と木星の接近が楽しめます。この日の二日月は月齢が1.7なので力強い輝きで綺麗に見えます。やや離れていますが金星と木星の間に二日月が入る様子は見ていてとても美しいものです。これだけ離れていると写真ではインパクトが無くなってしまうのが残念ですがあえて建物を背景に入れるとフォトジェニックな写真になることがあるので工夫したいですね。


4月21日「二日月と水星の接近」

 水星の光度が2.1等とかなり暗いので水星が見える頃には高度がかなり低くなってしまうので西空が開けている場所でないと観望はできませんが、地球照が輝く月齢1.3と並ぶ水星はぜひ写真に収めたい対象です。


4月23日「四日月と金星の接近」

 この接近で注目してほしいのは月と金星の角距離です。日没時の角距離は2°30′ですが、徐々に月が金星に近づいて月没時には1°まで近づきます。連続写真を撮ると月が金星に近づいていく様子が分かって月の公転を感じられることと思います。この日の前日には三日月がプレアデス星団に約2°まで近づくのでそれも見逃せません。4月21日から3日間は日没後の月に注目ですね。


5月18日「有明の月と木星の接近」

 こちらは日の出前の明け方のイベントです。この日の月は輝面比が0.04もあるので明るくなった空でも月と木星は長い時間見えます。-2.1等の木星が青空の中に溶け込んでいく様子を見るのはなかなかできないので日の出何分前まで見えるかを確認するという意味でも見ておきたいイベントですね。


5月23日「四日月と金星、火星の接近」

 タイトルは「四日月と金星、火星の接近」ですが、このイベントにはもう一つのセカンドタイトルがあります。そのタイトルはズバリ 「Moon and Vernus with Gemini」です。このように立ち上がったふたご座の中に月と金星がすっぽり入っている様子は実際の空で見ても心に響くものは何もありませんが撮影した写真に星座線を描くとレア感たっぷりなステキな星景写真になります。晴れスター的には2023年イチ推しのイベントです。こちらの過去ブログに写真があるのでどうぞご参照ください。→「月と金星の接近ギャラリー Part 3」 


6月17日「新月前日の月と水星の接近」

 こちらはかなり難易度の高いイベントです。水星が昇ってきたときには空が明るくなっているので輝面比0.02の月が見えなくなっている可能性があります。高度は2°~3°しかないので6月の空では見えない可能性の方が高いと思います。この接近を見に行こうとするのはほぼ願掛けに近いレベルだと思いますので天気がすこぶる良かったら出かけてもいいけどたぶんいかないだろうなイベントですね。(笑)


6月22日「五日月と金星、火星の接近」

 こちらの接近は五日月なので十分空が暗くなってから楽しめるイベントです。主役交代で引き継ぎを終えた春の星座たちの見納め時期なので春の星座の中で輝く金星と月のメモリアルフォトとしては面白いと思いますが月が明るいので月の形も星座の星々もキレイに写すのはとても難しい対象と言えます。遠ざかった火星はレグルスよりも暗くなっているので火星も見納めと言える感じですね。

 「月と惑星の接近(1月~6月編)」は以上です。「月と惑星の接近(7月~12月編)」は現在作成中ですが遅々として進んでいませんので次回の見たい天体現象シリーズは別のタイトルになると思われま~す。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
月と惑星 (ich)
2022-12-05 22:02:12
晴れスターさん
 私も夕空や明け空の月と惑星の接近は大好きな現象なので,大変参考になります。天文誌では惑星同士の接近がクローズアップされるので,毎月のように起こる月となにがしかの惑星の接近はありがたい情報です。毎年私が買っている月光天文台作製のカレンダーにも細かく離角まで記載されているのですが,このカレンダー,今まで1,300円ほどだったのが今年一気に2,000円になり超ビックリ!です。しかしこのカレンダー,「一粒万倍日」まで記載があり宝くじファンには嬉しい情報です(私は買いませんが)。まぁ,この情報量なら今までが安すぎたんだなぁと思っています。
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適正価格? (晴れスター)
2022-12-06 13:38:56
ichさん
 私もカレンダーの価格高騰にはビックリして費用対効果を考慮して購入すべきかどうか現在審議中になってます。(笑)
 このカレンダーは良く出来ていて知りたい情報がほぼ載っているのでウン十年前からずっとお世話になっているのですが今や知りたい情報はネットですぐ得られる時代になったので以前ほど活用しなくなったかなと感じるところもあります。本が売れない時代になったので出版業社の苦慮も分かりますが月刊天文誌1,300円、天文カレンダー2,000円は気軽に買える対象ではなくなりましたね。情報量だけでいうと天文年鑑1,200円のコスパがダントツ(理科年表という対抗馬もありますが…)だと思いますね~。
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