晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

松島基地航空祭2024 観覧記録

2024年09月03日 | Weblog
今年も行ってきました!松島基地航空祭の観覧記録で~す。

 昨年は利用した駐車場が松島基地から2.5kmと遠かったので、今年は基地まで1.3kmで100台のスペースがある第9駐車場JAいしのまき矢本支店)にねらいを定めて自宅を5時30分に出発!

 で、第9駐車場に着いたのは6時20分でしたが… え!?100台あるスペースがすでに満車で入れません。駐車場開放時間が6時00分だったので大丈夫だろうと思ったのですが甘かったようです。

 幸い、200mほど北にある第2駐車場東松島市矢本保険相談センター)に駐車できたので良かったのですが、ここもほぼ満車状態で50台ある駐車スペースで空いていたのは2台分だけでした。

 ここから歩いて今年は若松門から基地内へ入場しますがこれにはわけがあります。若松門から入場するとRWA15エンド(風向が北西の時に離発着する副滑走路)のタキシングウエイを通って基地内へと進みますが、このタキシングウエイ沿いが航空祭では滑走路に一番近い撮影ポイントとなります。

 ただし、ブルーインパルスの飛行を見るには展示基準点を正面から見る基地内中央がベストですが、F-2B機動飛行やF-16デモチーム(今年は来ないけど…)の飛行を見るにはオススメの場所です。

 さて、撮影ホームベースを確保できたのでオープニングフライトまで基地内展示航空機の見学です。今年は、U-125A、UH-60J、F-15、C-130H、EC-1、US-2 の展示が予定されていましたがUS-2は来なかったようです。

U-125A 救難捜索機、オープニングフライト機


UH-60J 救難救助機、こちらもオープニングフライト機です。


F-15Jイーグル( 第203飛行隊 創隊60周年 記念塗装機)

 今年の展示機の目玉はコチラ↑ スペマのF-15J第203飛行隊 創隊60周年 記念塗装機)です。展示飛行を予定しているので背中にマーキングされている赤いちゃんちゃんこを着た還暦ヒグマが見えるか要注目です。

C-130H


EC-1電子戦訓練機 入間基地より飛来

 そして、今年の展示機の大目玉はこのEC-1電子戦訓練機です。EC-1は通称カモノハシと呼ばれている電子戦訓練機で入間基地(航空戦術教導団電子作戦群)に1機のみ配備されている超レア機です。今年度中に退役が予定されているので入間基地以外でも展示してほしい!という航空ファンのリクエストにお答えした形での飛来ですね~。ありがたいことです。(別アングルフォト→photo1 photo2 photo3 photo4 photo5 photo6 photo7 photo8 photo9

 さて、そろそろオープニングフライトの時間なのでホームベースに戻って待機です。


 おー、9時ぴったりに最初のオープニングフライト機 UH-60Jがやって来ました! が~、この侵入経路は…撮影ポイントの真上通過コースです! これじゃぁ~、機体の下面しか見えないぞ~

 …の懸念どおり、UH-60Jも、U-125Aも、F-2Bも、つまらな~い写真になってしまいました。トホホ…ま、それだけ滑走路に近いということで次のF-2B機動飛行に期待しましょう!(←ポジティブシンキング)
T-4(ブルーインパルス)のオープニングフライトはキャンセルになったようですね。

 オープニングフライト直後の9時10分(ジャストタイム!)に海側からF-2Bの2機編隊が侵入してきました。F-2B機動飛行の始まりです!今回は詳細レポート(解説イラストボード付き)でお送りしますよ~。

F-2B機動飛行(午前の部
1.ハイレートクライム&270°ターン
2.コンバット・ブレイク


3.スローフライト

4.ファンブレイク&720°ターン

*「スローフライト」&「ファンブレイク&720°ターン」の動画はこちら↓

5.ハイ・スピード&クライム
6.ナイフ・エッヂ
7.オーバーヘッド720°ターン(コックピット拡大photo


8.RWA33 T&G(タッチ&ゴー)

ギュイーンとフルパワー急上昇!(コックピット拡大photo

9.仙石線ブレイク
 以上がF-2B機動飛行(午前の部)でした~。いや~気合いの入った機動飛行でしたね~。タッチ&ゴーを目の前で見られたのは鳥肌もんでした。満足満足…

 さあ、次はブルーインパルスの訓練飛行です。このような天気なのでアクロは無しだと思いますが、ホームベースの松島基地で見るブルーは格別です。しかも午前と午後の2回も飛行が見られるのは松島基地航空祭だけですからね~、ワクワク…


9時32分に離陸したブルーインパルス6機が会場正面から侵入してきました!


1.デルタ・ダーティー・ローパス


2.リーダーズ・ベネフィット・ローパス


3.ポイント・スター・ローパス


4.スワン・ローパス


5.グランドクロ・スローパス


6.エシュロン・ローパス


7.ピラミッド・ローパス


8.ツリー・ダーティー・ローパス


9.フェニックス・ダーティー・ローパス


10.ダブルライン・ローパス


 終わってみれば、今回の航過飛行はダブルライン・ローパスを含む全10課目のパーフェクト・バージョンでした~。ダブルライン・ローパスは初見でしたが高速で通過するダブルライン・ブルーは思いのほか迫力があってプチ感動でした。

 さて、ブルーインパルスのあとはU-125A 救難捜索機とUH-60J 救難救助機による救難訓練飛行です。上空周回して要救助ポイントを確認したU-125Aが放出した救難物資は見事にターゲットエリアにピンポイントで着地! その正確さは予想以上で超ビックリでした。

 要救助者をリフトアップするUH-60J

微動だにしないホバリングの安定性はこれまた想像以上で
その操縦技術の高さに驚きました。(photo

 さあ次は、F-35の展示飛行です。さきほどスペマのF-15はこのあとの展示飛行に向けてテイクオフしていきましたが、F-35は三沢基地からの飛来なので到着を待ちます。

 お、見えました!海側から2機編隊でアプローチしてきました。F-35の展示飛行は11時00分からですが、ファーストショットの撮影時刻は10時59分47秒でした。なんという正確さでしょう!オドロキ~

 高めの飛行高度と曇天の逆光でステルスグレーのF-35Aを撮影するにはキビシイ条件でした。

 撮影時は気付きませんでしたが、2機編隊の1機は第301飛行隊 50周年 記念塗装機でした。

 301飛行隊マークのマフラーをしたカエルくんがビッグなカエルくんになっています。

 ノーズギア・カバーにも 50th Anniversaryの文字がマーキングされているようです。

 マーキングの詳細は9月8日の三沢基地FESで確かめることにしましょう。

 F-35AのあとはF-15J(第203飛行隊 創隊60周年 記念塗装機)の展示飛行です。

 還暦ヒグマも見せてくれましたよ~。
 

 アフターバーナーON! F-15の爆音はF-35Aに負けず劣らずのナイス・サウンドですね。

 以上で展示飛行の午前の部は終了で~す。午後に備えて食料調達と昨年見学できなかったB格納庫(救難隊・管制隊・気象隊装備品展示)に行ってみることにしましょう。

 B格納庫にはU-125A 救難捜索機が展示されてありました。U-125Aは戦地での捜索救難を想定しているので、あえて視認性が低い青色塗装が施されているとのことです。それは知らなかったぞ~。

 気象隊装備品コーナーには「携帯型気象観測装置(TACMET-R)」なるものが展示されていました。これがあればピンポイントで気象情報が分かるわけですね。自衛隊活動と気象は直結してますからね~。


 さて午後の展示飛行はF-2B機動飛行とブルーインパルス曲技飛行ですが、午前中はりきって撮影しすぎたためイチデジのメモリーカード残量とスマホのバッテリー残量が少なくなってしまいました。(^^ゞ

 …ということで最小限のフォトギャラリーとなっています。まずは F-2B機動飛行(午後の部)からご覧くださ~い。午後の機動飛行は2機編隊×2の4機構成でした。

F-2B機動飛行(午後の部)

 こちらは青空を背景に撮影できた唯一の写真です。航空祭中に雨が降らなかったのは奇跡的!

 メモリーカード残量とスマホバッテリー温存のためF-2B機動飛行(午後の部)photoは以上です!

 さあ、いよいよ次はブルーインパルスの曲技飛行です!…とは言っても天気は変わっていないので午前と同じ航過飛行になってしまうのは、いたしかたないことです。

 しか~し、航過飛行では同じ課目でも脚とフラップを下ろしたままのダーティー・ローパスと脚を格納したハイスピード・ローパスの2種類があるのでその違いを楽しむことができます。

 とくに、ダーティー・ローパスは着陸灯をキラキラと輝かせながら太いスモークを曳いて低速で通過して行くので曇天の日はとてもキレイに見えますよ~。

  ブルーインパルス曲技飛行フォトギャラリー
1.デルタ・ローパス


2.グランドクロス・ダーティー・ローパス

*ここでお隣さんの航空無線レシーバーから興味深い交信内容が…
・地上管制「シーリング7000になりました」→参照
・1番機隊長「(5番機のZEEKさんに向けて)ジーク、ファンブレイクから入れる?」
・5番機「ウエザーチェックします」
・5番機「え~、ベース7000、滑走のベース2500ぐらいのが8分の3、たまたま開いているぐらいなイメージ」
・1番機隊長「了解、3~4区分だったら行けそう、ファンブレイクから入るよー」
このあと「ここからアクロに切り替えます」の場内アナウンスが流れて観客から大拍手!


3.ファン・ブレイク


4.フォー・ポイント・ロール


5.チェンジ・オーバーターン


6.インバーテッド&コンティニュアルス・ロール


7.レベル・オープナー

8.インバーテッド・ロール

9.スロー・ロール


10.レター・エイト


11.ハーフ・スロー・ロール


12.トレイル・トゥ・ダイヤモンド・ロール


13.オポジット・コンティニュアス・ロール


14.フォー・シップ・インバート


15.オリジナル・レベル・キューピッド

 φ(.. ) ミニ解説:ハートを大空に描く課目「キューピッド」には、ハートをほぼ垂直に描く{キューピッド(矢の貫き有り)」とハートを斜めに描く「スラント・キューピッド(矢の貫き有り)」とハートを水平に描く「オリジナル・レベル・キューピッド(矢の貫き無し)」の3種類がある。今回は雲が低いので水平バージョンでした。

16.シングル・クローバーリーフ・ターン

 φ(.. ) ミニ解説:1~4番機が旋回しながらトレイル隊形→ダイヤモンド隊形→アローヘッド隊形へと移行していくシングル・クローバーリーフ・ターンは全区分の課目の中で唯一、アローヘッド隊形が見られるマニア垂涎の課目。

17.シックスカード・ライン・ローパス

 φ(.. ) ミニ解説:トランプのファイブカードを模した隊形はあるが、このシックスカード隊形は見たことがない。超レア!
 この直前に1番機隊長の「オポジットトライアングル、ダブルロールバック、サクラはスキップ」のコールに対して「ダブルロールバックは雲に入るかも…」の交信があってキャンセルになったので、次の課目のボントンロールへのつなぎとして行った隊形なのかもしれない。


18.ボントン・ロール

 φ(.. ) ミニ解説:ボントン・ロールはデルタ隊形の6機がスモークオフと同時に右ロールを実施して会場を抜けていく課目で、6機の息の合ったロール機動が見どころの人気課目である。今回の撮影ポイントはたまたま1番機の直下だったため120m上空という至近距離(しかも真上で!)6機がロールする瞬間を見ることができた。その迫力と美しさには度肝を抜かれてしばし立ち尽くすほどであった。ほれぼれ~、

19タック・クロスⅡ


20.ローリング・コンバット・ピッチ


21.コーク・スクリュー

 以上が本日のブルーインパルス曲技飛行の全課目でした~。

 今回の曲技飛行は雲底の高さが2500m程度という中で天候に合わせて課目を変更しながら21課目もアクロを実施できたのは毎日訓練を行っているホームベース基地ならではのことですね。期待どおりのすばらしいアクロでした~。

 さ~て、次は9月8日の三沢基地AIR FEST です。Misawa Air BaseのホームページにはF-22、A-10 のデモフライトを行う予定とあります。天気が心配ですがF-22、A-10のフライトはぜひ見たいですね。

8月9日の木星

2024年08月17日 | 木星
250hPa/10km上空風速が5m/sというこの夏イチバンの好気流がやって来た8月9日の惑星撮影会の大トリは木星です。その撮影記録です。

 木星の撮影を始めたのは火星の撮影を終えた03時15分過ぎからでしたが8月9日の薄明開始は03時05分なので空はまだ真っ暗です。1か月前の薄明開始は02時27分だったので約40分も遅くなっています。

 日中の暑さは相変わらずエンドレスサマーですが季節は秋に向かって確実に進んでいるんですね~。早く涼しくなってほしいものです。

 さて、撮影は雲で中断することもありましたが03時26分から03時34分まで60秒露出で9回連続撮影することできました。その動画を50%スタックしてDe-rotationした画像がこちらです。

8月9日03時30分の木星(撮影時高度37°、視直径36.2″、輝面比0.99)
CMI=150.4° CMII=321.6° CMIII=73.6°

2024/8/9 03h30m μ210+Takahashi 2× Ortho Barlow+ADC+ASI290MC(UV/IRcut) 
Shutter=30.09ms Gain=300 (50%) 60s × 50% × 9times   De-rotation


こちらは9ショットをGIFアニメにした9分間の自転の様子です。

 木星の自転は9時間55分26秒なので約5時間連続撮影すれば全周撮影できる計算になりますがそれって300ショット連続撮影を保存するだけのハードディスク容量が必要と言うことですよね~。それはちょっとムリ~ですがやってみたい気持ちはありますよね。(^^ゞ


8月9日のシーイング(3h31m34s)

火星と木星の大接近

2024年08月15日 | 火星
02時ジャストのアラームがなった時はノンレム睡眠中だったのか、起きたときの記憶が曖昧でなんだかよく覚えてないのだが、カラダは目的に向かって行動していたらしく…

 02時13分には火星と木星の大接近ファーストショットを撮影していたようです。 昨日から大気が不安定で変わりやすい天気だったので望遠鏡の準備もカメラの準備もまったくしていませんでした。

 そもそも02時台は庭木がじゃまで赤道儀の位置からは木星と火星が見えません。どうやらブドウ糖不足の脳に変わって目的意識高めのカラダが状況を判断して600mmレンズの固定撮影がベストと決めて撮影を行ったようです…

こちらが本日のファーストショットです。

2024/8/15 2h13m21s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f450mm ISO3200 F6.3 1/4sec(トリミング)

 ふう、ようやく脳が活動を開始して状況が分かりました。空は雲量9~10です。奇跡的に火星と木星の部分がぽっかり晴れていますが薄雲がうごめいています。こりゃ~、早く撮影しないと雲で見えなくなる可能性大です!

東の空はこんな感じでした~。

2024/7/25 2h19m54s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f150mm ISO6400 F5 4sec(トリミング)

 さて、この後の撮影機材は何にしようか?と考え始めた時… なんと、あっという間に木星が暗くなって見えなくなってしまいました。SCW観測情報で衛星画像と雲量を見ると雲のスキマがあることになっているのですが…

 それなのに、空はベタ曇り…どういうこと? そのナゾは近くの街灯を見て解明しました。霧です。街頭から地面に向かってレンブラント光線が出ています。しかもかなりの濃霧です。確かに息苦しいほどの湿度だなぁとは思ったのですが、これは確実に湿度100%に達していますね。

 …ということで半ばあきらめていたのですが、1時間後に急激に霧が晴れてクリアな星空が見えてきました。うそでしょう~と思いながら赤道儀のカバーを外して望遠鏡の準備です。

 始めは準備が簡単なMAK90にデジカメを装着して、次に20cm反射に惑星カメラを取り付けて拡大撮影を行います。撮影の前にMAK90で接近の様子を見ましたがクリアと思った空は透明度が著しく悪くて木星の模様もイマイチでした。

マクストフ・カセグレン90mmで撮影した火星と木星の大接近(離角18′55″)

2024/8/15 3h31m49s D810A CELESTRON C90 MAK(f1,250mm) D810A ISO3200 1/3sec

 では、ここで20cm反射にチェンジして拡大撮影だ~! と意気込んで準備をしている間にまたしても全曇りになってしまい、その後は姿を見せないまま朝になってしまいました、トホホ…

 ま、時間は短かったですがこの天気なので、眼視と望遠鏡で見られたのは超ラッキーでした。以上で撮影会は終了となりました。で、こちらが本日のまとめのフォトです。


火星と木星の大接近2024(photo


8月9日の火星

2024年08月13日 | 火星
8月9日に撮影した火星の記録です。


2024/8/9 3h02m42s μ210+Takahashi 2× Ortho Barlow+ADC+ASI290MC(UV/IRcut)
Shutter=9.034ms Gain=350 (58%) Duration=60s AS!3 25% of 5642 Drizzle1.5×



 撮影を開始したときの火星高度は34°、光度は0.9等、視直径は6秒です。中央経度は287°でちょうど中央に大シルチスが来ていました。中央緯度は-4.2°なので南半球は南極点まで、北半球は北緯70°付近まで見えているようです。



 撮影は露出60秒で11ショット連続で撮ることができたのでその11ショットをDe-rotationした画像がこちらです。今回もリンギングが発生したのでRegiStaxのウエーブレットは弱めにかけて画像処理もシャープ処理を控えめにしています。大シルチスの南にあるヘラス盆地が目立ってますね。

2024/8/9 3h06m μ210+Takahashi 2× Ortho Barlow+ADC+ASI290MC(UV/IRcut)
Shutter=9.034ms Gain=350 (58%) 1min×11 25% Drizzle1.5× De-rotation 11min



本日のまとめフォトで~す。WinJUPOSのグラフィックで比較してみました。


 撮影終了後に倍率270倍で覗いてみたのですが今回は中央にある大シルチスがはっきり見えました。もう少し高度があがるともっと見やすくなるのですが、火星は現在のおうし座から9月~10月はふたご座、11月にはかに座に移動するのでなかなか高度が上がらないですよね~。

 それに比べて木星はずっとおうし座にいるのでこれからどんどん見やすくなって存在感マシマシになります。さすが惑星の王者!自己アピールが強いですね。2024年は12月8日が木星衝です。


撮影時のシーイング(03h12m28s)


〈関連ブログ〉
8月3日の火星と木星
2024年初撮影の火星(7/23)
火星と土星の大接近(4/11)
明け方の金星と火星 観望記録(2/9)
水星と火星の大接近(1/28)

8月9日の土星(中央緯度3.29°)

2024年08月12日 | 土星
ここ最近の土星撮影パターンとなっている「早寝早起き」をして外に出て望遠鏡カバーをはずしたのは02時を過ぎた頃… 空の様子は雲量7~8で土星はかろうじて見えている状態です。

 うむ、想定どおりです。Windy情報で8月9日未明に250hPa/10km上空風速が5m/sとなっていましたが晴れる予報ではありません。なので本日の撮影は「雲間からの必殺スナイパーショット」作戦です。

 雲が切れるのを期待して待つこと十数分、雲のスキマが大きくなって土星がはっきり見えてきました。チャンス到来です。さっそく連続撮影を開始しましょう!

 ふう、撮影は60秒露出で18回ほど撮ることができました。8ショットまでは薄雲がある状態、9ショット以降は快星の状態で撮影できましたが、せっかくなので18ショット全てをDe-rotationしてみたらなかなかの高解像度の土星となりました。

総露出時間18分の土星(撮影時高度 43°、光度 0.8等、視直径18".9)

2024/8/9 02h42m μ210+Takahashi 2× Ortho Barlow+ADC+ASI290MC(UV/IRcut) 
Shutter=82.93ms Gain=350 (58%) 1min × 18times Autostakkert3 50%  De-rotation



土星と衛星タイタン

2024/8/9 02h46m μ210+Takahashi 2× Ortho Barlow+ADC+ASI290MC(UV/IRcut) 
Shutter=82.93ms Gain=350 (58%) 1min × 11times Autostakkert3 50%  De-rotation


 
 動画撮影時に衛星タイタン(8.3等)は見えていましたがレジスタックス処理をしたらテチス(10.2等)が写っていたので撮影した動画を厳選して De-rotation したところ、エンケラドス(11.7等)も写っていました。わぉ!


土星の衛星、タイタン、テチス、エンケラドス

2024/8/9 02h42m μ210+Takahashi 2× Ortho Barlow+ADC+ASI290MC(UV/IRcut) 
Shutter=82.93ms Gain=350 (58%) 1min × 4times Autostakkert3 50%  De-rotation


 う~む、アップした画像ではエンケラドスが暗くてよく分かりませんね~。Xにもポストしているのでそちらの画像の方が分かるかな…と思ったのですが、あまり変わりありませんでした~。(^^ゞ

 今回の土星は今シーズンのベストショットとなりましたが、これ以上の好気流はこの夏やってくるのでしょうか? もはや好気流ハンターとなった晴れスタ惑星撮影班が次なる好気流の到来を鋭意捜索中です。8月9日は火星と木星も撮影しているのでその様子は次回のブログで~。


8月9日のシーイング

8月3日の火星と木星

2024年08月11日 | 火星
8月3日に撮影した火星と木星の記録です。

 撮影時の火星中央経度は351°、ほぼ正面に子午線弯が見えています。今回は顕著なリンギングが発生したため左側に円弧状の疑似模様(The Mars Edge-Rind Artefact)が出てしまいました。

 視直径は5.89秒、撮影時の高度は約40°、地球からの距離は2億3800万kmです。2025年1月12日の最接近時は9600万kmまで近づくのでまだまだ遠いですね。


2024/8/3 3h30m μ210+Takahashi 2× Ortho Barlow+ADC+ASI290MC(UV/IRcut)
Shutter=15.52ms Gain=350 (58%) Duration=90s AS!3 50% of 6026 Drizzle1.5×

火星撮影時のシーイング



 で、こちらが木星のファーストショット、露出90秒の1枚画像です。

木星、3時40分、撮影時高度35°、光度-2.1等、視直径35”.7

2024/8/3 3h40m μ210+Takahashi 2× Ortho Barlow+ADC+ASI290MC(UV/IRcut)
Duration=90s  Shutter=68.14ms Gain=350 (58%) 50% of 1322frames ap34


こちらは6ショットをDe-rotationした画像ですが、うまく重ならずイマイチでした。



2024/8/3 3h44m μ210+Takahashi 2× Ortho Barlow+ADC+ASI290MC(UV/IRcut)
6shot De-rotation Duration=420s Shutter=68.14ms Gain=350 (58%)

 木星と火星は見かけ上の距離がだいぶ近づいてきました。8月3日の離角は約 6°ですが、最も接近する8月15日未明の離角は約0.3°です。ぜひ見たいところですが台風がダブルで日本に近づいているので天気が心配です。

8月3日の土星(中央緯度3.07°)

2024年08月04日 | 土星
8月3日に撮影した土星の記録です。

 スマホのスヌーズが鳴る前には起きるぞ~という強い意志(←最初のアラームで起きる気持ちは無いのかい!)を貫いて起床したのが02時を少し過ぎた頃…

 すでに土星の南中時刻、02時10分は過ぎていますが望遠鏡は昨日の日没直後からセットしてあるので撮影はすぐ始められます。さて、気流はどうでしょう?

 昨日の宵の口にアンタレスやアルビレオを観望したときは気流が良くなかったのですが、ふむ、気流は落ち着いています。かなりいいようです。

 本日の土星は、中央緯度3.07°、光度0.8等、視直径18".8 で、撮影開始時の高度は45°です。

で、こちらが本日のファーストショットです。なかなかいい感じです。

2024/8/3 02h35m μ210+Takahashi 2× Ortho Barlow+ADC+ASI290MC(UV/IRcut) 
Shutter=85.78ms Gain=350 (58%) De-rotation 240s+120s Autostakkert3 50%


 お~っと、2ショットを撮ったところで、まさかの雲発生です! 海霧のような雲がサーッとやって来て土星の光度が急激に低下してしまいました。あちゃ~、もっと早い時間から撮影すべきだった…と後悔しても後の祭りです。トホホ…

 え、うそでしょ… と言いたくなるほどのどん曇りになって空の星はあっという間に見えなくなりました。東の空では次のターゲットの火星と木星がアルデバランと並んでキレイな正三角形を作っていたのですがそれも見えません。

 こりゃ~、望遠鏡撤収かな…とも思ったのですが撤収は明るくなってからでいいかな…とそのままにしていると、03時15分頃から雲間に星が見えるようになりました。

 そのタイミングで撮影した3ショットをDe-rotationした土星がこちらの2画像です。さすがに薄明が進んでいるので背景が明るくなっていますが気流の良さが分かる画像ですね。



2024/8/3 03h17m μ210+Takahashi 2× Ortho Barlow+ADC+ASI290MC(UV/IRcut) 
Shutter=74.97ms Gain=370 (61%) De-rotation 120s×3  Autostakkert3 50%





2024/8/3 03h18m μ210+Takahashi 2× Ortho Barlow+ADC+ASI290MC(UV/IRcut) 
Shutter=74.97ms Gain=370 (61%) De-rotation 120s×2  Autostakkert3 50%



シーイングはこんな感じでした~

 今回の気流はWindy情報によると250hPa/10kmで風速が5m/sという驚異的なそよかぜ気流でしたが、Windy情報を見るとこの先の2週間は長時間続く晴天はなし!気流は風速9m/s前後の時もありますがそれはごく短時間で、風速20m/s前後の日が多いようです。

 この夏の惑星撮影は、気流の良い時間に待ち構えて雲間から惑星が見えた瞬間を狙って撮影するというスタイルになりそうです。

 さてさて、本日の惑星撮影会ですが、薄明は進んでましたが 03時20分~03時50分に火星と木星を撮影することができました。現在、画像処理中なのでその様子は次回のブログで~

東北南部 梅雨明け!

2024年08月01日 | お天気
仙台管区気象台が「東北南部は8月1日ごろ、梅雨明けしたと見られます」と発表しました。

  東北南部としては平年(7/24)より8日遅い、昨年より10日遅い梅雨明けとなりました。8月に入ってからの梅雨明けは2020年(8/2梅雨明け)以来の4年ぶりです。

 本日の天気図(仙台管区気象台 報道発表

さて「ニイニイゼミの梅雨明け発表予報」ですが、今年は大ハズレですね~。初鳴き13日後の予想に対して23日後の発表でした。今年はニイニイゼミの初鳴きが早かったわりには梅雨明けが遅くなったわけですが、これは2017年の梅雨明けパターンとよく似ています。

 その2017年は梅雨明け発表翌日から雨模様の天気が続き、梅雨明けの時期が特定できなかった年になったので今後の天気が心配ですが、明日以降の天気予報を見ると雲は多めですが晴れ間はあるようです。ペルセウス座流星群の夜は快星になってほしいのですが…今年の天気はどうでしょうかね~。

〈これまでの観測記録〉
観測年  初鳴き  晴れスタ予報  発表日(初鳴きから)  梅雨明け(確定値)
2007年  7月20日→  予報なし →  8月 1日(11日後)→ 8月 1日ごろ  
2008年  7月11日→  7月23日 → 7月19日( 8日後)→ 8月 6日ごろ
2009年  7月 6日→7月13日~16日→ 梅雨明け発表なし →   -
2010年  7月 7日→  7月18日 → 7月18日(11日後)→ 7月18日ごろ
2011年  7月 9日→  7月20日 → 7月11日( 2日後)→ 7月 9日ごろ
2012年  7月16日→  7月27日 → 7月26日(10日後)→ 7月26日ごろ
2013年  7月15日→  7月25日 → 8月 3日(19日後)→ 8月 7日ごろ
2014年  7月12日→  7月23日 → 7月28日(16日後)→ 7月25日ごろ
2015年  7月12日→  7月23日 → 7月26日(14日後)→ 7月26日ごろ  
2016年  7月10日→  7月21日 → 7月29日(19日後)→ 7月29日ごろ
2017年  7月 9日→  7月20日 → 8月 2日(24日後)→  特定せず
2018年  7月 2日→  7月14日 → 7月14日(12日後)→ 7月14日ごろ 
2019年  7月25日→  8月 1日 → 7月30日( 5日後)→ 7月25日ごろ
2020年  7月23日→  8月 4日 → 8月 2日(10日後)→ 8月2日ごろ 
2021年  7月 6日→  7月17日 → 7月16日(10日後)→ 7月16日ごろ
2022年  7月 1日→    -   → 6月29日( 2日前)→  特定せず
2023年  7月12日→  7月23日 → 7月22日(10日後)→ 7月22日ごろ 
2024年  7月 9日→  7月22日 →  8月 1日(23日後) →   ?

 さてさて、今年は大ハズレとなりましたが、エルニーニョ/ラニーニャ現象を考慮した予報パターンはデータ収集のために来年も継続しま~す。(^^ゞ

〈ニイニイゼミの初鳴きから東北南部梅雨明けが発表されるまでの予報パターン〉
・「エルニーニョ現象発生時→ニイニイゼミの初鳴きから13日後」
・「ラニーニャ現象発生時→ニイニイゼミの初鳴きから10日後」
・「どちらでもない時→ニイニイゼミの初鳴きから11日後」


エルニーニョ監視海域における海面水温の基準値との差(℃)(月日はその年の梅雨明け確定日)

(赤)エルニーニョ現象発生、(青)ラニーニャ現象発生

2024年初撮影の火星(7/23)

2024年07月30日 | 火星
2024年最初の火星観望&撮影記録です。

 土星の撮影を終えて望遠鏡を火星に向けた時刻は3時30分を少し過ぎた頃… すでに航海薄明が始まっているので空はかなり明るくなっていました。火星高度は30°を少し超えたくらいです。

 撮影の前にまずは眼視で望遠鏡を覗いてみると…うわ!ちっさ!視直径はわずかに5".7なので小さいだろうとは思ってましたが望遠鏡で見た火星は想像を超える小ささでした。

 眼視では目をこらして見てもアルベド模様がまったく見えませんでしたが、撮影した動画を処理すると模様が浮かび上がりました。撮影時の中央経度は98°だったので太陽湖とタルシス三山が正面に位置しているはずですが、よく分かりませんね。

 なんかかろうじて火星だと分かる程度の画像ですが、まー、視直径5".7の高度30°でこれだけ写ってくれればむしろ御の字ですかね~。


撮影データ:μ210+Takahashi 2× Ortho Barlow+ADC+ASI290MC(UV/IRcut)Shutter=7.276ms Gain=350 (58%) Duration=60s AS!3 50% of 5037 Drizzle1.5×

撮影時のシーイング



 さてさて、2025年1月25日に地球に最も近づく今回の火星接近は数ある接近の中でも小接近と言われるカテゴリーなので望遠鏡で覗いても拡大撮影しても実際のところは小さくてつまらな~い火星です。

 しか~し、小接近(これから3回続く、2025年1月、2027年2月、2029年3月)だからこそ楽しめるポイントがあります。今日はその紹介をしていきま~す。

小接近時ならではの晴れスタ的火星ウオッチングお楽しみポイント~!

〈お楽しみポイント~その1〉
・火星に移住した気持ちで火星の季節を感じよう!

 これはかなり無理がありますが、火星の季節と気候を知って将来の火星移住に役立てようというものです。(←そりゃ~無理がありすぎだろう)

 で、撮影時の火星は冬至を過ぎた頃(下図参照)なので、北緯35度付近の最低気温が-108℃で、最高気温は-29℃です。寒すぎ! しか~し。この時期の南半球は夏なので南緯35度では最高気温が+28℃、最低気温が-30℃とかなり高めの気温になります。が、火星は大気が薄い(6hPa)ので最高気温+28℃は地表付近の気温で、たしか1~2mの高さではマイナスの気温になる観測データだったと思います。究極の頭寒足熱ですね。


撮影データ:2024.7.23 03h43m36s μ210+Takahashi 2× Ortho Barlow+ADC+ASI290MC(UV/IRcut)Shutter=16.28ms Gain=293 (48%) Duration=60s AS!3 50% of 3688 Drizzle1.5×

〈お楽しみポイント~その2〉
・小接近限定!大接近の時は見ることのできない北極冠を観測しよう!

 火星北半球は今が真冬なので北極冠は最大直径が1200km、北緯60度まで覆う超ビッグな極冠になっているはずですが、7月中は北極が極夜になっているのと南半球が地球に向いているので見ることができません。8月下旬になると中央緯度が0°になり、その後は北半球がよく見えるようになります。

 特に11月下旬は中央緯度が15°に達するので北緯50°付近まで白くなっている北極冠を見ることができる可能性があります。北極冠は季節が進むと徐々に小さくなりますが最接近の頃は火星歴で4月19日頃なので溶け残っている北極冠を確認することができると思われます。



 さらに、この北極冠は2027年と2029年の小接近の時も条件よく観測することができます。2027年には溶け残っている北極冠の様子を中央緯度23°という好条件で、2029年の接近ではほぼミニマムの大きさになった北極冠を中央緯度25°という条件で観測できます。



 夏季の北極冠は雲が発生しない時期(北極冠は秋から冬にかけて雲に覆われる)であることとダストストームが発生しにくい時期(ダストストームはLs180°~Ls 0°、南半球の春から秋にかけて発生する)なのでドライアイスが消えて水の氷だけでできた小さな北極冠が見られる可能性があります。

 もちろん、小接近なので視直径は最大でも2027年が13.8秒で、2029年は14.4秒なので大接近のような火星を撮影することはできませんが気象条件が良ければ予想を上回る解像度を得られるかもです。

 まずは、その前哨戦として2024年小接近の火星ウオッチングを楽しむことにしましょう!
 

7月23日の土星(中央緯度2.72°)

2024年07月25日 | 土星
中央緯度(環の傾き)が2.72°になった土星の撮影記録です。
 7/22と7/23は、仙台もいよいよ梅雨明けか~と思わせる晴天だったのですが…

 気象情報を見ると、その後は梅雨前線が南下して1週間ほど梅雨空が戻ってくるとのこと… つまり7/22~7/23の晴天は単なる梅雨の中休みということです。

 なぬ~、では仙台の夏はいつ来るの~? と嘆いてもしょうがないので、晴れスタ撮影班がお得意?の早寝早起きをして緊急惑星撮影会を決行しました~。

 撮影ターゲットは、土星→火星→木星の3惑星です。気流はそれほど良くありませんが、新規購入したTakahashi 2× Ortho Barlowの見え具合も確かめたかったので02時から観望を始めました。

 観望&撮影望遠鏡はμ210です。土星の衛星でPowermate2×とTakahashi 2× Ortho Barlow見え方を比較してみたのですが、特に大きな差異はないように感じました。

 ただ、気象条件の変化もあるので確かなことは言えませんが、若干、Takahashi 2× Ortho Barlowの方が明るい感じがしました。これについては気象条件の良い日に再度確認ですね~。

 で、こちらが7/23日に撮影した土星です。どれもDe-rotation処理をしているので撮影時刻はDe-rotation処理後の中央時刻となってます。

 環の傾きは中央緯度2.72°になっているので6月20日に撮影した中央緯度2.40°よりは大きくなっているはずですが、見た目の違いは分かりませんね。(^^ゞ

中央緯度2.72°の土星、光度0.9等、視直径18".5、撮影時高度45°

2024/7/23 02h45m μ210+Takahashi 2× Ortho Barlow+ADC+ASI290MC(UV/IRcut) De-rotation
Shutter=71.55ms Gain=350 (58%) Duration=250s Autostakkert3 50%



 仙台上空は夏の気団と梅雨前線のちょうどきわにあたるので気流はビミョーです。
明らかに6月20日の方が好気流でした~。

2024/7/23 02h48m μ210+Takahashi 2× Ortho Barlow+ADC+ASI290MC(UV/IRcut) De-rotation
Shutter=82.55ms Gain=350 (58%) Duration=580s Autostakkert3 50%



 一応ここに衛星レアがありますが、透明度が良くなかったのでボケボケです。

2024/7/23 02h53m μ210+Takahashi 2× Ortho Barlow+ADC+ASI290MC(UV/IRcut) De-rotation
Shutter=82.55ms Gain=350 (58%) Duration=240s Autostakkert3 50%



 そうそう、今朝の土星食はざんねんながら見ることができませんでした~。

2024/7/25 0h25m20s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f450mm ISO3200 F6 1/1250sec

 日付が変わる頃は晴れていたのですが、朝になると雲がモクモクで月が姿を現わすことはありませんでした。ざんねん~。

 月がある西の空にうっすらと虹がかかっていました。「朝、虹がかかるとまもなく雨」の観天望気どおり、間もなく本曇りになって日中は雷雨を伴う大雨となりました。

Over The Rainbow「虹の彼方の土星食」

2024/7/25 06h15m16s D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f150mm ISO1600 F20 1/1600sec
 
 昔から「雷が鳴ると梅雨が明ける」と言われていて、実際そのとおりになることが多かった気がしますが、この頃は観天望気も変わってきたのですかね~。予報では仙台は30日まで雨模様が続くようです。トホホ…

 次回のブログは2024年初撮影の火星観望レポートで~す。