晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

11月10日の木星

2024年11月11日 | 木星
11月10日未明に撮影した木星の記録です。

 11月9日の宵の口は夜空の小さな星たちが Twinkle Twinkle Little Star で、お空のダイヤモンドだったのですが、23時過ぎにはしっとりと落ち着きました。全天で最も明るい恒星シリウスはゆるやかに瞬いていますが、オリオン座のリゲルとベテルギウスは瞬いていないように見えます。

 ふむ、仙台上空に待望の好気流がやってきたようです…ということで、今宵は夜更かしの惑星撮影大会です。ターゲットは木星と火星で、今回は顕微鏡対物レンズとTCA-4を組合わせて撮影してみます。

 撮影はTCA-4の本体チューブを縮めた状態とMAXまで引き出した状態で行って拡大率の違いを調べます。それぞれ60秒露出で10ショット(総露出時間10分)撮ってDe-rotationします。

 で、こちらが本体チューブを縮めた状態で撮影した木星です。パラメーターに記録されている合成焦点距離は8600mm (F/36)でした。PLAN 5×+ADC とほぼ同じ焦点距離ですが余計なレンズを透過してない分クリアな感じがします。 

2024/11/10 0h19m μ210+WREYMER PLAN 5×+TCA=4+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=8600mm (F/36)
Shutter=11.22ms Gain=350 (72%) Duration=60s×10  Autostakkert3 25% (photo)


こちらもTCA-4の本体チューブを縮めた状態で撮影した木星です。(写っている衛星はエウロパです

2024/11/10 0h34m μ210+WREYMER PLAN 5×+TCA=4+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=8600mm (F/36)
Shutter=12.62ms Gain=350 (72%) Duration=60s×10  Autostakkert3 25% (photo)


こちらが本体チューブをMAXまで引き出した状態で撮影した木星です。合成焦点距離は11600mm (F/49)です。拡大率としてはこれまでのベストで氷衛星のエウロパも円盤像に写っています。

2024/11/10 0h53m μ210+WREYMER PLAN 5×+TCA=4(Extend)+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=11600mm (F/49)
Shutter=12.08ms Gain=350 (72%) Duration=60s×10  Autostakkert3 25% (photo)


 大気補正プリズム(ADC)を使わない高度(60°以上)での撮影はこのシステム、μ210+WREYMER PLAN 5×+TCA=4(Extend)+Apollo-C(UV/IRcut)が良さそうですね。

 ということでこのシステムを使って火星も撮影してみました。その様子は次回のブログで~。


〈追記〉
0時25分から0時56分までの木星の自転とエウロパが公転する様子です。(gif)


11月4日の木星

2024年11月07日 | 木星
ニュー惑星カメラ(Player One Apollo-C)テスト第4弾その2~の記録です。

 スマホ目覚ましアラームは03:00にセットしていたのですが、なぜか02:30にはパッチリと目が覚めて… なんだか脳がカラダに「早く撮影をしろ!」と命令しているかのような目覚めでした。

 で、まずは、寝起きの脳に糖分を与えるために酒粕から作る熱々の甘酒(砂糖入り)をイソイソとつくって、飲み頃の温度になるまで外で星空チェックです。

 ほほう、WINDY高層気流予報では相変わらず250hPa/10kmが風速66m/sですが、星はそれほど瞬いていません。ふ~む、予想に反して気流は良さそうです。

 見上げると南の空高いところで木星が眩しいほどの輝きを放っています。おっと、これにはさすがの冬の1等星集団も不戦敗を決め込んで鳴りを潜めてしまっているようです。

 木星の高度は60°を超えているので大気補正プリズムADCは使わず撮影します。最初は過剰倍率であることは承知ですが手持ちのシステムでは拡大率MAXのFlip Mirror を装着して撮影を行います。

 お!ノーマークでしたが大赤斑がほぼ正面に来ています。ラッキーです!しかも、そこそこ、いや、かなり鮮明に模様が写っています。この時期にしてはかなり気流がいいようです。 

↓ 拡大率をMAXにするために Flip Mirror を装着して撮影した木星

2024/11/4 03h18m μ210+ WREYMER PLAN 5×+ Flip Mirror+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=14300mm (F/60)
Shutter=22.80ms Gain=350 (72%) Duration=60s  Autostakkert3 50% 


↓ 拡大率を調整するためにADC(補正量は0)を装着して撮影した木星

2024/11/4 03h46m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=8900mm (F/37)
Shutter=26.34ms Gain=300 (62%) Duration=60s  Autostakkert3 50% 


↓ 5分間の自転の様子(03h42m-03h46m)左下ー木星に影を落とす衛星イオ

2024/11/4 03h42m-03h46m μ210+WREYMER PLAN 5×+ADC+Apollo-C(UV/IRcut) FocalLength=8900mm (F/37)
Shutter=26.34ms Gain=300 (62%) Duration=60s×5  Autostakkert3 50% 


〈考察〉
・今回は顕微鏡対物レンズとニュー惑星カメラを組合わせたシステムで、適正な拡大率になるかを探るテストなのであえてアイピースは使用していない。
・ Flip Mirror を装着したシステムはF60なので過剰倍率だろうと考えていたが今回の撮像画像を見る限り好気流では許容範囲であると思われる。
・ADC(補正量0)を装着したシステムではやや拡大率が小さいので、Flip Mirror 装着とADC装着の中間となるシステムがあるといいのだが… なんとか探してみることにしましょう。

 さて、木星テスト撮影はここで終了です。南南東の空では0等級まで明るくなった火星が南中に向かって高度を上げています。高度は70°に近いので木星と同じシステムで火星の撮影を行います。

 おっと、ここで、まだ甘酒を飲んでいないことにハタと気付きました~。今日の脳はしっかり覚醒しているようで…ブドウ糖の補充はいらなかったようですね。笑

 続きは次回のブログで~


〈関連ブログ〉
2月14日の木星(シン・システム 解像度 比較 編)2024.2.16
顕微鏡対物レンズで木星を撮影!(PLAN 5× テスト撮影 編)2024.2.8
顕微鏡対物レンズで木星を撮影!(撮影システム 備忘録 編)2024.2.5
顕微鏡対物レンズで木星を撮影!(無限遠補正光学系レンズ編)2024.1.30




10月13日の木星

2024年10月23日 | 木星
ニュー惑星カメラ(Player One Apollo-C)テスト撮影第2弾で~す。

 この時は他の惑星カメラで撮影しなかったので比較はできませんが良さそうな感じはします。なぜかガニメデの模様がクッキリ写りました~。で、拡大率の方ですがもう少し大きくしてもいいような感じがするのでさらにテストを重ねてみることにしましょう。

 03時16分の木星(撮影時高度73°、視直径43.8″、輝面比0.99)


2024/10/13 03h16m μ210+TPL-18mm+Apollo-C(UV/IRcut) 
Shutter=15.30ms Gain=350 (72%) 60s × 50%


03時32分の木星(De-rotation)


2024/10/13 03h32m μ210+TPL-18mm+Apollo-C(UV/IRcut) 
Shutter=15.30ms Gain=350 (72%) 60s × 50% ×10 De-rotation

↑ 今回はDe-rotationした方がぼやけたので以下は単独1枚画像です。気流のわりには解像度が良かったかも…です。↓

03時37分の木星(1枚画像)


2024/10/13 03h37m μ210+TPL-18mm+Apollo-C(UV/IRcut) 
Shutter=15.30ms Gain=350 (72%) 60s × 50%



04時10分の木星(1枚画像)↓ 上にある衛星はイオです。

2024/10/13 04h10m μ210+TPL-18mm+Apollo-C(UV/IRcut) 
Shutter=15.30ms Gain=350 (72%) 60s × 50%

 木星撮影の途中で火星にも望遠鏡を向けてテスト撮影を行いましたが、そちらは鋭意画像処理中なので出来上がったら…アップする予定で~す。(^^ゞ


〈10月24日追記〉
撮影した全カットを繋いだGIFアニメで~す。

8月9日の木星

2024年08月17日 | 木星
250hPa/10km上空風速が5m/sというこの夏イチバンの好気流がやって来た8月9日の惑星撮影会の大トリは木星です。その撮影記録です。

 木星の撮影を始めたのは火星の撮影を終えた03時15分過ぎからでしたが8月9日の薄明開始は03時05分なので空はまだ真っ暗です。1か月前の薄明開始は02時27分だったので約40分も遅くなっています。

 日中の暑さは相変わらずエンドレスサマーですが季節は秋に向かって確実に進んでいるんですね~。早く涼しくなってほしいものです。

 さて、撮影は雲で中断することもありましたが03時26分から03時34分まで60秒露出で9回連続撮影することできました。その動画を50%スタックしてDe-rotationした画像がこちらです。

8月9日03時30分の木星(撮影時高度37°、視直径36.2″、輝面比0.99)
CMI=150.4° CMII=321.6° CMIII=73.6°

2024/8/9 03h30m μ210+Takahashi 2× Ortho Barlow+ADC+ASI290MC(UV/IRcut) 
Shutter=30.09ms Gain=300 (50%) 60s × 50% × 9times   De-rotation


こちらは9ショットをGIFアニメにした9分間の自転の様子です。

 木星の自転は9時間55分26秒なので約5時間連続撮影すれば全周撮影できる計算になりますがそれって300ショット連続撮影を保存するだけのハードディスク容量が必要と言うことですよね~。それはちょっとムリ~ですがやってみたい気持ちはありますよね。(^^ゞ


8月9日のシーイング(3h31m34s)

2月18日に撮影した木星

2024年02月21日 | 木星
2月18日に撮影した木星です。日没後の高度がだいぶ低くなりました。撮影を開始した18時30分過ぎの高度は約50°ほど… 日没後に撮影できるのは2月末まででしょうかね~。

 撮影時の木星データは、光度 -2.3等級、視直径37.6″、地球からの距離は7億8600万kim(5.24au)です。さすがにここまで遠く離れると木星といえども小振りな感じがしますね。


18時35分、撮影時の高度50°

2024/2/18 18h35m CMI=62.6° CMII=109.0° CMIII=175.1° μ210+Plan5×+ASI290MC+UV/IRcut
Duration=60s  Shutter=7ms Gain=300 (50%) 25% of 8522frames ap26


本日のベストフォト!(photo



判別しにくいですが木星の右下に沈む大赤斑が写っています。

2024/2/18 18h37m CMI=64.3° CMII=110.6° CMIII=176.8° μ210+Plan5×+ASI290MC+UV/IRcut
Duration=60s  Shutter=7ms Gain=300 (50%) 25% of 8569frames ap21



こちらは惑星カメラを少しだけ引き出して拡大率を大きくした木星です。

2024/2/18 18h40m CMI=65.6° CMII=111.9° CMIII=178.0° μ210+Plan5×+ASI290MC+UV/IRcut
Duration=60s  Shutter=7ms Gain=333 (55%) 25% of 8558frames ap26


 気流が悪いときの拡大率は小さめの方がいいですよね。分かってはいるのですが今のシステムは簡単に拡大率を変えられるのでつい大きくしたくなるんですよね~。(^^ゞ

2月14日の木星(シン・システム 解像度 比較 編)

2024年02月16日 | 木星
2月14日に実施した顕微鏡対物レンズによる木星解像度テスト撮影の記録で~す。

 テスト撮影は、顕微鏡対物レンズ→望遠鏡アイピース→パワーメイトの順番で行いました。ピントは機材交換の度にピント支援装置で正確に合わせてピンボケによる差が出ないようにしてあります。

 では早速ですが、撮影画像と撮影時のシーイング動画をご覧くださ~い。

顕微鏡対物レンズ WRAYMER Plan5×

2024/2/14 18h35m(JST)CMI=152.3° CMII=229.2° CMIII=294.3°
Duration=60s  Shutter=8ms Gain=350 (58%) 25% of 7497frames ap22
WRAYMER Plan5× 合成焦点距離 5250mm 倍率 2.2倍

顕微鏡対物レンズ WRAYMER 5× 撮影時のシーイング

望遠鏡アイピース TAKAHASHI TPL-25mm

2024/2/14 19h14m(JST)CMI=176.0° CMII=252.7° CMIII=317.8°
Duration=60s  Shutter=9ms Gain=350 (58%) 25% of 6666frames ap22
TAKAHASHI TPL-25mm 合成焦点距離 4950mm 倍率 2.0倍

望遠鏡アイピース TAKAHASHI TPL-25mm 撮影時のシーイング


パワーメイト TeleVue Powermate2×

2024/2/14 19h39m(JST)CMI=191.0° CMII=267.6° CMIII=332.7°
Duration=60s  Shutter=21ms Gain=350 (58%) 25% of 2858frames ap24
TeleVue Powermate2× 合成焦点距離 5300mm 倍率 2.0倍

パワーメイト Powermate2× 撮影時のシーイング

〈考察〉
・撮影終了まで気流は大きく変化することがなかったので撮影条件的にはそれほど差異はなかった。それを加味して判断をすると3種の光学装置は解像度的にはほぼ同等レベルと言える。
・同条件比較をするためレジスタックスのウエーブレットも同じレイヤーを使って行ったが画像処理はそれぞれの画質特性で変える必要があるので一概には言えないが今回の処理では顕微鏡対物レンズ が若干ではあるが模様の抽出具合が良かったようだ。
・今回の比較で分かった大きな違いがひとつある。それはパワーメイトのシャッタースピードが遅くなるということだ。光学装置の明るさ(F値)を比較するため惑星カメラのゲインを350に固定したのだが、 顕微鏡対物レンズ と望遠鏡アイピースはシャッタースピードが8~9msだったのに対しパワーメイトは適正露出にするためには21msまで遅くしなければならなかった。これはメーカーで言っている「レンズ枚数と硝材の厚みにより透過率の点では不利になっている」ことの現れだろう。
・速いシャッターを切れる顕微鏡対物レンズ と望遠鏡アイピースは気流の悪い東北地方や冬場の撮影では効果を発揮する。ゲインを押さえて撮影できることでノイズを軽減できるメリットもある。季節や気象条件、対象天体でこれらの3種を使い分けることでより適正な惑星撮影ができるだろう。


↓ こちらは今回いちばん写りが良かった顕微鏡対物レンズ Plan5× で撮影した動画(60sec)を25%スタックした4枚をDe-rotationした木星です。

本日のベストフォト( WRAYMER Plan5× → 60s×25%×4 De-rotation)

2024/2/14 18h35m-41m μ210+WRAYMER Plan5×+ASI290MC(8ms × 60sec × 25% ×4 )

 さて、今回の撮影で顕微鏡対物レンズのテスト撮影は終了です。あとはISS拡大撮影用に顕微鏡対物レンズを30cmドブに転用するだけですが… これがなんぎしてまして、なんと、ピントが合いませ~ん。合焦しないのです! 困ったぞ~

 はたして、Go SHO-Time はやってくるのか? ISS拡大撮影への飽くなき挑戦はさらに続く…
~To be continued.


2月13日の木星(シン・システム テスト撮影 編)

2024年02月14日 | 木星
偏西風の南下予報が出ていたのでシン・システム解像度テスト撮影を行ったが、急激に気流が悪くなりやむなく中止となった。

 そのため望遠鏡アイピースvs顕微鏡対物レンズvsパワーメイトの解像度比較はできなかったが備忘録として撮影の様子を記録しておくことにする。
 
25mmアイピース(TPL-25mm)で撮影した木星

2024/2/13 18h19m-22m μ210+TPL-25mm+ASI290MC(6.5ms × 60sec × 25% ×3 )

 25mmアイピースで撮影した時のシーイングの様子



上記動画をAS!3で25%スタック→Regstax6でウエーブレット処理した画像

2024/2/13 18h22m(JST)CMI=346.3° CMII=70.9° CMIII=135.7°
Duration=60s  Shutter=6.5ms Gain=350 (58%) 25% of 9223frames ap20


〈顕微鏡対物レンズ PLAN 5×〉

 顕微鏡対物レンズは25mmアイピースとパワーメイト2×の倍率に近づけるため、PLAN 5×システムに装着した惑星カメラを2cmほど引き出して全長を135mmとした。

 今回はピントを正確に出すためピント支援装置を使ってベテルギウスでピント合わせを行ったが、ここでμ210のファインダーのズレが発覚、ファインダーの調整に手こずってしまい顕微鏡対物レンズ PLAN 5× を木星に向けたのが18時50分を過ぎたころだったのだが…

 ここで信じられない映像がPC画面に… なんと急激に気流が悪化して先ほどの木星とはぜんぜん違う姿が、いや、これまで見たことないほどの悪気流に翻弄される木星が映し出されています。

 こんな感じでした~。笑うしかないです…


 当然ですが、スタックしてレジスタックスでウエーブレット処理をしてもな~んにも出てきません。




 ここでテスト撮影は中止です。以下の画像は全長を135mmにしたPLAN 5× シン・システムの倍率を確認するための比較図です。



 こんなに短時間で気流が変わるようでは解像度比較テストはできそうにもありません。気流が落ち着くようになったらテスト撮影の続きをすることにしましょう。


1月11日の木星

2024年01月12日 | 木星
1月11日に撮影した木星の記録です。

 数日前からWindyの高層天気図で偏西風が南下する予報が出ていたので注視していたのですが、直前の予報では250hPa(10km)が風速25m/sという冬ではあり得ない穏やかな風速になっていました。

 まー、いくら風速25m/sといっても真夏の風速25m/sとはモノが違うよね~、とは思いましたがどんなもんか確かめるべく撮影を決行しました~。

 本日の木星データは、光度 -2.5等級、視直径42.5"、地球からの距離は6億9450万kmです。11月3日の衝の時は、光度 -2.9等級、視直径49.5"、地球からの距離は5億9700万kmだったので1億kmも遠ざかっていたのですね。

 で、撮影システムは、μ210+アイピースPL25mm+TCA-4+ASI290MC(UV/IRcut)にしてみました。ピント合わせはピント支援装置を使わずPC画面上の木星で判断しましたが、木星が小刻みに揺れているのでピンの追い込みはイマイチでした。

 やはり、250hPa(10km)=風速25m/sといっても真夏とは大気の質が違います。期待するほどの解像度にはならないとは思いますが、この気流でどの程度写るかはやってみないと分からないので空の状態が悪くなる前に撮影を始めましょう。


こちらが本日のファーストショット、写っている衛星はイオです。17時52分、高度62°

2024/1/11 17h52m(JST)CMI=162.9° CMII=139.5° CMIII=195.5°
Duration=60s  Shutter=6ms Gain=350 (58%) 50% of 9997frames ap27


17時53分、高度62°

2024/1/11 17h53mCMI=164.0° CMII=140.5° CMIII=196.5°
Duration=60s  Shutter=6ms Gain=350 (58%) 50% of 9994frames ap27


17時55分、高度62°

2024/1/11 17h55m(JST)CMI=165.1° CMII=141.6° CMIII=197.6°
Duration=60s  Shutter=10ms Gain=310 (51%) 50% of 5998frames ap29


18時03分、高度63°

2024/1/11 18h03m(JST)CMI=169.5° CMII=146.0° CMIII=202.0°
Duration=60s  Shutter=7ms Gain=350 (58%) 50% of 8573frames ap31


18時04分、高度63°

2024/1/11 18h04m(JST)CMI=170.4° CMII=146.8° CMIII=202.9°
Duration=90s  Shutter=7ms Gain=350 (58%) 50% of 12857frames ap31


18時06分、高度63°

2024/1/11 18h06m(JST)CMI=171.5° CMII=147.9° CMIII=204.0°
Duration=60s  Shutter=13ms Gain=300 (50%) 50% of 18618frames ap31

 う~む、どーもピントがイマイチなので、ここで望遠鏡をベテルギウスに向けてバーティノフ・マスクを使ってピント合わせタイムです。ついでに拡大撮影アダプターTCA-4をちょっとだけ引き出して拡大率をアップしました!

 惑星カメラのパラメータで確かめたところ合成焦点距離は5400mmから5450mmに… あれ?そんだけ? PC画面上ではいい感じに大きくなったのですが…

 しか~し、それが奏効したのか、調整後の撮影で本日のベストフォトが出ました!(単に気流がよかっただけだとは思いますが…)
 
本日のベストフォト! 18時08分、高度63°

2024/1/11 18h08m(JST)CMI=172.7° CMII=149.1° CMIII=205.2°
Duration=60s  Shutter=13ms Gain=300 (50%) 50% of 4616frames ap30

 シーイングはこんな感じでした。↑ 18時08分の元動画です。

18時09分、高度63°

2024/1/11 18h09m(JST)CMI=173.5° CMII=149.9° CMIII=206.0°
Duration=90s  Shutter=13ms Gain=300 (50%) 50% of 6922frames ap34


18時12分、高度63°

2024/1/11 18h12m(JST)CMI=175.0° CMII=151.4° CMIII=207.4°
Duration=60s  Shutter=7ms Gain=350 (58%) 50% of 8572frames ap31


18時13分、高度63°

2024/1/11 18h13m(JST)CMI=175.9° CMII=152.3° CMIII=208.3°
Duration=90s  Shutter=7ms Gain=350 (58%) 50% of 12856frames ap31

 本日の結論として真冬のWINDY予報=250hPa(10km)風速25m/sは、真夏の好気流とは大気の質そのものが違いますが、この時期としては十分撮影に耐えられる気流の目安になることが分かりました。

 今年は暖冬で寒さもそれほど厳しくないので、気流の具合を見ながら惑星の撮影をしてみることにしましょう。

11月21日の木星(シン・システム構築 アイピース対決 編)

2023年11月26日 | 木星
11月21日に木星で実施した「シン・システム構築 アイピース対決編」のレポートです。

〈シン・システム4thトライアル 〉
・撮影日時:2023年11月21日21時19分~
・撮影機材:μ210+アイピース25mm+拡大撮影アダプター+ASI290MC(UV/IRcut)
・使用アイピース:TAKAHASHI TPL-25mm、SE200N 付属品 PL25mm
・合成焦点距離:f 7,177mm(F34、倍率2.97倍)
・露出:Shutter=5.5ms、Gain=350 (58%)
・木星データ:視直径48.71"、光度 -2.86等
・画像処理(AS!3→RegiStax6)

TPL25mmで撮影した木星

2023/11/21 21h19m(JST)CMI=157.0° CMII=161.5° CMIII=204.0°
Duration=60s  Shutter=5.5ms Gain=350 (58%) 25% of 5540frames ap36


PL25mmで撮影した木星

2023/11/21 21h22m(JST)CMI=158.9° CMII=163.4° CMIII=205.9°
Duration=60s  Shutter=5.5ms Gain=350 (58%) 25% of 5541frames ap36

Powermate2× で撮影した木星

2023/11/21 21h31m(JST)CMI=164.2° CMII=168.7° CMIII=211.2°
Duration=60s  Shutter=5.5ms Gain=350 (58%) 25% of 6071frames ap36


25mmアイピースとPowermate2×の比較図

・同条件比較のため惑星カメラの露出、画像処理ソフト(AS!3とRegiStax6)のパラメーターはすべて同一にしています。

〈考察〉
・25mmアイピース対決では、廉価品代表として望遠鏡付属のPL25mmアイピースを、メーカー品代表としてTAKAHASHI TPL-25mmをセレクトして比較してみたが結果は意外にも付属品PL25mmの方が解像度が良い結果となった。この日は気流が不安定だったこととピント合わせはピント支援装置を使わず目分量で行ったのでその差が出た可能性はあるが追跡調査でその差を確かめる必要があると感じた。
・さらに意外だったことはPowermate2×で撮影した木星の解像度が今回の比較では思ったほど良くなかったことである。これも撮影時に気流が悪かったと言ってしまえばそれまでだが、Powermate2×は凹レンズが持っている光路の広がりを補正させるためにメニスカス凸レンズが入っている分、硝材の厚みがあるのでそれが影響している可能性もある。こちらもさらなる追跡調査が必要だ。


こちらはアイピースを18mmに換えて試し撮りしてみた木星画像です。μ210に18mmアイピースを装着すると合成焦点距離は f 11,200mm(F53)、拡大率4.6倍になるので惑星カメラセンサーに投影される木星像の大きさは2.7mmになります。


 ASi290MCのイメージセンサーは縦3.2mm×横5.6mmなのでギリギリ画面に収っているといった感じで、さすがにこれは過剰すぎる拡大率だと感じました。気流の落ち着いたときの天王星、海王星を撮影するときには使えるかも…といったところですね。

↓ 25mmアイピース、パワーメイト2×と比較すると実はこんなに大きさが違います!…の図


 さて、今回のアイピース対決の総括ですが、25mm比較では更なる検討が必要なので保留ということにしておいて、あらたな気付きとしてはパワーメイトが万能というわけではないかも…という観点が見えてきたことです。

 バーローレンズ系では最強と言われるパワーメイトですが、「研磨の良い単体オルソと比較して、レンズ枚数と硝材の厚みにより,ゴースト,フレア,透過率の点では不利になる」とテレビュー・ジャパンのHPで説明しているようにアイピースの方が上回る点があることはたしかなようです。

 パワーメイトよりアイピースを使用した方が拡大撮影では透過率が良いということは、前回のCSS撮影時にパワーメイト使用時より感度を落とさないと露出オーバーになることからも体感的に実感できています。

 ゴーストとフレアに関してはISS拡大撮影ではいつも悩まされるファクターなのでこれが押さえられるとしたらアイピースによる拡大撮影法には大きなメリットがあると思われます。

 次回のブログではアイピースによる拡大撮影法で撮影した土星画像からメリットでデメリットを探ってみたいと思いま~す。

11月14日の木星とガリレオ衛星

2023年11月15日 | 木星
11月14日の夜のコトで~す。

 衝をむかえた天王星を撮影する前に新しく購入したアイピースで木星を見てみようと思って望遠鏡を木星に向けてみると…

 ほひょ、木星の東側で3つのガリレオ衛星が並んでキレイな正三角形を作っています。これはめずらしいので記録しておこうと思って、急いで惑星カメラを装着して撮影した画像がこちらです。

11月14日20時25分のガリレオ衛星(撮影機材:μ210+ADC+UV/IRcut+ASI290MC)

2023/11/14 20h25m(JST)Duration=60s  Shutter=9ms Gain=236 (39%) 70% of 6667frames ap53(photo

 ふむ、望遠鏡(100倍)で見たガリレオ衛星は輝度が高くキラキラしてはっきり見えるのですが、惑星カメラの露出を木星に合わせると、どこにいるの?と探さないと分からないほど暗くなりますね~。

 ということで、ここでパワーメイト2倍を装着してターゲットを東側のトライアングル衛星に絞って撮影です。


トライアングルに並んだ3つのガリレオ衛星(撮影機材:μ210+Powermate2×+ADC+UV/IRcut+ASI290MC)


2023/11/14 20h38m(JST)Duration=60s  Shutter=8ms Gain=2348(58%) 70% of 7427frames ap41(photo


 むむ、今日は気流が良くないので期待していなかったのですが、思いのほか衛星がシャープに写っています。こ~れはオドロキです!

 よく見るとガニメデ表面の模様だけでなくカリスト表面の模様(色の違い?)も写っているようです。直径の違いも正確に写っている感じがします。光軸修正の効果がここで発揮されたかも…


 さらに特筆すべきは写っている衛星の色と輝度(暗さ?)です。ガリレオ衛星の中でアルベド(反射率)が一番低いカリストですが、その黒さ(0.20)が忠実に表現されているようです。

 エウロパ(5.3等)とカリスト(5.7等)は光度の差はわずかですがアルベドはエウロパが0.67でカリストが0.20なので大きく違います。その様子が見て取れるという点では貴重な写真だと感じます。


 今回はたまたま見たキレイに並ぶガリレオ衛星を撮るという目的で撮影したのですが、なかなかおもしろい発見がありました。昨日の気流で衛星の表面の様子が写るのであれば夏場の好気流だったらさらに細部が写るのでは…と単純に思ってしまいますが、どうでしょう?

 来年の夏はガリレオ衛星の表面模様にも注目して撮影をすることにしましょう。



〈11月16日追記〉
画像処理前の元動画~シーイングの様子

 11月14日の木星とガリレオ衛星~その1


 11月14日の木星とガリレオ衛星~その2