晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

C/2014 Q1パンスターズ彗星のその後…

2015年07月25日 | 彗星
日本からは、ほぼ撮影ができなかったC/2014 Q1パンスターズ彗星…
南半球では簡単に撮影できているようです。またしてもアンラッキーな北半球です。

撮影レポートを読むと、肉眼で見ることはでないが、双眼鏡では確認できるとのこと…
双眼鏡で確認できた尾の長さは2°、写真では4.5°だったそうです。

南半球のウオッチャーさんたちが撮影した写真を時系列で並べてみました。
この彗星…、もし地球に接近していたらかなりのグレートコメットになったことでしょうね。

Spaceweather.com REALTIME IMAGE GALLERYより
2015年7月14日

Taken by michael jäger on July 14, 2015 @ Farm Tivoli Namibia

2015年7月15日

Taken by Michael Mattiazzo on July 15, 2015 @ Swan Hill, Australia

2015年7月15日

Taken by michael jaeger on July 15, 2015 @ farm tivoli namibia

2015年7月16日

Taken by Lui Weber on July 16, 2015 @ Weipa QLD

2015年7月17日

Taken by michael jaeg on July 17, 2015 @ farm tivoli namibia


2015年7月17日

Taken by Yuri Beletsky on July 17, 2015 @ Chile


以下 Michael JaegerのHPより
2015年7月18日

Shaped like a flock of flying geese, only it’s flying dust. A more detailed photo of Comet C/2014 Q1 PanSTARRS from July 18, 2015. The ion or gas tail stretches to the left. The primary dust tail overlaps the gas tail. The Type III dust tail juts off to the upper left of the coma. Click for hi res version. Credit: Michael Jaeger

2015年7月19日

July 19, 2015 from Swan Hill, Victoria, Australia.
Details: 40mm lens, ISO 3200, 30-seconds exposure. Credit: Michael Mattiazzo

2015年7月19日

Telephoto lens view of the comet clearly shows it has three tails. The longest is the ion or gas tail. A shorter dust or Type II tail is superimposed on the gas tail closer to the comet’s head (it bows out a bit before overlapping the ion tail). A third, yellow-colored Type III dust plume appears to the right of the head. Credit: Michael Mattiazzo

Visual tail lengths through 25x100mm binoculars: 2° degree long ion tail (Type I) superimposed on a 1° dust tail (Type II) in PA 104 and a 1° degree long dust trail (Type III) in PA 23. The photographic length of the ion tail is >4.5°.” - See more at: http://astrobob.areavoices.com/2015/07/19/meet-the-most-beautiful-comet-youll-never-see-c2014-q1-panstarrs/#sthash.mLWfNJLk.dpuf


EARTHSKY // TODAY'S IMAGE(RELEASE DATE: JUL 24, 2015)より
2015年7月19日

Venus, moon, Jupiter, comet. The comet is in the lower left of this photo, which was taken by Amit Ashok Kamble on July 19, 2015. He wrote: “It wasn’t visible much visually but was a good view through binoculars, ‘scopes and camera. It’s fascinating how it has two tails.” Visit Amit Kamble Photography on Facebook.

2015年7月22日

Venus (brightest), Jupiter (second-brightest) and star Regulus make a triangle. The comet is to their left. Composite image – created from two images (sky and landscape) – taken on July 22, 2015 by Marco Nero in New South Wales, Australia. Canon EOS 6D with Canon EF 85mm f/1.2L USM II lens.

Spaceweather.com REALTIME IMAGE GALLERYより
2015年7月23日

Taken by iAN Griffin on July 23, 2015 @ Portobello, New Zealand

Michael Jaegerさんが述べているように、 Type Ⅰ  Type II  Type Ⅲの尾がはっきり出ています。どことなくヘール・ボップ彗星を彷彿とさせる形状ですね。

天体撮影用レーザーポインター

2015年07月14日 | 観測グッズ
望遠レンズで暗い天体を撮影するとき、対象がうまくファインダーに
入らなくてイライラすることって、誰でもよくありますよね。

そんなあなたに朗報です。これを使えば暗い天体も瞬時にファインダー内に入ります。
使い方はとっても簡単、カメラから照射されるグリーンレーザービームを天体に向けるだけ。

100%の確立で対象天体がファインダーの中央に入ります。これで、あの不快なイライラとは永遠におさらばです。さあ、あなたもストレスレスな天文ライフを手に入れてみませんか。

…とTVショッピング風にいうまでもないのですが、以前から考えていたグッズが完成したので
テストしてみました。以下、そのグッズ紹介とテスト&レポートです。

星空解説に使っていたレーザーポインターをカメラ用マイクホルダーと合体!

マイクホルダー ホットシューアダプター <約19mm> 22Фガンマイク等に装着可能
実売価格は、セール品で¥ 987でした。レーザーポインターは海外通販ものです。

カメラに装着するとこんな感じ…

このレーザーポインターは後ろに照射スイッチがついているタイプ
なので手をはなしてもレーザービームがONのままになっています。

スイッチを入れるとビームがきれいに伸びていきます。


明るい星でファインダーの中央に入るように微調整すれば準備完了です。


レーザービームONのままテスト撮影した写真がこちら…

アンタレスをゲットです。使い心地はすこぶる良好です。

C/2014 Q1パンスターズ彗星 捜索隊 その2

2015年07月13日 | 彗星
7月12日、昼間はそれほど空の状況が良くなかったのですが、夕方になって
西の空が晴れてきたので、捜索隊が急遽スクランブル出動しました。

撮影地は自宅から車で5分ほどのところ、いつもの夕空撮影地です。
西北西の方位に山と樹木があるのでイマイチですが、撮影決行です。

現在時刻は19時52分、日没45分後を過ぎています。
西空に金星と木星が見えますがその他の星は肉眼では見えません。

2015.7.12.19:48:16 D90 Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm ISO800 6sec

方位を確認して、C/2014Q1パンスターズ彗星があると思われる方向にカメラを向けましたが…

星はひとつも写っていません。今日も層状の雲があります。

2015.7.12.19:52:13 D90 Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm ISO800 1sec

初めて星が写ったのは19時57分、昨日よりは空の状態がいいようです。

2015.7.12.19:57:31 D90 Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm ISO800 1.3sec

帰宅後、ステラナビで確認すると、しし座のアルテルフ(4.3等)が写っていました。
しか~し、一番下の電線付近にあるはずの、かに座の4等星(右はさみにある恒星)が写っていません。この時間、C/2014Q1パンスターズ彗星はすでに木の陰(山の陰?)にありました。

2015.7.12.19:58:13 D90 Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm ISO800 1.3sec

かに座の4等級が写ったのは20時01分、しかも強調処理をしてやっと出てきました。

2015.7.12.20:01:45 D90 Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm ISO800 4sec

この時間はステラナビゲーターが示す4等級が見え始める時間と一致していました。ということは、C/2014Q1パンスターズ彗星が4等級まで明るくなっていたとしても、見え始める時間には高度が1.2°しかないことになります。以上のことからC/2014Q1パンスターズ彗星を撮影することは地上では無理という結論になります。ざ~んねん、大化けしてれば話は違ったのですがね~。

ニイニイゼミの梅雨明け発表予報!

2015年07月12日 | お天気
全国の梅雨明け発表予報ファンのみなさま…、お待たせいたしました。
今年もニイニイゼミの梅雨明け発表予報の時期がやって来ました!

ニイニイゼミの初鳴きから気象庁の梅雨明け発表日を大胆に予想する
「ニイニイゼミの梅雨明け発表予報」は、おかげさまで9年目を迎えました。

今年は東北南部の梅雨入りが記録的に遅かったのですが、仙台中心部にある西公園
では7月上旬頃からニイニイゼミが鳴き始めており、いつもと何か違う感じがします。

さて、昨日からの連続快晴&真夏日となった本日、ついにニイニイゼミの初鳴きを
自宅で観測しました。(7月12日初鳴き 昨年と同じ記録日)

今年は台風通過の影響で梅雨前線が消失している状態ですが、梅雨明け発表があったのは
沖縄だけで、日本列島はまだ梅雨から抜け出していない状態が続いています。

来週末に日本上陸の可能性がある台風11号が通過した後に、日本列島が一気に梅雨明け
となる可能性もありますが、予想がかなり難しい状況にあります。

では、とりあえず昨年までのデータを確認してみましょう。

観測年  初鳴き 梅雨明け発表
2007年  7月20日→8月 1日(11日後)
2008年  7月11日→7月19日(8日後)
2009年  7月 6日→梅雨明け発表なし
2010年  7月 7日→7月18日(11日後)
2011年  7月 9日→7月11日( 2日後)
2012年  7月16日→7月26日(10日後)
2013年  7月15日→8月 3日(19日後)
2014年  7月12日→7月28日(16日後)
2015年  7月12日→  

最近の傾向としては梅雨入りが6月20日以降になった年は、8月に梅雨明けが
ずれ込んでいます。(1980年以降)

今年の梅雨入りは観測史上最も遅い日とタイ記録の6月26日…、エルニーニョで冷夏になるという予報もちらほら、冷夏になった年は梅雨明けが発表されなかったことも…、どれをとっても今年の梅雨明けは遅くなるように感じます。

前置きが長くなりました。それでは、発表しま~す。
今年、気象庁が東北南部の梅雨明けを発表する日は…、

ズバリ、7月23日です!

理由は、初鳴き日にこれまでの平均値11日を足した日にちで~す。
単純だけど、意外と当たるかも…、

さて、天気がよくなった本日、夕方の空の状況が昨日より良かったので
C/2014 Q1パンスターズ彗星 捜索隊が再度出動しました。その様子は次回のブログで~。

C/2014 Q1パンスターズ彗星 捜索隊

2015年07月11日 | 彗星
みなさん、こんにちは。久々のブログ更新です。

さて以前「2015年見たい天体現象」第4弾!で紹介した「C/2014 Q1 パンスターズ彗星」の
近日点通過(7/6)から5日が過ぎましたが、西の夕空にその姿を現しているのでしょうか?

本日は、梅雨の時期としてはめずらしい停滞ぎみの高気圧に覆われて、雲ひとつない快晴と
なりましたので、C/2014 Q1 パンスターズ彗星の捜索に出かけました。

7月11日現在のC/2014 Q1 パンスターズ彗星情報は以下のとおり…

ふ~む、ふむ、地球からの距離1.213AU、最新の観測等級は6.0等級ですか…
当初の予想ほど、明るくなっていませんね~、この等級では厳しいかも…です。

とりあえず出かけましょう、捜索隊が向かった先は、西の空が開けているいつもの撮影場所…、

昼間はどピーカンでしたが、湿度の多いまったりとした空気だったので、
夕方になると予想どおり雲が出てきました。青空の部分も透明度はよくありません。


本日の機材はこちら

マルチプレートDXウッディ調(*)には Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm、
望遠鏡はお手軽テレスコープMK90です。

本日、仙台では気温が31.8℃まで上がり真夏日になりましたが、そのせいなのか、
ものすごい数の虫が集まっています。蚊柱がカメラを覆っています。

写真に写っている黒い点が虫です。その虫を食べようとギンヤンマが突進して、
時々カメラや顔に当たってきます。トホホですが、とりあえず虫は無視です。

まもなく太陽が沈みます。日没時刻は19:04、沈む方位は119°です。
この山の位置がC/2014 Q1を探すポイントになります。

2015.7.11.18:52:43 D90 Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm 1/4000sec

相変わらず雲があります。本日の勝負どころは、日没45分後から彗星の高度が1°に
なるまでの、わずか15分間です。

日没45分後になりました。
彗星の高度は3° 方位は117°のはずですが…雲があり確認できません。

2015.7.11.19:50:23 D90 Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm 2.3sec

日没後50分になりました。
う~ん残念、C/2014 Q1はその姿を現すことはありませんでした。

2015.7.11.19:57:57 D90 Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm 5sec

今回は雲がクリアにならなかったので見えませんでしたが、雲がなかったとしても
見えなかったと思われます。C/2014 Q1は当初の予想をはるかに下回り、最新の観測
等級が6.0等級と発表されています。この数値が正しいとすると高度2~3°では
大気減光で光度は8.0等級クラスになります。これでは日没5~60分後の空で写すには
冬空並みの透明度が必要です。

C/2014 Q1はオールトの雲から初めて降りてくる彗星と考えられています。アイソン彗星の
ときもそうでしたが、このタイプの彗星は木星より遠いところで揮発が始まるが、太陽に近づい
たときにあまり揮発しない傾向があるようです。今後の彗星光度予想の参考になりますね。