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晴れ時々スターウォッチング

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2025年見たい天体現象「月と惑星の接近(4月~6月編)」

2025年03月01日 | 「見たい天体現象」
3月になりました~ あと1か月で4月…そろそろ春の天体現象が気になりますね。

 …ということで今日のブログは「月と惑星の接近(4月~6月編)」で~す。
晴れスタがオススメする「月と惑星の接近」は4月~6月期もたくさんありますよ~!

 では、さっそく始めましょう! ヒアウイゴ~

4月5日「上弦と火星、カストル、ポルックスの競演」

 カストル・ポルックスに近づいて天空三角形を作っていた火星が2月24日に逆行を終えてふたご座から遠ざかっている。火星とポルックスとカストルがほぼ一直線に並ぶ4月5日に上弦の月が3天体に近づく。まるでカストル・ポルックスに別れを告げる火星を上弦の月が見送っているようだ。1日限りのまさに一期一会と言える上弦と火星,カストル,ポルックスの競演はぜひ見ておきたいアステリズムだ。そしてこの日は今年2回目の月面Xの日でもある。ピーク時刻は21時頃、そちらも見逃せないイベントだ。


4月25日「二十八夜月と金星、土星、水星の競演」

 明け方の空で近づいている金星・土星・水星に二十八夜月が寄り添う。3/21が内合だった金星の輝面比は0.23で二十八夜月とほぼ同じ位相だ。土星は太陽光の当たっていない裏側から環を見る「環の消失期(3/25環の消失~5/7)」を迎えている。3/24に内合を迎えた水星の輝面比は0.49で下弦の月と同じ位相になっている。低高度なのでシーイングは良くないが可能なら望遠鏡でも見てみたいイベントだ。


4月26日「二十九日月と水星の接近」

 新月2日前の月が水星に接近する。この日の水星は4/22の西方最大離角から4日ほど過ぎているが光度が0.3等と暗いので眼視での観望は難しいだろう。やや明るくなった薄明の空で見る新月2日前の月は実際の輝面比よりかなり細く見える。天気しだいではあるがライトブルーのグラデーションがキレイな薄明の空で接近する二十九日月と水星はフォトジェニックな星景になるだろう。


4月29日「二日月とプレアデス星団の接近」

 プレアデス星団食シーズンに入っているので月とプレアデス星団の接近はほぼ毎月(プレアデス星団食は4回-3/5,8/17,11/7,12/31)あるが、新月翌日の二日月と接近するのは4月29日だけである。しかも接近時の離角がプレアデス星団食レベルだ。それもそのはず、青空の中ではあるが16時頃に二日月がプレアデス星団の前を通過している。時間が過ぎるほど離角が大きくなるので撮影は早い時間からチャレンジしたい。双眼鏡で見る二日月とプレアデス星団の接近は息をのむほどの美しさになるだろう。


4月30日「三日月と木星の接近」

 西空に低くなった木星が三日月と接近する。6/25に合を迎える木星は光度が-2.0等まで暗くなっている。視直径も33"ほどで4/27に最大光度を迎えた金星の視直径37"より小さい。これでは惑星の王者としての風格やいかにと思われるがそこは太陽系最大の惑星木星である。三日月と並ぶ木星は惑星の王者としての威厳を見せつけてくれる。金星ならぬイミテーション宵の明星として輝く木星と三日月の接近はぜひ見ておきたいイベントだ。


5月23日「二十六夜月と土星、金星の競演」

 二十六夜月が環の消失(5/7 太陽が環を真横から照らす) を終えた土星と接近する。土星の光度は1.1等、月との離角は2°30′(満月5個分)だ。二十六夜月から15°ほど東では明けの明星が輝いている。4月25日の有明の月と金星・土星の接近は薄明中のイベントだが、5月23日は暗い時間から観望できるので空のグラデーションの変化を楽しみたい。


5月24日「二十七夜月と金星の接近」

 2025年の明けの明星としての金星は6月1日に西方最大離角を迎え、7月下旬から8月上旬が日の出時最大高度(31°)となる。12月までは明けの明星として東空にあるので有明の月と接近する機会は毎月あるが最も近づくのが5月24日だ。金星が地平線から昇った直後は二十七夜月の真下に金星があるので見応えのある星景となるだろう。


5月28日「二日月と木星の接近」

 6月25日の合に向かって西空の高度を下げている木星が輝面比0.03の二日月と並ぶ。合の1か月前だが木星の光度は-1.9等もあるので二日月が見える前に輝き始めるだろう。二日月と木星の離角は約5°(満月10個分)だ。木星と二日月が織りなすマジックアワーショーを楽しみたい。6月8日には木星(-1.9等)と水星(-1.2等)が離角2°まで接近する。低高度(2~3°)ではあるが光度がマイナス等級なのでウオッチングしたいイベントだ。


6月1日「六日月と火星の超接近」

 西空で火星と六日月が離角20′まで近づく。薄明終了時の高度は約30°、視直径5".5まで小さくなった火星の光度はしし座のレグルスと同じ1.3等だ。月は公転運動で東へ移動しているので月と火星の位置は刻々と変わる。離角が最も小さくなるのは20時50分頃、月と火星の離角の変化も楽しみたい。6月17日には火星とレグルスが離角47′まで接近するのでそちらも注目したい。


6月23日「二十八夜月と金星プレアデス星団の競演」

 夏至の2日後、明け方の東空でプレアデス星団と二十八夜月が近づく。離角は5~6°なので接近というほどではないがプレアデス星団が有り明けの細月と近づくのは6月だけで、7月以降はプレアデス星団の高度が高くなるので接近する月の輝面比は大きくなる。月の西側には-4.2等級の金星も輝いている。プレアデス星団と有り明けの細月と金星のコラボはぜひ見ておきたいそして写真にも残したい星景だ。



6月27日「三日月と水星の接近」

 夕方見える水星としては2025年で日没時高度が最も高い6月27日に輝面比0.05の三日月と離角2°51′まで接近する。東方最大離角1週間前の水星の光度は0.2等級ほどなのでとびきり明るいわけではないが、日没30分後の高度が約10°もあるので余裕で見ることができる。梅雨真っ盛りの時期なので天気が心配だが梅雨の中休みに当たればマジックアワーの空で見る極上の接近ショーとなるだろう。

 以上が「月と惑星の接近(4月~6月編)」です。今回も「月と惑星の接近(1月~3月編)」と同じように撮影できたイベントには記録画像(関連photoを含む)をアップする予定にしてますので、どうぞお楽しみに~。

〈関連ブログ〉
・2025年見たい天体現象「月と惑星の接近(1月~3月編)←撮影記録アップ済み

2025年見たい天体現象「月と惑星の接近(1月~3月編)」

2024年12月31日 | 「見たい天体現象」
2025年見たい天体現象の第4弾は「月と惑星の接近」です。
 来年もウオッチングしたい「月と惑星の接近」がたくさんあるので「1月~3月編」「4月~6月編」「7月~12月編」の3回に分けてお送りしま~す。ではさっそく始めましょう。1月~3月にぜひ見たい月と惑星の接近はこれだ~!

1月3日「四日月と金星の接近」

 2025年の金星は1月10日に東方最大離角を迎え3月中旬までは宵の明星として南西の空で輝く。そのため3月までは夕月と金星の接近を見ることができるが大接近といえるほど近づく現象はない。1月3日は月と金星の離角が約5°なので満月10個分も離れているが、薄明が終了した夜空で地球照がキレイに見える月と金星のランデブーは見ておきたいイベントだ。撮影記録→1月2日photo


1月4日「五日月と金星、土星の競演」

 翌日1月4日は五日月が土星と金星の間に入る。土星の光度は1.1等だが薄明終了時の高度が30°もあるので存在感のある輝きで見えるだろう。1月の土星はしだいに高度を下げていくが1月18日には金星に離角2°まで近づいて横並びになるのでこちらも忘れずに見ておきたいイベントだ。撮影記録→1月4日photo土星と金星の接近 撮影記録→1月18日photo 、1月19日photo


1月10日「月齢10.5と木星、プレアデス星団の競演」

 この日の月は満月4日前で輝面比が0.86もあるのでプレアデス星団を肉眼を見ることは難しいが双眼鏡ではM45とアルデバランの周辺の星がキレイに見えることだろう。カメラで撮影する対象としては露出の設定が悩みどころではあるが記録として残しておきたい現象だ。撮影記録→1月10日photo


1月14日「満月と火星の接近」

 最接近2日後の火星が満月と接近する。月と火星の離角は月出直後が約3°だが火星が南中する頃には離角が6°になる。観望のタイミングとしては薄明終了後がベストだ。月明かりを煌々と照らす満月は周囲の星をかき消してしまうが、火星の光度は-1.4等級もあるので見応えのある接近になるだろう。撮影記録→1月14日photo,photo


1月31日「三日月と土星、金星の競演」

 三日月と土星の離角は11°、金星とは22°も離れているので接近とは言えないイベントだが夕空の色が深みを増していくマジックアワーで見る3天体の競演はフォトジェニックな星景になることだろう。お気に入りの背景で撮影したいイベントだ。撮影記録→1月31日photo,photo


2月1日「白昼の土星食」

 この日の月は輝面比が0.09(9%)なので仙台においては土星の潜入も出現も見かけ上は暗縁となる。土星が月に隠される現象ではあるが白昼なので土星が青空に消えていくように見える現象になるだろう。土星の光度は1.1等なので空の透明度が良ければ土星も月も望遠鏡で見える明るさではあるが青空の中では輝面比0.09の月はコントラストが低いのでかなりキビシイ条件ではある。撮影記録→2月1日photo,photo



2月1日「四日月と土星の接近」

 土星食の日の夕方なので空が暗くなると月のすぐ下で土星が輝いているのが見える。月の上には約8°離れたところでは金星が輝いているので「四日月と金星、土星の競演」とも言えるイベントだ。この日は金星-月-土星がまっすぐ縦に並んで見えるので目を引く星景になることだろう。
撮影記録→2月1日photo,photo


2月2日「五日月と金星の接近」

 2月2日の金星は日没時の高度が2025年では最も高い40°、光度は-4.8等級(最大光度は2月15日の-4.9等)なので最良の観望好機と言える。日没直後には五日月と眩しいほどの金星の接近を見ることができるが、金星が白昼の空で見える明るさなので天気が良ければ青空の中で隣り合う月と金星を肉眼で見ることができる。最大光度の金星が細月と接近するケースはレアなので見逃せないイベントだ。
撮影記録→2月2日photo,photo,photo,photo、最大光度の金星 撮影記録→2月15日 photo,photo


2月7日「十日月と木星、アルデバラン、プレアデス星団の競演」

 1月10日とほぼ同じ星並びに輝面比が少しだけ違う月が接近する。衝を過ぎた木星は見かけ上地球から遠ざかっているのでやや暗く光度は-2.5等級だ。木星の次回の衝を調べたところ2025年は13年に1回の割合で発生する衝のない年になるそうだ。次回の木星衝は2026年1月10日、ふたご座で輝く。
*月とプレアデス星団の接近 撮影記録→2月6日photo、木星拡大撮影→1月19日photo, gif


2月9日「十二日月と火星、カストル、ポルックスの競演」

 2月9日の宵の口に十二日月が火星、カストル、ポルックスで作るトライアングルに接近するが、実はこれは前置きでメインイベントは日付が変わって2月10日の未明に見える月没直前の火星と月の接近だ。2月9日21時40分の火星と月の離角は約4°だが2月10日未明の月没直前には火星と月の離角が30′まで近づく。札幌と福岡では月高度1°で火星食が起きるらしいが仙台では月没時の火星と月縁の角距離は5′のようだ。月没時は無理なので4時40分頃が最も近づいた様子を撮影できる時刻だろう。↓
*カストル・ポルックスと火星の接近 撮影記録→2月6日photo、火星 拡大撮影→2月2日photo

2月10日未明「月と火星の大接近」



3月1日「二日月と水星の接近」

 2025年の水星観望好機は、夕方が3月上旬と6月末から7月始め、明け方は8月20日前後と12月上旬の4回だ。その中で月と接近する機会は何度かあるが最も近づくのが3月1日だ。水星光度は-1.0等とかなり明るい。二日月の輝面比は0.02なので究極に細いというほどではないが、晴れスタ的には1~3月期でイチオシのイベントである。


3月2日「三日月と金星の接近」

 水星と接近した二日月が翌日には金星と接近する。接近といっても月と金星の離角は6°(満月12個分)もあるので三日月と金星・水星の星景写真として撮りたいところだ。水星の光度はやや暗くなるが3月9日には金星と水星が離角6°20′まで近づくのでそちらも注目したい。
撮影記録→3月2日 photo,photo,photo,photo



 以上が1~3月にウオッチングしたい「月と惑星の接近」です。さ~て、2024年もいよいよ大晦日となりましたね。今年もこのブログを見てくださった みなさん、本当にありがとうございました。 

 来年も、毎度おなじみのゆる~いアップになると思いますが、時間があるときや思いついた時にちょこっとお寄りいただければ幸いです。

 ↓2024年の初日、明日はキレイな初日が見られるかな?

 それでは皆さん、よいお年を~!

2025年見たい天体現象「月面X」

2024年12月12日 | 「見たい天体現象」
2025年見たい天体現象の第3弾は「何度見てもまた見たくなる月面 X 」です。

 来年の月面Xは、ピーク時刻に月が地平線上に出ている回数が7回あります。その中で好条件で見られる(夜間でピーク時の月高度が高い)のは、ふむ、2回ですかね~。

(注:これまでは月面Xのピーク時刻を天文年鑑の「月のこよみ-太陽の月面余経度と月面緯度」で計算して求めていましたが、今回から「国立天文台→暦象年表→月の自転軸」の Ls値(太陽から見た月面の中点 Xsの月面経度)が92°になる時刻を予想ピークとしています)

月面Xのピーク日時   高度  日没  方位  b値
× 1月 7日(火) 3時21分 -38° 16:33                  
2月 5日(水)17時55分 71°  17:04     -1.05°     
× 3月 7日(金) 7時55分 -18° 17:36      
4月 5日(土)21時03分 52°  18:04  西   +0.50°         
× 5月 5日(月)09時15分 -20° 18:32         
6月 3日(火)20時41分 40°  18:57  西南西 -1.72°         
× 7月 3日(木)07時41分 -48° 19:05     
8月 1日(金) 18時38分 29°  18:48  南南西 -1.41° 
× 8月31日(日) 5時58分 -72° 18:09          
9月29日(月)18時02分 20° 17:24     -0.72°                
× 10月29日(水)7時01分 -62° 16:42   
11月27日(木)20時56分 13° 16:19  西南西 -1.72° 
△ 12月27日(土)11時26分  4°  16:24   
(方位をクリックするとピーク時刻の空の様子が見られます ↑)
(注:上記日時はあくまでも晴れスター的独自予報です。 *b値:月面上で太陽が真上から照らす地点の月面緯度)

φ(.. ) 来年の見え方をまとめるとこんな感じです。
・夜間で条件良く見られる日→2回(4月5日6月3日
・高度は高いけどピーク時刻が薄明中→1回(2月5日
・夜間だけど高度が低い日→1回(11月27日
・薄明中で高度も低い日→2回(8月1日9月29日
・ピーク時刻が月出直後の日→1回(12月27日

 今年は好条件が1回しかなかったのでそれに比べると来年は月面Xの当たり年ですね。これは大いに期待できます!

 さてさて、こちらは毎度おなじみの今年撮影した月面Xフォト アーカイブですが、今年は撮影できたのが1回だけなのですべて1月18日に撮影した月面Xの画像です。(^^ゞ
17時56分撮影 撮影時高度63°(Ls=92.66°、予想ピーク1時間19分前、bs= -1.52°)

2024/1/18 17:56 EVOSTAR80ED ASI174MM Shutter=0.735ms Gain=265 (66%) 30sec


18時10分撮影 撮影時高度62°(LS=92.55°、予想ピーク1時間05分前、bs= -1.52°)

2024/1/18 18:10 μ210 ASI174MM Shutter=1.278ms Gain=352 (88%) 30sec


18時15分撮影 撮影時高度62°(Ls=92.50°、予想ピーク1時間前、bs= -1.52°)

2024/1/18 18:15 μ210 ASI174MM Shutter=1.211ms Gain=354 (88%) 30sec


18時19分撮影 撮影時高度62°(Ls=92.47°、予想ピーク時刻の56分前、bs= -1.52°)

2024/1/18 18:19 μ210 ASI290MM Shutter=8.182ms Gain=350 (58%) 30sec


18時23分撮影 撮影時高度62°(Ls=92.44°、予想ピーク時刻52分前、bs= -1.52°)

2024/1/18 18:23 μ210 ASI290MM Shutter=2.864ms Gain=327 (54%) 30sec


18時24分撮影 撮影時高度62°(Ls=92.43°、予想ピーク時刻51分前、bs= -1.52°)

2024/1/18 18:24 μ210 ASI290MM Shutter=2.864ms Gain=327 (54%) 30sec

 さて、上記の予想ピーク1時間前の画像をよく見るとすでにX (エックス)の形になっています。このことからピーク時刻が予想時刻より早かったことが分かります。その理由としては1月18日は月面上で太陽が真上から照らす地点が南半球側(b値=月面緯度 -1.52°)だったからだと考えられます。↓

 太陽が真上から照らす地点が南半球側にあるとその分月面X地点までの離角(距離)が近くなるので月面X地点から見る太陽高度はわずかですが高くなっているはずです。そのため月面Xになるピーク時刻が早まると考えられます。

 このことから太陽が真上から照らす地点が北半球側(b値がプラスの場合)にある場合は予想ピークの時刻より遅れてX (エックス)の形になると考えられます。それを検証すべく過去画像からb値がプラスになっている月面Xを探したのですが、b値が1.00以上の画像はありませんでした。

 唯一 b値がプラスだった2021年6月17日(b値+0.40°)の画像を見ると、たしかに予想ピーク40分後でもまだ完全なX (エックス)の形になっていないように見えます。
 2021/6/17 20:33(Ls=91.66°、予想ピーク時刻19時53分の40分後、bs= +0.40°)

2021/6/17 20h33m25s SE200N F5 D810A ISO2000 1/640sec DX
 2021/6/17 21:08(Ls=91.36°、予想ピーク時刻の1時間15分後、bs= +0.40°)

2021/6/17 21h08m14s SE200N ASI290MC Shutter=4.719ms Gain=340 (56%) 50% of 1138flames

 ということで、来年は b値(太陽が真上から照らす地点)によってピーク時間がどのように変化するかを観測していこうと思うのですが…

 そもそも月面Xはどの形をもってピークと言えるのかを定義しないと始まらないですよね~。ま、それも含めてウオッチングしていくことにしましょう!

2025年に見える細~い月(有明の月)

2024年12月02日 | 「見たい天体現象」
2025年見たい天体現象の第2弾「来年見える細~い有明の月」で~す。
 
 で、来年見える細~い有明の月データは下記のとおりです。輝面比は仙台での日出時刻で比較してあります。では、このデータを「細い月ランキング」と「撮影条件良い順ランキング」で並び替えてみましょう。

2025年新月前日  月出 太陽出 月高度   新月まで  輝面比 月齢
  1月28日(火) 06:01 06:44 5.5°   38時間52分 0.0319 28.2
  2月27日(木) 05:50 06:11 2.9°   27時間34分 0.0181 28.6
  3月28日(金) 04:41 05:27 7.4°   38時間31分 0.0376 28.1
  4月27日(日) 04:02 04:44 7.1°   23時間47分 0.0151 28.7
  5月26日(月) 03:03 04:17 12.4°  31時間45分 0.0265 28.3
  6月24日(火) 02:22 04:13 17.9°  39時間19分 0.0382 28.0
  7月24日(木) 03:16 04:31 11.3°  23時間40分 0.0124 28.7
  8月22日(金) 03:24 04:56 15.5°  34時間11分 0.0229 28.3
  9月21日(日) 04:30 05:22  8.9°  23時間32分 0.0096 28.9
  10月20日(月) 04:24 05:49 14.8°  39時間36分 0.0250 28.3
  11月19日(水) 05:18 06:21 9.5°  33時間26分 0.0173 28.6
  12月19日(金) 06:12 06:47 4.4°  27時間56分 0.0124 28.8
 
 ふむ、細い月ランキングを見ると、9月21日(輝面比0.96%)以外は輝面比が1%を超えているので2025年は2024年に引き続き究極に細い有明の月を見る機会は少ないようですね。

〈2025年細い有明の月ランキング〉
 第1位 9月21日(日)輝面比0.96% 新月23時間32分前(日出時刻)太陽離角 10°21′
 第2位 7月24日(木)輝面比1.24% 新月23時間40分前(日出時刻)太陽離角 12°36′
 第3位 4月27日(日)輝面比1.51% 新月23時間47分前(日出時刻)太陽離角 13°41′
 第4位 11月19日(水)輝面比1.73% 新月33時間26分前(日出時刻)太陽離角 15°02′
 第5位 2月27日(木)輝面比1.81% 新月27時間34分前(日出時刻)太陽離角 15°27′
 第6位 8月22日(金)輝面比2.29% 新月34時間11分前(日出時刻)太陽離角 16°46′
 第7位 10月20日(月)輝面比2.50% 新月39時間36分前(日出時刻)太陽離角 17°30′

〈2025年撮影条件良い順ランキング・有明の月編〉
 第1位 6月24日(土)月齢28.0 輝面比3.82% 日の出30分前の月高度 12.7°
 第2位 8月22日(金)月齢28.3 輝面比2.29% 日の出30分前の月高度 10.0° 
 第3位 10月20日(月)月齢28.3 輝面比2.50% 日の出30分前の月高度 9.4° 
 第4位 5月26日(月)月齢28.3 輝面比2.65% 日の出30分前の月高度 6.9°
 第5位 7月24日(木)月齢28.7 輝面比1.24% 日の出30分前の月高度 6.3° 
 第6位 11月19日(水)月齢28.6 輝面比1.73% 日の出30分前の月高度 4.7°
 第7位 9月21日(日)月齢28.9 輝面比0.96% 日の出30分前の月高度 3.3°  
 第8位 3月28日(金)月齢28.1 輝面比3.76% 日の出30分前の月高度 1.7° 
 第9位 4月27日(日)月齢28.7 輝面比1.51% 日の出30分前の月高度 1.4° 
 第10位 1月28日(火)月齢28.2 輝面比3.19% 日の出30分前の月高度 1.2° 
 第11位 12月19日(金)月齢28.8 輝面比1.24% 日の出30分前の月高度 0.0°
 第12位 2月27日(木)月齢28.6 輝面比1.81% 日の出30分前の月高度 -2.3° 

 上記ランキングを見ると2025年で最も細い有明の月である「9月21日 月齢28.9 輝面比0.96%」は撮影条件ランキングでは第7位になります。ウオッチングするには条件的にはキビシイですが季節が秋なので空の透明度がよければ撮影は十分可能かと思います。

 オススメとしては、7月24日(月齢28.3、輝面比1.24%)と11月19日(月齢28.6、輝面比1.73%)の月(撮影条件良い順ランキングでは第5位と第6位)が比較的条件が良くて輝面比も1%(ランキングでは第2位と第4位)と細いのでウオッチングには最適かなと思います。

↓ これまでに撮影した有明けの月アーカイブ

月齢28.7 輝面比0.80% (新月21時間18分前)撮影高度1.5°(日の出36分前)

2023.10.14 5:07:53 SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO2000   f7.1  1/100sec


月齢28.4 輝面比0.01 (新月24時間39分前)撮影高度8°(日の出29分前)

2021.11.4 5:36:41 SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO2000   f7.1  1/160sec


月齢28.5 輝面比0.01 (新月25時間33分前)撮影高度4°(日の出33分前)

2022.9.25 4:52:45 SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO1000   f9  1/40sec


月齢28.4 輝面比0.02(新月27時間21分前)撮影高度8°(日の出33分前)

2013.12.2 6:01:21 BORG60 Powermate2× ISO400 1/2sec


月齢28.4 輝面比0.02(新月28時間18分前)撮影高度4°(日の出40分前)

2016.1.9 6:13:40 BORG60 Powermate2× ISO800 1/5sec


月齢28.1 輝面比0.03(新月40時間33分前)撮影高度12°(日の出26分前)

2020.11.4 5:50:34 BORG60 Powermate2× ISO640 1/20sec



2025年に見える細~い月(月齢1)

2024年12月01日 | 「見たい天体現象」
12月になりました~。ということで今年も「来年みたい天体現象シリーズ」スタートです!
 で、第1弾は毎年おなじみ「2025年に見える細~い月(月齢1)」で~す。

 さっそく、2025年「月齢1前後の超スリムなお月さまが見える日データ」を見てみましょう。来年の新月翌日の日没時刻(仙台市)・日没時月齢・日没時月高度は次のとおりです。

2025年新月翌日   日没時刻  日没時月齢  日没時月高度   月没時刻   輝面比
 1月 1日(水) 16時28分  1.2    8.7°   17時32分  0.02(2.18%)
 1月30日(木) 16時57分  0.8    6.2°   17時39分  0.01(0.84%) 
 3月 1日(土) 17時30分  1.1   15.4°   18時58分  0.02(2.49%) 
 3月30日(日) 17時59分  0.7   11.0°   19時03分  0.01(1.28%)
 4月29日(火) 18時27分  1.3   20.6°   20時33分  0.04(3.80%) 
 5月28日(水) 18時52分  1.0   15.8°   20時34分  0.02(2.44%)
 6月26日(木) 19時05分  0.7   10.4°   20時13分  0.01(1.32%)
 7月26日(土) 18時53分  1.3   11.3°   19時58分  0.03(3.10%)
 8月24日(日) 18時19分  0.9    4.9°   18時49分  0.01(1.38%) 
 9月23日(火) 17時33分  1.3    3.8°   17時58分  0.02(2.23%)
10月22日(水) 16時50分  0.8    -0.8°   16時50分  0.01(0.59%)
11月21日(金) 16時21分  1.0    0.6°   16時31分  0.01(0.94%)
12月21日(日) 16時20分  1.1    5.2°   17時02分  0.01(1.42%)

 ふむ、月齢1.0未満の月を見る機会が5回もありますね~。しか~し、この表だけでは実際に見えるのかどうか分からないので今年もランキングを作成してみました。

〈2025年新月の翌日に見える細い月ランキング〉*観望不可日は除いてあります。
 第1位 1月30日(木)輝面比0.84% 月齢0.81 新月19時間21分後(日没時刻)太陽離角 10°11′
 第2位 3月30日(日)輝面比1.28% 月齢0.92 新月22時間01分後(日没時刻)太陽離角 12°10′
 第3位 6月26日(木)輝面比1.32% 月齢0.98 新月23時間33分後(日没時刻)太陽離角 13°04′
 第4位 8月24日(日)輝面比1.38% 月齢1.13 新月27時間12分後(日没時刻)太陽離角 13°01′
 第5位 12月21日(日)輝面比1.69% 月齢1.35 新月29時間07分後(日没時刻)太陽離角 13°54′

〈2025年撮影条件良い順ランキング・新月翌日編〉
 第1位 4月29日(火)月齢1.57 輝面比3.80% 日没20分後の月高度 17°06′
 第2位 5月28日(水)月齢1.28 輝面比2.44% 日没20分後の月高度 12°40′
 第3位 3月1日(土)月齢1.34 輝面比2.54% 日没20分後の月高度 11°80′
 第4位 7月26日(土)月齢1.61 輝面比3.10% 日没20分後の月高度 7°58′
 第5位 3月30日(日)月齢0.92 輝面比1.28% 日没20分後の月高度 7°37′
 第6位 6月26日(木)月齢0.98 輝面比1.32% 日没20分後の月高度 7°08′
 第7位 1月1日(水)月齢1.38 輝面比2.18% 日没20分後の月高度 5°94′
 第8位 1月30日(日)月齢0.81 輝面比0.84% 日没20分後の月高度 2°94′
 第9位 12月21日(日)月齢1.23 輝面比1.42% 日没20分後の月高度 2°42′
 第10位 8月24日(日)月齢1.13 輝面比1.38% 日没20分後の月高度 1°13′

 細い月ランキング1位の1月30日は撮影条件ランキングでは第8位なのでちょっとキビシイですね。となると2025年は究極に細い二日月を見るチャンスは3月30日と6月26日ですかね~。

 3月1日は輝面比が0.02なので究極に細いというわけではありませんが二日月と水星・海王星が接近するので必見です。翌月、4月29日はこれまた二日月(輝面比0.04)とプレアデス星団が大接近するのでこちらも見逃せませんね~。

〈新月の翌日に見えた細月アーカイブ〉
↓今年は3月11日に24時間0分後の月(月齢1.0)の撮影に成功したのでアーカイブを更新してます。

新月から21時間17分後の月(月齢0.9)撮影時高度 3.1°(日没14分後)日没時月高度9.2°

2010年4月15日 18時46分  f100mm F6.0 D50 ISO800 1/4(トリミング)

新月から24時間0分後の月(月齢1.0)撮影時高度7.0°(日没19分後)日没時高度11.2° NEW
2024年3月11日 18時00分 D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f400mm ISO640 F6 1/20sec


新月から25時間14分後の月(月齢1.0)撮影時高度 3.0°(日没40分後)日没時月高度9.4°

2016年12月30日 17時06分  SE200N 直焦点 D90 ISO400 1/13

新月から25時間29分後の月(月齢1.0)撮影時高度 2.6°(日没32分後)日没時月高度7.6°

2022年8月28日 18時46分 D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f550mm ISO1250 F9 1/40sec

新月から27時間12分後の月(月齢1.1)撮影時高度 3.0°(日没35分後)日没時月高度10.2°

2022年4月2日 18時36分 D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO1250 F8 1/10sec

新月から29時間53分後の月(月齢1.2)撮影時高度 7.0°(日没26分後)日没時月高度11.6°

2023年6月19日 19時30分 D810A SIGMA150-600mm f5-6.3 f600mm ISO400 F7.1 1/10sec

新月から31時間13分後の月(月齢1.3)撮影時高度 9.5°(日没21分後)日没時月高度13.5°

2009年2月26日17時48分 SE200N 直焦点 D70 ISO200 1/10

真上に見える満月(2024年12月15日)

2024年11月01日 | 「見たい天体現象」
 早いもので今年のカレンダーも残りがあと2枚となりました~。

 この時期になると来年の天体現象が気になってそわそわしてきますよね。晴れスタ恒例の「今年もやります!2025年見たい天体現象シリーズ」は現在絶賛編集中ですが、その過程で今年見なければならない緊急案件を発見したのでご紹介しま~す。

 それは… ジャジャ~ン、「真上に見える満月」です! このことについては2008年11月15日のブログ「真上に見える月」で紹介しているように18.6年周期で満月の高度(赤緯)がMAXになるので次回は2026年と思っていたのですが…

 なんと、満月の高度(赤緯)がMAXになるのは2024年(今年です!)12月15日でした~。こ~れは見逃せません。これを見逃すと次は2043年の12月になってしまいます。

 で、気になる満月の高度ですが、仙台では12月15日23時45分に高度が80.0°になります。わぉ!

 2023年~2026年は12月の満月の南中高度がいずれも高くなりますが、国立天文台>こよみの計算で調べたところ仙台では、2023年が79.3°で、2024年が80.0°で、2025年は79.7°、2026年が79.2°でした。

 なぜ、18.6年周期で満月時の高度がMAXになるかについては、国立天文台のトピックス「月の最北と最南」に詳しく載っていますので、知りたい方はそちらをご覧くださ~い。(^^ゞ

 12月15日23時45分の仙台での満月高度は80.0°ですが、満月高度は観望場所で変わるので、東京では仙台より高い82.5°になります。となると日本国内で12月15日に満月の高度が90.0°になる場所があるのか気になりますよね~。

 で、調べました。晴れスタ-スタッフが総力をあげて調べたところ、かなり限定的で、せま~い範囲ですが見つかりました!それは、奄美大島の奄美空港の南西、奄美パーク~明神崎展望台のエリアです。

このエリアでは12月15日の24時32分(12月16日0時32分)に満月の高度が90.0°になります。


この場所でこの時間に天頂を見上げると、まさに真上に満月があります。

 満月はとても明るいので夜でも影踏みができるほどの影がはっきり見えますが、満月の高度が90°になった時に天頂から降り注ぐ明るい月光を浴びると影は消えて無くなるはずです。

 自分の影ができない満月の夜を体験してみたいですね~。仙台は満月高度80°なのでとっても短い影ができます。超難易度の高い影踏みができそうですね。(笑)
 仙台では短くなった影を見て満月の高さを体感することにしましょう。

2024年 見たい天体現象「突発出現が期待される流星群」☆彡

2024年01月07日 | 「見たい天体現象」
2024年の見たい天体現象シリーズ第6弾は「突発出現が期待される流星群」です。

↑ おうし座を貫くふたご座流星群  2022年12月14日23時52分撮影 NIKON D810A f28mm ISO1600 F2.8 8sec

 2024年の満月は1月~6月が下旬に、7月以降は中旬が満月になるので、10月オリオン座群、11月しし座群、12月ふたご座群が月明かりの影響を受けます。そのためメジャー群で条件が「最良」となるのは8月ペルセ群、9月ペルセε群、おうし座南群の3つですが、条件が「最良」のマイナー流星群や「突発出現」予報が出ている流星群があるのでご紹介しま~す。

(注:下記の流星群は天文年鑑「2024年の流星」等を参考にしてありますが、あくまでも晴れスター的独自選考なので全てを網羅したものではありません。)

エントリーナンバー1番
・ともざ座π群(マイナー流星群)4月23日 21時(HR=1、月齢14、条件:最悪)
*南半球での観測だが母天体(26P/グリッグ・シェレラップ周期彗星)の近日点通過直前・直後に当たる1977年・1982年に突発出現があったため、2023年12月25日に近日点を通過した直後となる2024年は活動状況に変化があるのではと期待されている。流星速度が18km/sの超低速流星が出現するか注目したいところだが月齢14であることと仙台では放射点(赤経110° 赤緯-45° )が日没30分後に沈むので観望は難しい。

エントリーナンバー2番
・みずがめ座η群(メジャー流星群)5月6日 06時(HR=15、月齢27、条件:最良)
*2024年は12年周期の活動期に当たるため出現数が多くなるのではと期待されている。5月8日が新月のため条件は最良、5月3日14時~17時台にダストトレイルと接近する予報が出ていることとみずがめ座η群のピークは高原状であることからゴールデンウイーク期間中は注目したいところだ。極大日の5月6日01時~03時に母天体である1P/ハレー彗星のかけらが秒速66kmの高速で地球に降り注ぐすばらしい星景が見られることを期待したい。

エントリーナンバー3番
・こと座η群(マイナー流星群)5月10日未明(HR=5、月齢2、条件:最良)
*こと座η群は出現数がHR=3で突発出現が観測されたこともないマイナー流星群だが、明るい流星が多く火球クラスも期待できるため条件「最良」の2024年は注目したい。母天体(C/1983H1 アイラス・荒貴・オルコック彗星)が1983年5月に0.0312AUまで地球に接近した時の観測で公転周期は959年、核の大きさは1P/Halleyに匹敵する16.0×7.1×7.0km、長さ200,000kmのダスト・トレイルが核の前後に伸びていることが確認されている。極大日時は5月10日13時、輻射点が天頂に位置する10日未明は要注目だ。

エントリーナンバー4番
・きりん座群(突発出現群)5月24日02時台(HR=突発出現のため不明、月齢16、条件:最悪)
*5月24日が満月なので条件としては最悪だが母天体(209P/LINER周期彗星)より生成・放出したダストトレイルが5月23日03時台から24日02時台にかけて接近する予報が出ているので注目したい。とくに1979年・1984年回帰時のダストトレイルが接近する24日02時台は複数の研究者が予報を出しているので期待が持てる。月明かりはあるが2023年に引き続いて天の北極からゆっくりと流れるまぼろしのきりん座群を目撃する千載一遇のチャンスなので観望する価値は十分にある。

エントリーナンバー5番
・ペルセウス座群(三大流星群) 8月12日23時(HR=60、月齢8、条件:良)
*2024年の極大日8月12日は上弦前日だが月が沈む22時以降は条件が「最良」となるので大いに期待したい。12日の13~20時台には母天体(109P/スイフト・タットル周期彗星)が1300年以上前の回帰時に生成・放出したダストトレイルと接近する予報が出ているので月明かりはあるが日没後の東空にも注目したい。2021年の極大後に現れた突発出現に相当する日時は2024年では8月13日11時台になる。ペルセ群は極大後に明るい流星が増加する傾向があるので13日夕刻から14日未明の活動にも注意が必要だ。

エントリーナンバー6番
・9月ペルセウス座ε群(メジャー流星群)9月9日夜半~未明(HR=7、月齢6、条件:最良)
*9月ペルセウス座ε群は8月ペルセ群と似た性質の高速流星(64km/s)だが輻射点は8月ペルセ群とはやや離れたアルゴルβ星付近となっている。出現数はHR=7程度と多くはないが2008年と2013年に継続時間が4時間と短時間ではあったがZHR30程度の出現があった。2024年は月明かりのない絶好の条件なので9日夜から10未明にかけて明るい火球を含むHR=7~10の出現数に達するのではと期待されている。

エントリーナンバー7番
・10月りゅう座群(メジャー流星群)10月8日22時(HR=3、月齢5、条件:良)
*来年3月に母天体(21P/ジャコビニ・チンナー周期彗星)が回帰するので前年となる2024年は出現状況に変化があるか確認しておきたいところだ。19世紀半ばに回帰した際に生成・放出されたダストトレイルと10月8日15時台に接近する予報が出ているので日没直後の西空にも注目したい。

エントリーナンバー8番
・しし座群(メジャー流星群)11月17日21時(HR=15、月齢16、条件:最悪)
*極大日が満月の翌日なので期待できることは何も無いが、母天体(55P/テンペル・タットル周期彗星)の回帰が7年後と近づいてきたので規模の大きい火球が出現することを期待したい。極大は17日21時だが15日01時台と20日08時~09時台にダストトレイルとの接近予報がでているので15日と20日の未明にも注目したい。

エントリーナンバー9番
・ほうおう座群(突発出現群)11月17日22時台(HR=?、月齢16、条件:最悪)
*うお座との境界に近いくじら座西部を活動域とする突発出現群であるが2024年は母天体(289P/ブランペイン周期彗星)のダストトレイルと接近する予報が複数あるので注目したい。日本で観測できるダストトレイルとの接近は11月17日22時台(1861年に生成・放出されたダストトレイル)だが、しし座群とほぼ同時刻なので月明かりはあるが合わせて観望したいところだ。

 以上、来年ぜひ見てみたい流星群の紹介でした。

2024年見たい天体現象「月面 X」

2023年12月29日 | 「見たい天体現象」
2024年見たい天体現象の第5弾は「やっぱり気になる月面 X 」です。

 来年の月面Xは、ピーク時刻に月が地平線上に出ている回数は7回ほどありますが、好条件(夜間でピーク時の月高度が高い)は1回だけのようです。

・夜間で条件良く見られる日→1回(1月18日)
・夜間だけど高度が低い日→4回(3月17日、5月15日、7月13日、9月10日)
・ピーク時刻が日没前の日→2回(4月16日、12月8日)

月面Xのピーク日時   高度  日没  方位  b値
◎ 1月18日(木)19時11分  57° 16:43 南南西   -1.51°            
× 2月17日(土) 9時39分   -8°  17:17    
◎ 3月17日(日)23時18分  25° 17:46 西北西   -0.52°       
Δ 4月16日(火)12時07分  13° 18:15 東北東   +0.30°      
Δ 5月15日(水)23時59分   9° 18:42  西    +1.82°        
× 6月14日(金)11時15分  -2°  19:02        
Δ 7月13日(土)22時19分   5° 19:01 西南西   +1.54°     
× 8月12日(月) 9時14分  -30° 18:35          
Δ 9月10日(火)20時47分   2° 17:53  南西   +0.56°                
× 10月10日(木)9時11分  -37° 17:07    
× 11月8日(月)22時28分  -6°  16:31  
Δ 12月8日(日)12時41分  9° 16:17 東南東   -1.45°    
(注:上記日時はあくまでも晴れスター的独自予報です。) b値:月面上で太陽が真上から照らす地点の月面緯度

 上記データを見ると1月18日と3月17日以外は月高度が低いので観望は難しいようです。しか~し、高度が低くても空の透明度が良ければ撮影は可なのでチャレンジしてみることにしましょう。

 1月18日の月面Xは夜間としては2年ぶり(2022年12月30日以来)なので必見です。しかも、この日は月の東5°のところで木星が輝いているので、月と木星のプチ接近も見られます。

 近くに木星がいるのなら…ということで、晴れスタ撮影班が「同倍率拡大撮影による木星と月面Xの大きさ比べ」イベントを計画していま~す。はたして結果はいかに? 乞うご期待!


 さて、こちらは毎度おなじみの今年撮影した月面Xフォト アーカイブです。
3月29日 14時41分撮影 撮影時高度48°(予想ピーク時刻 14時38分)〈photo

2023/3/29 14:41 miniBORG60n ASI290MC  Shutter=0.316ms Gain=190 (31%) 30sec

3月29日 15時35分撮影 撮影時高度58°(予想ピーク時刻の57分後)〈photo

2023/3/29 15:35 EVOSTAR80ED ASI290MC Shutter=0.616ms Gain=200 (33%) 60sec

3月29日 16時37分撮影 高度70°(予想ピークの2時間後)

µ210 ASI290MC Shutter=2.161ms Gain= 223 (37%) 60sec 〈photo

3月29日 16時51分撮影 高度72°(予想ピークの2時間13分後)

µ210 ASI174MM Shutter=1.593ms Gain= 190 (47%) 30sec 〈photo

11月20日 14時41分撮影 高度20°(予想ピークから32分後)(photo

2023/11/20 14:41 miniBORG60n ASI290MC  Shutter=0.559ms Gain=158 (28%) 13sec

11月20日14時53分撮影 高度21°(予想ピークから44分後)(photo

2023/11/20 14:53 EVOSTAR80ED ASI174MM Shutter=1.227ms Gain=89(22%) 31sec

 2023年はすべて青空の中での月面Xだったので久しぶりの夜間LunarXになる1月18日はいい天気になるといいですね。

2024年見たい天体現象「月と惑星の接近(5月~8月編)」

2023年12月23日 | 「見たい天体現象」
2024年見たい天体現象の第4弾は「月と惑星の接近(5月~8月編)」です。
今回も盛りだくさんなので、どうぞごゆるりとご覧くださ~い。


5月4日「二十六夜月と土星の接近」
 
 夜明け前の東の空で見えるようになった土星が二十六夜月と接近する。土星と月の離角は3°(サムアップした親指1.5本分)ほどである。この時期の白道は傾きが小さいので空が白み始める頃でも土星と月の高度は約15°と低い。環が細くなった土星を望遠鏡で観望するにはまだ厳しい条件だ。
撮影記録→photo photo photo


5月5日「有明の月と火星の接近」

 夜明け前の東空で有明の月と火星が接近する。火星と月の離角は約4°なので大接近と言えるほど近づいてはいないが、この11時間40分後には月が火星を覆い隠す「火星食」が起きる。火星が月縁に潜入する時刻が白昼(12時13分)なので光度1.1等の火星を見るには望遠鏡が必要だ。その前に肉眼で見ることができる夜明け前の接近は見ておきたいイベントだ。
撮影記録→photo photo photo


5月5日「白昼の火星食」

 こちらは仙台における火星食イベントデータである。現象時刻は地域によって違うので天文情報誌等を参考にしてほしい。この時の火星の視直径は4″8 と小さいが火星が全て隠れるまでは約10秒ほどかかる。その様子を望遠鏡で見たいところだが火星の光度が1.1等なので気象条件によっては見えないことがある。それ以前に輝面比0.12の月を青空で見つけることがかなり難しいことではある。


5月6日「二十八夜月と水星の接近」

 5月10日に2回目の西方最大離角を迎える水星と有明の月が接近する。水星の高度は日の出の時刻でも10°と低く、しかも光度は0.8等級なので水星と月の接近が見られる時間は水星出から20分程度だろう。水星はほぼ同じ高度で推移するので光度がマイナス等級になる5月下旬の方が観望には適している。


6月3日「有明の月と火星の接近」

 1か月前の火星食の時は夜明け前の離角が 4°だったが、今回はその半分の約 2°なので接近している様子を楽しめる近さだ。この時期の火星は南半球を地球に向けている。火星歴では12月の下旬頃、南半球は夏至を過ぎてダストストームが起こりやすい時期になっている。大砂嵐は発生しているのだろうか?2億7千万km彼方の火星にそんな思いを馳せて眺めてみるのもいいだろう。



6月5日「新月前日の月と木星、水星の競演」

 この日の月は「2024年細い有明の月ランキング」では第13位だが、「2024年撮影条件良い順ランキング・有明の月編」で第2位なので新月前日の月としては見つけやすい日と言える。さらにこちらがメインイベントとも言えるが、木星と水星が離角37′(満月1個分)で大接近する。両惑星とも高度は低く、日の出直前のため条件はキビシイがダメ元でも観望にチャレンジしたいイベントだ。
撮影記録→photo photo photo


6月6日 番外編「新月(月齢28.6)」

 こちらは「番外編 新月」の第2弾だ。日の出35分前の月高度が約1°と条件は悪いが、西に約5°ほど離れたところに-2等級の木星があるので月の位置を特定しやすい条件ではある。カメラで撮影した画像を天体ソフトで処理して浮かび上がるかチャレンジしてみたいイベントだ。


6月28日「下弦前日の月と土星の接近」

 この日の月と土星の離角は最接近時刻の23時17分で0.8°まで近づくのでかなりの接近と言える。土星の高度が高くなる2時00分頃には離角が1.5°と開いてくるが、注目したいポイントはこの日が2024年で土星の環の傾きが一番小さく(中央経度が2.39°に )なる日ということだ。天気が良ければ、高度が低い時に眼視で月と土星の接近を、高度が高くなった時に望遠鏡で串団子の土星を見ることができる。1日で2度楽しめる土星イベントデーになるだろう。
撮影記録→photo photo photo


7月3日「有明の月とプレアデス星団、木星、火星の競演」

 有明の月がプレアデス星団と接近する。月の下には木星、アルデバランが輝いていて、少し離れたところで火星も輝きを放っている。梅雨の最中なので見られるかはお天気次第だが梅雨の晴れ間は意外にキレイな星空が見えるのでお天気の神様の機嫌がいいことを願いたい。
撮影記録→photo photo photo photo


7月7日「二日月と水星、金星の接近」

 5月まで明けの明星として東の空に見えていた金星が6月4日の外合を過ぎて宵の明星として西の空で輝き始める。まだ日没後の高度は低いが月齢1.5の二日月と水星、金星の接近は見ておきたいイベントだ。マジックアワーの空で二日月と二つの内惑星が並ぶことはそうそうある事ではないのでお気に入りの場所で星景フォトとして記録しておきたい眺めだ。


7月8日「三日月と水星の接近」

 7月22日に今年2回目の東方最大離角を迎える水星が月齢2.5の三日月と接近する。2024年は夕方見える水星の観望好機が春分の頃と7月半ばだけなのでこれが三日月と接近する水星を見るラストチャンスとなる。3月11日の三日月と水星の接近は離角が15°だったが7月8日は離角が6°なのでキレイな眺めとなるだろう。地球照の見える三日月と水星のコラボを記録しておきたいイベントだ。


7月25日「月と土星の接近」

 これは「白昼の土星食」が見られる7月25日未明の土星と月の様子である。この時間の離角は約2°だが月出直後の7月24日22時頃の離角は約10°もある。月出直後と夜明け前の離角を比較することで月の公転速度を実感することができるだろう。土星が眼視で見えなくなる薄明時の離角は1.5°と離れているが、土星食が起きるのが早朝(6時30分頃)なので望遠鏡で土星を追尾したまま観望すると月への潜入を容易に見ることができるだろう。


7月25日「白昼の土星食」

 天文事象としては「白昼の土星食」だが月への潜入時刻が6時30分頃なので「早朝の土星食」と言った方がイメージしやすい。潜入時の月高度は約25°と低いが輝面比が大きいので青空の中で月を探す手間がないのはありがたい。土星の視直径は18″もあるので潜入・出現が完了するまで約40秒ほどかかる。その様子を連続撮影したいところだが時期的に梅雨末期か梅雨明けしてるかで天候状況は大きく変わる。早い梅雨明けになることを期待したい。


7月30日「有明の月とプレアデス星団、木星、火星、アルデバランの競演

  7月3日に引き続き7月30日もプレアデス星団と有明の月が接近する。時間の経過とともに月はプレアデス星団へと近づくので夜明け前には離角1°30′まで接近する。2024年はプレアデス星団と白道が重なっているので7月以降は毎月接近を見ることができる。12月14日未明にはプレアデス星団食(月齢13)もあるので楽しみだ。


7月31日「二十六夜月と木星、火星、アルデバランの競演」

 7月31日未明に二十六夜月と木星、火星が東の空でトライアングルを描く。近くでは火星とほぼ同じ明るさのアルデバランが輝いているのでその色と明るさの対比も楽しみたい。火星は日を追うごとに木星へと近づいていき、8月15日には離角18′まで接近する。こちらも見逃せないイベントだ。


8月5日「月齢1の月と金星の接近」

 8月5日の夕方に月齢1.0の月と金星が接近する。この日の月は「2024年新月の翌日に見える細い月ランキング」の第1位で「2024年撮影条件良い順ランキング・新月翌日編」では第4位と条件も悪くないので夕方見える月としては2024年で最も見たい細月だ。輝面比はわずかに0.86%である。日没30分後の月高度は1.2°と低いが東に6° 離れたところに-3.9等級の金星が輝いている。それを手がかりにすることで月の位置が特定できるので条件としては申し分ない。晴れスタ的には観望したい一推しのイベントだ。


8月6日「究極に細い三日月と金星の接近」

 月齢2.0(輝面比0.04)の三日月が日没直後の西空で金星と接近する。グラデーションがキレイな空に浮かぶ究極に細い三日月と金星が並んでいる様子はいつ見ても美しい。2024年の金星は6月までは明けの明星として、7月以降は宵の明星として輝くが11月まで高度が上がらないので見えている時間は少ない。意識しないと見逃しがちな金星なので接近イベントはぜひ見たいところだ。


8月28日「下弦翌々日の月と木星、火星の接近」

 7月31日と同じように東の空で月と木星、火星がトライアングルを描くが、よく見ると火星と木星の位置が逆転していることが分かる。8月15日の接近後は火星と木星は(見かけ上で)離れる動きをしており、このあと木星は急速に高度を上げるので観望がしやすくなる。2024年の木星の衝は12月8日になっている。

*上記のシミュレーション画像はステラナビゲーター11で作成しています。


2024年見たい天体現象「月と惑星の接近(1月~4月編)」

2023年12月01日 | 「見たい天体現象」
2024年見たい天体現象の第3弾は「月と惑星の接近」です。

 来年の「月と惑星の接近」をリストアップしたところ、見たいイベントが多かったので、
今年は「1月~4月編」「5月~8月編」「9月~12月編」の3回に分けてお送りしま~す。

 ではさっそく始めましょう! ヒアウイゴ~

1月9日「有明の月と水星、金星、アンタレスの競演」

 2024年の水星は東方最大離角が3回、西方最大離角が4回あるが、観望に適しているのは、1月初め(朝).春分の頃(夕).7月半ば(夕).9月初め(朝).12月末(朝)の5回と少ない。その最初の観望好機に有明の月、金星、アンタレスと近づくにぎやかな競演が見られる。月と水星の離角は13°なので接近と言えるほどではないがこの豪華な競演は見ておきたいイベントだ。→撮影記録 photo


1月10日「新月前日の月と水星、火星の接近」

 1月10日は新月前日の月と水星、火星が薄明の空でトライアングルを描く。新月前日だが輝面比が0.04あるので見つけるのは思ったほど難しくない。水星もマイナス等級なので問題ないが火星を眼視で見つけるのはほぼムリだろう。双眼鏡または撮影画像で検出できればラッキーと言ったところだ。2024年の火星は2025年1月の小接近(-1.4等)に向けて明るくなっていくのでその変化を楽しみたい。
→撮影記録 photo photo


1月14日「四日月と土星の接近」

 夕空の低い位置に見えている土星は徐々に高度を下げていき、3月1日の合を境に明け方の東の空で見えるようになる。夕方見える月と土星の接近は2月11日にもあるが、1月14日は薄明終了後の暗い空で見ることができるので四日月の地球照と土星が並んだ状態で撮影できるという意味では千載一遇のチャンスだ。→撮影記録 photo


2月8日「有明の月と金星、火星の接近」

 一見すると1月10日のトライアングルのデジャブだが、よく見ると頂点にあるのが水星ではなく金星であることに気付く。1月10日と同じ画角・露出で撮影すると水星と金星の明るさの違いが分かって面白い写真になるだろう。月の輝面比は0.06なので1月10日とそれほど変わらないが2月8日は新月前日ではなく2日前の月である。→撮影記録 曇りphoto 翌日撮影した金星・火星photo


2月9日「新月前日の月と水星の接近」

 月と水星の離角は4°(満月8個分、腕を伸ばしてサムアップした親指2本分)なのでなかなかの接近だが、この日の月は「2024年新月前日の月・撮影条件良い順ランキング」の第13位(ワースト1)なので撮影することはほぼムリだろう。なので撮影に成功した人はもれなく自己満足という悦に浸れるイベントではある。→撮影記録 確認できず photo photo


2月11日「二日月と土星の接近」

 夕空で見る機会としてはいよいよラストとなる土星が薄明中の空で二日月と接近する。月の輝面比は0.03だが薄明中なので数値以上に細く感じる。離角4°は接近距離としても絶妙なので星景写真としてはフォトジェニックな写真を撮影することができるだろう。土星は光度が1.0等なので派手さはないが薄明の空で並ぶ月と土星の接近は見ておきたいイベントだ。→撮影記録 photo photo


2月12日「三日月と海王星の接近」

 こちらは眼視で楽しむことはできないイベントだが、撮影することが難しい惑星・海王星を写真に収めると言う意味では大チャンスなのでぜひカメラを向けてみたいイベントだ。海王星の光度は7.9等だがデジカメ望遠レンズでも十分写る明るさである。離角は約50′(満月1.5個分)で近くには目印となるうお座の恒星もある。今後の会合を調べると三日月と海王星の接近は2050年4月23日まで見ることができない。しかもその時の離角は3°34′もあるので今回の接近は超レアな現象といえるだろう。
→撮影記録 photo


3月8日「有明の月と金星、火星の接近」

 図を見て分かるように月と金星・火星はかなり離れており、月と火星の離角が7°、金星との離角は13°もあるので接近とは言い難いイベントだが、高度が高くなって見やすくなった火星と低空で輝く金星のスリーショットを楽しみたい。光度1.2等級の火星はまだ小さいが低層の大気を通して見えるその姿は赤さを増してより火星らしく見えるだろう。その色も楽しみたい。


3月9日「新月前日の月と金星の接近」

 月と惑星の接近は数あれどやはり金星と月の接近は別格である。この日の離角は約4°、月が昇ってきたときにはすでに市民薄明になっているので輝面比0.04の月を探すのは容易ではない。金星のほぼ真下にあるので金星を目印にして月の出を待ちたいところだ。新月前日だが輝面比は0.04なので日出時刻までは眼視で見ることができるだろう。


3月11日「月齢1.0の月と水星の接近」

 3月11日の月齢1.0は「2024年新月の翌日に見える細い月ランキング」の第4位、「新月翌日の月・撮影条件良い順」では第2位にランキングされている2024年では大注目の月である。その月が西の夕空で高度を上げてきた水星(3月25日が東方最大離角)と接近する。この時の水星の光度は-1.3等もあるので月齢1.0を探す上での絶好の目印となる。晴れスター的には今年イチオシの見逃せないイベントである。
→撮影記録 photo photo

3月12日「究極に細い三日月と水星、木星の競演」

 水星との離角が15°で木星とは23°も離れているのでやや間延びした感はあるが、三日月としては究極に細い月(輝面比0.06)が水星と木星の間に位置する様子はフォトジェニックでこちらも見逃せないイベントである。


3月14日「五日月と天王星の接近」

 2022年の皆既月食中の天王星食が記憶に新しいので月と天王星の離角が3°もある今回の接近は有り難みを感じないイベントではあるが、天王星を見る機会として五日月のそばで輝く天王星をぜひ眺めてみたい。


4月6日「有明の月と火星、土星の接近」

 4月6日は東の空に回ってきた土星と火星、二十八夜月の接近が見られる。月と火星の離角は6°(サムアップ親指3本分)、月と土星の離角が9°(サムアップ親指4本分)とやや離れているが6日と7日の二日連続で見られる土星、火星との競演を楽しみたい。高度が低いので望遠鏡で土星・火星を見るのは難しいが、見ることができれば土星は細くなった環が、火星は輝面比0.95のやや欠けた形で南半球を地球に向けている様子が確認できる。


4月7日「新月2日前の月と火星、土星の競演」

 月が昇ってきたときには薄明が進んでいるので眼視で火星を見ることは難しい。カメラでは捉えることができるので細月と火星、土星の競演をぜひ写真に収めたいところだ。4時40分を過ぎると金星も昇ってくるので条件が良ければ金星-月-土星のスリーショットを撮影することができるだろう。


4月8日「新月前日の月と金星の接近」

 こちらはかなりチャレンジングなイベントである。この日の月は「2024年細い有明の月ランキング」の第3位(輝面比1.25%)で「撮影条件ランキング」が第11位なので眼視での観望は不可だが金星の位置を目印にするとおよその月の位置が分かる。画像処理をすれば輝面比0.01の月と金星は抽出できるので天気が良ければチャレンジしたいイベントである。


4月9日 番外編 「新月(月齢0.64)」

 こちらは月と惑星の接近ではないが番外編として見ていただきたい。4月9日は新月であるが日没時の月高度が6.5°で、日没30分後でも地平線に沈むことなく高度は1°である。これまでの経験で月齢1前後の月は日没30分後にカメラが捉えているので新月ではあるがひょっとしたらという感がある。もっとも輝面比が0.6%なので月の輝いている部分をカメラが捉える可能性は限りなく少ないが、月がそこに存在していることは確かなのでぜひチャレンジしたいイベントだ。


4月10日「二日月と木星、天王星、12Pポン・ブルックス彗星の接近」

 こちらは2024年の注目イベントのひとつだ。肉眼彗星になると予報されている12P/ポン・ブルックス彗星が月齢1.7の二日月と木星の間に入る。薄明が終了して空が暗くなった時の彗星高度が4°もあるので条件良く見られると期待したいところだが、12Pの位置が太陽をはさんだムコウガワなので残念ながら尾が長く見えることはない。それでも月と惑星の接近と肉眼彗星のコラボは超レアな現象なので大いに期待したい。→撮影記録 photo photo


4月11日「三日月とプレアデス星団、木星、12Pポン・ブルックス彗星の競演」

 4月11日は三日月とプレアデス星団が接近する。下方では木星と12Pが昨日に引き続いて接近しているのでこの豪華な天文ショーをぜひ楽しみたい。肉眼では見えないが木星の上では天王星も輝いているのでとても贅沢なイベントである。ぜひ春霞のないクリアな空で見たいところだ。

 *上記のシミュレーション画像はステラナビゲーター11で作成しています。