晴れ時々スターウォッチング

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X線天文衛星「ひとみ」(ASTRO-H)

2017年03月11日 | 宇宙開発
2016年2月17日に打上げ後、制御不能となったX線天文衛星「ひとみ」…

現在も、不規則回転をしながら軌道上を周回していますが、その様子が
仙台でも観測できるようなのでチャレンジしてみました。

(本日のイベントデータ)
Appears 18h37m27s 8.9mag az:244.4° WSW horizon
at Meridian 18h43m27s 4.6mag az:180.0° S h:28.6°
Culmination 18h43m42s 4.5mag az:173.3° S h:28.8°
distance: 1054.2km height above Earth: 569.5km elevation of Sun: -13°
angular velocity: 0.42°/s
Disappears 18h45m58s 4.8mag az:126.8° SE h:18.2°

ふ~むふむ、真南を通過する時間は…18時43分27秒ですね。
光度は、最大で4.5等級、薄明終了30分前で満月前夜…

こ~れは、かなり厳しいですね~。

で、本日の観測計画です。
撮影は、得意の待ち伏せ作戦です。方位:真南、高度:28度付近を
ターゲットとして、ISO1600で5秒露出の連続撮影です。

撮影はデジカメにお任せして、あとはひたすら双眼鏡で探すことにしましょう。

本日の空模様はこんな感じ 星座線入りの写真はこちら→PHOTO

2017.3.11 18:39:59 NIKON D90 F6.3 f38mm ISO800 5sec

時刻はまもなく18時42分になります。カメラの連続撮影をスタートさせましょう。
ASTRO-Xは、総重量が約2.7トン、望遠鏡伸展後の全長は14mのかなり大きな衛星です。

異常回転後は遠心力で太陽電池パネルと伸展式光学ベンチが外れた状態で飛行している
ようですが、どのように見えるのでしょう? そもそも双眼鏡で見えるのでしょうか。

…などと考えながら、真南に向けた双眼鏡を西へ移動させた瞬間、視界に明滅する光点が
飛び込んできました。わゎ、なんだこれは…? フラッシュのように強く輝いて…しかもカラフルです。

オレンジ色というか、深紅といったらいいのか、複数の色が混じっているような…。
1秒弱の間隔で3回強く光って、4回目が暗く光る…のパターンで規則的に明滅しています。

明滅は衛星の回転によるものだとすると、かなりの高速回転をしていることになります。

フラッシュ光が強かったので、楽に写るかと思いきや…

2017.3.11 18:43:13 NIKON D90 F5.1 f60mm ISO800 5sec

月明かりに阻まれ、かろうじて写っている…といった感じです。

2017.3.11 18:43:18 NIKON D90 F5.1 f60mm ISO800 5sec

真南を通過! 時刻も高度も予測とぴったり一致です。

2017.3.11 18:43:24 NIKON D90 F5.1 f60mm ISO800 5sec

こちらは上記写真のトリミング拡大図


本日の最大光度は4.5等級…、冷静に考えるとかなり厳しいはずです。

2017.3.11 18:43:29 NIKON D90 F5.1 f60mm ISO800 5sec

光害のない場所で、新月期に見れば肉眼でも十分見えるはず…。

2017.3.11 18:43:34 NIKON D90 F5.1 f60mm ISO800 5sec

衛星の軌道高度は570kmですが、その後の動向が気になります。

2017.3.11 18:43:39 NIKON D90 F5.1 f60mm ISO800 5sec

ASTRO-Xは、明日も、ほぼ同じ時刻を同じ条件で飛行するようです。