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晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

ついに発見!スーダン隕石!!

2009年03月28日 | 隕石・小惑星
ふひゃ~、ついに発見されました!快挙です!!!
なんと人類はついに小惑星2008TC3の実物を手にしたので~す。
以下Technobahnサイエンスの記事…

「史上初の快挙、小惑星「2008 TC3」のサンプル回収に成功」
【Technobahn 2009/3/27 09:37】 「- 昨年10月6日に発見され、翌日の10月7日に北アフリカスーダン上空で大気圏に突入し空中爆発を起こした小惑星「2008 TC3」の探索プロジェクトの結果、この小惑星の破片の回収に成功していたことが26日、英科学雑誌「ネイチャー」に掲載された論文によって明らかとなった。

 この快挙に成功したのは、NASAのエイムズリサーチセンターのピーター・ジェニスケンズ(Peter Jenniskens)博士を中心とする研究グループ。
 研究グループでは、「2008 TC3」が発見当初からこの小惑星の軌道コースを精密に分析して追跡調査する作業を実施。小惑星は当初、スーダン上空で空中爆発を起こしたことが報告されていたが、改めて地元の学生を動員することによって小惑星が空中爆発を起こしたスーダンの砂漠地帯で小惑星の破片が落下していないか大捜索活動を敢行。その上で遂に、重さ8.7ポンド(約3.9キロ)の小惑星の欠片を回収することに成功した。
 隕石自体はそれほど珍しい存在ではないが、具体的な識別名称が付けられた小惑星を地上で回収することは今回が史上初の出来事となり、天文学界ではこの隕石を詳しく調べることにより小惑星や太陽圏の起源に迫ることができるのではないかと、この快挙に沸いている。」

〈管理人補足説明)
本来、小惑星番号が付けられた小惑星を手にするためには「はやぶさ」のようにサンプルリターンミッションでしか実現できないことです。それを今回は大気圏突入というプロセスを通していますが実現したことになるのですから驚きです。
さあ、それでは発見時の様子や発見された隕石について詳しく紹介していきましょう。

ASIMAのWebに詳しい記事が載っていました。
The proposed ASteroid IMpact Analyzer (ASIMA) のMission statement より
「3月26日 - ネイチャー誌の3月26日の号で、小惑星2008のTC3の隕石がPhysicsハルツーム大学のSciencesの学部省のMauwia Shaddad博士によって導かれる検索探検において多数発見されたと報告されました。」

「SETI研究所の大気現象天文学者ピーター・ジェニスケンズ博士とカリフォルニアのNASAエームズリサーチセンターのを中心とするチームは2008年12月6~8日に小惑星が突入した地面軌道に沿って捜査を行った。」

目証言インタビューから大きな隕石は落下しなかったことが分かったので、小さな断片が落ちた地域を探索することにしたそうです。

こちらがその目撃者のアブドルさん…、6番駅の駅係員です。
上の地図を見ると6番駅は100g程度の隕石が落ちたすぐ近くにあります。

アブドルさん談「最初の爆発の明るい光で起こされて体を起こして空を見ると、
あのあたりに短い火の玉が次々と弱くなって落ちていくのが見えた。その少し後に
ドードードードー…と雷鳴のようなものすごい音が聞こえたのじゃ。」


こちらは、砂漠を徹底捜索するために1キロメートルに沿って一列に並べられた学生、ごくろうさまです…。


こちらが最初に発見された隕石(現在「Almahata Sitta」と呼ばれている)
2008年2月6日に捜索開始わずか2時間後に見つかったそうです。
手にしている人が第一発見者の学生モハメッドAlameenさん。


こちらはピーター・ジェニスケンズ博士が発見した隕石、
隕石は落下の衝撃で2つに割れています。
2009年12月28日の3回目の捜索時に発見。


スタックしたバスを押している様子の写真ですが、
座っている学生に注目してください。小さな隕石が見えます。
隕石を発見した学生は記録係が来るまでその場でじっと
待たなければならなかったそうです。


こちらはピーター・ジェニスケンズ博士が発見した2個目の隕石

2008年12月5日から8日にかけて行われた最初の捜索では
総重量563グラムになる15個の隕石を発見。
そして、2回目の捜索となる12月25日から30日の捜索では、
総重量3.95kgに達する47個の隕石を発見できたそうです。
隕石の大きさは最小が1.5g、最大のものは283gであった。

こちらが発見されたおもな隕石の写真

隕石の説明
a №7(直径1cm)非常にフレッシュな状態の内部が見える隕石
b №15(直径4cm)大気圏突入による円錐形の形が良く残る隕石
c №4(14g)落下の衝撃で割れている隕石。内部の暗い部分がよく見えている
d №14(237g)大気圏突入の衝撃で割れたところの表面にミリサイズの球状物質がたくさん見える隕石
e №5(10,9g)全てが溶融表皮で覆われている隕石
f №16(直径10cm)

関連ブログ
「小惑星2008TC3」 → blog
「小惑星2008TC3 その後…」 → blog


ISS写真の解像度アップ作戦!

2009年03月24日 | ISS(国際宇宙ステーション)
ISSの写真を天体画像処理ソフトで処理すると
どこまで解像度があがるのだろうか…、試してみました。

使用したソフトは天体写真に特化したグラフィックソフト
「ステライメージVer6」です。

左が撮影したときの元画像…、全体的にもやもやしています。
そして、右が画像処理したもの、ラジエターパネルがはっきり見えるように
なっています。ラジエターパネルは縦8枚×横3枚の合計24枚です。

画像処理の方法ですが、今回は2つの方法を試みました。
ひとつは、マルチバンドシャープ処理をする方法。
もう一つは、最大エントロピー法で画像を復元して標準シャープ処理をする方法。
基本的にはどちらもシャープ処理をして輪郭を強調しているだけです。
今回の写真は後者の方法で処理したものです。

画像処理の詳細はまたの機会ということにしますが、数値を何度も調整して
細かい模様が見えるまでトライ&エラーを繰り返すことが必要です。

さて、いくら画像処理を極めても写っているものには限界があります。
そこで、何メートル位まで認識できているのか、調べてみました。


ISSの居住区の直径はだいたい4.5m前後です。この写真からは
2mくらいのものまではかろうじて判別できそうな気がします。

望遠鏡の分解能から計算すると理論上は、高度350kmを通過するとして
口径20cmの望遠鏡では…、約1mまで判別可能となります。
口径30cmでは、67cmのものまで写るという計算になります。
(あくまで理論値ですが)

実際は大気の揺らぎがあるので実質の分解能は低下します。それでも高さが約2mの船外活動中の宇宙飛行士は条件さえ良ければ写すことが可能というわけです。

その条件とは頭上をISSが最良の条件で通過すること、そしてそのときに宇宙飛行士が地上から見えやすい位置で船外活動を行っているということです。

いくら何でも、それは無理だろうと思っていたら、撮った人がいました。
ISSオブザーバーとしては世界第一人者のラルフ・バンデバーグさんです。


P3トラスで活動中のアストロノーツがはっきり写っています。

すごいですね~。これは驚きです。詳しくはこちらのWEBページで。WEB

若田さん長期宇宙滞在1日目

2009年03月18日 | ISS(国際宇宙ステーション)
長期宇宙滞在1日目の若田さんが乗る
ISSを撮影することができました。

3月18日19時27分10秒撮影
AF Nikkor 28mm F2.8 10秒露出(トリミング)

この写真が撮影された時刻は19時27分、
今日の午前8時9分(日本時間)にISSに入室した
若田さんのISS滞在時間は、この時点で11時間16分。
その間にISSは地球を7周半も周回していることになります。

今日のISSが通過した高度は僅か10°
しかもISSまでの距離が1122kmとかなり遠いため
肉眼ではほとんど見えませんでした。
公表されている光度は0.6等級…、しかし黄砂の影響も
あって双眼鏡で見てやっと確認できる程度でした。

3月19日の夕方もISS通過が見られます。
条件は19日の方が良いのでもう少し明るく見えることでしょう。
拡大撮影は黄砂の影響があるので、ちょっと無理かも…。
天気の様子を見てチャレンジしてみましょう。

タイタン土星面通過〈画像再処理〉

2009年03月16日 | 土星
3月12日に撮影したタイタン土星通過写真…

撮影時のホワイトバランスの設定が手動モードになっていたため、
こんな色になってしまい、さらに感度もご覧のようにオーバーぎみ…
しか~し、それを補正する処理をすればよみがえるはず…

ということで再度RegiStax4でスタック&色調整してみました。

ステライメージで画像復元とシャープ処理もしてみました。

さらに、傾きを直して…

なんとか見られるようになりました。

撮影時のファイルサイズが小さいのでこれ以上拡大は
できませんが、かろうじてタイタンの影が見えますね。

こちらはカッシーニの空隙が見えるように
かなり強調処理をかけた土星…

輪の両端に黒いくぼみのように見えるのが、カッシーニの空隙です。
この時は黄砂の影響が出ていましたが、今年の黄砂はどうなのでしょう?
年々、ひどくなっているような気がします…。

追記:
丑三つ時に3月12日21時46分の映像をRegiStaxしたところ
タイタンと影の両方が写っている土星が浮かび上がりました。

こちらもスタック&色調整→画像復元とシャープ処理をしています。

傾きを直して少し拡大したら…

ふひゃ~、ボケボケになってしまいました。

宇宙ゴミの恐怖

2009年03月15日 | 宇宙開発
スペースデブリによる衝突の危険性が深刻になっています。
以下3月14日付のTechnobarnサイエンスの記事…

「国際宇宙ステーション乗員緊急避難命令、その詳細が明らかに」
【Technobahn 2008/3/14 20:09】国際宇宙ステーション(ISS)で12日、スペースデブリが至近距離まで接近、衝突した場合に備えて乗員がISSにドッキングしているソユーズ宇宙船内に緊急避難するという事態が生じていた問題で、ISSとニアミスとなったスペースデブリの詳細が明らかとなった。

NASAによるとこのスペースデブリは「25090 PAM-D」というカタログ名のもので、米中部標準時で12日の午前になってから、午前11時39分にもISSと4.5キロの距離に最接近することが判明。急遽、ISSの乗員をソユーズ宇宙船内に待避させる事態となったとしている。

「25090 PAM-D」は大きさが5インチ(約12.7センチ)大のもので、仮にこの大きさの物体がISSと衝突を起こした場合、ISSのモジュールは破壊され、ISSの乗員はISSを放棄して地球に緊急帰還しなければならない事態になっていた。

「25090 PAM-D」は1993年に米空軍がGPS-3衛星を打上げるために用いたDeltaロケットの「ペイロードアシストモジュール(Payload Assistant Module-Delta class)」と呼ばれる部品で、10センチ台の構造物に1メートル程のケーブルが付属した形態をしており、質量は1キロ未満だとしている。

NASAによると「25090 PAM-D」は前日の段階では評価リスクは「低」だったが、12日になってから突然に評価リスクは「高」に変更となったことが判明。

 これまではこうした評価リスクが高いスペースデブリがISSに接近するコースに入った場合はISSの軌道を引き上げるなどの軌道修正を行うことで対処してきたが、今回の事例に関しては軌道修正を行う時間的余裕がなく、やもなく乗員をソユーズ宇宙船に待避させたと述べている。

 NASAによると、緊急避難勧告を受けた乗員3名は、スペースデブリがISSに最接近した午前11時39分の前後10分間に渡って、ソユーズ宇宙船に待避したとした上で、平素から乗員はこのような避難訓練を行っており、乗員の間には特に動揺はみられなかったとも述べている。

(管理人補足説明)
今回のスペースデブリは大きさが12センチもあったことから、もし、ぶつかっていれば10分でISSの空気が抜けたと言われている。

2月20日に宇宙で衝突したイリジウム衛星とコスモス2251の破片が広範囲に広がっているようです。

イリジウム衛星の破片は現在確認されている221個が高度582km~1262kmの軌道上を周回している。一方、コスモス衛星は455個の破片となって198km~1689kmの軌道上に散らばっている。コスモス衛星がなぜ広範囲に広がっているかは確認されていないが、衛星の一部に与圧部があったからだと考えられている。

散らばりの少ないイリジウム衛星は本体部分がかなり残った状態で飛行を続けているようです。破壊されたイリジウム33衛星の飛行を地上から撮影した映像が配信されています。動画→WEB
イリジウム衛星が2つ通過します。始めに通過する衛星が破壊されたイリジウム33。不規則にフラッシュしているのが分かります。後から通過する衛星が無傷のイリジウム28だそうです。

デブリの広がりを立体視することができる写真が公開されていました。

交差法または平行法で見ると立体に見えます。

コスモス衛星の破片の一部はISS軌道付近まで降りてきて
いるようですが、たいじょうぶなのでしょうか。
STS-119の打ち上げはいよいよ明日です。
日本初の長期滞在宇宙飛行士となる若田宇宙飛行士の
無事を祈っています! 頑張ってください!!

タイタン土星面通過

2009年03月12日 | 土星
3月12日はタイタンの土星面通過が見られる日…
天気予報では夕方から高気圧が仙台上空に来るはずだが…、

う~ん、晴れてはいますが、透明度はあまり良くありません。
土星面を通過するといっても、通過コースはかなり端です。
しかも時間は19時頃から21時頃まで…、その時間は
まだ、土星の高度が低いので撮影条件は良くありません。

屋根の上に土星が見えてきました。準備開始です。
極軸を合わせ、土星を導入して、ToUcamを取り付けて、
ノートパソコンの画面でピントあわせをして…、おや…
土星が写っていません。ゲインやコントラストやフレームレートを
変えてもさっぱりです。はて? ではとりあえず月面でピントを…

おや? 月面も写りません。なぜ? 時間だけが過ぎていきます。
キター!やっと写りました。おっと、まずいまずい、
時間はすでに9時をまわっています。設定は適当にして
とりあえず撮影です。

う~ん、タイタンは通過してしまったかな?

2009年3月12日21時14分 90秒露出 15fps

おっと、かすかに写っています。おわかりでしょうか?
左下にタイタンの影が見えています。タイタン本体は
確認できませんね。それにしても色が変です。

タイタンはすでに通過してしまったようなので
設定をじっくり行って、土星本体の撮影に集中しましょう。

気流は落ち着いてきましたが、透明度は相変わらずです。
10時30分頃まで撮影を続けるが、体が芯まで冷えてきたので
撮影終了! ふう、撮影の後は撤収です。

やっと終了しました。では、RegiStax4の登場です。
ファイルナンバー17の画像が良さそうです。
いまだによく分からない操作方法…、適当です。

2009年3月12日22時19分 120秒露出 20fps

土星のすぐそばにタイタンが見えます。輪の傾きはやや戻ってきた
ようですね。撮影の設定とRegiStax4の処理はさらに改善の余地ありです。
気流の良いときに再度チャレンジしてみましょう。

タンジェントアーク

2009年03月09日 | お天気
ブロロロ…、
ふ~む、小型プロペラ機の音です。
セスナが訓練飛行でもしているのでしょう。

ブロロロロロ…、
かなりの低空飛行です。急いで外に出て空を見上げると…
おお~!、なんだこれは~!

飛行機ではありません。
太陽が見たことのない暈をかぶっています。
太陽を目の中心とすると、上まつげと下まつげの
ところだけに、虹色のラインがあります。
アイライン?

とにかく撮影です。

ブロロロロロ…
またセスナ機がやってきました。

カシャ!

2009年3月9日 NIKON D50 72mm 1/4000 F7.1

う~ん、内暈に虹色の線がくっついているようです。

なんでしょう? で、調べてみました。

ふむふむ…、
これは「タンジェントアーク」と言うそうです。
内暈の上部に外接して光のラインが見えることから
上端接弧(じょうたんせっこ)とも言う。
「楽しい気象観察図鑑」武田康男(文・写真)より

こちらは下端タンジェントアーク(下端接弧)

なかなかきれいです…。


暈が楕円形の形になるのが特徴だそうです。

アポロ型特異小惑星2009DD45

2009年03月03日 | 隕石・小惑星
現在、直径35mほどの小惑星が地球のすぐそばを通過しています。

以下3月2日付のSpaceWeather.comのWhat's up in Spaceの記事…
「ASTEROID FLYBY:小惑星2009DD45が今日地球のすぐそばを通過します。
最接近する時刻は3月2日13:40(UT)日本時間22:40(JST)、距離は72,000km(0.00048AU)。この距離は静止衛星軌道の2倍という近距離です。35mという大きさは1908年シベリアに落下したツングースカ隕石→webとほぼ同じ大きさになりますが、今回は地球の表面をこそげ取るような衝突の危険性はありません。経験豊かなアマチュア天文学者はthis ephemeris→webを使うことで地球からこの小惑星を観測することができます。」

〈管理人補足説明〉
2009DD45はサイディング・スプリングスのスカイサーベイで2月27日に
南天とも座を撮影した画像上で発見された18等級の小惑星である。

今回は衝突の危険性はないが地球近傍をかすめる小惑星としては
非常に大きく、しかも最接近の距離が地球-月距離のわずか1/5という近さである。
そのため、1時間に25°という速さで空を駆け抜けていく。しかも接近時の
等級が11等級であるため小望遠鏡でも十分観測できる明るさである。

日本では22時頃から朝方まで観測できる好条件にある。
うみへび座→おとめ座→うしかい座→かんむり座と高速で移動する
小惑星は03:00(JST)現在うしかい座を通過中である。撮影を試みるため
待機していたが仙台の天気は曇り+雪…、残念ながら撮影はできない状態です。

すでにSpaceWeather.comに2009DD45通過の動画がUPされています。
from Albert Quijano Vodniza →movie
from Dave Herald →movie

Dave Herald さんの動画はリアルタイムなので小惑星が高速で移動している様子を
見ることができます。